著者
伊藤 雅浩 佐川 雄二 大西 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.87-92, 1996-02-29
参考文献数
11

入力単語をその出現順序にしたがって逐次処理を行なうオンライン言語処理モデルにおける、自己修復(言い直し)文の解析手法を提案する。対話をオンラインに処理することは、処理効率や認知学的見地から見ても有効であるが、自己修復のように話者自身が直前の発話を翻す発話を行なっている場合に問題が生ずる。本手法では名詞句、格、動詞句を扱う3つのバッファを用意し、それら3つの相互作用によって解釈を進める。そして、それぞれのバッファ独自の方法で自己修復をオンラインに検出し訂正する。試行的にインプリメントした結果、コーパス中の自己修復文の約80%について自己修復を正しく検出、訂正した。
著者
渡辺 将充 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.435, pp.53-58, 2009-02-13
被引用文献数
1

本稿では,視覚障害者のためのタッチパネル利用を可能にするシステムを目指し,システムの課題と解決策について述べる.本システムでは,タッチパネルと非接触の状態のユーザの指を,操作対象のキーへ,聴覚フィードバックにより誘導する.この際の誘導法について検討する.キー位置の提示法について,指に対するキーの方向・距離提示による方法と,キーと指の絶対位置提示による方法を提案する.方向の提示音は,言語音と非言音の2通りで.方向の提示法は,1次元的方向提示と2次元的方向提示とである.各誘導法について,アイマスクを装着した晴眼者8名による比較実験を行った.結果から,言語音が誘導に適していることが示された.また,指移動時の被験者による偏向の違い,キーの絶対位置の提示の有効性が示唆された.
著者
大西 昇
出版者
東京工芸大学
雑誌
東京工芸大学工学部紀要. 人文・社会編 (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.61-75, 2001

For the people in the ancient Japan,nature herself was not God,but some natural products were their gods. Natural products had not their creator; they were not the creator and yet not creatures. They were matter and or non-matter. Therefore gods of the ancient Japanese were matter and or non-matter. And yet they were not gods of the Animism.
著者
楊 広宇 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.473, pp.151-156, 2013-03-04

本研究はカメラで撮影した文書画像中の湾曲・射影歪を除去することにより文字情報を取得する手法を提案する.提案手法では,画像から文字候補を取得後,文字候補間の重複関係により行ごとに組み分け,4次多項式を用いてテキストラインの湾曲を近似する.そして,文書左右エッジを使って推定した複比と消失点により縦方向を推定し,画像をグリッドに分割する.その後,各グリッドの射影変換行列を計算することにより補正を行う.実際に撮影した文書画像50枚(英語文書画像:30枚,日本語/中国語文書画像:20枚)を用いた実験により,提案手法の有効性を確認した.
著者
森下 諒一 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇 石崎 隆志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.467, pp.15-20, 2010-03-05
参考文献数
5
被引用文献数
2

本研究は,屋外で鳴らされる緊急自動車(救急車,消防車,パトカー)のサイレン音を検出し,その情報をドライバーに提示することによる安全運転支援,緊急自動車の円滑な走行支援を目的としている.また,従来研究での課題である,高雑音環境下での検出性能の向上を目指す.サイレン音の検出方法は,サイレン音のスペクトルが倍音構造をとるという特徴を用いた基本周波数推定処理,過去数フレームで推定した基本周波数からどのサイレン音が鳴っているか判定するサイレン音識別処理の2つからなる.ホワイトノイズと実際に録音した交通雑音を付加したサイレン音を用いた評価実験から,SN比0dBの雑音環境において,サイレン音の基本周波数を正しく推定し,サイレン音の識別が正しく行われることを示した.
著者
深谷 亮 山村 毅 工藤 博章 松本 哲也 竹内 義則 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.661-672, 2004-02-01
被引用文献数
16

本研究では,他人の文章を真似して作成された文章を発見するための文章間類似度の計算法を提案する.真似した文章の多くは,もとの文章に含まれる文と類似した文から構成され,類義語・同義語へ言い換えることなどにより表層的な表現を変化させる.そこで,本手法では各文章を構成される文単位で照合し,表層的な表現の変化に対応するため単語の頻度と概念辞書を用いる.本手法による類似度により,同一テーマで記述された文章と真似して書かれた文章とを明確に区別することができることを示す.
著者
黄 捷 大西 昇 杉江 昇
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.29-38, 1991-02-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
3 4

