著者
小坂 直輝 小林 哲則 林 良彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.3Rin477, 2020 (Released:2020-06-19)

近年,インターネット上で個人が小説を投稿できる,小説投稿サイトが多数開設され,数多くの作品が投稿されている.こうした作品はweb小説等と呼ばれ,これらの中には商業用に書籍化・映像化される作品も存在している.一方でこれらweb小説に関して,その作品数の多さから読者が好みの作品を探すのが難しいという問題や,人気の作品や最新の作品といった限られた少数の作品に大多数の読者が集中し隠れた良作が出来てしまうという問題がある.本研究の目的は,上記問題点を解決し,ユーザが作品を探すのを助ける推薦システムを実現することである.具体的には,作品の本文とジャンルやキーワードといった付属情報から,作品の類似度や質を推定することで,読者の評価情報が無い作品の推薦や,ユーザによる推薦基準の操作が可能な推薦システムを試作し評価を行った.結果として,作品の類似度や質を一定の精度で予測でき,試作したシステムが隠れた良作を発掘するのに有用であることが示唆された.
著者
前田 奈穂 大坊 郁夫 前田 貴司 岸野 文郎 北村 喜文 高嶋 和毅 横山 ひとみ 藤原 健 林 良彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.457, pp.49-54, 2010-03-01
参考文献数
17
被引用文献数
3

本研究の目的は,非言語手がかりと関係開始スキルの関連について,話者,会話相手,第3者のそれぞれの観点から検討することである.初対面の大学生で同性同士の66人(男性51人,女性15人)を対象に行った会話実験データを以下のように検討した.関係開始スキルについて自己評定,他者評定,第3者評定を測定することで,非言語手がかり(腕の動き,対人距離,相手に顔を向けている割合,単独発言時間,単独発言頻度,単独発言平均時間)との関連について,レンズモデル(Brunswik, 1956)を用いて検討した.その結果,自己評定,他者評定,第3者評定,いずれにおいても,腕の動きと関係開始スキルの間に正の関連がみられた.
著者
三島 美佐子 小林 良彦 吉岡 瑞樹
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.31-43, 2022-01

著者らは,福岡県内に存在している(いた)サイエンスカフェについて情報収集し,特に継続的 に運営している(いた)サイエンスカフェを抽出することにより,過去14 年間にわたる福岡県での 「継続的サイエンスカフェ」の開催状況を明らかにした.また,それら「継続的サイエンスカフェ」 の多くが,「研究者」によって運営されている(いた)ことが分かった.加えて,より長期的に運営 されている(いた)「継続的サイエンスカフェ」に着目することにより,特定会場での開催がサイエ ンスカフェの継続性に関わる可能性がみえてきた.過去のサイエンスカフェの開催記録は,主に開 催案内・開催報告がインターネット上にのみ存在している場合が多い.現代における文化・実践の ひとつとしてのサイエンスカフェを,調査分析し,より広範に比較可能とするために,また,後年 分析可能な形で記録を継承するためにも,個々のサイエンスカフェ運営者による実践記録とその公 開促進の事業化が望まれる.
著者
林 良彦
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
1996-03

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1193号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:1996/3/7 ; 早大学位記番号:新2339 ; 理工学図書館請求番号:1988
著者
内藤 智也 萩野 浩一 小林 良彦
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.99-102, 2022-02-05 (Released:2022-02-05)
参考文献数
51

話題アイソスピンの符号の慣習をめぐって
著者
小林 良彦 中世古 貴彦
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.3-16, 2019-07

科学技術コミュニケーター像の探求に有益な情報提供を行うための試行調査として,求人・求職支援ポータルサイト「JREC-IN Portal」に掲載された求人情報の分析を行った.本研究では,5カ月間の調査を通して得た83件の求人情報における雇用条件や応募要件,また,そこから読み取れる職務や職能の実情を調べた.結果として,それらの求人情報を,URAや産官学連携コーディネーターを含む「URA相当」,研究機関や研究プロジェクトの広報担当者から成る「科学広報」,ジオパーク専門員を含む「科学館スタッフ」,そして,ファンドレイザー等の「その他」に大別することができた.さらに,担う職務や求められる職能が求人情報において詳述されていない,という現状も明らかにすることができた.これらの結果からは,想定する職種分類に応じた科学技術コミュニケーター養成のコンテンツ開発が求められること,そして,科学技術コミュニケーターの専門的な能力が未だ十分に認知されていない状況が示唆された.
著者
萩野 浩一 小林 良彦 豊田 直樹 中村 哲
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.655-658, 2019-09-05 (Released:2020-03-10)
参考文献数
23

歴史の小径ラザフォードの指導を受けた日本人若手研究者――S. Obaとは誰か
著者
林 良彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.22, pp.73-80, 1999-03-04
被引用文献数
1

