著者
畑 元 小池 英樹 佐藤 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1152-1161, 2015-04-15

本研究では,ユーザに気づかれない視線誘導を目的とした手法の提案を行う.人の視覚の特性から画像の動的な解像度制御を提案する.具体的には,誘導したい領域を高解像度,それ以外の領域を人が気づかない範囲で低解像度にすることで,高解像度領域へと視線の誘導を行う.2つの被験者実験を通して提案手法がユーザに気づかれないで視線誘導を行える可能性が示唆された.This paper proposes a method for guiding viewers' attention without being recognized by viewers. By focusing on a characteristic of human visual system, we proposes a dynamic resolution control method. In brief, our method gradually decreases the resolution of the display to the threshold at which viewers are aware of the modulation of the display,while the resolution of the region where viewers' attention should be guided is remained as in high resolution. Two subjective experiments were conducted to show that have a possibility of viewers attention can be guided without being recognized by them.
著者
高田 哲司 小池 英樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.3265-3275, 2000-12-15
被引用文献数
21 30

計算機の運用管理においてログ情報の調査は必要不可欠である.この作業は,計算機への不正侵入の多発にともないその重要性を増しつつある.しかしログ情報の調査は退屈で単調な作業であるため,その作業を敬遠する傾向が高く,結果として種々の問題を見過ごす原因となっている.さらに,異常を表すログ情報の抽出が困難であることも調査作業を困難にする原因としてあげられる.そこで本研究ではテキストマイニングをログ情報に適用し,異常事象を表すログ情報の抽出を支援する.さらにそれらの情報を情報視覚化を用いて図化してユーザに提示することによりログ情報の認識を支援する.我々はこれらの特徴により人間によるログ情報の調査作業を支援するログ情報ブラウザ``見えログ''を開発した.本システムを利用することにより,システム管理者が異常事象を表すログに関する種々の規則を事前に定義しなくても異常を表すログ情報の抽出を可能にする.また抽出された特徴情報は,情報視覚化によって図化されるとともに文字による表示と連係して提示される.これにより個々のログ情報に関する種々の特徴を容易に把握することが可能となり,人間が様々な観点をもとに注目すべき情報か否かを判断をすることが可能となる.これらの特徴により人間によるログ情報の調査作業を支援することが可能となる.It is necessary for system administrator to investigate some log information. The reason is that log-files contain enormous information generated from an operating system and various programs and these information are useful to solve a variety of troubles on computer. Moreover, an intrusion to the computer becomes serious problem more and more.A system administrator, therefore, has to watch a log information periodically in order to find out the intrusion marks.In this research, we developed log information browsing system, which is called ``MieLog'', in order to support such task.MieLog extracts some characteristics from log information.An example of these characteristics is the number of log outputting in fixed time or the length of log text.MieLog, moreover, represents their characteristics visually with textual information.As a result, MieLog makes it easier for system administrator to investigate log information.
著者
小池 英樹 西川 渉 福地 健太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.111-119, 2009
被引用文献数
1

Liquid Cristal Displays are getting larger, thinner, lighter, and cheaper. They have many advantages when they are used as a tabletop compared to the projector-based tabletop. As is well known, a light from the LCD is polarized and it is blocked when a polarized film is placed as its axis of polarization is perpendicular to that of the LCD. On the other hand, an additional polarized film cancels this image blocking when it is placed on the LCD. By using this optical phenomenon, we developed transparent markers which are almost invisible to human but are still visible to the camera. Moreover, we succeeded to make the markers rotation invariant by using two half waveplates. Tangible transparent Magic Lens applications which use the transparent markers are also shown.
著者
畑 元 小池 英樹 佐藤 洋一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1152-1161, 2015-04-15

本研究では,ユーザに気づかれない視線誘導を目的とした手法の提案を行う.人の視覚の特性から画像の動的な解像度制御を提案する.具体的には,誘導したい領域を高解像度,それ以外の領域を人が気づかない範囲で低解像度にすることで,高解像度領域へと視線の誘導を行う.2つの被験者実験を通して提案手法がユーザに気づかれないで視線誘導を行える可能性が示唆された.
著者
児玉 幸子 福田 陽子 佐山 弘樹 小池 英樹
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.193-196, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1

本論文では,外部入力に対しインタラクティブかつ複雑に変化するテクスチャのコンセプトと,それを実現するため人工生命モデル“Evoloop”を用いたインタラクティブアート<生きている表面>について報告する.作品では正方形のスクリーン上の図形を画像認識して輪郭線を抽出し,それとスクリーンの淵で囲まれた範囲をEvoloop個体群が生息する空間とする.鑑賞者が図形を動かすと,Evoloopは輪郭線や個体同士と衝突して多くは消滅し,個体の新たな生成・自己複製・進化によって,生息空間に多様性が生まれる.結果的にリアルタイムに変化する抽象のコンピュータグラフィックスが生成される.これら個体群の状態をテクスチャ画像の生成に利用し,別のスクリーン上に動的テクスチャをマッピングした生物の3次元CGを投影する.
著者
森島 繁生 稲見 昌彦 野嶋 琢也 暦本 純一 小池 英樹 持丸 正明
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

