著者
山下 純一 安本 三治 橋本 貞夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.3872-3877, 1983-11-25

The mechanism of the condensation of 5-fluorouracil and 2-acetoxytetrahydrofuran (3), giving 1-(tetrahydro-2-furyl)-5-fluorouracil, was studied. An equilibrium between 2-acetoxytetrahydrofuran (3) and 2,3-dihydrofuran (4) was observed at 120-170℃ in dimethylformamide. It was found by the use of 1,3-dideuterio-5-fluorouracil that the condensation of 5-fluorouracil with 3 occurred both by direct substitution and by the formation of 4 from 3 followed by addition of the uracil to it. The contribution of the latter path increased with increase of the reaction temperature.
著者
山下 純一 武田 節夫 松本 宏 寺田 忠史 采見 憲男 安本 三治
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.2090-2094, 1987-05-25

Various O-acyl and N-acyl derivatives of 2'-deoxy-5-trifluoromethyluridine (F_3Thd) were synthesized; namely 5'-O-acyl, 3',5'-di-O-acyl, N^3-acyl, 3',5'-di-O-acetyl-N^3-acyl, 3',5'-di-O-carbamoyl and 3',5'-di-O-ethoxycarbonyl compounds. 5'-O-Acyl derivatives of 2'-deoxy-5-trifluoromethylcytidine were also synthesized. The antitumor activities of these compounds against sarcoma 180 were examined by oral administration to mice. Among the 5'- and 3',5'-diester compounds with aliphatic acids, the 5'-O-hexanoyl compound showed the highest activity. Full protection of the sugar moiety with aroyl or carbamoyl groups considerably decreased the activities, and those of the 3',5'-di-O-m-fluorobenzoyl and 3',5'-di-O-butylcarbamoyl compounds were the smallest. N^3-Benzoyl compounds were slightly more effective than F_3Thd but none of them showed higher activity than the effective O-acyl compounds. In the case of 5'-O-acylates of 2'-deoxy-5-trifluoroniethylcytidine, the 5'-O-benzoyl compound showed the highest activity.
著者
山下 純一 武田 節夫 松本 宏 采見 憲男 安本 三治
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chem. Pharm. Bull. (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.2373-2381, 1987
被引用文献数
1

Various O-alkoxyalkyl derivatives of 2'-deoxy-5-trifluoroniethyluridine(F_3Thd) were synthesized, and the antitumor activities of the compounds against sarcoma 180 were examined by oral administration to mice. Among the formal-type derivatives, 3',5'-di-O-ethoxymethyl (3), 3',5'-di-O-benzyloxyinethyl (12), 5'-O-benzyloxymethyl (13) and 3'-O-benzyloxymethyl (14) compounds showed high activities, which were six-fold higher than that of F_3Thd itself. Since acetal-type derivatives were unstable under acidic conditions, antitumor testing of the compounds was also carried out with co-administration of sodium bicarbonate. 5 '-O-(1-Ethoxypropyl)-F_3Thd (25) and 5'-O-(1-benz:yloxypropyl)-F_3Thd (37) showed the highest activities among the acetal-type derivatives, but the ED_50 values of the compounds were not lower than those of effective formal-type compounds. These O-alkoxyalkyl derivatives of F_3Thd are resistant to degradation by thymidine phosphorylase and are activated by microsornal drug-metabolizing enzymes after absorption.
著者
黒岩 将 安本 慶一 村田 佳弘 伊藤 実
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MPS-87, no.7, pp.1-6, 2012-02-23

合コン (お見合いパーティ) では,できるだけ多くのカップルを成立させたいという要求が発生する.本論文では,合コン結果から,カップルが成立しやすい男女の属性情報の組 (好相性と呼ぶ) を,対話型進化計算を用いて求めることで,理想的な合コンメンバー (合コン参加者名簿) を決定するシステムを提案する.提案システムでは,男女の属性情報の組を進化計算の解候補集合としてシステムに持たせ,合コンでのカップル成否を解候補の評価値としてフィードバックしながら,好相性を表現する解集合の獲得を目指す.提案システムを評価するため,比較手法として一般的に考え得る単純なグリーディ手法を用意し,実施した計算機シミュレーションの結果を報告する.
著者
第六管区海上保安本部
出版者
海上保安庁
巻号頁・発行日
vol.平成16年版,
著者
小林功介 辻本拓也 安本匡佑 羽田久一 太田高志
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.207-209, 2013-03-06

