著者
四ツ柳 隆夫 山口 拓 後藤 克己 永山 政一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.16, no.10, pp.1056-1061, 1967
被引用文献数
1

2価金属のシアノ錯体を含むアンモニアアルカリ性溶液に還元剤(L-アスコルビン酸塩)を添加するとMn<SUP>2+</SUP>イオンだけが選択的にEDTAと反応することを見いだした.<BR>[Mn(CN)<SUB>6</SUB>]<SUP>3-</SUP>+<I>e</I><SUP>-</SUP>+EDTA<SUP>4-</SUP>→MnEDTA<SUP>2-</SUP>+6CN<SUP>-</SUP><BR>この反応を詳細に検討し,1個の試料を用いてCa<SUP>2+</SUP>+Mg<SUP>2+</SUP>,Mn<SUP>2+</SUP>およびZn<SUP>2+</SUP>を滴定する方法を確立した.すなわち,鉄およびアルミニウムを除去したのち大量のシアン化カリウムを加えてZn<SUP>2+</SUP>とMn<SUP>2+</SUP>とをマスクし,Ca<SUP>2+</SUP>+Mg<SUP>2+</SUP>をEDTAにより滴定する.ついでMn<SUP>2+</SUP>に対して過剰のEDTAと還元剤とを加え,60~70℃に加温して上記の反応を完了させ,余剰のEDTAをMg<SUP>2+</SUP>標準溶液で逆滴定しマンガン量を求める.さらに,この溶液にホルムアルデヒドを添加して,Zn<SUP>2+</SUP>を脱マスクし,EDTAにより滴定する.この方法を上記の金属イオンを含む金属鉱山排水の分析に応用した.
著者
山口 拓美 Yamaguchi Takumi
出版者
神奈川大学経済学会
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.25-41, 2007-03-30

論説
著者
吉川 健治 外山 和隆 戸口 啓介 山口 拓也 平林 邦昭
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.713-716, 2011-07-31 (Released:2011-09-14)
参考文献数
14
被引用文献数
1

絞扼性イレウスでは,高率に腹水が出現する。今回,絞扼性イレウスにおける腹水が腸管虚血がどの程度進行した段階で生じるのかを明らかにする。対象と方法:緊急開腹手術が施行された絞扼性イレウス20例を6例の壊死群,14例の非壊死群に分け,以下の項目を比較検討した。1.両群の初診時の腹水の出現率 2.SIRS陽性率 3.血液生化学的検査値(CRP,PK,LDH)異常の出現率。結果:SIRS陽性率,血液生化学的検査値の異常値出現率のいずれも壊死群,非壊死群で有意差は認めなかった。SIRS陽性率は壊死群33% 非壊死例21%であった。一方,腹水出現率は壊死群100%,非壊死群で86%であった。結語:絞扼性イレウスにおける腹水の出現は,腸管壊死前でさらにSIRS項目,血液生化学的異常値が出現する以前に出現すると考えられる。
著者
松井 龍吉 小林 祥泰 山口 拓也 長井 篤 山口 修平
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.565-569, 2011 (Released:2011-10-21)
参考文献数
7

多系統萎縮症とは以前よりオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA),線状体黒質変性症(SND),Shy-Drager(SDS)と呼ばれてきた3疾患を包括した病理学的疾患概念の総称である。今回我々は本疾患患者に対し,八味地黄丸を投与したところ,起立時の血圧変動に著明な改善を認めた症例を経験したので報告する。症例は79歳男性。緩徐進行性に動作緩慢,すくみ足,手指振戦を認め,その後立ちくらみ症状が出現。起立性低血圧が見られ各種薬剤の投与を行うが効果は不十分であった。このため八味地黄丸を追加投与したところ,体位変換時の血圧変動が小さくなり,さらに諸症状の改善も認めた。八味地黄丸は自律神経機能の改善に効果を示す方剤とされており,本症例においても多系統萎縮症に伴う起立性低血圧の改善に寄与したと考えられた。
著者
赤井 直紀 竹内 栄二朗 山口 拓真 モラレス ルイス 洋一 吉原 佑器 奥田 裕之 鈴木 達也 二宮 芳樹
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.675-681, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1

