著者
宮内 俊慈
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.24, pp.49-69, 2014

関西外国語大学留学生別科の中級後期のクラスにおいては、2008年度より本校教員の髙屋敷(2012)により開発されたモジュール型教科書が使われてきた。当教科書は、ドラマを対象としたユニット7を除き全6ユニットから成り立っているが、2014年の夏にユニット1の改訂が行われ、秋学期からその試用が始まった。本稿は、変更されたユニット1を含め、この中級後期の教科書が学生間でどの程度受け入れられており、どのような問題点があるのかを確かめるべく学生にアンケートを実施したので、その結果を報告するものである。
著者
川口 輝久 久保 正則 宮内 俊 秋山 仁 小富 正昭
出版者
The Japanese Society for the Study of Xenobiotics
雑誌
薬物動態 (ISSN:09161139)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.628-650, 1994 (Released:2007-03-29)
参考文献数
19
被引用文献数
2

BOF-A2(3-[3-(6-benzoyloxy-3-cyano-2-pyridyloxycarbonyl)benzoyl]-1-ethoxymethyl-5-fluorouracil)をラットに単回および反復経口投与後の主代謝産物である1-ethoxymethyl-5-fluorouracil(EM-FU),3-cyano-2,6-dihydroxy-pyridine(CNDP),5-fluorouracil(5-FU)の吸収,分布,代謝および排泄について検討した. 1.各代謝産物の血漿中濃度推移はSDおよびDonryu系雄性ラットで差は認められなかった. 2.投与量の増加にともなって各代謝産物のCmaxおよびAUCo.72比も増加したが,1000mg/kg投与群ではやや頭打ちになる傾向が認められた. 3.5-FUとCNDPの併用投与あるいはEM-FUとCNDPの併用投与の場合よりも,BOF-A2投与の場合が血漿中5-FU濃度は最も長く持続した. 4.絶食あるいは非絶食下に雄性ラットに単回経口投与後,EM-FUは非絶食下投与の方が,CNDPおよび5-FUは絶食下投与の方が高い血漿中濃度推移を示した. 5.雌雄ラットに単回経口投与後,EM-FUは雌が,5-FUは雄が高い血漿中濃度推移を示した. 6.担癌雄性ラットにおける血中5-FUは,正常ラットよりも低い濃度推移を示した.これらのEM-FU,5-FUの濃度推移の差は,主に,肝ミクロソームにおけるEM-FUから5-FUへの活性化酵素(EM-FU代謝酵素)活性の差により,CNDPの濃度推移の差は吸収の差によると考えられた. 7.雄性ラットに反復経口投与後7日目には,1日目に比べて,EM-FUが高い血漿中濃度推移を示し,5-FUが低い推移を示した. 8.雌雄ラットに単回経口投与後2~8時間に,EM-FU,CNDP,5-FUは消化管,腎臓などで血漿中よりも高い濃度を示したが,24時間までには速やかに減少した.また,雄性ラットでの反復投与において,各代謝産物ともに組織への蓄積性は認められなかった. 9.雄性ラットにシメチジンおよびシスプラチンをBOF-A2と同時投与した場合,BOF-A2単独投与群に比べて,EM-FUの血漿中濃度および尿中排泄率が増加し,5-FUの血漿中濃度および尿中排泄率は減少したことから,シメチジソおよびシスプラチンによるEM-FU代謝酵素活性の抑制が推察された. 10.雄性ラットに単回経口投与後48時間までに,EM-FUが6.8%,5-FUが17.9%,CNDPが58.4%尿中へ排泄された.糞中にはBOF-A2が6.6%検出された。また,胆汁中排泄率は各代謝産物ともにわずかであった. 11.雄性ラットに反復経口投与した場合,尿中へのEM-FUの排泄率は増加し,5-FUの排泄率は若干減少する傾向が認められた. 12.雄性ラットに3,10,30mg/kgの用量で1日1回14日間反復経口投与後,NADPH Cyto-chrome C reductase活性が用量依存的に減少し,また,30mg/kg投与では,DHUDase活性が増加した.
著者
鈴木 将司 宮内 俊幸 水野 佑哉 石川 徳久
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.33-38, 2016-01-05 (Released:2016-02-06)
参考文献数
21