2012年10月の就職内定率が6割を切り、就職難と叫ばれて久しい。多くの就職活動生(以下就活生)は、いくつもの企業の選考を受けてもなお内定を獲得することができず、その代わりに数多の「不採用通知メール(通称 お祈りメール)」を受け取っている。 本研究では、お祈りメールが就活生に与える虚しさに着目し、これを題材にしたインタラクティブコンテンツを開発することで、就職難という昨今の世相の皮肉的な表現を試みている。神社の参拝を模したお祈りのジェスチャーに反応して、映像と音楽に併せて加工したお祈りメールの文面を提示する作品である。 なお、このコンテンツは今年10月30日から1週間に渡って開催された東京デザイナーズウィーク2012に出展され、閲覧者の好意的な反応を多数得た。
著者
本郷 仁志 安本 護 渡辺 博己 ジャンクリストフ テリヨン 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.443, pp.7-12, 2000-11-10
被引用文献数
16

多視点カメラ画像から人物の性別、年齢、顔向きなどの情報をセンシングすることで、その人物の意図を推察し活動を支援する空間(パーセプトルーム)の構築を目的として、幅広い年齢層から男女均等に顔画像を水平24方向・垂直7方向各15度間隔の168方向から収集した300名のデータベースを開発している。本稿では、パーセプトルームのプラットフォームとなる多視点画像収集システムとそれを用いて収集した多方向顔画像データベースについて述べる.本データベースを用いて顔部品抽出した結果について報告する。
著者
安本 護 本郷 仁志 渡辺 博己 山本 和彦 輿水 大和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1772-1780, 2001-08-01
被引用文献数
27

本論文では,複数方向の顔画像から抽出した4方向面特徴を用いて,顔向きによらない人物識別と人物によらない顔向き推定を実行する手法について述べる.また,複数のカメラで異なる方向から画像を取得し,各カメラの識別器出力を統合するマルチカメラ協調手法も提案する,人物識別実,験では,1台のカメラで296°の顔向き範囲に対して平均92.9%の認識率が得られた.顔向き推定実験からは,推定誤差の平均が4.5°以下,分散が11.0という結果を得た.また,8台のカメラから得た情報を統合する処理が,人物識別のオクルージョン耐性や顔向き推定の精度向上に効果的であることを示した.
著者
上田 優輔 廣瀬 雅哉 伊藤 拓馬 安本 晃司 川口 浩実 宗重 彰 中島 正敬
出版者
公益社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.593-597, 2016 (Released:2016-07-19)
参考文献数
24

妊娠中のuterine synechiaは,一般的に子宮腔を横切る索状構造物を同定することにより診断に至る.今回,妊娠中期に内子宮口付近に現れた嚢胞性病変を契機としてuterine synechiaと診断した症例を経験した.26歳の初産婦が,妊娠26週0日に初めて,経腟超音波検査上,68×44 mmの嚢胞性病変を内子宮口付近に認めた.妊娠30週5日のmagnetic resonance imagingで頭尾側が丸く中央がくびれた,ひょうたん型の羊水腔を認めた.上部の羊水腔に横位となった胎児を認め,子宮体部正中を前後に交通する索状構造物を認めた.上部の羊水腔から11×10×10 cmの球状の羊水腔が内子宮口に向かって膨隆していた.妊娠36週6日に臍帯が下部の羊水腔に下垂しているのが観察されたため,妊娠37週3日に選択的帝王切開術を施行し,3,062 gの女児をアプガースコア9/9(1分/5分)で娩出し,索状構造物も同時に摘出した.経腟超音波で内子宮口付近の嚢胞性病変を同定することは,uterine synechiaの診断の契機になり,これを正確に診断することにより妊娠中の合併症を防止することにつながるものと考えられた.
著者
伊藤 嘉明 石井 俊輔 角川 曜子 安本 茂 石橋 正英 藤永 薫
出版者
京都大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1988

