著者
安本 勝
出版者
熊本大学工学部技術部
巻号頁・発行日
2011-03-18

平成22年度熊本大学総合技術研究会,回路・計測・制御技術分野(口頭発表)セッションVII(I会場)

1 0 0 0 OA 新撰篆書字典

著者
安本春湖 著
出版者
春湖書屋
巻号頁・発行日
vol.巻3, 1924
著者
長島 万弓 石山 絹子 七野 知子 安本(白戸) 知子 福田 靖子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成16年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.112, 2004 (Released:2004-09-09)

[目的] 発芽玄米の例にもあるように食品素材の発芽による機能性向上が研究されるようになり、ゴマについてはすでに「発芽ごま」として市販化されているが、その機能性向上についての科学的根拠は明らかとされていない。今回この「発芽ごま」の発芽前後のサンプルを比較し、ゴマの機能性と食味に及ぼす発芽の影響について検討した。[方法] 市販されているものと同種のトルコ産金ゴマを試料とし、発芽前と発芽48時間後(市販「発芽ごま」と同条件)のゴマを、それぞれ焙煎したサンプルとして入手した。両サンプルの一部は粉砕後溶媒抽出をおこない、一部は官能検査に用いた。抽出物はHPLCによりゴマリグナンの定量分析を行うとともに、DPPHラジカル捕捉能を測定した。高リグナン新品種「ごまぞう」についても同様の実験を行い比較した。[結果] 市販品と同種の金ゴマについては、発芽前にはほとんど検出されなかった抗酸化性リグナン・セサミノールが発芽48時間後には検出されるようになり、DPPHラジカル捕捉能も約2倍に向上することが明らかとなった。「ごまぞう」に関しても同様にセサミノールの増加がみられたが、今回の発芽条件においては金ゴマのほうが「ごまぞう」よりも約1.5倍多く生成されることが確認できた。さらに発芽の初期段階でUV吸収を有する高極性成分の存在が認められたが、この構造等については現在検討中である。また、官能検査では未発芽ごまに比べて発芽ごまには甘味の増加が認められた.
著者
前田 直樹 荒川 豊 安本 慶一
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.477-478, 2016-03-10

