著者
張 暁華 中西 良成 小林 希一 三ッ峰 秀樹 齋藤 豪
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.8-14, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

カメラの実写映像に基づいた立体物の電子映像部品化を目的として、被写体の表面反射パラメータ、すなわち、拡散反射および鏡面反射パラメータを良好かつ安定に求める方法を開発した。これまでは反射パラメータを求めるに当って、先ず、拡散反射成分と鏡面反射成分を分離してから求めていたが、この場合、被写体が複雑なテクスチャを持つ場合、あるいは、鏡面反射成分が多い場合には分離が良好に行えず、パラメータの取得が困難であった。本方法は、従来の方法と異なり、光源および被写体の色信号を予め知ること無しに、パラメータフィッティング法を用いて一挙に反射パラメータを求めることを特長としている。また、求めた反射パラメータを用いることにより、従来困難であった被写体に対しても拡散反射成分と鏡面反射成分を良好に分離することが可能である。論文では、反射パラメータの取得法の詳細、実験結果、考察等について述べる。
著者
小林 瑛美子 中川 栄二 宮武 千晴 竹下 絵里 石山 昭彦 齋藤 貴志 小牧 宏文 須貝 研司 佐々木 征行
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.76-82, 2015-06-30 (Released:2015-08-06)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

症例は10歳女児。新生児期脳出血後遺症による非定型欠神発作を認めていたが抗てんかん薬(クロナゼパム、カルバマゼピン、ラモトリギン)の内服により疲労時に短い発作症状を認めるのみに落ち着いていた。9歳時に乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン第1期1回目及び2回目を接種した。2回目接種後から1カ月経過した頃より非定型欠神発作が群発するようになった。頭部MRIでは右側大脳・脳幹部の萎縮を認めていたが進行はしていなかった。脳波では2.5~3 Hzの全般性棘徐波を睡眠ステージに関係なく連続的に認め、電気的なてんかん重積状態を示した。髄液中の抗グルタミン酸受容体抗体の上昇を認め、てんかん発作の急激な悪化に自己免疫異常が関与していると考え、免疫グロブリン静注投与を行ったところ発作頻度が減少し脳波上の改善も得られた。臨床経過からてんかん発作の急性増悪因子として日本脳炎ワクチン接種が考えられた。
著者
小林 裕和
出版者
相模女子大学専門職大学院社会起業研究科
雑誌
社会起業研究 (ISSN:24363456)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.52-67, 2021 (Released:2022-08-05)

本論文は、観光分野における社会的企業を研究対象として、その概念の整理をしたうえで、富山県富山市八尾町を拠点として事業を行う企業を事例として、その創業プロセスにおける必要な経営資源であるソーシャル・キャピタルに注目して、事業を構想してから創業までのストーリーを記述した。その結果、事業構想から実際の起業まで、通常の起業プロセスよりも早かったことを明らかにした。その考察から、観光分野においては、社会的企業にとって、多様なステークホルダーがかかわる観光の特性を生かして起業を促進することができるという優位性があるという、「ソーシャル・キャピタル構築強化理論」として、仮説的にて提示した。
著者
野本 潤矢 石橋 裕 小林 法一 小林 隆司
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.706-713, 2019-12-15 (Released:2019-12-15)
参考文献数
8
被引用文献数
1

訪問型サービスC(以下,訪問C)は,介護予防・日常生活支援総合事業の介護予防・生活支援サービス事業の1つであり,ADL/IADL課題の改善を主目標に,3ヵ月程度の短期間で支援を終結させる点が特徴である.要支援2認定のA氏は,作業工程の多さや洗濯かごの運搬距離の長さから,洗濯物を干す動作に努力の増大と効率性の低下を認めた.A氏が少ない疲労で効率よく干すことを目的に,洗濯物干しハンガーの位置変更など,作業遂行に焦点を当てて環境設定や動作方法を中心に助言した.その結果,3回の助言でA氏の作業遂行能力や健康関連QOLが向上した.作業療法士が訪問Cを担うことにより,短期間でADL/IADLの改善につなげることができると示唆された.
著者
小林 幸夫
出版者
関西法政治学研究会
雑誌
憲法論叢 (ISSN:24330795)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.123-142, 2005-12-17 (Released:2018-01-10)

In the Western Occupied Germany after the 2nd World War the occupation army government provided the German administrative agencies for occupation control, which meant also the trial of the later German political machines. And to discover the Western Democratic Federal system suitable for Germany was attempted between the Occupation army government and the Germam authorities, or among the German authorities. My monograph dealt with the German "Bundesrat" in such attempt, until the Herrenchiemsee convention just before opening the assembly to enact German Fundamental Law.
著者
小林 幸夫
出版者
関西法政治学研究会
雑誌
憲法論叢 (ISSN:24330795)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.79-96, 2002-03-23 (Released:2018-01-10)

