著者
尾田 政臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
no.27, pp.193-194, 1991-07-28

Ease of reading Hirakana in a vertical column and in a horizontal row are compared by a tachistoscope. Meaningless horizontal writing was read in a shorter duration compared with meaningless vertical writing. Moreover, the meaningful writing had advantage more than meaningless one.
著者
林原 理恵 尾田 政臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.17, pp.5-8, 2009-03-18

本研究では和音進行の複雑さが快感情,好悪,情動に与える影響を調べた.長調・短調について複雑さの異なる3種の和音進行を12回繰り返し聞かせ,11種の評定項目について評価させた.1回目の聴取後の評定では複雑さが低いものがもっとも快感情が高かった.しかし,これを繰り返し聴取すると複雑さが高い条件でも評定値が上昇し,その差がなくなった.「悲しい」「楽しい」などの他の情動については複雑さの高低には影響されないもの,複雑さが高くなるにつれて長調においてのみ評定値が減少するものなど,情動の種別によって異なる結果を示すことが明らかになった.
著者
富川 道彦 尾田 政臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.17, pp.1-4, 2009-03-18
被引用文献数
1

動く観察対象に心があると感じる心的帰属の研究や,感情の言語表現を支えるイメージスキーマなどの研究から,動きと感情には何らかの関係があると考えられている。本研究では,単純な小円図形の,上下,往復,回転といった12種類の動きについて,実験参加者が対象をどのような感情と推定するか実験を行った。その結果,図形の動きに応じて共通する感情を推定することが明らかになった。これらの知見は,感情表現をインタフェースへ実装する上で有用であろう。
著者
尾田 政臣
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第6回大会
巻号頁・発行日
pp.106, 2008 (Released:2008-11-10)

動物行動学では,繁殖のための相手選びに体の対称性が重要な役割を果たしていると主張している。顔の魅力についても同様の議論がなされている。本稿では,顔および顔以外の対象として幾何学図形,模様,動物,昆虫などを選び,魅力度ならびに美しさを評定させる心理実験を行った。実験は1課題につき4種類の図形を同時に提示し,各図形に対して絶対評価で評定させた。その結果,従来の実験結果と同様に,片目が大きく他の部位は対称である非対称顔が,総ての部位が対称である顔より魅力度・美しさが高い値を示した。また,いずれも左右対称である4種の幾何学図形に対しては,図形の種類によって評価値が異なり,動物や昆虫については,ある程度の非対称性があっても許容され高い評価値を示していた。即ち,対称性が常に魅力を決定する最大の要因となるわけではなく,また魅力と美しさの評価は必ずしも一致する訳ではないことが明らかになった。
著者
尾田 政臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.320, pp.1-6, 2004-09-19
参考文献数
11

これまでの多くの研究が,対称性と顔の魅力に正の相関があることを明らかにしている.しかし,その影響の度合いが他の要因と比較されて論じられことはなかった.一方,目の大きさが魅力に影響することが知られている.そこで,顔の魅力と美しさの手ががりとして何を用いているかを質問紙法で調査し,さらに対称性と目の大きさを統制した顔を評価させる実験によって各要因の影響を比較した.その結果,対称性が美しさや魅力の評価の手がかりとなることが少ないこと,目の大きさが対称性より大きな手がかりになっていることが明らかになった.両目が大きい対称顔は目の小さい対称顔より魅力や美しさが高く評価されるが,片目が大きい顔でも対称顔より魅力や美しさが高く評価された.この結果は非対称顔でも対称顔より魅力あるいは美しさが高く評価される可能性を示した.
著者
尾田 政臣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.1449-1456, 1994-07-15
被引用文献数
22

従来の言語キーを用いる画像検索システムでは、検索者が検索のための適当な言語キーを思い付けない場合や、そもそも検索しようとする対象のイメージがはっきりしていないため、言語化できない場合がある等の点から検索が難しい欠点があった。そこで、これらの困難さを取り除こうとする研究が行われている。ところが、それらの方法に共通な欠点は、検索イメージが検索前にしっかり固まっていることを前提としていたことである。そのため、手元に検索すぺきイメージがすでに存在する場合など、その応用範囲は限られていた。本研究は、検索前には漠然としたイメージしかない場合についての画像検索方法を提案する。筆者は、画像概念の形成過程が、それまでの刺激の系列の処理過程に影響されることを心理実験により明らかにした。衣服のカタログデータベースから好みの服を選ぴだすような検索を想定してみると、検索しながら理想のイメージを形成していることになる。このような過程は、図形概念の形成過程と捉えることができる。そこで、心理実験結果を応用し、検索者がそれまでに好みの画像として選んだデータから類似性を計算し、データベースの中から類似性の高い画像を検索者に提示することにより、効率的な検索システムを構成できることを提案する。本稿では、顔画像検索を例題としてシステムの構成法を述べると共に、提案の妥当性を実験結果に基づき検証し、その有効性を明らかにする。
著者
富川 道彦 尾田 政臣
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 33.17 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2009-03-18 (Released:2017-09-20)
参考文献数
8