初対面の人物とコミュニケーションを取るには切っ掛けとなる要因が必要である。要因の一つとして記念撮影が挙げられるが、初対面の相手に記念撮影を申し込むのは難しい。本システムでは、会場内を巡回する掃除ロボットと顔認識装置を用いることで初対面の人間同士の記念撮影を行いコミュニケーション支援を行う。コミュニケーション支援として、本システムが人間に対して話題を投げかけることで記念撮影を行った人間同士での会話を誘発させるコミュニケーションの円滑化や、本システムが異なる人間との記念撮影を要求することで新たな初対面の人物とのコミュニケーションの誘発を行う。
著者
安本 晋也 中谷 友樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p><b>1.</b><b>研究の背景</b></p><p></p><p>近年、健康格差の問題が注目を集めるようになり、貧困層がその他の社会階層と比べて健康状態が劣っている傾向があることが指摘されている。健康格差の発生要因は多様であり、貧困層は「喫煙など健康に影響する行動」「医療施設の利用率」「幼児期の生活史」等において不利な立場にあることが、健康格差の原因として指摘されてきた。</p><p></p><p>一方でO'Neill et al. (2003)は、「環境の質の配分」が健康格差を生む要因の一つとなると主張し、そのプロセスとして次の二つを挙げた。第一に、人々が享受する近隣環境の質(清浄な大気や静かな住環境など)が富裕な地域に多く配分され、貧しい地域では剥奪されることで、健康格差が生まれる可能性がある。</p><p></p><p>このような環境リスクや環境アメニティの配分の公平性を問う概念を環境正義と呼ぶ。環境正義は「居住者の社会的属性(貧困度や人種など)に関わらず、全ての地域が等しく環境リスクもしくは環境アメニティへのアクセスを保有している状況のこと」として定義される。日本においても環境の不正義(近隣環境の質が不公平な配分となっている状況)が見出されている(Yasumoto et al. 2014)。</p><p></p><p>第二に、貧困層はその他の社会階層と比べ、質の低い近隣環境に対し脆弱であるため、環境の質の剥奪に対し、貧困層の健康水準はより強く影響を受け、健康格差が拡大する危険性がある。</p><p></p><p>しかし日本において環境の不正義が、健康格差にどのような影響を与えるかを計量的に分析した研究例は数少ない。本研究ではこの点を踏まえ、大阪府を対象に次の分析を行った。第一に、大阪府において居住地域の社会経済的な水準に基づく健康格差が発生してるかを調査した。次に、環境の質の指標として各家屋が受ける夜間の騒音と日照のデータを取得し、その配分の公平性について分析した。最後に、それら環境の質の配分がどのような健康影響を居住者にもたらすのかを、健康格差の視点から分析した。</p><p></p><p><b>2. </b><b>分析手法</b></p><p></p><p>居住者の近隣環境の質の指標と健康指標のデータは、いずれも郵送質問紙調査を行って取得した。対象となった世帯に、住宅における夜間の騒音と日照の享受の度合いをたずね、さらに健康指標として主観的健康観と幸福感についてたずねた。本調査は2010年、層化無作為抽出法に基づいて180箇所の町丁目に居住する世帯を対象に行った(世帯数=2,527、回答率=約40%)。</p><p></p><p>また、各町丁目の貧困度の指標として、失業率や高齢単独世帯割合などの貧困と関連がある国勢調査指標の重み付け合成値で定義される地理的剥奪指標を利用した。次に大阪府内のDID地区に属する町丁目を地理的剥奪指標に応じて4分位に分類し、各4分位において環境の質に応じて健康水準がどう異なって分布しているかを分析した。</p><p></p><p><b>3. </b><b>結果と考察</b></p><p></p><p>分析の結果として、大阪府には主観的健康観と幸福感における健康格差がみられた。また、富裕な地域ほど騒音の少ない環境に住むという環境の不正義はみられたが、日照の不公平な配分はみられなかった。</p><p></p><p>夜間の静かな環境と日照は、居住者の健康に正の影響を与えることもわかったが、その影響の大きさは地域の貧困度による違いはなかった。すなわち、静かな住環境と日照の剥奪に対し、貧困層は富裕層と比べて必ずしも脆弱ではないという結果になった。</p><p></p><p>筆者らの過去研究では、貧困層は富裕層と比べ公園緑地への近接性の剥奪に対し脆弱であるという結果が出ており、それとは一致しない。これは公園と異なり、静かな環境や日照には代替財が少ないからと考えられる。</p><p></p><p>文献</p><p></p><p>O'Neill, M.S., Jerrett, M., Kawachi, I., Levy, J.I., Cohen, A.J., Gouveia, N., Wilkinson, P., Fletcher, T., Cifuentes, L., and Schwartz, J. l. 2003. Health, wealth, and air pollution: advancing theory and methods. <i>Environmental Health Perspectives</i>, 111(16): 1861-1870.</p><p></p><p>Yasumoto, S., Jones, A.P., and Shimizu, C. 2014. Longitudinal trends in equity of park accessibility in Yokohama, Japan: An investigation of the role of causal mechanisms, <i>Environment and Planning A</i>, 46: 682–699.</p>
著者
池谷 充弘 石塚 ちあき 安本 弥生 吉本 麻美 長澤 充城子 黒川 誠子 齋藤 薫 隆島 研吾
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.G-100_1-G-100_1, 2019