Nowadays in general the so-called "dead vote" is disliked and unpopular. But the electoral systems in which electors take no notice of dead vote are known to us. They are the majoritarian representation system, above all things the single-member district system, in other words first-past-the-post system. Here the focus is brought on the representation of the whole people, accordingly the integrated Will of the People. On the contrary, in the proportional representation system the reflection of the Will of the People, in reality of each party composing the Will of the People is aimed at. Its motive is to decrease the dead vote. But by overdecreasing appeared the unstable multi-parties political situation. Consequently, newly the technique to produce the dead vote, for example so-called exclusion barrier clause, was tried. In this essay I have intended to see about not only the minusimages, but also the significance of the dead vote.
著者
山岸 明彦 矢野 創 小林 憲正 横堀 伸一 橋本 博文 山下 雅道 田端 誠 河合 秀幸
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva Origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.72-76, 2008 (Released:2022-01-18)
参考文献数
23

たんぽぽ(蒲公英,dandelion)は綿毛のついた種子を風に乗せて頒布し,その生息域を広げる多年草である.我々は,この名前のもと,国際宇宙ステーション-JEM(日本実験棟)上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出および解析実験を提案する.我々は,超低密度エアロゲルを用いることで,微小隕石やその他の微粒子を捕集することが可能であると考えている.低軌道上で超低密度エアロゲルを一定期間曝露することで宇宙空間で微粒子を捕集する.エアロゲル表面と衝突トラックの顕微観察の後,エアロゲルの様々な解析を行う.衝突トラックの詳細な検討により,国際宇宙ステーション周辺のデブリのサイズと速度が明らかにできると期待される.エアロゲル中に残存した粒子に関して,鉱物学的,有機化学的,及び微生物学的な検討を行う.一方,宇宙環境下での微生物の生存可能性について検討するため,微生物を直接宇宙空間に曝露する実験も行う.同様に,宇宙環境下での有機化合物の変性の可能性を検討するため,有機化合物の宇宙空間への直接曝露実験も行う.これらの実験を行うための装置はすべて受動的な装置であり,そのための装置の基本構造,装置回収後の解析法も,既に確立されている.
著者
小林 憲正
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva Origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.77-82, 2008 (Released:2022-01-18)
参考文献数
34

A great number of experiments have been done to examine possible prebiotic formation of bioorganic compounds such as amino acids in possible primitive environments. There are two scenario of prebiotic formation of bioorganic compounds: An endogenous formation scenario and an exogenous formation scenario. The latter scenario was supported by the facts that a wide variety of organic compounds were detected in meteorites and comets. It is now suggested that organic compounds in extraterrestrial bodies were originally formed in extremely cold environments such as in molecular clouds. Laboratory experiments showed that complex precursors of amino acids could be formed from simulated interstellar media by irradiation with high-energy particles. It was suggested that such extraterrestrial organic compounds were delivered mainly by cosmic dusts. We have, however, very limited information on organic compounds in cosmic dusts since they are captured within terrestrial environments. We proposed a novel astrobiology mission “Tanpopo” by utilizing the international space station. In the mission, cosmic dusts will be collected with ultra-low-density aerogel, and organic compounds in them will be analyzed. In the mission, organic compounds simulating extraterrestrial organics will be directly exposed to solar ultraviolet light and cosmic rays at the same time to study the fate of organic compounds in cosmic dusts near the Earth orbit.
著者
山岸 明彦 河口 優子 横堀 伸一 橋本 博文 矢野 創 今井 栄一 田端 誠 小林 憲正 三田 肇
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.173-179, 2018-06-05 (Released:2018-06-05)
参考文献数
27
被引用文献数
1

「たんぽぽ計画」では国際宇宙ステーション(ISS)曝露部で微生物を採集することによって,この高度での微生物の存在可能性を検討する.また,微生物が宇宙空間で,どの程度の時間生存できるのかを,微生物を宇宙環境に曝露することによって調べる.生命の起原以前に,宇宙空間で合成された有機物が宇宙塵とともに地球に飛来した可能性がある.そこで,ISS上で宇宙塵の採集を行い,有機物を解析する.地球周辺には,スペースデブリが多量に蓄積している.本計画ではそのモニターも行う.これらの実験のために0.01g/cm3という超低密度のエアロゲルを開発した.これは今後の宇宙における様々な高速衝突微粒子採集に利用可能である.曝露試料は1年間,2年間,3年間曝露の後に地上に持ち帰り解析する.すでに,1年目と2年目の試料が地上に帰還して分析が行われている.1年間曝露した微生物の生存が確認された.