ケナフ中のセルロースを濃塩酸で加水分解し,生成した還元性末端基(アルデヒド基)を過マンガン酸カリウムで酸化することによってカルボキシル基を有する弱酸性型陽イオン交換体を得た.このイオン交換体の交換容量は2.80 Cu(II) meq g-1– Rと高く,吸着速度も速く30分以内で吸着平衡に達した.また,金属イオンの吸着はpH=2.5以上から始まり,従来のカルボキシル基型イオン交換体と比較し低pH領域からの吸着が認められた.カラム法を用いて本交換体に対する銅イオン及び白金族金属イオンの吸着挙動を調べたところ,銅(II),ルテニウム(III),ロジウム(III)及びパラジウム(II)は吸着するが,他の白金族金属イオン,すなわちイリジウム(III),オスニウム(IV)及び白金(IV)は吸着しない.また,カラム内に保持された白金族金属イオンは塩酸溶離液でCu(II) – Pd(II) – Ru(III)及びCu(II) – Rh(III) – Ru(III)の三元分離ができた.さらにノートパソコン基板を王水処理し,その中に存在する銅(II)及び白金族金属イオンの回収について検討した.
著者
髙屋敷 真人 宮内 俊慈 Masahito Takayashiki Shunji Miyauchi
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.26, pp.63-75, 2016

このプロジェクトは、2014年度に関西外国語大学国際文化研究所(以下IRI)のIRI共同プロジェクトとして採択され、以後、プロジェクト研究助成を受けながら継続して行われているものである。本プロジェクトの主旨は、関西外国語大学留学生別科の総合日本語コースのレベル6(中級後期)の教科書開発プロジェクトとして中級後期の会話用「モジュール型教材」を作成することである。開発教材は、2014年度秋学期から試用し、アンケート調査や授業評価の結果を分析し改訂を重ねている。本論は、過去三年間に渡る教材開発と改訂作業の実践報告である。
著者
入江 経明 宮内 俊一 米崎 治男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.59-62, 1975-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7

実地醸造において原料米の品質管理の一環として, そのもろみ中での溶解性を予知するために, 少量の試料を用いて迅速簡便で定常値が得られる蒸米被消化性試験法を設定し検討を加えた。白米処理上のポイントは, 白米の枯らし日数と水切操作である。各種酒米の被消化性をしらべた結果心白米は一般米にくらべて被消化性がよく, 白米中のたんぱく含量の少ない方が被消化性がよかった。
著者
宮内 俊慈 Shunji Miyauchi
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 = Papers in teaching Japanese as a foreign language (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.25, pp.25-54, 2015

関西外国語大学留学生別科の中級後期のクラスにおいては、2008 年度より本校教員の髙屋敷(2012)により開発されたモジュール型教科書を使ってきた。当教科書は、ドラマを対象としたユニット7 を除き全6 ユニットから成り立っているが、2014 年の夏にユニット1 の改訂を行い、秋学期のユニット4 まで終了した中間試験の時点で学生の評価アンケートを実施し、前回の紀要にその結果を報告した。2015 年の夏にはユニット6 の改訂を行い、その秋から試用を始めた。本稿は、前年の報告に引き続き、今回変更されたユニット6 を含め、この中級後期の教科書に対する学生間の評価を調査し、どのような問題点やニーズがあるのかを確かめるアンケートを実施したので、結果を報告するものである。
著者
宮内 俊慈 Shunji Miyauchi
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.26, pp.41-62, 2016

関西外国語大学留学生別科の中級後期のクラスにおいては、2008年度より本校教員の髙屋敷(2012)により開発されたモジュール型教科書を使ってきた。当教科書は、ドラマを対象としたUnit7を除き全6ユニットから成り立っているが、2014年の夏にUnit1の改訂を行い、秋学期に試用を行い学生の評価を実施した。続く2015年の夏にUnit6の改訂を行い、その秋から試用を始め、この中級後期の教科書に対する学生間の評価を調査し、その結果を前回(25号)の紀要で報告した。さらに、2016年の夏にUnit4の改訂を行い、秋学期に試用し学生への調査を行った。本稿で、その調査結果の詳細の報告をする。
著者
宮内 俊策 牧 佑歩 上野 剛 杉本 龍士郎 山下 素弘 高畑 浩之
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.598-603, 2017-07-15 (Released:2017-07-15)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