<p>【はじめに・目的】</p><p>前回調査では地域在住損傷者の歩行能力(10m歩行タイム〔快適/最速〕・6分間歩行距離・TUG)と生活空間の広がりの関係性について調べ、生活空間が「自宅から800m以内の群」と「800m以上の群」では歩行能力に有意差が見られたが、「800m以上16km以内の群」と「16km以上の群」では有意差は見られず、歩行能力だけでは両群を区別できないという結果となった。今回調査では歩行能力評価とともに認知機能を加えて移動能力にどのような影響を与えるのか比較検討した。</p><p>【方法】</p><p>2010.5~2018.5に当施設の自立訓練事業を利用した106名。平均年齢49.5歳、発症からの期間35.7ヶ月、主な疾患名は脳出血(47%)・脳梗塞(24%)・くも膜下出血(13%)、麻痺の部位は右片麻痺(49%)・左片麻痺(27%)、四肢麻痺(14%)・麻痺なし(10%)、下肢Br-stageはⅢ(36%)・Ⅳ(17%)・Ⅴ(30%)・Ⅵ(7%)、使用している主な歩行補助具はT字杖(51%)・なし(32%)・四点杖(9%)、下肢装具はなし(43%)・SHB(33%)・SLB(18%)。認知検査ではWAIS-Ⅲを可能な範囲で実施しクラス分類ごとに平均値を算出した。外出実態状況から利用者の移動能力を小林らが作成した『実用的歩行能力分類(改訂版)』を用いて各クラスに分類した。(class2「平地・監視歩行」:11名、class3「屋内・平地自立」:23名、class4「屋外・近距離自立」:13名、class5「公共交通機関限定自立」:19名、class6「公共交通機関自立」:40名)各クラスごとに歩行能力とWAIS-Ⅲの平均値を比較した。統計処理は一元配置分散分析および多重比較を行った。</p><p>【結果】</p><p>10m歩行タイム〔最速〕とTUGで屋内歩行自立群(class2・class3)と屋外歩行自立以上の群(class4・class5・class6)で有意差あり(p<0.01)。6分間歩行距離で屋内歩行自立群(class2・class3)と公共交通機関利用群(class5・class6)で有意差あり(p<0.01)。歩行能力とWAIS-Ⅲのいずれの項目でも公共交通機関利用限定自立(class5)と自立(class6)で有意差はみられなかった。</p><p>【結論】</p><p>10m歩行タイム、6分間歩行距離、TUGによる歩行能力評価は、前回調査結果と同様に歩行自立が屋内レベルか屋外レベルに広がるかの判断材料になる可能性が示唆された。しかし歩行能力評価やWAIS-Ⅲ(平均値)の今回選択した指標についても公共交通機関利用の自立を見極めるには有効でなかった。今後は、class5とclass6の差を生じさせる因子について、各症例の状況を分析することにより、歩行能力評価や認知機能検査や環境なども含めて探っていきたい。また、生活範囲が大きく異なる、公共交通機関が利用できる群(class5と6)と屋外近距離自立に留まる群(class4)の差の要因についても検討をしていきたい。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>当施設の臨時倫理委員会にて承認を得た。</p>
著者
岡野 多門 安本 幹
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 = Journal of the Japan Society of Material Cycles and Waste Management (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.97-104, 2013-09-30
参考文献数
16

海岸に漂着する医療や衛生用品ごみは感染の危険だけでなく,見た人に強い嫌悪感を与える。その投棄実態を知るために,アジア地域の海流の下流に位置する鳥取県で毎月の漂着数を調べた。医療用瓶と注射器の年間平均漂着数は24.5個/(hm・y) で,中国由来が大半で,日本と朝鮮半島由来は少ない。しかし浣腸や痔薬容器,タンポンアプリケーターの大半は日本由来で,合計は2.5個/(hm・y) で,これは日本文字のあるライターの値と大きく相違しない。漂着数/消費数を漂着からみた投棄率とするなら,浣腸とタンポンの投棄率はペットボトルや栄養ドリンク瓶の投棄率と同程度である。これは屋内消費の医療衛生用品ごみが,あえて屋外に持ち出されて投棄されていることを示す。これは投棄者の責任であるが,在宅医療廃棄物と一般家庭の衛生用品ごみの収集体制の相違にも起因する。このように漂着量や投棄率は隠れた投棄の防止策を考える上で重要である。
著者
堤 佐斗志 荻野 郁子 近藤 聡英 宮嶋 雅一 野中 宣秀 鈴木 隆元 石井 尚登 伊藤 昌徳 安本 幸正 新井 一
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
雑誌
NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.14-19, 2019 (Released:2019-04-03)
参考文献数
20

