著者
海沼賢 宮下 芳明 西本 一志
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24(2006-EC-003), pp.113-120, 2006-03-14

本研究では3Dマップ上を自由にウォークスルーしつつ,その地形に触発されて思いついたコメントを書き捨てて行けるシステムを開発し,小説創作における支援を試みた.まずオーサーは自分のイメージする物語の舞台となるマップを作成し,物語構築に協力してもらいたいビジターに配布して,思い思いの「妄想」を書き込んでもらう.オーサーは作品執筆の際,ビジターによって多くのコメントが書き込まれたマップ上を歩き回り,他者の妄想を拾い読みながら自らの発想の糧にしていく.これにより一人の人間による発想の限界を超えた多種多様なアイデアを得ることが可能となり,発想の行き詰まりを打開すると期待される.本稿では,マップをビジターに配布して発想を集めるビジター実験と,それを用いて実際小説の執筆を行うオーサー実験によってシステムの評価を行った.
著者
吉川 祐輔 宮下 芳明
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.1-7, 2010-07-23
被引用文献数
1

本稿では,調理レシピを記述するためのデータフロープログラミング言語を提案する.提案手法でレシピを記述することで,調理と食材の流れを視覚的に把握しつつ,構造化されたレシピを得ることができるようになる.本稿ではさらに,調理レシピをデータフロープログラミング言語として表すために必要な要件と,もたらされるであろう未来について述べる.We propose a data flow programming language to describe cooking recipes. It brings visual showing of the flow of cooking and foodstuffs and the structured recipes to describe recipes by the technique that we suggest. In this paper, we observe requirements to express cooking recipes as data flow programming language and our vision.
著者
小坂 崇之 宮下 芳明 服部 進実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3827-3835, 2007-12-15

本稿では,仮想現実感の拡張を目指す手法の1 つとして没入型三次元風覚ディスプレイを開発し,頭部?上半身部位に対する風覚について評価実験を行った.ドーム状の骨組みに配置した25 個のブロアファンのうち,どこから風が出力されているかを問う正答率と,風が来たことを知覚する反応時間について,3 種の風速を用いて計測した.その結果,左右に比べて前後の正答率が低く,仰角が45 度以上のところでは反応時間が遅いなど,空間方位的に不均一な風覚が行われていることが明らかになった.
著者
青木 秀憲 宮下 芳明
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50(2008-MUS-075), pp.37-42, 2008-05-21

本稿では,ウェブサービス「ニコニコ動画」でのコメント頻度によってその映像にともなう音楽のサビ部分の検出や映像要約に応用可能なのかを検証すべく,様々なジャンルの映像をとりあげ評価を行った.
著者
大家 眸美 宮下 芳明
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.15, pp.1-2, 2013-01-25

Twitter 等におけるネガティブな感情表現の不快感を緩和する手法として,筆者らはこれまでポジティブな表現に言い換える手法を提案してきたが,本稿では,その文章の信頼性を下げる言い換えを行うことによって緩和する手法を提案する.信頼性を下げる手法としては,文章に文字化けを混入させたり,誤変換を行ったり,むやみなカタカナ語を使用したり,文末を変更することによって他人が言っていたことにしたり夢オチにすることによって実現している.
著者
山中 祥太 宮下 芳明
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.4_116-4_121, 2016-10-25 (Released:2017-01-14)

The steering law is a robust model for expressing the relationship between movement time and task difficulty. Recently, a corrected model to calculate the steering time difference between narrowing and widening tunnels was proposed. However, the previous work only conducted a user study with straight paths. This paper presents an investigation of steering performance in narrowing and widening circular tunnels to confirm the corrected model as being either adequate or a limitation. The results show that the steering law achieves a good fit (R2>.98) without the corrected model, thereby indicating the limited benefit of employing the corrected model.
著者
海沼賢 宮下 芳明 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24, pp.113-120, 2006-03-14
被引用文献数
1

本研究では3Dマップ上を自由にウォークスルーしつつ,その地形に触発されて思いついたコメントを書き捨てて行けるシステムを開発し,小説創作における支援を試みた.まずオーサーは自分のイメージする物語の舞台となるマップを作成し,物語構築に協力してもらいたいビジターに配布して,思い思いの「妄想」を書き込んでもらう.オーサーは作品執筆の際,ビジターによって多くのコメントが書き込まれたマップ上を歩き回り,他者の妄想を拾い読みながら自らの発想の糧にしていく.これにより一人の人間による発想の限界を超えた多種多様なアイデアを得ることが可能となり,発想の行き詰まりを打開すると期待される.本稿では,マップをビジターに配布して発想を集めるビジター実験と,それを用いて実際小説の執筆を行うオーサー実験によってシステムの評価を行った.We developed a system that the users can walk through a 3D map and can write and leave their whimsical thoughts with basis on its terrain. In this paper, we evaluated its potential as support for writing novels. At the very start, the author creates a 3D map that forms a setting of his story, and distributes it to the people (visitors) whom the author wants to help him. The visitors write their whimsical thoughts freely; the author strolls on the map, browsing the comments, and gets new inspirations from them. In this way, the author collects many ideas that cannot be cooked up by himself, and finally may end a deadlock. To examine how the system actually works as we intended, we conducted two experiments. In the first experiment, we collect whims using the system, and analyzed what types of comments can be collected. In the second experiment, we took five people writing a novel with the system, and observed their activities.
著者
中村 裕美 宮下 芳明
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1_65-1_75, 2013-01-25 (Released:2013-03-25)