CT上,肺切除後のステープルラインにconsolidationを認める症例はしばしば経験する.今回,肺癌術後のステープルラインに増大する結節影を認め,切除を行った症例を経験したので報告する.症例1は77歳,男性.66歳時に右中葉,下葉肺癌に対して右中葉切除術,下葉部分切除術施行し,pStage IAの腺癌であった.経過観察中に右下葉S6のステープル近傍に結節影が出現し,経過のCTで増大傾向を認めたため右開胸S6区域切除術施行し,術後病理診断では炎症性変化の診断であった.症例2は66歳,男性.62歳時に左上葉肺癌に対して左上区域切除術施行し,pStage IAの腺癌であった.経過観察中に左肺門部に結節影が出現したため残存舌区域切除術施行し,術後病理診断では非結核性抗酸菌症の診断であった.本症例のような病態はステープル使用に伴う合併症として認識すべきである.
著者
高屋敷 真人 宮内 俊慈 Masahito Takayashiki Shunji Miyauchi
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 = Papers in teaching Japanese as a foreign language (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.25, pp.55-68, 2015

本研究は、2014 年度の関西外国語大学国際文化研究所(以下IRI)のプロジェクト研究助成を受け、IRI 共同プロジェクトとして認定され、以後、継続して行われているものである。本プロジェクトの主旨は、関西外国語大学留学生別科の日本語会話レベル6(中級後期)の教科書開発プロジェクトとして中級会話用の「モジュール型教材」を作成し2015 年度秋学期(8 月~12 月)と2016 年春学期(1 月~5月)での試用を目指したものである。昨年度は、アンケート調査や授業評価の結果を分析し第一課(ユニット1)と第六課(ユニット6)の本文の改訂を行い、大きな成果を生んだ。
著者
三好 将仁 金丸 誠 安原 裕登 宮内 俊彦
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.142, no.2, pp.119-124, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
17

Feature values of the current are rapidly becoming online indicators of faults in motors and load equipment. Diagnosis by analysis of the stator currents is called motor current signature analysis (MCSA). Compared with vibration analysis, this method can be applied without sensors, and additional long wiring. MCSA detects incidents peculiar to motors, such as bearing failures and rotor bar faults, before breakdown. In this study, we introduce relationships between the failures and current features. The MCSA sometimes has difficulty in identifying anomalies and there is the possibility of false-positive results; hence, we propose some solutions to these problems.
著者
宮内 俊幸 黒木 和志 石川 徳久 高橋 誠 盛 秀彦
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.9-15, 2007-01-05
被引用文献数
4

ブナおが屑(くず)をホスホン酸ジフェニルーホルムアルデヒド樹脂で化学修飾して発煙硫酸処理に耐えられる木質バイオマスー合成高分子複合体を合成して,これを基体とするスルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂を得た.ブナおが屑を強化するのに必要なホスホン酸ジフェニル樹脂は原料の仕込み濃度で約14wt%以上あれば十分であり,原料仕込み濃度で約75wt%ブナおが屑を基体とするスルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂を得ることができた.交換容量は2.4meqg^<-1>-R(乾燥樹脂)と良好な値であり,交換速度も速く約5分以内で平衡に達し,そのため高速でのイオン交換が可能であった.密度は1.18g mL^<-1>であり,水溶液中で浮くという欠点もなくカラム操作に十分に対応できるイオン交換樹脂であった.本交換樹脂は塩酸溶液あるいはメタノールー塩酸混合溶液を用いると,Li^+-K^+, Mg^<2+>-Ca^<2+>-Sr^<2+>-Ba^<2+>の相互分離,更にはCd^<2+>-Zn^<2+>, Cd^<2+>-Co^<2+>あるいはCd^<2+>-Ni^<2+>などの相互分離に利用できた.