脳海綿状血管腫(Cerebral cavernous malformation: CCM)は過誤腫的な血管奇形である.多くは孤発性に発生するが,一部は家族性に発症し遺伝性疾患に分類される.本研究の目的は日本人における家族性CCMの臨床像と予後を検討することである.2006年から2017年の間に当院を受診,最終的に遺伝子解析まで行い家族性CCMの診断が確定した日本人12家系,計18例の家族性CCM患者を対象とした.詳細な病歴聴取,SWIまたはT2*画像による多発CCMs確認後ELISA法を用いて遺伝子解析を行った.計18例の初発症状は頭痛5(28%),けいれん発作4(22%),感覚障害3(17%),片麻痺2(11%),構語障害1(6%),水頭症1(6%),無症候2(11%)であった.画像上CCMの多くは脳実質内の境界明瞭な低輝度多発病変として描出された.18例中11例(61%)においてCCMsは両側大脳半球,両側小脳半球,および脳幹部を含み脳実質内にびまん性に発現していた.脊髄を撮像した8例中4例で多発性CCMsを髄内に認めた.遺伝子解析の内訳は8人(44%)がCCM1変異,6人(33%)がCCM2変異,1人(6%)がCCM3変異であった.残り3人(17%)においてはCCM1, 2, 3変異のいずれも同定されなかった.変異型とCCMsの大きさ,個数の間には一定の関連はみられなかった.平均7.5年の経過観察期間中,17例に神経症状の増悪,MRI上の新規病変出現はみられなかった.家族性CCMは多くの場合良好な予後が期待できる.家族性CCMの更なる理解のためには全塩基配列を対象とした包括的遺伝子解析が必要である.
著者
岡野 多門 安本 幹 安東 重樹
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.94-105, 2010 (Released:2010-04-15)
参考文献数
46
被引用文献数
9 4

難分解性の海洋浮遊ごみの実態を漂着量から推測する適切な方法を開発するために,鳥取県の3海岸で2005年から2008年までに8回の堆積ごみ調査を行った。漂着物の種類は多く,砂浜上で不均一に分布しているため,範囲を500mとして定形物に限り,それを90種に分けて調べた。それらの排出分野を屋外民生,屋内民生,漁業,農業,医療に分類した結果,民生品が最多となった。しかし品目によって再流出や埋没による消失速度が異なるため,品目間の個数比から漂着個数比を推測することはできない。したがって漂着量の測定には漂着物を撤去する定期的なモニターが必須である。また迅速化のためには各排出分野を代表する数品目を選んでモニターすることが不可避である。また精度と効率を上げるために定義が明確で個数が多く見逃しの少ない品目の選択が重要で,水没や分解しやすい品目,および地域固有性の高い品目を選ぶと排出源に偏りを生むことに注意が必要である。
著者
安本 教傳 岩見 公和 吉田 宗弘 満田 久輝
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.511-515, 1977-04-10 (Released:2009-11-16)
参考文献数
18
被引用文献数
7 13

種々の食品のセレン含量を, 比色法また螢光法で測定した。魚, その他の海産物, およびニンニク中に著量のセレンが検出された。しかし, 問題となるほど過剰にセレンを含んだものはなかった。さらに, 将来の食糧源としての微生物菌体, 藻類中のセレン含量を測定したが, 全般に低い値であった。今回の分析結果, ならびに分析値および食糧需給調査資料をもとにして, 日本人が1人あたり1日に摂取するセレン量を求めたところ207.7μgであった。この摂取量はカナダ人, アメリカ人とほぼ等しく, 各国とも同等のセレン栄養の状態にあると推察された。
著者
千住 琴音 諏訪 博彦 水本 旭洋 荒川 豊 安本 慶一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.1818-1828, 2019-10-15

