著者
天野 秀雄 榊 信広 竹内 憲 野村 幸治 多田 正弘 岡崎 幸紀 斉藤 満 飯田 洋三 沖田 極 竹本 忠良
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.22, no.10, pp.1346-1350_1, 1980

新拡大内視鏡分類にもとずいて,胃粘膜表面にみられる胃小区よりもさらに細かい模様像である胃粘膜微細模様を観察し,胃局在病変の微細形態を検討した.新拡大内視鏡分類を用いるにあたって,今回は局在病変部の粘膜微細模様を正確に表現するために,さらに細かく分類し,CおよびDについて,C<SUB>1</SUB>(整),C<SUB>2</SUB>(粗大),C<SUB>3</SUB>(不整),D<SUB>1</SUB>(整),D<SUB>2</SUB>(軽度不整),D<SUB>3</SUB>(高度不整)の亜分類をもうけた. 一般に,過形成性ポリープはBCCD.異型上皮巣(ATP)はC<SUB>3</SUB>.隆起性胃癌はC<SUB>3</SUB>をとることが多く,一方陥凹性胃癌ではD<SUB>3</SUB>,胃潰瘍は病期により異なるが,CD D<SUB>1</SUB>D<SUB>2</SUB>をとることが多かった.潰瘍の病態との関係では,難治性胃潰瘍では,Dをしめすことが多い.
著者
安永 満 松田 彰史 村田 誠 荻野 昌昭 門 祐二 新開 泰司 名和田 浩 半田 哲郎 野田 健一 福本 陽平 沖田 極 竹本 忠良
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.493-499, 1985-04-25 (Released:2010-01-19)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

アセトアミノフェンの大量服用により,急性肝障害の発症をみることは,よく知られた事実である.最近,教室では,少量のアセトアミノフェンの服用にもかかわらず,重症肝障害を生じた2例を経験したので報告した.患者は38歳の男性と31歳の女性である.アセトアミノフェン服用量は,それぞれ,3.7gと6.4gで,いずれも嘔吐,腹痛,全身倦怠感を訴えて入院した.本剤服用時,前者はアルコールを摂取し,後者は絶食状態であった.検査上,前者は著明な血清トランスアミナーゼの上昇,軽度の黄疸を認め,心内膜炎,腎障害,急性膵炎を併発し,肝組織では小葉内に巣状壊死が散在し,中心静脈周囲にも壊死が認められた.後者でも重篤な肝障害と血小板減少がみられ,肝組織像はbridging necrosisを示していた.アルコール摂取と絶食のために,少量のアセトアミノフェン服用にもかかわらず,予想以上に肝障害が重症化したと考えられ,本剤の使用にあたり,注意が必要である.
著者
沖田 極
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.102, no.5, pp.537-543, 2005 (Released:2005-06-14)
参考文献数
23

臨床医である以上,死亡率の高い難病にチャレンジし有効な治療法を開発し救命率の改善に寄与したいという強い願望を持つのは当然である.私自身は若い劇症肝炎患者を救命できなかったことが,その後25年に及ぶ肝再生療法開発に走らせたといえる.2004年度DDW-Japanの際の第46回日本消化器病学会大会の会長講演で,その一端を“再生医学を巡る私の温故創新”というタイトルでお話する機会を与えられた.今回,日本消化器病学会誌編集委員会から総説としてまとめるようにとの指示であるが,若い消化器病研究者の参考となればと思い執筆することにした.
著者
山下 智省 鈴木 千衣子 谷川 幸治 坂井田 功 沖田 極
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.636-644, 1999-12-25 (Released:2010-02-22)
参考文献数
20
被引用文献数
6 6

