著者
中尾 昭公 篠原 正彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.296-300, 1985
被引用文献数
1

ドンリュウラットと雑種成犬の多血小板血漿にエンドトキシンを添加し, 過塩素酸による血液前処理法を用いた合成基質法でエンドトキシンを測定し, 比較的良好な検量線を作成した. 次に雑種成犬に0.5, 5, 50, 500μg/kgのエンドトキシンを静脈内投与し, 投与後の血中エンドトキシンの変動を測定した. いずれの投与量の場合も投与後5分以内に投与エンドトキシンの99.8~99.9%が血中から除去され, 残りの0.1~0.2%のエンドトキシンが時間の経過とともに低下したが, 500μg/kg投与時には投与後3時間以後は低下傾向がほとんど認められず, 12時間後にも50~500pg/mlのエンドトキシンが血中に検出された.
著者
塚原 正彦 久見木 憲一 鹿島 諒子
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.194-199, 2009

This articl proves the making of Degital Commnicatin for developing Regional Cultular Resource. We set the future model of community museum of which all people is able to be curater or creater and share the information. For digital communications We plan the personnel development system for community curater which are starting at this project. We experimented the proof of it.
著者
吉田 洋 林 進 北原 正彦 藤園 藍
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.430, 2005

本研究は,山梨県富士北麓地域に生息するニホンザル(<i>Macaca fuscata</i>)1群を対象に,ラジオテレメトリーと,GPSテレメトリーから得られるデータの特性を把握することを目的とした.調査はまず,対象群のニホンザルメス2頭を箱罠で捕獲し,1頭にVHF発信器(ATS-8C, Advanced Telemetry System, USA),1頭にGPS発信器(Collar120, Televilt, Sweden)を装着して放逐した.ラジオテレメトリーは週3-4回,日中に実施し,GPS発信器は週4回,午後0時に測位するように設定した.今回用いたGPSの測位精度は,3Dで±15m以内(90%)である.調査は,2003年12月から2004年5月に実施した.<br>調査の結果,測位成功率はラジオテレメトリーが100%(n=66),GPSが77.2%(n=92,うち3D以上が50.0%,2Dが39.8%)であった.月毎にみると,GPSの測位成功率に大きな変動はないものの,3D以上の割合が4月から低下し,逆に2Dの割合が増加した.この結果は,落葉樹の開葉と,ニホンザルの耕作地および遊休農地の利用の減少からもたらされた可能性がある.さらに,固定カーネル法で行動圏面積(95%)とコアエリア面積(50%)を求めたところ,ラジオテレメトリーではそれぞれ13.1km<sup>2</sup>,2.8km<sup>2</sup>,GPSではそれぞれ17.6km<sup>2</sup>,2.2km<sup>2</sup>と,GPSで得たデータのほうが,行動圏面積は大きく,コアエリアの面積は小さく算出された.この結果から,ラジオテレメトリーでは測位が難しい場所でも,GPSでは測位できること,地形が急峻な場所では,GPSが測位し難いことが影響している可能性があるといえる.
著者
黒川 顕 戎崎 俊一 丸山 茂徳 原 正彦 クリーヴス ヘンダーソン 鎌形 洋一 磯崎 行雄 青野 真士
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-07-10