食メディアに関する研究には,料理情報の共有や調理工程の分析と支援,食事内容の記録や分析,健康維持のための食事環境支援,共食におけるコミュニケーションの分析,支援,味情報の計測や提示などが含まれる.本論文では,近年活発に展開されるようになった情報科学技術を活用した味情報の提示手法を対象に,該当する研究や技術展開を直接提示型と間接提示型の2つに分類し,各分類の特性を議論したうえでサーベイを行った.また,これらの研究領域や技術の今後の動向と食メディアへの貢献について議論した.
著者
松岡 拓人 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.13, pp.1-2, 2013-01-25

プレゼンテーションにおいては,終了予定の数分前に予鈴が鳴らされることが多い.しかしこの予鈴は発表を妨げ,その後も発表者が流れを取り戻しにくい. 「そろそろ時間だ」 という知らせは定刻の何分前にするとかではなく,迫り来る時間はもっと連続的なものとして存在する.時間伝達も連続性を直感的に感じられるようデザインされるべきではないか.私達が提案する焦げ臭を用いた時間伝達の場合は,焦げ臭の濃度が次第に高くなることによって時間が迫っているという感覚を表現する事ができる.We can aware the remaining time by hearing the first bell rang before on time when we make a presentation. However the bell Interfere with the presentation, and presenter is hardly regain the flow thereafter. We should be not announced the Information of "It is about the time" in a few minutes before the appointed time. The time is continuous. So timer should be designed to feel intuitively continuity. The timer using smell like something is burning we propose can express a sense of time is imminent by concentration of smell increases more and more.
著者
内平 博貴 宮下 芳明
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.10-19, 2010 (Released:2010-04-30)
参考文献数
29

本稿では,電子楽器であるサンプラーのメタファを取り入れることによる書道の新しい表現手法を提案する.目的は描画ツールで困難であった筆のかすれなどの表現を容易にすることと,楽器としてのサンプラーのメタファを取り入れることにより書道の新しい表現方法を提案することである.本システムはモデルとする書をマウスポインタでなぞることによってスキャニングし,描画画面でサンプル群を出力することにより描画を行う.本研究はさらにミキサーやエンベロープ・ジェネレータといった機能を導入し,出力画像の編集を行えるように改良している.また,サンプリング元を参照し閲覧できる機能を設け,サンプリング楽曲のように鑑賞時に参照元を発見する喜びを書に付与することで,さらに新しい表現,鑑賞スタイルを提案する.
著者
土井 麻由佳 宮下 芳明
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.912-928, 2018-03-15

箏を演奏するためには,演奏技術だけでなく,箏譜の読譜力や弦の位置把握力も必要である.それに加えて,箏には25種類もの奏法が存在し,その中には運指の切替えタイミング等の演奏するにあたって必要な情報が箏譜上に書かれていないものもある.そのため,これらの奏法の習得は難しいとされている.そこで本論文では,箏譜が読めず弦の位置を把握できない初心者のための「奏法」を考慮した箏演奏学習支援手法を提案する.提案手法は演奏支援情報を箏の弦や龍甲に直接提示する.システムでは,プロジェクションマッピングによって,これらの提示を行う.弦名が書かれた紙を用いた手法との比較実験を行い,撥弦位置や奏法を提示する学習支援手法が初心者に与える影響・効果について考察した.また,箏初心者を対象とした提案手法が経験者にも有用であるかについて検証した.実験の結果,初心者には撥弦位置や運指,一部の奏法提示に効果が見られたが,経験者には有用でないことが明らかになった.
著者
加納崇光 宮下 芳明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.79, pp.15-20, 2008-07-31
参考文献数
12