自動運転を行うためには,走行すべき経路との相対位置関係や,注視すべき物体の情報を得ることが有用であり,そのためにも,自己位置推定は重要な技術である.本稿では,デッドレコニングとマルチレイヤーLIDARによる位置推定結果を融合することで,一般道における高精度位置推定,および自動運転を達成したので報告する.
著者
山口 拓真 師岡 愼一
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
pp.2018.004, (Released:2018-05-18)
参考文献数
15
被引用文献数
2

The severe accident in Fukushima daiichi nuclear power plant revealed the importance of molten core cooling system without the electric power, then cooling system by natural circulation flow has attracted attention. The heat removal performance of this system depends on the natural circulation flow rate, so it is essential to predict the flow rate accurately for the safety design. The purpose of this study is to develop the evaluation method for the natural circulation, and to examine its accuracy dependence on the channel shape. Experiments were carried out at atmospheric pressure, using room temperature air-water flow. We used seven kinds of channels with various shape and diameter, and measured natural circulation flow rate and pressure drop for each channel. Predictive analysis was conducted by our method based on balance between driving force and pressure drop in the loop channel. The major results are as follows: (1) It is possible to predict the natural circulation flow rate with an error of less than 20 percent for various shaped channels. The average and standard deviation for the ratio between calculated and experimental flow rate is 0.98 and 0.047. (2) Two phase prediction method for pressure drop has maximum 15 % error. To improve the prediction accuracy, it is important to improve the prediction of the void fraction and the two-phase multiplier.
著者
山口 拓夢
雑誌
学習院大学人文科学論集 (ISSN:09190791)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-15, 1994-09-30

In this treatise, I have made clear these two points:first, the struture of the text;second, the cultural background of the structure. I have investigated the transition of the type of the intelligence. In the Homeric age, the intelligence ca11ed METIS was highly estimated. This is the eminent character of the shamanistic culture. The word‘‘METIS”connotes the ability to cope with the flUCtUant reality. 111the age of Plato, the sophists, the rhetoricians, the doctors and the politicians had this ability. They were, however, little concerned with the ethical aspect. Plato stood against this type of i11telligence by thinking articulately through words. But the third type of the intelligence, which Plato suggested, is still insu伍cient to reach the real recognition of the world. We must once get out of the linguistic dimension.
著者
池上 敦子 森田 隼史 山口 拓真 菊地 丞 中山 利宏 大倉 元宏
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-24, 2008
参考文献数
41
被引用文献数
4 1

本研究では,運賃設定の異なる複数の鉄道会社を含む鉄道ネットワーク上の運賃計算を正確かつ高速に行えるネットワーク表現とアルゴリズムについて報告する.鉄道運賃は,利用者の乗車経路が明らかであるとき,多くの場合,その経路に含まれる各鉄道会社が定めた運賃を足し合わせることによって得られる.一方,利用者の乗車経路が明確でない場合,利用可能経路の中で最も安い経路を利用したとみなし,その運賃を採用することが一般的である.しかし,鉄道運賃は,基本的には「距離が長くなればなるほど高く」なるように設定されているものの,同じ距離でも,会社によって異なる料金が設定されていることや,乗車区間によって割引ルールや特別運賃が設定されていることなどから,物理的距離に基づくショーテストパスが最も安い経路になるわけではない.よって,与えられた2駅間の正しい運賃を計算するためには,その2駅間の可能経路の運賃をすべて,もしくは,その1部を列挙して比較判断する必要があることがこれまでにも報告されてきた.本研究では,物理的構造に基づくネットワーク上での経路探索を行う代わりに,ダイクストラ法が利用可能な運賃計算用ネットワークを構築し,ダイクストラ法と,少ないケースではあるがK-shortest paths問題用のアルゴリズムを利用することにより,複数社を含む鉄道ネットワーク運賃計算の大幅な高速化に成功した.
著者
山本 経之 薮内 健一 山口 拓 中路 将徳
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1, pp.49-57, 2001 (Released:2002-09-27)
参考文献数
51
被引用文献数
1 2