英語の語彙データベースであるWordNet1.6の名詞部分を日本語へ手動で翻訳した。翻訳にあたりでは,英語の語彙的概念ノードであるsynsetを構成する英語単語を翻訳するだけでなく,その定義文(gloss)をも日本語へと翻訳した.その結果として,語彙概念にインデックスされた日英の対訳コーパスが得られた。本報告では,この日本語化されたWordNet名詞データの基本特性について報告し,本データが日英語の対照研究における良いリソースであること示す.また,synset単語の対応や上記の対訳コーパスからのバイリンガル辞書の抽出について説明し,得られるバイリンガル語彙データの多言語情報検索への適用可能性について検討する.The noun part of the WordNet 1.6 English lexical database was translated into Japanese by human translators. In the course of the translation work, elemental English words/collocations in a synset were translated into Japanese counterparts, as well as the "gloss", which defines the English lexical concept. This translation work turns out to give us an aligned and conceptually indexed pararell corpus. This paper shows the basic characteristics of the "Japanized" noun part of the WordNet. We argue that the resulted data might be a good resource for comparative linguistics. In addition to these, we examine how the derived bilingual lexical data can be applied to cross-linguistic natural language applications, such as cross-language information retrieval.
著者
松本 裕治 武田 浩一 永田 昌明 宇津呂 武仁 田代 敏久 山下 達雄 林 良彦 渡辺 日出雄 竹澤 寿幸
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.48(1998-NL-125), pp.1-8, 1998-05-28

近年,電子化テキストの急激な増加,および,インターネットによる一般利用者の電子媒体への日常的なアクセスに伴って,言語処理研究と言語に関する実用技術の間のギャップが徐々に狭まってきており,実用的な自然言語処理研究という言葉が真に現実的な意味を持ち出してきた.本報告では,そのような実用的言語処理技術の事例のいくつかを「ここまでできるぞ言語処理技術」というタイトルで紹介する.
著者
福岡 維新 麥田 愛純 高津 弘明 藤江 真也 林 良彦 小林 哲則
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

ニュース記事の伝達をタスクとして,聞き手が挟む相槌や聞き返しに応じて適宜情報を補完しながら会話を進める音声対話システムを提案する.要点を伝える主発話計画と,それに対し情報を補完する副発話計画を記事から自動生成する機能,これらの発話計画を聞き手の反応に暗に表れる理解状態に応じて切り替える機能を実装した.これらにより,リズムある対話による効率的な情報伝達が実現できた.
著者
林 良彦 山内 健二 永田 昌明 田中 貴秋
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

文章中の語句に関連するWikipedia記事を対応付けるタスクはWikificationと呼ばれる.本発表は,日本語・英語の対訳文書に含まれる固有表現に対して並行的に対応付けを行う方式を提案する.提案方式は,他方の言語の情報を利用することにより,双方の言語における固有表現抽出処理の結果を補完し,言語横断的なWikificationを達成する.
著者
吉野 孝 林 良彦 山下 直美
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

多言語間コミュニケーションの方法として,機械翻訳を用いる方法と用例対訳を用いる方法がある.本研究では,多言語間コミュニケーションの高信頼化のために,折り返し翻訳の高信頼化に関する研究,多言語用例対訳の高信頼化に関する研究を行った.さらに,上記の研究成果を応用した,医療分野および教育分野を対象とした多言語支援ツールの構築に関する研究を行った.
著者
白井 克彦 林 良彦 平田 裕一 久保田 淳市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.706-714, 1985-07-15
被引用文献数
3

日本語文の構造は 文の構文的・意味的な構造に大きく関わっている.よって 日本語文の処理を行う場合 その係り受け構造を明らかにすることが重要である.計算機により日本語文の係り受け解析を行う研究は広く行われているが そのために必要な知識の獲得・構造化を半自動的にかつ適応的に行うための研究は少ないように思われる.本論文では テキストデータに対する分析から直接的に以後の成長の核となる初期辞書データベースを構成する方法 および成長のための学習機能について検討した.この辞書データベース中では 単語はその係り受け特性に基づいてクラスタリングされ 分析対象としたテキスト中の単語間の係り受け関係は クラスタ間の係り受け可能関係として抽象化されて記述される.本辞書データベースは 実験文解析システムESSAYによる文解析に適用され その評価を受ける.さらに 解析が不成功である文において そのネガティブな状況より獲得される情報を用い 学習構造化の処理を受ける.このように 言語要素(単語等)の使われ方に基づいて知識の獲得を行うため 対象世界における拘束を緩やかに含んだ形の知識を得ることができる.また辞書データベースという記述的な形で構造化を行うため それ自身インクリメンタルに成長することが可能となった.
著者
山下 直美 坂本 知子 野村 早恵子 石田 亨 林 良彦 小倉 健太郎 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1276-1286, 2006-04-15
被引用文献数
11