肝硬変患者におけるグルコース利用能を評価する目的でグルコースを経口的あるいは経静脈的に投与した後のグルコース利用率と非蛋白呼吸商を間接カロリーメーターを用いて計測した. 経口的, 経静脈的投与のいずれにおいても対照に比し肝硬変患者ではグルコースの利用が遅延する傾向を認めた. 肝硬変患者を代償期群と非代償期群とに, あるいはChild分類別に分けた比較では肝硬変がより進展した群においてグルコース利用能は亢進していた. 経口的投与後のグルコース利用率はbody mass indexとの間に有意な負の相関を, クレアチニン身長係数比との間に有意な正の相関を認めたが, 血中アルブミン, コレステロール, プロトロンビン時間およびアンモニアとの間には相関を認めなかった. 肝硬変患者では進行例においても遅延しながらもグルコース利用能は亢進しており, このことは末梢組織でのグルコース利用の亢進を反映していると考えられる.
著者
江藤 敏治 弘野 修一 永田 賢治 加藤 順也 堀 剛 井戸 章雄 林 克裕 坪内 博仁 小野寺 誠 阿部 弘一 宮坂 昭生 川上 格 佐藤 彰宏 坂下 佳子 岩井 正勝 遠藤 龍人 滝川 康裕 鈴木 一幸 佐藤 俊一 鈴木 千衣子 内田 耕一 弘中 孝治 萱野 幸三 増原 昌明 坂井 田功 沖田 極 関山 和彦 井上 和明 与芝 真 半田 宏一 樋口 大介 井上 和明 関山 和彦 与芝 真 松原 寛 道堯浩 二郎 山内 雄介 井内 英人 長谷 部昌 山本 和寿 井上 愛 堀池 典生 恩地 森一 中西 崇 東俊 宏 狩山 和也 山野 智子 辻 孝夫 川口 光彦 糸島 達也 品川 克至 乾 あやの 小松 陽樹 松本 浩 茂木 陽 宮川 芳宏 藤沢 知雄 上本 伸二 猪股 裕紀洋 田中 紘一 平松 活志 橋本 悦子 谷合 麻紀子 野口 三四朗 長谷 川潔 林 直諒 次田 正 高崎 健 中島 一朗 渕之上 昌平 古川 博之 岸田 明博 大村 孝志 松下 通明 藤堂 省 藤田 美悧 清水 道夫 橋倉 泰彦 三田 篤義 窪田 達也 三輪 史郎 池上 俊彦 寺田 克 宮川 眞一 川崎 誠治 君川 正昭 渕之上 昌平 春口 洋昭 唐仁原 全 中島 一朗 阿岸 鉄三 白髪 宏司 伊藤 克己 高崎 健 橋本 悦子 林 直諒 田中 紘一 上本 伸二 猪股 裕紀洋 阿曽沼 克弘 江川 裕人 藤田 士朗 木内 哲也 林道 廣 田中 紘一 石井 邦英 古賀 郁利子 神代 龍吉 草場 信秀 佐田 通夫 坂本 照夫 加来 信雄 森岡 千恵 菊池 英亮 松尾 英城 中谷 吉宏 豊川 泰勲 富永 謙太郎 山尾 純一 福井 博 福田 邦明 安部井 誠人 遠藤 憲一 本橋 歩 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見 古坂 明弘 高橋 正明 平本 淳 白浜 圭吾 永山 和男 田中 照二 Yusufu Youlutuz 松井 淳 持田 智 藤原 研司 小畑 達郎 中島 千種 岡山 昌弘 大野 研而 宮下 智之 田村 明彦 絵野 沢伸 鈴木 盛一 雨宮 浩 青木 達哉 小柳 泰久 山際 健太郎 川原田 嘉文 八木 真太郎 飯田 拓 横井 一 垣内 雅彦 足立 幸彦 飯田 拓 田端 正己 町支 秀樹 横井 一 川原 田嘉文 東口 高志 今井 俊積
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-198, 1999
著者
西野 友紀 西川 潤 佐竹 真明 松本 俊彦 赤司 景子 木藤 朋子 中村 弘毅 沖田 極
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.69-74, 2005-06-30
被引用文献数
1

プロトポンプ阻害薬(PPI)を一定期間投与しても治癒しない潰瘍の存在が明らかになり, 注目され始めている.H_2受容体拮抗薬(H_2-RA)の静注により, 一旦止血したにもかかわらず, PPIの内服薬を開始後に再出血を来たした出血性胃潰瘍の2例を経験した.症例1では, H. pylori陽性で胃潰瘍の再発を繰り返したために胃角が著明に短縮しており, また再発性十二指腸潰瘍による幽門輪の変形も認めていた.症例2では, 幽門狭窄を来たしており, 再出血時の緊急内視鏡検査時には内服中のオメプラゾールが錠剤のまま胃内で確認された.幽門狭窄は進行性に強くなり, 最終的には胃癌の確定診断がついた.これらの2例は, 胃排出能が低下していたことにより, 胃内で長く酸性環境下に曝露されたPPIの吸収低下が起こり, 十分な胃酸分泌抑制は得られず, 再出血を来たしたと考えられた.このような胃排出能低下によるPPIの吸収不良がある場合は, H_2-RAへの変更や胃運動改善薬の併用などが効果的であり, 本2症例でもH_2-RAの内服薬へ変更したところ, コントロール良好となった.小弯の著明な短縮や幽門狭窄などで胃排出能が低下している場合, PPI内服薬の効果が十分に得られないことがあるので注意を要すると考えられた.