本論文では, (1)渇望状態や薬物探索行動の動物モデルと, (2)それらの発現機構について, コカイン自己投与実験を中心に概説する.実験動物において, 自己投与行動習得後薬物を生理的食塩液に置換しても激しいレバー押し行動が観察される.この行動を薬物探索行動と捉え, 薬物自己投与の終了からの時間経過によって, within-sessionモデルとbetween-sessionモデルとに区別する.一方, 生理的食塩液によるセッションを反復すると, 薬物探索行動は消去(extinction)されるが, 少量の薬物再投与, ストレス付加および薬物関連刺激の呈示によって探索行動が再発する.これを再発(relapse/reinstatement)モデルと呼ぶ.電気生理学的研究によって, コカイン自己投与中のラット側坐核ニューロンの発火頻度は, レバー押し直後に抑制され, 次のレバー押しまで漸増的に回復する現象が見い出された.こうした特異的な発火パターンは, 渇望状態や薬物探索行動を反映している可能性がある.マイクロダイアリシス法による検討によると, 薬物探索時のレバー押し行動は, 側坐核のドパミン濃度の変動によって予測できる可能性が指摘されている.ドパミンD2様受容体作動薬はコカインの強化効果を増強し, コカイン探索行動の再発を生じさせるのに対し, D1様受容体作動薬はコカイン摂取行動を減少させ, コカイン探索行動を消失させる.コカイン再投与によって惹起されるコカイン探索行動は, AMPA受容体拮抗薬の側坐核内注入により抑制されたが, ドパミン受容体拮抗薬では抑制されなかったことから, 側坐核内のグルタミン酸伝達は, 渇望や薬物探索行動の発現にとってより重要な役割を担っていることが示唆される.今後, 薬物依存症の解明に向けてより妥当性の高い薬物探索モデルの確立が望まれる.
著者
森田 隼史 池上 敦子 菊地 丞 山口 拓真 中山 利宏 大倉 元宏
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.1-22, 2011-12

鉄道運賃は,基本的に乗車距離が長くなればなるほど高くなるように設定されているが,同じ距離でも,会社によって,さらには同じ会社内でも地域や路線によって異なる料金が設定されている.さらに,乗車区間によっては割引ルールや特定の運賃が設定されていることなどから,最短経路の運賃が最安になるわけではない.運賃計算では,利用者の乗車経路が明確でない場合,乗車可能経路の中から最も安い運賃となる経路を利用したとみなし,その運賃を採用するルールが設定されている.そのため,与えられた2駅間の正しい運賃を計算するためには,その2駅間の乗車可能経路の運賃を全て,もしくはその1部を列挙して判断する必要があると考えられてきた.これに対し,我々は2008年,複数の鉄道会社を含む鉄道ネットワークにおける最安運賃経路探索用ネットワークFarenetと探索アルゴリズムを提案し,これを利用した自動改札機用運賃計算エンジンの実用にいたった.本論文では,Farenet構築の基盤となった1会社内の運賃計算,具体的には,首都圏エリアで利用可能であるICカード乗車券Suica/PASMOの適用範囲に含まれるJR東日本510駅の全2駅間(129,795組)に対して行った運賃計算について報告する.4つの対キロ運賃表と複数の運賃計算ルールが存在するこの運賃計算において,異なる地域・路線を考慮した部分ネットワークとダイクストラ法を利用することにより,多くの経路を列挙する従来の運賃計算方法において数時間要していた計算を,約1秒で処理することに成功した.論文の最後では,アルゴリズムの効率を示すとともに,対象ネットワークが持つ運賃計算上の特徴についても報告する.
著者
山口 拓
出版者
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.297-313, 2012