A method for multiple sound source localization is presented. It is based on the properties of the onsets of sound as the primary cue: (1) most of the onsets will be contributed by only one source. (2) the onsets will be contributed only by the direct sound. Histograms of temporal disparities for several frequency components and its integrated one are calculated to determine the correct temporal disparities. Experiments were carried out in an anechoic chamber and an echoic chamber. The recorded speeches were used as two sound sources. We could localize the two concurrent sound sourcess with reasonable accuracy.
著者
工藤 博章 山田 光穗 大西 昇
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.169-175, 2017-01-01 (Released:2017-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

近年,高精細画像を利用する機会がますます増加し,今後もより高精細化した映像の普及が見込まれている.高精細な映像を用いると,単位視角当りの画素数を保つことで,提示領域の拡大が実現でき臨場感が高まるといわれている.一方,単位視角当りの画素数の増加を実現することもでき,これは現実感の向上につながるといわれている.また,眼球運動の測定装置は,研究機器だけとしてでなく,PC やタブレット端末のインタフェース機器として使われるようにもなってきており,身近になっている.ここでは,今後,精細化画像の一層の普及とともに,立体映像についても精細化の進展,また映像の制御技術の発展を想定し,立体映像の知覚に関して行った心理実験での眼球運動の測定例について報告する.立体映像の提示方法において,知覚上重要となる,奥行きの違いで生じる遮蔽(オクルージョン)領域について着目した.
著者
川口 弘哲 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.12, pp.2180-2181, 2010-12-01
参考文献数
2

We aim to discover the factors of an unpleasant sound by processing the sound in the frequency domain. The processed sounds have the same amplitude envelope as an unpleasant sound, and consist of only one or two peak frequencies of the original unpleasant sound. Using these sounds, we attempt to specify a frequency band relating to unpleasantness. As a result, the sound with two pair of peak frequencies tends to make subjects feel unpleasant compared with one peak, and subjects feel unpleasant by the sounds having peaks in 2kHz and 9kHz around. Next, we investigate whether the sound becomes unpleasant by adding the amplitude envelope of unpleasant sounds. The result shows that addition of the envelope makes subjects feel unpleasant compared with the carrier alone.
著者
鎌田泰毅 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西昇
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2012-CVIM-181, no.16, pp.1-8, 2012-03-08

卓球競技では,ボールの回転はボールの軌道やボールのインパクト後の反射角に大きな影響を与えるため,非常に重要な要素である.そこで我々は,卓球ボールの回転軸・回転数を自動で定量的に評価することを目的とし,高速度カメラ画像を入力とした回転推定システムを考案する.提案したシステムは,ボールの検出モジュールと回転推定モジュールの2つに大きく分けられる.ボールの検出モジュールでは,ソーベルフィルタを利用して得られたエッジ点に対して,円に対するHough変換を利用することで,ボールの候補となり得るエッジ点を探索する.その後,探索された円内の輝度値や中心点座標の軌跡情報を利用して,ボール候補の絞り込み検出を行う.回転推定モジュールは,ICPアルゴリズムを利用して隣接フレーム間の対応点を探索し,変換座標を特異値分解を利用して導出する.3DCGアニメーションに対して実験を行い,本システムの精度を測定した.回転軸の精度は平均誤差が約3°であり,選手に提示するのに十分な精度であった.回転数の精度は平均誤差が約6%であり,目視で計測したときの誤差3%には及ばなかった.練習を対象とした実測実験では,回転数の精度は誤差約6%であった.
著者
後藤 玲子 工藤 博章 佐藤 耕平 堀田 典生 石田 浩司 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.500, pp.1-5, 2004-12-10
参考文献数
6

