- 著者
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松石 昌典
加藤 綾子
石毛 教子
堀 剛久
石田 雄祐
金子 紗千
竹之中 優典
宮村 陽子
岩田 琢磨
沖谷 明紘
- 出版者
- Japanese Society of Animal Science
- 雑誌
- 日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
- 巻号頁・発行日
- vol.76, no.4, pp.423-430, 2005-11-25
- 被引用文献数
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名古屋コーチン肉を特徴づけているおいしさの要因を明らかにするため,ブロイラーと合鴨肉を比較対象として,官能評価と遊離アミノ酸などの分析を行い,以下の結果を得た.名古屋コーチンとブロイラーの加熱もも肉の2点嗜好試験では,味は両者間で差はなかったが,香り,食感および総合評価で前者が有意に好ましいと判定された.両者の2点識別試験では,うま味の強さは両者間で差がなかったが,品種特異臭と推定される名古屋コーチン臭と硬さが名古屋コーチンが有意に上位にあると判定された.両鶏のもも肉から調製したスープの2点識別試験では,うま味の強度はブロイラーが強い傾向にあった.コク味はブロイラーが有意に強かった.両スープにおける遊離アミノ酸の総モル数はブロイラーが多い傾向にあり,グリシン,ヒドロキシプロリン,セリン,アスパラギン,β-アラニン,アラニンおよびプロリンはブロイラーが有意に多かった.その他のアミノ酸は有意差がなかったが,ブロイラーが多い傾向にあった.名古屋コーチン加熱もも肉と合鴨加熱むね肉の2点識別試験では,うま味強度は名古屋コーチンが大きい傾向にあった.合鴨臭と硬さは合鴨が有意に上位にあると判定された.重量比でブロイラーもも挽肉8に合鴨むね挽肉2を混合したパティは,名古屋コーチンもも挽肉パティとは香りを根拠にした3点識別試験で識別できなかった.以上の結果より,名古屋コーチンと合鴨を特徴づけているおいしさの要因は,味ではなく,両者の互いに類似した特有香と豊かな噛みごたえであり,ブロイラーはうま味とコク味の強いスープを与える特性を有していると結論された.