従来のVR/AR等,Cyber空間に関連する最先端研究においては, 空間の拡張・歪曲が主な研究課題となっており, 情報空間の時間軸自体を歪曲させる研究はあまり例がなかった. 空間だけでなく時間をも主観的に違和感なく歪曲させた現実歪曲時空間内での経験や訓練がPhysical世界での人の行動・知覚に与える影響を調査することが本研究課題である. 具体的な研究対象として,スポーツ,語学訓練等を例に取りあげ,具体的な現実歪曲時空間構成技術の確立および評価システム構築を行い,時間を歪曲されたCyber世界での経験や訓練の成果が,Physical世界にフィードバックされる効果を検証することが研究目的である.
著者
持丸 正明 稲見 昌彦 野嶋 琢也 暦本 純一 杉浦 裕太 小池 英樹 村井 昭彦
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は,幅広い身体特性の人が一緒にスポーツ参加できるシステム構築を目標として,環境身体ダイナミクスを解明して運動・感覚能力を拡張する技術を開発した.そして,開発した要素技術を組み合わせ,オーグメンテッド・スポーツ“超人ペナルティキック”,“LunaGBall”を開発,イベント等で発表した.トレーニングなしに経験や技量にかかわらず運動・感覚能力を拡張することで競技を伯仲させ,高齢者を代表とする体力的・技術的弱者の幅広いグループスポーツ参加の促進を実現し,健康な社会の実現に寄与する.
著者
小池 英樹
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.789-794, 2010-07-15

本稿ではテーブルトップインタフェースに利用されているマルチタッチの実現手法について解説し,また,テーブルトップインタフェースのアプリケーション例を紹介する.
著者
高田 哲司 小池 英樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2002-2012, 2003-08-15
被引用文献数
18

複数画像から正候補を選択する方式による画像認証が知識/記憶照合による認証方式の人間に起因する問題点を改善する方法として注目されている.しかしその一方で,システムが提供する画像のみを使用している,記憶すべき画像の枚数が多い,パスワードとなる画像が必ず提示されるなどの問題が残されている.そこで本研究では画像登録と利用通知という機能を導入するとともに「照合すべき画像が提示画像群に存在しない」という事象を意図的に導入することで,既存の画像認証における問題点を改善する方法を提案する.これによりユーザの記憶に対する負担を軽減可能にするとともに,画像認証に対する攻撃への安全性を確保することも可能になる.この提案に基づき,我々が開発したカメラ付き携帯電話の利用を対象とした画像認証システム「あわせ絵」についても紹介する.We propose the method that makes image-based authentication to be more secure and familiar to users.We introduce a novel image-based authentication system,called ``Awase-E'', based on the methods.Current image-based authentications have some problems:using artificial images,necessary for memorizing some but not a few images and presenting password images at all time.In order to improve them,we introduce ``image registration'' and ``notification to users'' into image-based authentication.It makes possible to reduce the load to human memory and build a security against some types of attacks.
著者
澁谷 芳洋 小池 英樹 高田 哲司 安村 通晃 石井 威望
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.1921-1930, 2004-08-15

インターネット利用人口は拡大しており,今日では個人,組織の双方においてネットワークの使用は欠かせないものとなりつつある.インターネットは多種多様なサービスを提供し,なくてはならないものになっているが,その半面,不正アクセスの問題も急増している.しかし実際の侵入がどのようなものであるかを認知する機会が少なく,見えない世界でのセキュリティに対する認識が難しい.そこで本論文では不正侵入対策の手段の1つとなっているおとりシステムに着目し,Honeynet Projectが提唱している高対話型として構築した.高対話型おとりシステムの特徴として,OSレベルでおとりを実現し,不正アクセス者に制限なく自由に行動させ,不正アクセス者に気づかれないように行動記録を取得,分析することにより,既知の攻撃方法のみならず,未知の脆弱性や行動を記録することが期待されている.しかし高対話型おとりシステムは概念が新しく,主としてその概念ばかり公開されており,具体的なシステム構築例および,運用結果,問題点についての公開情報が少ない.したがって本論文では高対話型おとりシステムを公開されている情報を参考に実際に構築,運用し,不足する機能を追加したうえでさらに運用を行った.その結果得られたデータおよび知見をもとにおとりシステムの持つ問題点および運用方法の提案を含め今後の課題について述べる.
著者
向坂 真一 寺本 華奈江 小池 英樹
出版者
一般社団法人 日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
pp.1202230021, (Released:2012-02-27)
参考文献数
18

Matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry (MALDI-MS) is widely used for analysis of not only biological materials but also synthetic polymers. A mass spectrum obtained by MALDI-MS was found to have peaks at equal intervals on the m/z axis. The chemical structure of many types of biological compounds contain repeating units that have exactly the same elemental composition. If these repeated peaks could be identified based on the m/z interval value, such analyses could be optimized even further from the point of view of chemical structure. In this study, we describe a system for visualizing such data that has the capability of analyzing the repeated peaks on the m/z axis. The system, mzRepeat, was developed and evaluated by applying the mass spectrum of polyethylene glycol and mycolic acid, which was obtained using a JMS-S3000 Spiral-TOFMS system. Because mzRepeat can systematically show a mass spectrum that includes different numbers of repeating units, it has the potential for use in anlalyzing these types of molecules.
著者
児玉 幸子 小池 英樹
出版者
電気通信大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

これまでの研究で、インタラクティブアートにおいては、展示会場に生じたイベントや鑑賞者が起こすイベントに対して、作品から効果的なインタラクションが返ったときに感じられるインタラクションの「つぼ」があることがわかってきた。本研究では、インタラクションが成功する争件を探るために、何種類かの入力デバイスを選び、タイミングなどの条件を変えて実験を行った。インタラクティブアートは、CGをモニタやプロジェクターに出力することが多いが、磁性流体ディスプレイを用いれば、CGの技術的制約から離れた実験が可能である。その特徴は,(i)微細な信号にも敏感かつダイナミックに反応するインタラクション、(ii)肌理細かなマテリアル性,(iii)液体であることに起因する形状変化(例:CGのモーフィングのような連続的変形。磁場に応じて、流動的状態や、スパイク状の突起をもつ何らかの形状を静止したまま保持する状態に移行できる)となる。芸術作品にはマティエールが重要と言われる。物質表面の肌理細やかな素材感は、芸術において極めて重要である。リアルタイムに3次元形状を変化させる場合、CGにおいでは画像の生成速度から生じる制約が大きく、テクスチャーの肌理はある程度犠牲にしなければ滑らかで自然なインタラクションは可能ではない。磁性流体ディスプレイを使えば、再現する形の制約はあるが、電気信号をほぼリアルタイムに液体形状の変化として反映できる。従って本研究では、まず磁性流体ディスプレイを中心に据えてリアルタイムのインタラクションの効果的技法を検討し、入出力の内容とタイミングをモデル化した。具体的には(a)画像認識を用いる手と形状のインタラクション(b)測音計を用いる音声と形状のインタラクションの2項目について実験した。その結果を最初に簡単なCGに反映させ、次に調整を加えて磁性流体ディスプレィに反映させて、独自のライブラリを構築した。今後複数の入力デバイスを統合的に用い、展示会場の画像・環境音、人間の動作等に連動して変化するダイナミックなインタラクティブアートを製作したい。
著者
小泉 芳 小池 英樹 安村 通晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.129, pp.51-56, 2004-12-20

本研究では、ウイルスの拡散過程において、感染国数に注目した解析を行う. 特にIPアドレスを基にターゲットを選ぶウイルスを対象として ターゲット選択方法が地理的な拡散にどのような影響を及ぼしているかをシミュレーションにより分析する.また感染国数を急増させることを目的とした新しいターゲット選択方法であるハブリストスキャンの効果についても述べる.In this paper, we analysis the relationship betweeen viruses spread process and infected number of countries. We investigates the dynamism of geographical spread of viruses by target selection mechanism. We also investigates the effect of new scan method, named hub list scan.
著者
井上 正行 小池 英樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.537-546, 1999-02-15
被引用文献数
1

仮想現実感システムや情報視覚化システムに代表される対話的3次元グラフィックスシステムにおいては大量のポリゴンを表示しつつも 対話性を確保することが重要な問題である. 本論文ではdistortion-oriented技術を用いることによって3次元シーンを自動的に簡略化する手法について述べた. 具体的には ユーザイベントがない場合 十分な描画時間があるのですべてのオブジェクトを表示する. しかし ユーザイベントが生じた際には 着目しているオブジェクトとその近傍のオブジェクトのみを表示し 他は描画しない. 我々は この近傍を決定するためにdistortion-orientedアルゴリズムの1つであるFractal Viewsを用いた. 本手法は仮想空間ウォークスルー 3次元CADデータ 分子モデル視覚化に適用され その効果を確認した.In interactive 3-D graphics systems, such as virtual reality systems, information visualization systems, etc., it is important to manipulate a large number of polygons and to maintain high interactivity. This paper proposed a technique to simplify the 3-D scene automatically by using distortion-oriented algorithm. While no user event occurs, the system renders all objects in the scene graph since there is enough time to do so. When a user event is detected, the system renders a current focused object and its neighborhood (in the scene graph). To decide the neighborhood, Fractal Views, which is variation of distortion-oriented algorithms, is used. The technique was applied to virtual-walkthrough, 3-D CAD data, and molecular visualization.