著者
安本 潔 神代 龍吉 麻生 重仁 石井 邦英 村岡 晴雄 古寺 重喜 赤司 隆裕 古賀 郁利子 浜田 隆臣 鈴木 宏 上野 隆登 佐田 通夫 安倍 弘彦 谷川 久一
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.2590-2595, 1988
被引用文献数
4

急性肝炎および劇症肝炎例において血清亜鉛値, 尿中亜鉛排泄量を測定し, 同疾患にみられる低亜鉛血症の機序について検討した. 対照とした健常人例の血清亜鉛値は, 84.0±12.2μg/dl (M±SD) で, 劇症肝炎例では46.0±16.0μg/dlと低値を示し, 有意 (p<0.001) な差がみられた. 急性肝炎例での急性期血清亜鉛値は74.8±12.0μg/dlで, 健常人例よりも低値であつた. 1日尿中亜鉛排泄量は健常人例0.4±0.14mg/日であり, 急性肝炎例1.2±0.5mg/日, 劇症肝炎例2.4±0.6mg/日と高値を呈し, 健常人例に比べ共に有意 (p<0.001) な差がみられた. 急性肝障害での血清亜鉛の低下の原因の一つに, 同疾患にみられる低アルブミン血症および高アミノ酸血症により, 亜鉛とアミノ酸との結合が多くなり, 尿中亜鉛排泄量の増加が関わるものと推察した.
著者
安本 英奈
出版者
京都大学哲学論叢刊行会
雑誌
哲学論叢 (ISSN:0914143X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.47-57, 2001-09-01
著者
孫 為華 木谷 友哉 柴田 直樹 安本 慶一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.61-66, 2009-02-26

大規模災害により,被災地の通信インフラが破壊された場合,災害情報の収集と共有が困難となり,救援活動に大きな支障をきたす.本稿では,インフラが機能しない災害現場において携帯端末を携えた救急隊員間でDTN (Delay Tolerant Network) に基づいた通信を行うことで災害情報を災害対策本部のサーバにできるだけ早く収集し共有する方法を提案する.提案手法では,救急隊員の行動モデルを考慮し,情報伝送効率を向上させる方法を検討する.The information gathering and sharing are difficult in a disaster area where the commnunication infrastructures are destroyed due to the large-scale disaster. As a result, the rescue operation will be interfered. In this paper, we propose an efficient method for gathering disaster related information to a server at the headquarters in a disaster area, taking into account the mobility of rescue parties based on DTN (Delay tolerant Network).
著者
布川 雄大 花野 博司 孫 為華 安本 慶一 伊藤 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.325-330, 2009-02-26

2006年から地上デジタル放送の携帯端末向けサービス(ワンセグサービス)が提供されている.一般的にワンセグ放送は移動受信に強いと言われているが,ショッピングセンタや駅構内,ビルの陰となる場所では,電波が遮られてしまう難視聴エリアが発生する.本研究では,近隣の複数携帯端末がアドホックネットワークを形成し,ワンセグ放送の電波受信品質の良い端末から悪い端末に対してデータ中継を行うことで難視聴エリアにいる端末でのワンセグ視聴品質を向上させる方法を提案する.本稿では,無線通信帯域の制約,リアルタイム性を損なわないための伝送遅延の制約を満たした上で,難視聴エリアにおいて救済される端末数を最大化する問題を定式化し,その問題を解くヒューリスティックアルゴリズムを提案する.また,これまでに得られたシミュレーションによる評価結果を報告する.The 1-segment broadcasting service, a digital TV broadcasting service for mobile/cell phone terminals has been provided in Japan since 2006. In general, 1-segment broadcasting is likely to achieve stable radio reception at user terminals even with strong mobility. However, there are still some areas where it is difficult to view a high quality videos (e.g., in train stations, shopping centers, etc) due to weak radio wave attenuation in those areas. In this paper, we propose a method to salvage user terminals in those weak 1-segment radio wave areas by transmitting videos from terminals in good radio wave areas through wireless multi-hop paths. For this purpose, we first formulate the problem to maximize the number of salvaged terminals in weak radio wave areas under constrains of wireless bandwidth and latency in watching videos in real-time. We propose a heuristic algorithm to solve the problem, and evaluate the algorithm with computer simulations.
著者
安本 亮二 浅川 正純 尾崎 祐吉 堀井 明範 梅田 優 田中 重人 森 勝志 西島 高明 山口 哲男 川喜多 順二 西尾 正一 前川 正信
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1765-1768, 1988-11-20
被引用文献数
2

最終濃度3,000μg/mlになるように作成したHPC-PEPを8例に,Saline-PEPを3例に投与し,両群における,1)尿中PEP濃度の経時的推移,2)PEPの血液内への移行,さらに,3)尿中PEP濃度を用いた薬物動態力学的パラメーターの違いを検討した.HPC-PEP法では,尿中PEPの時間的推移は投与後6時間後では61.0μg/ml(15〜90μg/ml),12時間後では16.4μg/ml(0.09〜73μg/ml),1日目では18.3μg/ml(0.3〜105μg/ml),2日目では13.1μg/ml(0.24〜50μg/ml),3日目では6.25μg/ml(0.07〜53μg/ml),4日目以降は平均値0.03μg/ml以下でいずれも測定限界以下であった.一方,Saline-PEPを膀胱内へ注入した場合,投与後3時間後では0.05μg/ml(0.04〜0.06μg/ml)を示したが,それ以降3日目まですべて測定限界値以下であった.薬物動態力学理論で解析すると,Saline-PEP法では半減期が平均4.18時間であるのに対し,HPC-PEP法では平均51.0時間と有意に延長しており,PEPの膀胱内での貯留性が示唆された.以上より,HPC-PEPの膀胱内注入療法は薬物動態の検討より,従来のSaline-PEP法より優れている臨床的に有用な膀胱内注入療法と考える.
著者
安本 亮二 浅川 正純 福井 淳一 和田 誠次 岸本 武利 前川 正信
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.16-22, 1992-01-20

実験的膀胱癌誘発剤であるN-butyl-N-(4-hydroxybutyl) nitrosamine (以下BBN) の0.025%水溶液をラットに経口投与し, 投与5週目からラットinterferon-α (以下IFN-α) を0.1m1 (5×105units/kg/ml) 筋肉内注射し, 以後発癌に至るまでの膀胱の肉眼的変化と病理組織学的変化及びNatural Killer活性 (以下NK活性) の変化を経時的に検討した.1) BBN+IFN-α群の膀胱重量は, 膀胱粘膜に肥厚や血管増生などの肉眼的変化を認めるBBN投与10〜14週の時期 (A期) ではBBN群の膀胱重量と差は見られなかったが, 腫瘍が観察されるBBN投与15〜19週 (B期), 及び20〜30週 (C期) では, 前者重量は後者重量に比べて有意に小さかった.2) A期, C期における発癌率はBBN+IFN-α群の方がBBN群より低かった.3) B期, C期における膀胱癌の悪性度及び浸潤度は, BBN+IFN-α群の方がBBN群に比べて低かった.4) NK活性はA期では両群間に差は見られなかったが, B期ではBBN+IFN-α群の方がBBN群に比べて上昇していた.5) 以上の結果より, IFN-αはBBN誘発ラット膀胱癌の実験系において発癌過程から抗腫瘍的に作用していることが想定された.