ワンウェイカーシェアリングにおいて車両偏在問題の解決は重要な課題である.これまで,運営会社による効率的な車両移動による解決などが試みられてきたが,コスト面でのデメリットは無視できない.そこで我々は,新たなアプローチとして,潜在的利用者へ車両移動を依頼する手法を提案する.本提案は,依頼トリップの数を少なくしながら,要求トリップの成立数を最大化する問題として設定できる.提案手法の効果を検証するためにシミュレーションによる評価を実施した結果,依頼トリップの受託率が20%であったとしても,要求トリップの受託率を17%向上できることを確認した.また,依頼すべき潜在的利用者について検討するために,実証実験を実施しているパーク24株式会社から提供された利用実績データの分析を行った.その結果,利用行動パターンとして5パターン(常連,2way,分散,局所,1ルート)が存在することを明らかにした.また,そのなかでも依頼すべき利用者の利用パターンが,分散型,局所型であることを考察した.本研究の貢献は,車両偏在問題を解決するための新たなアプローチを提案し,シミュレーションだけでなく,実データの分析と合わせて議論していることである.
著者
近藤 昌和 安本 信哉 秋吉 佑樹 高橋 幸則
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.87-101, 2013-02

魚類の好中球顆粒の種類は,多様であることが報告されている。著者らは前報において,ブリSeriola quinqueradiataの好中球の形態学的および細胞化学的特徴を調べ,ブリの好中球には好酸性(好エオシン性)顆粒(α顆粒),難染性顆粒(β顆粒)および好塩基性顆粒(γ顆粒)の3種類の顆粒が存在することを明らかにした。また,ブリのα顆粒は酸性条件下のMay-Grünwald(MG)染色によって橙色を呈するが,Giemsa染色では染まらず,MG-Giemsa(MGG)染色では染色性が低下すること,β顆粒にはアルカリ性フォスファターゼ(AlP)とペルオキシダーゼ(PO)が,γ顆粒にはα-ナフチルアセテートエステラーゼ(α-NAE)が検出されることを報告した。本研究では,魚類における好中球顆粒の多様性を明らかにするために,ブリと同様にアジ科に属し,水産増養殖対象となっているマアジTrachurus japonicus,カンパチS.dumeriliおよびヒラマサS.lalandiの好中球の形態学的および細胞化学的特性を明らかにし,これまでに報告した各種魚類と比較した。
著者
浦部 貴美子 灘本 知憲 古谷 雅代 田中 有花里 安本 教傳
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.23-27, 2003-02-10
被引用文献数
2

野草 (17科42種) を対象として, 悪臭指標物質の一つであるメタンチオール (CH<sub>3</sub>SH) に対する消臭力の有無を検索し, さらにその消臭力の比較検討を行った。野草から得られたメタノール抽出物5mgについて, ヘッドスペースガスクロマトグラフ法によりCH<sub>3</sub>SHに対する消臭率を求めた。その結果, 約1/3の14種の野草に, 銅クロロフィリンナトリウム (SCC) よりも高い消臭力が認められた。特に消臭率100%を示した野草は, オニアザミ, カワラヨモギ, タカサブロウ, ヒメジョン, カキドオシ, オオニシキソウ, キジムシロの7種類であった。これら7種の野草抽出物の中でも, タカサブロウはSCCの24倍, オニアザミ14倍, オオニシキソウ7倍, カワラヨモギが6倍となる高い消臭力であった。これらの野草が消臭性植物であるという報告はこれまでのところ見あたらない。したがって, これらの野草は新しく消臭効果の期待できる素材であることが示唆され, 今後その作用に寄与している成分の同定が必要と考えられる。