著者
斉田 智里 小林 邦彦 野口 裕之
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

英語教育の効果を測定・評価するために、項目応答理論(IRT)と構造方程式モデリング(SEM)の使用が有用であることを実証的に示すことができた。IRTを用いた大規模テストで高校生や大学生の英語力を測定し、英語力の大きさや変化の要因をSEMを用いて検討した。その結果,学習指導要領の変遷や入試科目の変更、大学英語教育カリキュラムの変更が、高校生や大学生の英語力に大きな影響を及ぼしていることが示された。言語プログラムにおける教育評価情報の収集・分析・評価のシステムを構築した。
著者
上田 泰久 福井 勉 小林 邦彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
巻号頁・発行日
pp.C4P1164, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】座位姿勢において上半身質量中心位置(Th7-9)を前方へ移動すると頭部を水平に保つために下位頚椎は伸展して上位頚椎は屈曲し、後方へ移動すると下位頚椎は屈曲して上位頚椎は伸展することが観察できる。座圧中心は上半身質量中心位置を投影している重要な力学的な指標である。我々は第64回日本体力医学会大会(2009年)において「座圧中心と頚椎の回旋可動域の関連性」について報告し、左右の移動では座圧中心を頚椎の回旋側とは逆側へ移動すると回旋可動域が有意に向上したが、前後の移動では回旋可動域に有意差はない結果を得た。しかし、座圧中心の前後の移動では頚椎回旋の運動パターンが異なることが観察されたため、頭部肢位の変化により後頭下筋群の働きに違いがあるのではないかと考えた。今回、頭部肢位の違いと後頭下筋群の関係について肉眼解剖を行い観察することができたため報告する。【方法】名古屋大学大学院医学系研究科の主催する第29回人体解剖トレーニングセミナーに参加して肉眼解剖を行った。86歳男性のご遺体1体を対象とした。仰臥位で後頚部の剥皮後、左側の僧帽筋上部線維,頭板状筋,頭半棘筋を剥離し、左側の後頭下筋群(大後頭直筋,小後頭直筋,上頭斜筋,下頭斜筋)を剖出した。剖出した後頭下筋群を観察した後、他動的に頭部肢位を屈曲位および伸展位に変化させた後頭下筋群の状態を観察した。さらに、頭部肢位を変化させた状態から他動的に頚椎を左回旋させ、後頭下筋群の状態を観察した。後頭下筋群の状態はデジタルカメラを用いて撮影した。他動的な頭部肢位の変化と左回旋の誘導は1名で行い、デジタルカメラ撮影は別の検者が行った。【説明と同意】学会発表に関しては名古屋大学人体解剖トレーニングセミナー実行委員会の許可を得た。【結果】頭部肢位を屈曲位にすると上位頚椎も屈曲位となり、左大後頭直筋,左小後頭直筋,左上頭斜筋,左下頭斜筋は起始と停止が離れて緊張した状態になった。一方、伸展位にすると左大後頭直筋,左小後頭直筋,左上頭斜筋,左下頭斜筋は起始と停止が近づき弛緩した状態になった。頭部肢位を屈曲位から左回旋させると、左大後頭直筋,左下頭斜筋は緊張した状態から軽度弛緩した状態へと変化した。一方、伸展位から左回旋させると、左大後頭直筋,左下頭斜筋はより一層弛緩した状態へと変化した。左小後頭直筋,左上頭斜筋は頭部肢位に関係なく他動的な左回旋では著明な変化は観察できなかった。【考察】大後頭直筋は両側が働くと環椎後頭関節,環軸関節を伸展させ、片側が働くと同側に側屈,回旋させる。小後頭直筋は両側が働くと環椎後頭関節を伸展させ、片側が働くと同側に側屈させる。上頭斜筋は両側が働くと環椎後頭関節を伸展させ、片側が働くと同側に側屈して逆側に回旋させる。下頭斜筋は両側が働くと環軸関節を伸展させ、片側が働くと同側に側屈,回旋させる(河上ら,1998)。自動的に左回旋をする場合、左側(同側)の大後頭直筋,下頭斜筋は上位頚椎の回旋運動に大きく関与し、左側(同側)の上頭斜筋,小後頭直筋は回旋運動に対して拮抗する固定的な要素が強いと考えられている(五百蔵,1988)。後頭下筋群は筋紡錘の密度が高く非常に小さい筋群である(Kulkarni et al. ,2001)。そのため、頭部肢位の変化に伴い起始と停止の位置関係が大きく変わることは筋長に決定的な影響を与え、収縮のしやすさが変化すると考える。つまり、頭部肢位が屈曲位にある場合、後頭下筋群は緊張した状態であり収縮しやすい条件であると考えられる。一方で伸展位にある場合、後頭下筋群は弛緩した状態であり収縮しにくい条件であると考えられる。以上より、頭部肢位を屈曲位の条件では後頭下筋群が働きやすく、上位頚椎の回旋が誘導されやすい運動パターンになるのではないかと考えた。【理学療法学研究としての意義】頭部前方変位の姿勢を呈する症例では、胸椎が後彎して下位頚椎は屈曲位で上位頚椎は伸展位になり、後頭下筋群が短縮して伸張性が低下していることがある。このような症例では、後頭下筋群の伸張性を徒手的に改善させるだけでなく、姿勢と関連させて後頭下筋群が働きやすい状態にすることが望ましいと考える。本研究は、肉眼解剖により実際に後頭下筋群を観察して確認した研究である。後頭下筋群は姿勢制御においても大変重要な役割があるといわれており、ご遺体1体の観察ではあるが姿勢と後頭下筋群を関連させた理学療法学研究として意義のあるものと考えている。
著者
萩原 啓二 小林 邦彦
出版者
医学書院
雑誌
臨床検査 (ISSN:04851420)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.98-100, 1995-01-15