ヒトパピローマウイルス(HPV)による発がん機構をトランスアクチベーションの立場から解明する事を目的とし本年度は以下の結果を得た。HPV16及び18の転写産物のクローニングを行い、トランスフォーミング活性のあるcDNAクローンを同定しE6/E7遺伝子の重要性が認識された(角川・伊藤)。またヒト皮膚ケラチノサイトをHPV16で不死化して数種類の細胞株を得た(安本)。近畿在住患者の子宮頸癌細胞より新型のHPV52bが分離された(伊藤)。HPV16・E7と構造・機能のよく似たアデノウイルスE1Aについては、遺伝子上流の制御領域とそこに結合するトランス活性化因子の解析が行われ計21ヶ所の因子結合部位が同定された(藤永)。マウス未分化細胞株F9ではE1A様の遺伝子が発現していると考えられておりその細胞性遺伝子クローニングの準備としてアデノウイルスE3プロモーターの下流にメトトレキセート耐性遺伝子を接続したプラスミドを細胞に導入し1コピーのE1A遺伝子の導入で細胞がメトトレキセート耐性になる系が確立された(石橋)。アデノウイルスDNA上で、NFIが結合していない場合だけNFIII結合部に結合できる因子がマウス腎臓に検出されNFKと命名された(永田)。ポリオーマウイルス・エンハンサーに結合するトランス活性化因子PEBP1・2・3・4・5が同定され解析が進んでいる(佐竹・伊藤)。PEBP3は精製され、分子量30K〜35K(α)、と20K〜25K(β)の2種のサブユニットからなるヘテロダイマーである事が判明した(永井)。PEBP2を脱リン酸化するとPEBP3が出現するがHa-rasでトランスフォームした細胞で主としてPEBP3が存在するので、Cキナーゼがdown regulate されているものと考えられる(佐竹)。癌遺伝子c-skiと関連するsnoA、snoNがクローン化され、それらがDNA結合性の蛋白を作る事が示された(石井)。
著者
前川 陽平 錦澤 滋雄 長岡 篤 村山 武彦 竹島 喜芳 安本 晋也
出版者
一般社団法人 日本計画行政学会
雑誌
計画行政 (ISSN:03872513)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.29-36, 2023-02-15 (Released:2023-03-10)
参考文献数
16

In recent years, there have been conflicts with local residents in Japan over issues such as landscape and disaster risk caused by the construction of solar-PV facilities. In order to promote the suitable installation of solar-PV facilities in the future, it is necessary to clarify resident attitudes toward such facilities, not only in the planning stage but also in operation. In this research, a questionnaire survey was conducted among local residents living near a solar-PV facility in operation (that had had conflicts in the planning stage) at Mt. Tsukuba, in Tsukuba city. In addition, a model of resident attitude formation toward the facility was constructed and its determinants were clarified. As a result, it was found that the felt annoyance due to landscape change had a statistically significant relationship with the negative attitude to the project. Moreover, it was also demonstrated that the installation in Mt. Tsukuba was a significant correlated factor with the felt annoyance due to landscape change. The analysis confirms that it is important to avoid installation in mountainous forests of special value to residents, such as Mt. Tsukuba, in order to improve the acceptance from local communities toward solar-PV projects.
著者
横山 拓真 安本 暁 古市 剛史
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第35回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.33, 2019-07-01 (Released:2020-03-21)

野生ボノボの研究をしているフィールドサイトは多く、長期的な研究を継続しているフィールドがあるにも関わらず、ボノボがオトナボノボの死体に遭遇した際に示す行動を記述した報告はこれまでになかった。そもそも熱帯雨林に生息するボノボの死体は腐敗が早く、また死期が近い個体は集団遊動についてこなくなるため、発見・観察が困難になると考えられる。離乳前の子どもが死亡した場合、ボノボが死児運びを行うことは少なくなく、また共食いも報告されている。さらに、傷を負って消失した仲間を探すために、集団遊動をした事例も報告されている。また、ボノボは同種の死体だけでなく、他種の死体に対しても多様な反応を示すことがある。本発表の主な目的は、オトナボノボの死体発見時から2日間にわたる定点観察によって記録した、死体に対する仲間の反応を示すことである。死体発見時は、オトナメスとその子どもが死体を触っており、他の仲間は周囲から死体を眺めていたが、フィールドアシスタントが近づくとボノボたちは逃げてしまった。研究者の適切な指示のもと、死体は発見された場所に埋められた。しかし翌日、死体の仲間たちは計二回、その場所に戻ってきて数時間もの間、死体を探すような行動を見せたり、毛づくろい行動や休息をしたりしていた。死体に対する仲間の反応は、ボノボ以外の霊長類でも報告があり、時に情動的な行動を示すこともある。本発表の事例はボノボだけではなく、ヒトにおける死生観の進化について考察するためのヒントになるだろう。
著者
安本 篤史
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.1233-1241, 2022 (Released:2022-10-05)
参考文献数
45

