著者
倉林 利行 吉村 優 切貫 弘之 丹野 治門 富田 裕也 松本 淳之介 まつ本 真佑 肥後 芳樹 楠本 真二
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.143-152, 2020-09-03

本論文ではソフトウェア開発における実装の自動化に向けたファーストステップとして,プログラミングコンテスト AtCoder の正解プログラムを自動生成する技術の開発を目指す.自動プログラミングの既存研究としては,生成したいプログラムの入出力例からプログラム部品を合成する手法などが存在するが,プログラム部品の組み合わせ爆発により入出力例を満たすプログラムが生成できない,また生成できたとしても入出力例は満たすが正しいプログラムではないというオーバーフィッティングしたプログラムが生成されてしまうという課題が存在した.本論文では深層学習を用いて過去の問題情報から問題文と正解プログラムの関係性を学習することで上記の問題を解決する.具体的には学習済みモデルを用いて過去の問題情報から解きたい問題と類似した問題を検索して取得し,その正解プログラムを雛形としてプログラムを複数個合成し,再び学習済みモデルを用いて生成されたプログラムから最も問題文との関係性が近いプログラムを判定して出力する手法を提案した.提案手法は AtCoder の配点が 100 点の問題 92 問に対して評価を行い,24 問の正解プログラムの自動生成を確認した.
著者
富田 裕章 藤澤 洋徳 逸見 昌之
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-16, 2018 (Released:2018-06-15)
参考文献数
22

多重代入法(Multiple Imputation; MI)は多分野の研究で欠測データを解析する手法として使われている.多重代入法は非常に使いやすい反面,欠測値に代入する補完値を生成する際に条件付き分布の同定を誤ると偏りのある推定量を導き得るという欠点がある.本研究では条件付き密度推定から導かれる重みを利用した重み付き最尤推定法(Bias-corrected MI; BCMI)に基づく推定量が,目的変数が欠測する場合の回帰分析においても一定の条件下で一致性があることを確認した.さらに,本手法を予測に適用することを検討し,予測精度を向上させるために密度推定によって求めた重みと補完したデータに対する重み付けパラメータを導入し,交差検証によって値を定めるという改良法(BCMI-CV)を提案した.数値実験によって,BCMI-CVは補完の誤り度合いによらず,安定的に予測誤差を小さくするという挙動を示すことを確認した.
著者
富田 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1113, pp.24-26, 2018-02-08

くみ上げた源泉に含まれるメタンガスで機械棟が爆発。3人が死亡、2人が負傷した東京都渋谷区の温浴施設「シエスパ」事故。設備設計者の説明不足が過失に当たるとした有罪判決が最高裁判所で確定した。
著者
富田 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1016, pp.97-99, 2014-01-25

第(12)回安全上必要な情報を伝えなかった設計者に禁錮3年─。2007年に発生した東京都渋谷区の温泉施設爆発事故で、東京地裁は設備設計者に有罪判決を下した。専門知識を有する設計者の責任を重くみた。
著者
富田 裕
出版者
日経BP
雑誌
日経アーキテクチュア = Nikkei architecture (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1155, pp.38-40, 2019-11-14

同じ造成地に立つ複数の戸建て分譲住宅が不同沈下し、集団訴訟に発展した。売り主の不動産会社は「近隣工事の影響だ」と主張したが、裁判所は基礎選定に問題があったとして慰謝料を含む高額賠償を命じた。建物の不同沈下が判明した直後の対応は大…
著者
川村 隆一 筆保 弘徳 山本 勝 富田 裕之 森本 昭彦 柳瀬 亘 吉田 聡 宮本 佳明
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

台風と爆弾低気圧による被害事例が日本全国広範囲で多発している。両ストームの発達・進路予測の改善、関連するストーム起源の極端現象の発生予測、そして変わりゆく気候環境下で両ストームの活動度がどのように変調するのかを解明する事は減災の観点からも喫緊の課題である。その問題解決に大きな不確実性をもたらしているのが黒潮・黒潮続流が熱・水蒸気供給を介して両ストームに与える影響である。暖水渦のような海洋中規模渦と低気圧の空間規模は1 桁程度異なっており、スケール間大気海洋相互作用の実態は依然として未解明である。そこで本課題では台風と爆弾低気圧の発達プロセスに果たす中緯度大気海洋相互作用の包括的研究を展開する。
著者
富田 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1129, pp.17-19, 2018-10-11

標準管理規約では、理事長を管理組合の代表者とし、理事長は区分所有法上の管理者を兼ねる存在だと規定している。マンション管理や大規模修繕の設計・施工などを担う事業者との契約は、代表者である理事長との間で結ばれる。 しかし、今回のケースのように…
著者
梶山 智晴 富田 裕之 宮原 裕二
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.119, no.10, pp.464-469, 1999-10-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