動く観察対象に心があると感じる心的帰属の研究や,感情の言語表現を支えるイメージスキーマなどの研究から,動きと感情には何らかの関係があると考えられている。本研究では,単純な小円図形の,上下,往復,回転といった12種類の動きについて,実験参加者が対象をどのような感情と推定するか実験を行った。その結果,図形の動きに応じて共通する感情を推定することが明らかになった。これらの知見は,感情表現をインタフェースへ実装する上で有用であろう。
著者
尾田 政臣
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.148, 2015

顔の選好を表す言葉として「美しさ」「魅力」「好ましさ」が使われている。この三つの評価項目が異なる意味として使われているのか、あるいはほとんど同義として使われているかについてはあまり調べられていない。本稿では顔のイメージを評価させる方法で、12人の有名人の顔について19人の被験者にそれぞれ3項目の評価をさせた。その結果を評定の平均値を用いて分析をすると、美人度と魅力度の間には差が無い結果となった。一方、被験者ごとに3項目間の評定値に違いが生じる率を求めた。その結果、最大でも4割程度の一致率であった。3つの評価項目は異なる意味として使い分けられていることが明らかになった。また、相関係数で比較すると魅力と好みの評価項目間の相関が他のものより高いことが明らかになった。
著者
林原 理恵 尾田 政臣
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 33.17 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.5-8, 2009-03-18 (Released:2017-09-20)
参考文献数
5

本研究では和音進行の複雑さが快感情,好悪,情動に与える影響を調べた.長調・短調について複雑さの異なる3種の和音進行を12回繰り返し聞かせ,11種の評定項目について評価させた.1回目の聴取後の評定では複雑さが低いものがもっとも快感情が高かった.しかし,これを繰り返し聴取すると複雑さが高い条件でも評定値が上昇し,その差がなくなった.「悲しい」「楽しい」などの他の情動については複雑さの高低には影響されないもの,複雑さが高くなるにつれて長調においてのみ評定値が減少するものなど,情動の種別によって異なる結果を示すことが明らかになった.
著者
尾田 政臣
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.8, 2017 (Released:2017-10-16)

顔の美しさや魅力の評定に対称性が影響することが知られている。しかし、顔写真を用いた実験では、知覚的な条件以外に認知的な要因も加味された評定になっている可能性がある。このような影響を極力排除し、物理的な特徴が美的評価に及ぼす影響を見るため線画の顔画像を用いた。左右対称な線画の顔の右目の大きさを拡大すること、および右目の水平位置を輪郭方向へずらすことで非対称性を統制し、その時の顔の美しさを評定させた。目の大きさはオリジナルの目の面積に対する比率を用い、目の位置は顔の中心から目の中心までの長さに対する比率を採用した。実験の結果、目の大きさについては、男女平均で34%の拡大、目の位置では13%の増加が美しさ評定値の低下をまねく閾値となることが明らかになった。特に目の大きさについては閾値を境に急激に評価が落ちており、バーラインの覚醒水準モデルの釣鐘型にはなっていない。
著者
尾田 政臣 加藤 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.1717-1725, 1996-09-15
参考文献数
18
被引用文献数
1

線画による顔画像は 感性を伝える手段としての利用や 多変量の直観的な表現法(顔グラフ法)としての利用などヒューマンインタフェースのうえで重要な役割を担っている. 顔の特徴に関しては 認識の観点からの特徴の顕著性や 表情と特徴の関係などについて研究されてきた. その結果 髪形 眉 目などが重要な特徴であること また典型的な顔の表情が存在することなどが調べられてきた. ところが 好みの顔や優しい顔といった受け手側の感性に強く依存すると思われる顔について 顕著な役割を果たす特徴の存在や 普遍的に受け入れる顔のタイプについては調べられていない. 本稿では これらについて好みの顔 嫌いな顔 優しい顔 怖い顔を用いて実験的に調べた. その結果 眉の傾きといった各タイプに共通な特徴のほか 各タイプに特有な重要な特徴が存在することが明らかになった. 好みと嫌いといった情緒的な顔のタイプに対しては位置や形に関する特徴だけでなく特徴間の距離や 特徴に囲まれた面積などの特徴も重要であることなどが明らかになった. また 感性的に表現される顔にも普遍的に受け入れられる顔のタイプが存在することが明らかになった. これらの結果は 線画の顔を使ったコミュニケーション手段としても フェース法への応用についてもベースとなる顔を決定するときに有効であろう.The line-drawn face has an important role in human interface, such as transmission of emotional expressions and the intuitive expression of multi-dimensional parameters (like a face graph). Facial features have been studied with regard to feature saliency for recognition or the relation between facial features and facial expression. The results showed that hair styles, eyebrows, and eyes were salient features, and that typical facial expressions existed for facial expressions. From this analogy we could expect a typical expression to exist for favorite or gentle faces, etc., and salient features to exist. Such a type of face would depend on the receiver's sensibility. In this paper, we investigate these issues using favorite, distasteful, gentle and fierce faces. The results showed that the eyebrows are salient in all types of faces and each type has its own salient features. There were salient features not only in position and shape features but also in distance and area features for the taste-based faces, that is, favorite and distasteful faces. Moreover, typical types of faces are derived for taste-based and emotional faces. These results will be useful for communication aids using line-drawn faces and for application to face graphs.
著者
蒲池 みゆき 向田 茂 吉川 左紀子 加藤 隆 尾田 政臣 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.97, no.509, pp.73-80, 1998-01-23
被引用文献数
34