H29年度は立案した計画に基づき、以下の活動を実施した。1. キックオフWSの開催:H29年度から14課題からなる第二期の公募班が新たに領域に加わった。計画班と公募班との連携を強めるために、キックオフWSを開催した。2. 中規模WSの開催:領域全体での合同班会議を白馬八方文化会館にて開催した。3. Origin of Life 国際シンポジウムの開催:新学術領域研究「ゆらぎと構造の協奏」と合同で、化学進化および初期生命体に関する国際シンポジウムを開催した。4. 総括班会議を年6回開催した。会議後には計画班横断WSを開催し計画班間の連携を強めた。5. 地球生命アーカイブの開発:微生物統合データベースの開発ならびに東工大地球史資料館のデータベースの整理作業を継続した。また、領域の最先端研究内容をわかりやすく発信するために製作している映像ライブラリ「全地球史アトラス映像」をインターネットで配信できるよう、YouTubeチャンネルを開設した。さらに、「全地球史アトラス映像vol.3」を完成させた。6. 地域活性化イベント:中規模WSと同時に長野県白馬村役場にて教育講演会「白馬とカガクの奇跡episode2」を長野県教育委員会および白馬村の後援を受け開催し、最新の研究成果および白馬と生命起源との関係性に関する講演を行った。また、白馬高校(2017年10月19日)および大町岳陽高校(2017年12月21日)に出張講義を行った。また、大町岳陽高校では、理数科の生徒の課題研究に協力し、3つの班の課題を引き受け、共同研究を実施した。3班のうち1班の研究は、日本ゲノム微生物学会第12回年会にてポスター発表をした。
著者
北原 正彦
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.29-39, 1996-03-15 (Released:2017-08-10)
参考文献数
24
被引用文献数
3

A local adult population of the nymphalid butterfly, Brenthis daphne rabdia (Butler), was studied by the mark-release-recapture method in a grassland at the foot of Mt Kayagatake in central Japan, in June and July, 1985. The number of adults captured and marked during the study period was 36 for males and 22 for females. The average number of recaptures among each research day in all recaptured adults was l for males and 1.6 for females. The rate of recapture throughout the study period was 11.1% and 45.5% for males and females, respectively. The maximum longevity observed was 21 days for males and 19 days for females. The present results suggest that dispersibility was higher in males than in females, while females showed a tendency to be sedentary. The causes of the differences in the mobility and dispersal patterns between males and females are discussed in the light of the distribution patterns of larval hostplants and adult nectar plants, and the emergence site of females.
著者
北原 正彦 入來 正躬 清水 剛
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.253-264, 2001-09-30 (Released:2017-08-10)
参考文献数
24
被引用文献数
3

To examine the relationships between the northward distributional expansion of the great mormon butterfly, Papilio memnon Linnaeus, and climatic warming in Japan, we analyzed a data set on temperatures near the northern range limit of the species for the past ca 60 years from the year 1940 until 1998. Within the distributional range of the species in southwestern Japan in the year 2000, a significant increase in temperature (i.e., climatic warming) occurred and a significant increase in the latitude of the northern range margins was detected during the period analyzed. That is, the latitude of northern range margins in the species increased with the increasing mean temperature of the coldest month and annual mean temperature in southwestern Japan. Thus, it is suggested that climatic warming as a major external factor may have played an important role in its northward expansion. The averages of annual mean temperatures and mean temperatures of the coldest month near the northern range margins were 15.46℃ and 4.51℃, respectively. Our analysis also suggested that there were different types of northward range expansion patterns of the species. We discuss the patterns mainly from the point of external factors.
著者
宇野 元気 藤原 邦夫 植木 祥高 芝原 正彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.858, pp.17-00409-17-00409, 2018 (Released:2018-02-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Heterogeneous nucleation of droplets on a solid surface with and without nanostructures was investigated by the classical molecular dynamics simulations. The simulations investigated effects of the nanostructures on the condensation processes and the nucleation rates. The calculation system was consisted of the fluid molecules(Ar) and the solid atoms(Pt) which interact through the 12-6 Lennard Jones(LJ) potential function, and a liquid membrane existed in the vicinity of the upper solid surface at the initial condition. Then, we changed the temperature of the lower solid wall to a lower value, which enabled us to investigate the nucleation processes in the vicinity of the lower solid surface with and without the nanostructures under a constant pressure. The potential functions between the fluid molecules and solid atoms were also assumed to be the LJ form, and the energy scale parameter between fluid molecules and solid atoms was changed to simulate a hydrophobic surface. The results showed that clusters tend to be formed near the side walls of the nanostructures and grow between the nanostructures. It was also shown that the nucleation rate is influenced by morphology of the nanostructures; the nucleation rate increases with the increase of the height of the nanostructures and with the decrease of the spacing between the nanostructures. Furthermore, the results revealed that there is a positive correlation between the nucleation rate and the heat flux measured at the lower solid wall.
著者
永田 斉寿 飯塚 日向子 北原 正彦
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.153-165, 2006-12-15
被引用文献数
2