抗血小板第4因子(PF4)抗体は,抗PF4/heparin複合体抗体として知られ,heparin起因性血小板減少症(HIT)の診断目的で測定される。HITではheparin曝露により産生される抗PF4抗体が原因で血小板減少症と血栓症を引き起こす疾患であるが,2021年,新型コロナウイルス感染症に対して開発されたアデノウイルスベクターワクチン後に発症する致死的なワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)に抗PF4抗体が関与していることが報告された。HITとVITTは抗PF4抗体が原因であるという点で合致し,病態も類似している一方,重症度が大きく異なり,また抗PF4抗体の測定法により検出感度が異なるなど合致しない点もみられる。本稿では抗PF4抗体に関連したHITとVITTについて概説する。
著者
安本 史恵
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.133-141, 2022-03-15

教育によって脳はどのような機序で生命科学的に変化するのだろうか。個体差を超えて生じる生体反応を理解することは教育実践や教育政策の立案においても必要であると考えられる。本総説においては,①幅広い分野の教育系研究者に有用であると考えられ②神経科学の基礎により多くの接点を持つエビデンスであることを基準として話題を選別し,脳が環境を知るメカニズム,大人と子どもの脳の違い,主体的な学びの重要性の根拠,現代の新しい技術によって脳が変化する可能性,などについて概説する。神経科学においては,「学習」は「環境からの外部刺激によって神経回路が構築される過程」,「教育」は「外部刺激を制御・補完する過程」として捉えられる。このことは,どのような脳を創出したいかを考えながら教育の起点である環境を構築していく必要があることを示している。
著者
高附 磨理 荒木 俊彦 菅野 陽 安本 篤史 森下 英理子 塩田 宏嗣
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.487-491, 2022 (Released:2022-06-24)
参考文献数
13
被引用文献数
1

基礎疾患のない48歳男性.ChAdOx1 nCoV-19ワクチン1回目を接種した10日後より頭痛を自覚.血液検査で,血小板数の低下,Dダイマーの上昇を認め,DICも合併していた.頭部単純CTにて左頭頂部に微小出血,造影CTにて左横静脈洞,左S状静脈洞に静脈洞血栓を認めた.その後施行した頭部MRIにて,左頭頂部に静脈性出血性梗塞,くも膜下出血,全身造影CTにて門脈血栓症,腎梗塞の所見を認めた.新型コロナワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症(thrombosis with thrombocytopenia syndrome,以下TTSと略記)と診断し,手引きに準じて治療を行い,自宅退院となった.本症例は,ChAdOx1 nCoV-19ワクチンに伴うTTSの国内1例目と考えられる.
著者
安本 慎也 大槻 伸吾 柳田 育久 相原 望 大久保 衞
出版者
一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会
雑誌
日本整形外科スポーツ医学会雑誌 (ISSN:13408577)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.100-104, 2022 (Released:2022-05-31)
参考文献数
18

メディカルチェックは選手の身体特性を把握するための有益な情報となる.本研究では大学野球部新入生を対象としたメディカルチェックを実施し,投球肩肘障害を有する選手の身体機能を比較検討した.身体機能検査では下肢・体幹可動性テスト,肩・肩甲骨可動性テスト,肩甲骨周囲筋・腱板機能の測定を実施した.肩痛群(PS群)では疼痛なし群(N群)と比較して,Elbow Push Test(EPT)の陽性者が有意に多かった.投球肩障害には,今回測定した身体機能のうち,肩甲骨動的安定性の低下が関与している可能性が示唆された.