人間の顔に対する記憶表象や, 表情認知を探る心理実験において, 複数の画像を合成した刺激 (平均顔やカリカチュア顔など) を作成するFUTON System (Foolproof UTilities for Facial Image ManipulatiON System) を開発した. FUTON Systemは, 心理学的に顔研究を行う場合に必要な, 自然な顔画像合成の要求を満たすため, 既存のシステムに対応点の定義や操作性等の点で改良を加えたものである. このシステムにより, 大量の顔画像データを一括に処理することも可能になった.
著者
尾田 政臣 赤松 茂 深町 映夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.288-297, 1996-02-25
被引用文献数
16

好みの顔といった感性的に表現された顔を明確な視覚的イメージとして想起するのは難しい. しかし, 課題として与えられた顔イメージを描いたり言語的に報告することは難しくとも, 提示された顔画像が自分のイメージに合っているか判定することは容易である. 視覚的にイメージ化しにくい対象であっても, イメージは確かに存在する. 筆者らは画像データベースの中から, 好みの顔のイメージのように検索当初にはあいまいな検索対象を効率良く検索させる方法について検討してきた. 画像データとして線画の顔画像を用い, 好みの顔などを検索させる実験を行い, その方法論的正しさを明らかにした. そこで本論文では顔画像データとして顔写真を用いた場合の方法について検討する. 写真をデータとする場合の最大の難しさは, 何を検索の手掛りにするかである. 主観的な印象をラベルとして各画像に付与する方法や物理的な形状の特徴を用いる方法が考えられる. しかし, いずれの方法においてもデータベースの構築は手作業を伴う大変な作業となる. そこで, 特徴表現に対する手作業の必要ない方法であり, 顔の認識の手法としてその有効性が確かめられているKL展開を採用することとした. 本論文では, KL展開が好みの顔といったあいまいな顔イメージに基づく顔画像検索に対しても有効に働くことを明らかにする.
著者
大石 周平 尾田 政臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.536, pp.31-36, 2006-01-13
被引用文献数
3

2者間での対話において、社会的スキルが高いもの同士であっても、コミュニケーションが円滑に進むときと、そうでないときがある。本研究では、話者特性の一つである発話テンポに焦点を当て、コミュニケーションの円滑度との関係を調べた。円滑度の測定には交替潜時(話者交替に要する時間)を指標としてもちいた。その結果、話者間の発話テンポが類似していれば、対話の初期段階からコミュニケーションが円滑に進んでいることが示され、発話テンポが会話の円滑化に影響を与える要因の一つであることが認められた。また、先発して発話を行っている話者の発話テンポが、後発の話者の発話開始タイミングを規定していることが示された。これらのことから、対話中における「間」の役割について考察した。
著者
向田 茂 蒲池 みゆき 尾田 政臣 加藤 隆 吉川 左紀子 赤松 茂 千原 國宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.1126-1137, 2002-10-01
参考文献数
12
被引用文献数
34

近年,顔の認知に関する心理学的研究が盛んに行われている.心理実験を行うには実験デザインに応じた実験刺激の作成が必要となるが,これまで実験刺激の生成を目的とした統合的な顔画像合成システムは見当たらなかった.我々は,先行研究で用いられてきた合成顔を容易に作成できるとともに,今後検討されるであろう様々な実験刺激の作成にも柔軟に対応できるよう,心理学研究からの要求を考察し,実験デザインの段階から実験刺激の作成までの一連の作業をサポートする顔画像合成システムの開発を行った.特に,一連の作業の中で,操作者への負担が大きくなる,特徴点の取得作業の負荷を軽減できるよう,採用した操作者補助の機能の有効性を実験により確認した