著者
山口 喬弘 荒船 龍彦 佐久間 一郎 大内 克洋 柴田 仁太郎 本荘 晴朗 神谷 香一郎 児玉 逸雄
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.43-49, 2005

In heart failure, QT interval and action potential duration (APD) is prolonged and <i>I</i><sub>Ks</sub>, a slow component of delayed rectifier potassium current, decreases. We have reported that the KCNE1 gene, coding <i>I</i><sub>Ks</sub> channel, increases and QT interval is prolonged in patients with heart failure. Since it is known that increasing KCNE1 increases the maximum conductance of the <i>I</i><sub>Ks</sub> channel, the mechanism of APD prolongation is not explained by the over expression of KCNE1. In this study, we construct a cardiac membrane action potential simulation model based on the experimental data from oocytes expression to investigate the relationship between the increase of KCNE1 and APD. In the experiment of oocyte expression, 1 ng and 5 ng of KCNE1 were co-injected with 5 ng of KCNQ1. Expressed currents were recorded 1-2 days after injection by the double-microelectrode voltage clamp method at 35 degrees centigrade. Maximum <i>I</i><sub>Ks</sub> conductance and relationships between time constants, maximum activation parameter and membrane potential were obtained from fitting functions describing <i>I</i><sub>Ks</sub> channel properties in the Luo-Rudy model to experimental results with the Nelder-Mead simplex method. In simulations, APD was prolonged by increasing the co-injected amount of KCNE1. APD at 5 ng KCNE1 was 183 ms, which is 3.4% longer than that at 1 ng KCNE1 (APD=177 ms). This study shows that increasing the KCNE1 expression level makes maximum <i>I</i><sub>Ks</sub> conductance increase and <i>I</i><sub>Ks</sub> channel open slowly and <i>I</i><sub>Ks</sub> conductance decrease according to the APD time scale. Therefore increasing the KCNE1 expression level may prolong APD with this mechanism. This method of constructing a simulation model based on experiments helps to explain the relationship between KCNE1 expression ratio and QT interval prolongation.
著者
児玉 逸雄
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.17, no.Suppl1, pp.89-91, 1997-03-25 (Released:2010-09-09)
参考文献数
8
著者
網野 真理 吉岡 公一郎 鈴木 陽介 上村 春良 福嶋 友一 櫻井 馨士 守田 誠司 大塚 洋幸 中川 儀英 山本 五十年 児玉 逸雄 猪口 貞樹 田邉 晃久
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.SUPPL.3, pp.S3_138-S3_138, 2009 (Released:2015-01-23)

本邦においては硫化水素による自殺者が2008年の1年間のみで1,007人にものぼり社会的に深刻な問題になっている. 今回われわれは, 重篤な意識障害と呼吸不全に心筋障害を合併した硫化水素中毒患者の救命に成功し, 心筋障害の回復過程を心臓核医学検査により評価し得たので報告する. 症例は32歳, 男性. 自ら硫化水素を発生させて吸入自殺を図り, 救急車で当院救命センターに搬送された. 来院時の身体所見では, 除脳硬直肢位, 口唇のラベンダーブルー斑, 腐卵臭を呈し, 両側肺野では湿性ラ音が聴取された. 硫化水素中毒に伴う意識障害, 呼吸不全, 肺炎, 横紋筋融解症と診断し, 人工呼吸器管理, 高濃度酸素投与にて集中治療室へ入院. 第2病日には肺炎による敗血症性ショックを発症, 第3病日には横紋筋融解症の進行と心筋障害の新規出現が認められた. さらに第5病日には心原性ショック, 肺水腫が出現したが, 第7病日には人工呼吸器からの離脱に成功した. 第14病日は心筋血流イメージとして99mTc-tetrofosmin (TF), 心筋脂肪酸代謝イメージとして123I-BMIPP, 心臓交感神経イメージとして123I-MIBGを施行可能であった. TF, BMIPPでは前壁の一部, 下壁~後壁における集積低下が認められ, MIBGでは高度交感神経障害が示唆された. 同時期に施行した冠動脈CTにおいて冠動脈の有意狭窄はなかった. 心筋障害に対する内服加療としてカルベジロールおよびエナラプリルを投与し, 第38病日に退院となった. 受傷6カ月後の心電図および心臓超音波検査では, 左室壁運動は正常化し心臓核医学検査ではTF, BMIPPにおける前壁, 下壁~後壁の集積低下は改善した. MIBGにおいては, wash out rateは改善した. 以上の臨床経過から, 内因性の急性心筋梗塞, たこつぼ心筋症, 急性心筋炎の可能性は低く, 硫化水素による心筋障害と考えられた. 本症例は重篤な硫化水素中毒からの急性期離脱後, およそ6カ月の経過を経て心筋障害の改善傾向を示した貴重な症例である.
著者
本荘 晴朗 神谷 香一郎 佐久間 一郎 児玉 逸雄 山崎 正俊 荒船 龍彦
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