It can be argued that most of the countries of the world are industrial developing countries. After World War II, industrially developed countries drew lessons from the past, and initiated continuous support to ensure global stability. Unfortunately, however, no tangible progress was made, and many countries are still struggling for peace and social stability. In these circumstances, the United Nations has released a 10-year plan for Millennium Development Goals (MDGs). This encompasses a number of novel viewpoint and methods, including the concept of "International Development through Sport" (IDS), which has been operating as a pilot project. Even though the importance of sport has begun to be recognized worldwide, there has also been an undermining of the value of physical education (PE). Against this background, it seems necessary to investigate the situation of PE in the context of educational reform in developing countries.<br>   In the present study we conducted a comprehensive analysis of plans for future diffusion of PE in Cambodia from a policy perspective, and attempted to define the conditions and challenges of recent educational reforms. There are two approaches for analyzing PE dissemination: comprehensive overview of "law and policy" and "actual conditions and activities", along with policy and education history. Through this approach, it was demonstrated that are many accumulated problems to be solved in educational development, and that have proved to be obstacles to PE dissemination in Cambodia. Furthermore, it was revealed that training of both pre-service and in-service teachers, which is a common policy concern in other subject fields, is essential in order to secure the implementation of PE. Irrespective of viewpoint, future diffusion of PE is a problem that can be solved only through short-term and long-term efforts focusing on model schools in each region to ensure the source of qualified teachers, and that is a link between primary schools and teacher training centers to secure regional centers for diffusion of PE in the short term. It should help to lay a firm foundation for the study on the method of educational technology in PE by consolidating statistical analysis of PE with central and regional administration, and establishing faculties of education and PE departments that will ensure the lasting growth of PE as an educational discipline.<br>
著者
上野祐正 山口拓真 濱川礼
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.363-364, 2012-03-06

本システムは,パーソナルコンピュータ(以下PC)の操作において,足を用いてPCの操作を可能にするシステムである.本システムでは,机の下のスペースを利用することによって,手で他の作業を行いながら,又は手を使うことなくPCの操作を行うことを可能にすることを目的としている.具体的には,足を撮影することができる位置にウェブカメラを設置し,両足につけたマーカを認識し続ける.その認識したマーカの動きによってPCの操作を行う.操作モードはマウス操作を行うマウスモード,アプリケーションの起動を行うショートカットモード,入力を受け付けないリラックスモードがあり,それぞれ足の動作により目的の操作を行う.
著者
山口 拓人 渡邊 伸行 續木 大介 鈴木 竜太 天野 陽子 水沼 真弓 山田 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.734, pp.25-30, 2003-03-11
参考文献数
19
被引用文献数
6

現在,顔の感性情報処理の問題に対する関心か高まっている.我々はそのような問題の解明にかかわる実験またはシミュレーションに利用することができる,顔情報データベースの構築を目指したブロジェクトを立ち上げた.現段階において,このプロジェクトでは,統一-された撮影環境と撮影手続きを確立し,データベースに必要な顔および表情画像の取得を開始した.特に表情は,基本6表情(喜び,驚き,恐れ,悲しみ,怒り,嫌悪)をカバーするものである.また,単純な顔画像集ではなく,顔に付随する様々なデータを利便性高く扱えるデータベースの構築を目指した支援システムの開発も進めている.
著者
平林 邦昭 戸口 景介 吉川 健治 山口 拓也 硲野 孝治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.3330-3333, 2009 (Released:2010-04-05)
参考文献数
12

症例は76歳,男性.盲腸癌に対する右半結腸切除術の3カ月後に腹痛発作で入院した.腹部単純X線,腹部CT検査,腹部エコー検査で,腹腔内に線状金属陰影を認めた.腹部症状が悪化し,X線下に開腹手術を施行したところ,小腸を突き破る長さ7cmの金属片を確認した.摘出した金属片をただちに調査し金属スタイレットの先端部分であると断定した.先の手術の麻酔導入時に食道挿管されており,その時に金属疲労した先端部分が折損し食道内に進んだものと推察された.術後経過は順調で術後10日目に退院した.現在術後3年半が経過したが,合併症なく外来通院中である.