1.はじめに ジャッカリン(jacalin)とは熱帯植物jackfruit(図1.日本名:パラミツ,学名:Artocarpusintegrifolia)の種子から得られるレクチンの1つで,もともと1981年にリンパ球のマイトーゲンとして見つけられた,その後1985年にブラジルの研究者によりヒトIgAと結合することが発見されたのを機に注目を浴びたレクチンである.
著者
藤田 禎三 ターナー マルコム リード ケネス エゼコビッツ アラン 水落 次男 小林 邦彦 松下 操 TURNER Malcolm w REID Kenneth b m
出版者
福島県立医科大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

1).マンノース結合蛋白(MBP)はマン-スやN-アセチルグルコサミンに結合特異性を持つ血清レクチンの一つで、補体活性化能が有り、生体防御上重要な役割を演じている。MBPによる補体活性化のメカニズムに関しては次の2つの説が提唱されている。一つは、補体第一成分C1と同様にMBPはC4,C2の分解にプロテアーゼ成分としてC1の亜成分C1rとC1sを用いるとする考え方である。これはイギリスのReid博士らのMBP-C1r/C1s複合体が形成し得ることを示した再構成実験に基づく。一方,我々の連休からヒト血清MBP画分からC4,C2分解活性能を有するプロテアーゼMASP(MBP-associteel sereine pntease)が単離されたことより、MBPはMBP-MASP複合体を形成して働いているとする見方である。生体的でMBPによる補体活性化(レクチン経路)のメカニズムを解明する上で、MBPとC1r/C1s,MBPとMASPなどの結合性が重要な手がかりとなる。そこで、MBP-MASP,C1の亜成分間の結合性を結合定数の測定により検討した。Reid博士らの調製したC1と我々の調製したMBP-MASPを材料として蛋白成分間の結合状態を調べる装置であるBiacoreを用いてMBP-MASP,MBP-C1r/C1s,C1g-MASP,C1q-C1r/C1s各々の結合定数を求めたところ、これらの値はほぼ同程度てあることが判明した。血清中よりMBP-MASP,C1q-C1r/C1sのみ得られることを考慮すると以上の結果は、これら2つの複合体は何らかの制御機構を受けてin vivoで形成される可能性を示唆している。2).MBP欠損患者が高頻度(白人で5-7%)で知られており、幼児における易感染性との関連が報告されている。これらMBP欠損患者のMBP遺伝子では塩基230の点突然変異でコドン54がGGC→GACに変化していることが明らかにされている。これはMBP蛋白のグリシン(G)がアスパラギン酸(D)への置換につながる変異であり、この結果,変異MBPは合成されても生体内で分解が速いものと推定されている。アメリカのEzekouitg博士らは正常タイプのMBP(MBPG)と変異MBP(MBPD)のリコンビナント体を作製して両MBPの性状を検討した。その結果MBPGがヒト血清中の補体活性化能を示したのに対して、MBPDには本活性が損われていた。そこで,このような活性の違いの原因を解明する目的でMBPとMASPとの反応性に着目して検討を行った。その結果、EZRkouitg博士の調製したリコンビナントMBPのうち、MBPGはヒト血清MBPと同様にMASP共存下、補体成分C4,C2分解を伴なう補体活性化能を示したが、MBPDにはその活性が見られなかった。更に、MBPとMASPとの結合性を検討したところ、MBPGはMASPと結合したのに対して、MBPDは結合しなかった。以上の結果より、MBPDに補体活性化能が損なわれている原因として、MASPとの結合活性がないことが明らかとなった。(投稿中)。3).リウマチ患者血清中のIgGの多くは、非還元末端のガラクトースが欠損して次のN-アゼチルグルコサミン残基が末端に位置している異常な糖鎖構造をしている。MBPはN-アセチルグルコサミンに親和性を持つので、このガラクトース欠損IgGにMBPが結合すると補体活性化をおこし、それがリウマチの病態と関連がある可能性が考えられる。そこで、リウマチ患者血清IgGへのMBPの結合性を調べたところ、正常人のIgGに比べて、より多くのMBPが結合することがわかった。更に、このMBP結合性IgGをプロテインGカラム及びMBPカラムを用いて単離後、MBP-MASPによる補体活性化能をC4消費を指標に調べたところ、明らかな活性化を示した。また、このIgGはIgMタイプのリウマチ因子と複合体を形成していた。これらの結果より、リウマチ患者血清中の異常な糖鎖構造をもつIgGを含大複合体がMBP-MASPを介したレクチン経路の活性化を起すことが明らかとなった。