大画面ディスプレイで映像を楽しむ機会が増えているが,映像の動きにより酔いや不快感をおぼえる可能性がある.本研究では,映像が人体に与える影響を明らかにすることを目的として,ジェットコースター搭載カメラの映像を被験者に再生速度を変えて提示した時の生体反応を検討した.映像観察時における被験者の心拍,血圧,呼吸数,呼吸量を計測し,再生速度とこれらの指標の変化との間の関係について処理した結果,心拍数で再生速度との相関関係が見られ,運動が単純なシーンでは4倍速,激しいシーンでは標準速と2倍遠の反応が大きくなることが確認できた.また,呼吸については,再生速度と潜時の間に関係があることを示唆する結果を得た.
著者
大西 昇
出版者
東京工芸大学
雑誌
東京工芸大学工学部紀要. 人文・社会編 (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.40-48, 1998-01-31
著者
安藤 真也 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.709, pp.1-8, 2002-03-07
被引用文献数
5

この論文では,聴覚障害者のために環境音の中から警告音を識別し使用者に伝えるシステムについて述べる.音源識別処理の概要は次のようである.まず入力音に対し短時間FFTを行うことにより周波数情報に変換し,それを固有空間へ投影することにより特徴抽出を行う.そして,特徴抽出された入力音のオンセットからオフセットまでのデータ,それが3秒以上の時はオンセットから3秒間のデータに対し,隠れマルコフモデルを用いることにより入力音の識別を行い,識別結果を画面出力することにより使用者に伝える.以上の識別処理を計算機に実装し,6種類の警告音(サイレン,非常ベル,警笛,踏切,クラクション,救急車)を識別対象音源として実験を行ったところ,一10dBの雑音環境においても94%の識別率を得ることができた.
著者
平岩 裕康 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 劉 詠梅 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.710, pp.195-202, 2002-03-07
参考文献数
14

本報告では,ノートPCとCCDカメラを利用して,視覚障害者が周囲環境を理解するのを支援するシステムを提案する.視覚障害者が周囲環境を理解する上で必要な情報として,本研究では文字情報を扱うこととした.本手法は,ノートPCに取り付けたカメラから静止画像を撮影し,文字および文字列の有する一般的特徴を利用することにより,文字領域を画像内から抽出する.次に,抽出した画像をOCRに入力することによって音声化し,視覚障害者に画像内にある文字情報を伝える.実環境で撮影した400枚の画像に対して実験を行ったところ,全文字列の67.9%が完全に抽出された.また,25.7%の文字列は一部欠けていたが,文字認識されたときに,人間の知識で補うことができる程度の欠落であった.さらに,地下鉄の駅構内においてフィールド実験を行い,有効な情報が提供できることを確認した.
著者
松井 健太郎 平野 一視 田中 敏光 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.595, pp.15-22, 1998-03-12
被引用文献数
10 4

サッカー中継の状況理解の支援と臨場感向上を目的として, プレイ中の選手, 及び任意の視点から見たシーンを動画像で生成するシステムを開発した.まず, カメラキャリブレーションの理論に基づき, 位置, 姿勢が未知のカメラで撮影された画像の座標系からワールド座標系への変換式を求める.そのために, グラウンド上のライン, ゴールバー, ポストを抽出し, 直線近似されたラインの交点を参照点として変換パラメータを計算する.次に, テンプレートマッチングにより選手, ボールを追跡し, 変換式を用いてグラウンド上, 即ちワールド座標系での位置を計算する.最後に, 選手座標系列を曲線運動に近似し適当な運動動作を当てはめ, オペレータが指定した選手, 及び任意視点から見た適当な方向のシーンの動画像を生成する.本システムは, TV放送画像を入力とし, カメラの内部・外部パラメータの計測, 設定を必要としないことを特徴としている.本システムにより, 実際のカメラは配置できないようなアングルや, プレイ中の選手の目からのシーンを再現することが可能であり, 試合の解析や解説等に有効であると考える.
著者
板垣 達也 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.472, pp.13-18, 2012-03-02
参考文献数
4

本研究では車外の警告音を認識してドライバーに伝えるシステムを提案する.システムは警告音の倍音構造の存在を示す倍音らしさという特徴量を用いて基本周波数の推定を行う.そして基本周波数の推定値を用いて音を識別(クラクション,救急車,消防車,パトカー)する.クラクションとサイレン音を予め録音し,それらを単独あるいは合成した音を入力して実験した.SNR0dBの環境において,クラクションと救急車(高音),消防車とパトカー(一定)において約80%以上の正解率で基本周波数を推定できることを示した.また,屋外を実際に走行している救急車のサイレン音を録音した信号でも実験を行い,ドップラー効果によって基本周波数が変化しても,推定可能であることを示した.