著者
根路銘 安仁 西 順一郎 藤山 りか 武井 修治 吉永 正夫 河野 嘉文
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.967-974, 2004
被引用文献数
7

風疹の局地的流行は現在も続いており, 先天性風疹症候群 (CRS) の報告も増加しているが, 播した院内感染を経験した. 2003年3月から4月に計15名の院内感染者を認め, 院内感染対策として全病院関係者259名に風疹抗体検査 (赤血球凝集阻止反応;HI法) を病院全額負担で説明を行い, 同意を得て検査した. 発症者と拒否者2名を除いた251名が検査を受け, 感受性者が67名みられた. 発症者を除いた53名に風疹ワクチンを病院半額補助で勧奨接種した. その後速やかに終息し, 職員から患者への伝播は無かった. 発症者15名のうち9名は, 感染前の調査では, 既往歴または予防接種歴があると答えており問診だけでは信頼性に乏しいと考えられた. 感受性者・発症者は高年女性, 男性に多く, 全年齢層に対策が必要と考えられた. 抗体検査, ワクチン費用補助で約20万円を要した. 発症者の欠勤日数は平均6日, 平均賃金は約12,000円で, 今回の院内感染で総額約140万円が病院の損失になった. 女性の多い職場である病院では妊娠に伴う問題があり, 予防接種の時期やCRSの危険性等, 風疹感染対策は重要であると考えられる. 風疹の病院職員における流行は, 発症者の賃金の損失だけでなく病院運営に支障をきたし収入面での損失の可能性もあり, 事前の風疹感染対策は経営上充分に投資効果があると考えられる.
著者
吉永 正夫
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.443-446, 2001-07-25 (Released:2010-09-09)
参考文献数
7

学校心臓検診で抽出されるQT延長児のほとんどが非家族性である.溺水ニアミス例のなかには非家族性のものも含まれている.非家族性のQT延長児の運動, 特に水泳処方を検討するため, 顔面冷水浸水負荷試験を行い, QT/HR関係とQTdispersionを検討した.definite LQTS症例は, 冷水負荷中異常なQT延長を認め, QT/HR関係一次式の傾きは健常児と著明な差を認めた, 健常児の冷水負荷中のQT dispersionは心拍数に関係なくほぼ一定であった.definite LQTS患児13例のうち11例に異常なQT dispersionの増大を認めた.症状のあった例はすべてQT dispersionの増大を示していた.

1 0 0 0 OA QT延長症候群

著者
吉永 正夫
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.158-162, 2010 (Released:2011-12-20)
参考文献数
11