2004年4月から2005年11月まで,福島県いわき市の3地域において,トランセクト法によるチョウ類調査を行った.調査の結果,石森山では7科54種1348個体,水石山では8科49種1416個体,仏具山では8科56種1080個体のチョウ類が確認された.3地域全体では8科69種3844個体が確認された.この中で環境省(2000)のレッドリストの準絶滅危惧2種を確認できた.また,分布地域を北東方向に拡大しているツマグロヒョウモン,アオスジアゲハ,モンキアゲハ,ウラギンシジミ,ムラサキシジミなども確認された.3地域全体を込みにしたいわき市の優占種構成は,関東北部地域のそれと類似しており,両地域間で似たような群集構成を持っていることが示唆された.一方,3地域間の比較では,最大種数(56種)は仏具山で確認されたが,森林性スペシヤリストの種数は石森山で最大であった(11種).水石山は確認種数は最も少なかった(49種)が,3地域の中では,草原性種の平均密度が最も高く,森林性種のそれを上回っていた.以上の3地域間の群集構造の違いは,各々の地域の人為的撹乱度の違い,環境構造や植生の違いなどが主に影響しているものと考えられた.3地域の環境評価段階は各評価指数によって違いが認められたものの,3地域共に中自然〜多自然,もしくは二次段階から原始段階の中に収まることが分かり,調査した3地域は都市の近郊に位置しているものの,チョウ類群集にとっては比較的良好な生息環境が維持・提供されているものと判断された.
著者
西川 麻樹 原 正彦
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

マルチエージェントシステムとは要素内情報の分布が揺らぐ局所的相互作用システムである。 本報告ではこの揺らぎを極端に拡大し「揺らぎを測る基準」すら揺らぐような状況から基準や秩序が自己組織化する過程を研究した。 結果として脳と身体の関係のようなソフトな中央集権化体制や貨幣的な物々交換の尺度となるものが出現する。このようなシステムでの中央集権化と非効率性のトレードオフなどについて報告する。
著者
小林 隆人 北原 正彦
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.201-212, 2005-06-20

ゴマダラチョウとオオムラサキは同じ寄主植物を利用し, 寄主植物の根元で越冬するなど似たような生活環を持つチョウである.本研究では, これら2種について, 越冬幼虫の密度と様々な環境要素との関係を, 落葉広葉樹二次林(以下, 二次林)の断片化が進んでいる都市部と二次林が広く残存する都市郊外において調べた.オオムラサキの幼虫の密度は都市部よりも郊外において有意に高かったのに対し, ゴマダラチョウの幼虫の密度は郊外と都市部の間で有意な差がなかった.調査地と種を独立変数とした二元配置の分散分析の結果から, オオムラサキは都市化による二次林の減少に敏感であるのに対し, ゴマダラチョウはオオムラサキよりも二次林の減少への適応力が優れているなど, この2種は互いに異なる生活史戦略を持っていると思われた.寄主植物周囲の森林および二次林の面積とオオムラサキの幼虫の密度の間には都市と郊外の双方において正の相関が認められた.これに対し, ゴマダラチョウの幼虫の密度は木の周囲の森林や二次林の面積とは有意な相関がなかった.オオムラサキの幼虫の密度が周囲の二次林の面積の減少とともに低下したことには, 二次林面積の減少によって雌成虫による産みつけられる卵の密度が低下したこと, もしくは若齢あるいは中齢幼虫の死亡率が高くなったことが関係していると思われる.一方, ゴマダラチョウの幼虫の密度と周囲の二次林面積との間に有意な相関が見られなかった理由の一つは, 雌成虫が周囲の二次林面積に関係なく餌植物に産卵を行っていたことと思われる.この他に, 幼虫の死亡要因がオオムラサキと異なっていて, 死亡率が周囲の二次林面積に関連しないことも考えられる.本研究により, 両種が日本において地理的にはある程度共存するものの, 局所的には分布地域が異なる原因を明らかにするために有効な手掛かりが得られた.
著者
小林 隆人 北原 正彦
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.201-212, 2005
参考文献数
14