多階層生物現象である心臓興奮伝播を高分解能光学マッピングを用いて定量的に解析し、そのダイナミクスが心筋イオンチャネル機能と細胞間電気結合および組織構築の相互作用により規定されることを示した。また、旋回性興奮(スパイラル・リエントリー)では興奮波の形状が興奮伝播を規定する重要な要因であることが明らかにした。スパイラル・リエントリーは細動や頻拍など頻脈性不整脈の基本メカニズムであり、旋回中心の不安定化が細動や頻拍の停止を促す不整脈治療戦略となることが示された。
著者
井上 宣子 大草 知子 名尾 朋子 李 鍾国 松本 奉 久松 裕二 佐藤 孝志 矢野 雅文 安井 健二 児玉 逸雄 松崎 益徳
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.109-115, 2005-08-31
被引用文献数
2

心筋細胞間のギャップ結合の発現・分布はコネキシン蛋白の半減期が短いことにより様々な病態において直ちに変化しうる.高頻度電気刺激(RES)によるギャップ結合リモデリングへの効果はいまだ明らかにされていない.培養5日目のラット心室筋細胞に120分間3HzのRESを負荷した.RESによりCx43蛋白質および遺伝子発現量は60分後には有意に増加した.免疫染色においても同様の結果であった.心筋細胞中のangiotensin II (AngII)は15分後に約2倍に上昇した.MAPK系のリン酸化型ERKは2峰性に5分と60分で, またリン酸化型JNKも15分と60分で著明に活性化された.リン酸化型p38 MAPKは5分後に1峰性に活性化された.細胞外電位記録法により心筋細胞の興奮伝播特性の変化を解析したところ, RESにより伝導速度は有意に増加した.これらの変化はlosartanにより抑制された.RESによるCx43の発現増加はまたERK, p38の特異的阻害剤にても抑制された.RESは, 早期より心筋細胞内のAng II産生を増加し, MAPK系を活性化することによりCx43発現量を増加させた.その結果, 細胞間の刺激伝播異常を引き起こし, 不整脈基質の一つとなる可能性が示された.
著者
佐久間 一郎 児玉 逸雄 本荘 晴朗
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,計測は1台の高速度カメラで行い,撮影フレームごとにVm用/Ca2+用2種の光学フィルタを高速で切り替えて2つの信号を同時に取得するシステムを開発した.標本からの計測光は複数枚のレンズを組み合わせた光学レンズ系によってフィルタ位置で絞られ,撮影素子に復元する.本システムによりウサギ摘出心を用いて同時計測を行い,ペーシング時の活動電位波形,Ca2+動態を観察に成功した.また当初の基礎的検討では1台カメラ・フィルタ回転同期システムの光学機構設計に難航したため,平行して2台カメラとダイクロイックミラーを組み合わせた従来手法を改良し,Mutual Informationを用いて膜電位変化とCa動態を精緻に画像位置補正する装置も開発した.