機械翻訳を介したコミュニケーションを通じて相互理解を実現するためには,翻訳精度の向上とともに相互作用性の向上が重要である.我々は機械翻訳に対するユーザの適応行動の1 つである原文の書き換えに注目した.本論文では,ユーザが母国語だけを用いて原文の書き換え作業を行う方法として折り返し翻訳を検討し,折り返し翻訳を用いてユーザが書き換え作業をする際の作業量を減らす支援方法を考案する.本研究でユーザの折り返し翻訳作業に関する実験を実施,分析した結果,以下の知見を得た.1) 母国語に関する知識が豊富なユーザほど機械翻訳に容易に適応でき書き換え作業量が少なかった.2) ユーザに事前に「良い翻訳結果を得るためのルール集合」の教示を行うと,母国語に関する知識が豊富でないユーザも機械翻訳に容易に適応できるようになり,書き換え作業量が大幅に減った.3) ただし,原文をどのように変更すべきかを明示しない「操作自由型ルール」に対する教示効果は薄く,これらのルール獲得にかかる書き換え作業量は大きく減少しなかった.原文をどのように変更すべきかを明示した「操作指示型ルール」に対する教示効果は高く,これらのルール獲得にかかる書き換え作業量は大きく減少した.4) ルールの教示は,母国語に関する知識が中位のユーザに最も効果的であった.Translation refinement is often observed when users communicate via machine translation systems. In this study, we analyzed user's translation refinement process through a controlled experiment. In the experiment, users translated sentences using a Japanese-English-Japanese turn-back translation. From the analysis, we discovered the following results: 1) The more knowledge users had about the source language, the better users could refine the original text, 2) Rule instruction was very effective in user's adaptation. Users who were reminded of the rules refined the original text ahead of other users, 3) Instructing operational rules were effective in helping user's adapation, while conditional rules were not as much effective. 4) Rule instruction was most effective to those who had midium knowledge in their source languages.
著者
武石 英二 林 良彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.300-301, 1991-02-25

マニュアル文書を対象とした日本文推敲支援システムの研究開発を進めている。これは文章中の推敲すべき表現(不適性表現)を検出するとともに、それに対する書換え候補を提示するシステムである。マニュアルに頻出する不適性表現の1つに長文があり、上記システムにおいては、形態素解析情報に基づく文分割機能の検討を進めている。従来の文分割方式では、基本的に(1)分割する文節(以下、分割点と呼ぶ)の接続形式と分割時に挿入する接続詞を一対一に対応させる、(2)分割点を終止形に変換する、という方式が多い。このとき連用中止表現や接続助詞「て」による接続(以下、本稿では両者を併せて連用中止表現と呼ぶ)は、通常並列接続として扱われるため、上記のような方式では「並列の接続詞の挿入(または接続詞なし)、分割点文節の終止形への書換え」という分割方法を採ると考えられる。しかし、連用中止表現はその前後に特定の意味関係(以下、連用中止表現の意味用法という)を担うことがあることが指摘されている。また実際にマニュアル文中の連用中止表現を収集した結果でも、単なる並列接続とみなし得ないものが比較的多く存在する[figure]1(1)。さらに連用中止表現は、述語に付加される付属表現(時制表現や様相表現)が省略された表現形式であるため、分割点文節を終止形に変換するという方法では有効な分割文候補を生成することができない場合がある[figure]1(2)(3)。本稿では、文分割の観点から連用中止表現の意味用法を整理するとともに、表現の形態的特徴と意味用法、分割時の接続詞、連用中止文節の形態素操作との関係に着目した連用中止表現を分割点とする文の分割方式について述べる。
著者
長谷川 隆明 林 良彦 山崎 毅文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.1745-1754, 2004-07-15
被引用文献数
1

インターネットに接続可能な携帯電話の普及により、携帯電話に電子メールを転送するユーザが増えている。外出先からでも携帯電話に電子メールの着信が通知されるので、日々大量に電子メールを受信するユーザにとって、携帯電話を通して即時に電子メールを読むことは有効である。しかしながら、画面の大きさや送信可能文字数の制約により、転送される電子メールの本文すべてを読むことは難しい。本論文では、この問題を解決するために、電子メールの特徴を利用した重要文抽出手法と携帯電話向け要約システムへの適用を提案する。本手法の特徴は、電子メールに特有な表現とスタイルの特徴を利用したルールにより重要文を抽出することである。本手法により、人手により作成された重要文の正解との比較において、特に複数の評価者間で正解に対するコンセンサスの得られる電子メールに対して、高い精度で正解と一致する重要文を抽出できた。また、携帯電話向け要約システムへの適用を考慮した評価においても、電子メールの取捨選択に十分利用できる高い精度が得られた。With the spread of mobile phones that can access the Internet, most people are forwarding their incoming email to their mobile phones. Mobile phones enable heavy users of emails to access them anywhere. The restricted capacities (display size and message limits) of mobile phones, however, prohibit whole messages from being read as is. We propose a new rulebased method of sentence extraction which takes the features of emails into consideration and describe its application to an email summarizer for mobile phones. Our method uses the expression and style specific to emails. The sentences extracted by the proposed method are virtually the same as those selected manually by majority voting. A task-oriented evaluation of the proposed method reveals its high precision and recall in screening for emails through mobile phones given a practical message size limit.