ゴマダラチョウとオオムラサキは同じ寄主植物を利用し, 寄主植物の根元で越冬するなど似たような生活環を持つチョウである.本研究では, これら2種について, 越冬幼虫の密度と様々な環境要素との関係を, 落葉広葉樹二次林(以下, 二次林)の断片化が進んでいる都市部と二次林が広く残存する都市郊外において調べた.オオムラサキの幼虫の密度は都市部よりも郊外において有意に高かったのに対し, ゴマダラチョウの幼虫の密度は郊外と都市部の間で有意な差がなかった.調査地と種を独立変数とした二元配置の分散分析の結果から, オオムラサキは都市化による二次林の減少に敏感であるのに対し, ゴマダラチョウはオオムラサキよりも二次林の減少への適応力が優れているなど, この2種は互いに異なる生活史戦略を持っていると思われた.寄主植物周囲の森林および二次林の面積とオオムラサキの幼虫の密度の間には都市と郊外の双方において正の相関が認められた.これに対し, ゴマダラチョウの幼虫の密度は木の周囲の森林や二次林の面積とは有意な相関がなかった.オオムラサキの幼虫の密度が周囲の二次林の面積の減少とともに低下したことには, 二次林面積の減少によって雌成虫による産みつけられる卵の密度が低下したこと, もしくは若齢あるいは中齢幼虫の死亡率が高くなったことが関係していると思われる.一方, ゴマダラチョウの幼虫の密度と周囲の二次林面積との間に有意な相関が見られなかった理由の一つは, 雌成虫が周囲の二次林面積に関係なく餌植物に産卵を行っていたことと思われる.この他に, 幼虫の死亡要因がオオムラサキと異なっていて, 死亡率が周囲の二次林面積に関連しないことも考えられる.本研究により, 両種が日本において地理的にはある程度共存するものの, 局所的には分布地域が異なる原因を明らかにするために有効な手掛かりが得られた.
著者
小林 隆人 北原 正彦 中静 透
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.152-160, 2009-03-30

オオムラサキの個体群を保全する目的で餌植物の植林を行う際の効果的な植林方法を明らかにするため,本種の保護を目的としてクヌギとエノキが交互に列状に植林された場所とその周囲の天然林で,エノキとクヌギの密度・大きさ,オオムラサキ幼虫の木当たり密度を調べた.植林区林内では枯死したエノキがある程度見られたが,クヌギの枯死は見られなかった.植林区のエノキのdbh(胸高直径)は周囲の天然林のエノキよりも有意に小さかった.しかし,植林区の林縁のエノキに限っては,dbhは林内のエノキよりも大きく,周囲の天然林のエノキと差がなかった.周囲の天然林においても,林縁のエノキのdbhは林内のエノキよりも大きかった.植林区のエノキにおける木当たり幼虫数は天然林よりも有意に少なかった.植林区でも周囲の天然林でも木当たり幼虫数は林内よりも林縁で有意に多かった.ただし,植林区の林縁のエノキにおける木当たり幼虫数は天然林の木当たり幼虫数と有意に異ならなかった.本種を保護するには植林予定地の内部にクヌギを,林縁にエノキを植えるべきである.