We have developed a new method for cleaning flow-through cells by using microbubbles and ultrasonic (US) standing waves. A standing wave generated by US transducers at 1 MHz was used to trap microbubbles at node positions of the sound pressure. We were also able to control the microbubbles' positions spatially through frequency modulation. We found that these microbubbles were very effective for washing microbeads out of flow-through cells, particularly when frequency-modulated US irradiation was used. The proposed method promises to be very useful for cleaning the flow-through cells in small analytical instruments.
著者
品岡 寛 富田 裕介 求 幸年
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.762-766, 2012
参考文献数
22

磁性体における相互作用の乱れは,スピンがランダムに凍結するスピングラスを引き起こす.しかし近年,従来のスピングラス描像では説明の難しい奇妙なスピングラス挙動が多くの磁性体で見出されている.本稿では,こうした系に共通してみられる幾何学的フラストレーションに着目した理論研究を紹介する.フラストレーション系に本質的に潜む乱れに対する敏感さと,スピン格子結合によるエネルギー縮退構造の準離散化の協調効果として,こうした奇妙な振る舞いの多くが理解できることを示す.
著者
富田 裕子 黒川 勝己
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1, pp.63-71, 1999-01-15
参考文献数
38
被引用文献数
11 9

大阪層群最下部に挟在する鮮新世後期(約2.7 Ma)の土生滝I火山灰層および東海層群の南谷1火山灰層と, 日本海側の氷見層群のMT2火山灰層, 新潟地域の西山層中のArg-2火山灰層との対比を検討した.これらはいずれも黄白色ないし白色細粒のガラス質火山灰層で, 水底に堆積した降下火山灰層と考えられる.全層厚は13-150 cmであるが, 1-3ユニットから構成される.これらの火山灰層はその層準や年代, 高温型石英を含み, 斜方輝石, ホルンブレンドを主とする重鉱物組成などの記載岩石学的特徴, およびbubble wall型を主とする火山ガラスの形状, ガラスの屈折率, 化学組成の検討から同一の火山灰層と認定できる.南谷1火山灰層はすでに掛川層群の有ヶ谷I火山灰層にも対比されていることから, これらの火山灰層(土生滝1-MT2火山灰層と総称する)は中央日本における太平洋側から日本海側にわたる広域火山灰層として有効に活用しうると考えられる.
著者
富田 裕一郎 林 国興 武元 和郎 荒武 正則
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部学術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
no.28, pp.p199-208, 1978-03

必須アミノ酸混合物を唯一の窒素減とした基礎飼料に, 非蛋白態窒素源としてクエン酸二アンモニウム(DAC)とL-グルタミン酸(Glu)を添加したときの, 白色レグホン雄雛の成育に対する効果について検討するため2回の実験を行なった.実験期間は, 実験-1では15日令から27日令までの12日間, 実験-2では18日令から29日令までの15日間である.その結果は次の通りである.1.実験-1,-2を通じて基礎飼料にDACおよびGluを単独にあるいは両者を混合して添加すると対照の基礎飼料給与区に比して有意に増体量の増加をもたらした.実験-1では, 12.91%DAC(10%粗蛋白質量に相当)単独添加区の増体量が, 他の2.58%DAC(2%C.P.)および3.36%Glu(2%C.P.)の両非蛋白態窒素添加区よりも大であった.実験-2では, 6.46%DAC(5%C.P.)と8.42%Glu(5%C.P.)の混合添加区の増体がDAC6.46%(5%C.P.), 12.91%(10%C.P.), 19.37%(15%C.P.)およびGluの16.81%(10%C.P.)各単独添加区の増体に比して大であり, 19.37%DAC添加区の増体量は他の非蛋白態窒素添加よにる増体量に比べ, 有意に低した.2.飼料摂取量, 飼料効率は非蛋白態窒素の添加により高くなり, また肝臓重, 肝臓中の蛋白質量, RNAおよびDNA量, GOT, GPTおよびXDH活性, さらに血漿尿酸量が増加した.3.血漿中の遊離アミノ酸濃度を測定した結果, 対照の基礎飼料給与区に比して, 12.91%DAC単独添加区ではイソロイミン, スレオニン, リジンの増加, ヒスチジン, チロシンおよびロイシンの低下が顕著であった.16.81%Glu単独添加区では, アスパラギン酸, アラニンの増加, ヒスチジン, チロシン, グリシンの低下が大であった.DACとGlu両者を添加した区ではグルタミン酸の増加, ヒスチジン, チロシン, グリシン, セリンの減少が大であった.