本稿では、建物や人物を撮影したスナップ写真などの実写画像を入力とし、その 2 次元の画像をもとにポップアップカードを作成できるソフトウェアの研究開発をおこなった。このソフトウェアでは入力された実写画像が格子状に区切られ、その格子を選択、編集することによってポップアップカードの展開図を生成することができる。また前景抽出アルゴリズムを用いることにより、均一な背景の画像では被写体となったオブジェクトを自動で判別し飛び出させることも可能である。これらの機能を用いることにより誰でも簡単に 3 次元形状をあらわすポップアップカードを作ることができ、ギフトカードやメッセージカードなど身近な贈り物として用いることが可能となった。In this paper, we developed a system to create pop-up cards from 2-dimensional photographic images of buildings or human figures. The system can recognize foreground elements automatically, or the user can choose elements to pop-up in the picture by selecting the desired areas on a grid overlayer. By cutting and folding the printed out result, the user can obtain 3-dimensional pop-up cards easily. Using this system, it is possible to instantly make pop-up cards from snapshots and share them as a gift.
著者
大家 眸美 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-149, no.12, pp.1-7, 2012-07-12

ウェブブラウジングの際,書き手のネガティブな感情表現によって読み手が精神に悪影響を受けることがある.本稿では,この影響を緩和する手法について考察する.ウェブコンテンツ閲覧前の対処として,ネガティブな感情表現を検出し,ポジティブ化,また婉曲化する段階的なフィルタリング手法を提案する.本手法は,読み手の閲覧時の気分を考慮し,それに応じた換言を施したコンテンツを提示する.また,閲覧後の対処として,「気にしない」ことを表明するテキストボタンインタフェースを実装した.このインタフェースによる効果について考察したところ,ボタンとしての機能を使用しなくても,存在するだけでネガティブな感情表現による影響を緩和することがわかった.
著者
中村 裕美 宮下 芳明
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.2_43-2_55, 2016-04-22 (Released:2016-06-22)

本論文では,電気味覚を用いて味覚情報を提示するソフトウェアやハードウェアを構築する際に参考となる生理学的知見を紹介する.味覚メディアの構築には,化学物質の受容に関する知見,他感覚が味覚に与える感覚間相互作用に関する知見が活用されているが,近年電気刺激によっておこる電気味覚も用いられつつある.電気味覚を活用した味覚メディアの構築を進めるためには,インタラクティブシステムの構造設計や刺激のデザインの参考となる知見を,生理学分野で250年超にわたり蓄積された研究群から効率的に探し出し,取り入れる必要がある.そこで本論文では,電気味覚の機序や他感覚との比較例を紹介した上で,刺激の制御とシステム構成を軸に工学的応用の助けとなる生理学的知見を紹介する.そして,工学分野における電気味覚メディアの方向性について議論する.
著者
秋山 弘貴 宮下 芳明
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.22, pp.1-6, 2010-03-05
被引用文献数
1

本稿では,「光速に近い速度で動くオブジェクト」 における CG 表現について検討し,CG の代表的なレンダリング技法であるレイトレーシングのアルゴリズムを拡張し,光線追跡時に描画対象となる仮想世界の時間を逆向きに進行させることによって光の速度を鑑みた CG 描画ができるシステムを実装した.そして,このシステムで光速を実世界より遅く設定すると,オブジェクトの動きを誇張する映像効果 「Light Brake Effect」 が発現することを確認した.この特殊な世界では,高速に移動するオブジェクトに対して伸縮や遅延が起こり,その影にも影響が及ぼされるため,動きを誇張するエフェクトとして効果的であると考えられる.In this paper we discuss CG expression of objects moving close to the speed of light. We expanded a ray trace program with the light speed in mind, and developed a rendering system that turns back the clock during tracing calculation. When we slow down the parameter of the light speed in the system, we observed special effects in the rendered images; we called it Light Brake Effect. There fast moving objects and their shadows stretch and get delayed apparently, so we consider the effect as overdramatizing expression.
著者
大家 眸美 宮下 芳明
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013-SLP-95, no.15, pp.1-2, 2013-01-25

Twitter 等におけるネガティブな感情表現の不快感を緩和する手法として,筆者らはこれまでポジティブな表現に言い換える手法を提案してきたが,本稿では,その文章の信頼性を下げる言い換えを行うことによって緩和する手法を提案する.信頼性を下げる手法としては,文章に文字化けを混入させたり,誤変換を行ったり,むやみなカタカナ語を使用したり,文末を変更することによって他人が言っていたことにしたり夢オチにすることによって実現している.
著者
中村 美惠子 宮下 芳明
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1_118-1_129, 2012-01-26 (Released:2012-02-26)

人間の知的創造活動を支援することは,情報科学の分野でも大きなテーマの一つである.本論文では知的創造活動を支援する認知ツールの設計に欠かせない,認知科学,社会心理学,行動経済学など様々な分野での新しい知見を紹介する.また,人間の知覚や認知に基づいた認知ツールの試みも紹介しながら,認知ツールひいては人間と計算機のインタラクションの展開について予測する.