著者
村尾 明紀 柏原 佑介 大山 伸幸 佐藤 道貴 渡壁 史朗 山本 耕司 福本 泰洋
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.102, no.11, pp.614-622, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
30
被引用文献数
3 4

Increased gas utilization and improved permeability have been desired in order to achieve low RAR (Reducing Agent Rate) operation of blast furnace. Coke mixed charging in the ore layer is one effective measure for realizing these improvements. A burden distribution control technique for mixing small coke at a blast furnace with a parallel type and center feed type bell-less top were developed and investigated in an experiment with a scale model of an actual blast furnace at JFE Steel. The scale model consists of an ore bin, a coke bin, a surge hopper, belt conveyers, a bell-less top and a model furnace to simulate the charging system of the actual blast furnace. The mixed coke ratio at the furnace top was controlled by the discharge pattern of mixed small coke and ore, and mixing position. The optimum patterns were founded to discharge the small coke from the coke bin after the ore discharged from ore bin in center feed bell-less top, and to discharge the small coke on the ore at front of quarter part overlapped in parallel type bell-less top. These patterns were applied to the actual blast furnace, and the improvement of permeability in a furnace was confirmed by the effect of increase the mixed small coke yield into ore layer.
著者
藤澤 令夫 小澤 和道 美濃 正 山本 耕平 木曽 好能 酒井 修
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

昨年度に続いて本年度も各研究分担領域で「壊疑」のもつそれぞれの意味と役割を究明し, 西洋哲学における壊疑論の歴史的変遷を跡づけることに努めた. 古代ギリシアでは後期に懐疑派が現れるが, この派の哲学の全体的特徴はセクストス・エンペイリコス著『ピュロン哲学の概要』に述べられている. それによれば懐疑哲学では判断保留とそれに伴う平静な悟脱の心境が問題とされ, 特にその判断保留の十箇の方式をめぐってはその著の第14章で詳述されている. 教父哲学ではアウグスティヌスによる新アカデミア派の懐疑論克服が問題とされるが, 彼の『自由意志論』第2巻では「神の存在論証」と相俟って真理の超越的独存性が立証され, 真の認識の成立根拠が確証される. 彼の影響下にある中世哲学では基本的には懐疑の問題は主要な関心事とはならなかった. このような哲学としてはトマスの哲学が取り上げられ, 彼のessentia概念の二義性が抽象説との関係において論じられる. 近世ではデカルトが一切のものに対して徹底して懐疑を行なった末にcogito ergo sumという不可疑的な真理の発見に到るが, これに対するストローソンの批判が考察される. 彼のデカルト批判によれば, cogito ergo sumを成立させる「私」という個体の存在は「私」以外の他の個体の存在を既に前提とする. つまり, 個体指示表現が有意味であるためには, 個体とそれ以外の個体との識別可能性の原理の働くことを認めねばならないと言えよう. 現代の英米哲学においても懐疑論に関係する多くの問題がみられる. その一つに, 経験的認識の証拠による不十分決定underdeterminationの問題が挙げられる. 今日の反実在論の多くはこの「証拠による不十分決定」に依拠している点である意味での懐疑論の変種とみなすことも不適切とは言えない. 又, 懐疑論・弁証法・解釈学・ニヒリズム相互の関係も本研究において深く問題としてきた哲学的・倫理的課題である.
著者
トゥーッカ トイボネン 山本 耕平 訳
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.102-110, 2014

社会起業および社会イノベーションという概念は、この20年間で、新たな実践と研究の領域を切り開いてきた。しかし、社会起業家の社会イノベーションの事例などについては研究が蓄積されてきた一方で、起業家の恊働については十分な研究がなされていない。そこで本稿では、この側面をより体系的に探究するための、柔軟な枠組みを構築することを目指す。社会起業という領域における恊働は、いわゆる社会イノベーション・コミュニティー-恊働を可能にする物理的環境およびインターネット環境に加えて、社会起業の文化によって動かされる混合体-という文脈で展開されるようになっている。いまやこうしたコミュニティーは世界中で生まれているが、これはさらに、当初の恊働関係を超えてより広範な社会イノベーションの「回路をつなぎ換える」ような、恊働体(collaborative community)と見なせるだろう。社会イノベーション・コミュニティーは、多様な参与者を取り込み、学習と創造能力の向上を促進することで、創意にあふれ、かつ持続可能な経済への転換を触発するようになっている。こうしたコミュニティーや、それがもたらすイノベーションのプロセスおよび影響にかんするさらなる研究においては、社会ネットワーク分析、社会関係資本の理論、エスノグラフィーといった多様なアプローチが実り多い成果を生むと思われる。
著者
三輪 哲 山本 耕資
出版者
Japanese Association For Mathematical Sociology
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.63-84, 2012

本稿は,パネルデータに基づき,階層帰属意識の分析をおこなうものである.第1の目的は,とりわけ世代内階層移動の効果に着目して,個人間効果と個人内効果とを峻別しながら階層的地位の影響を読み解くことである.第2の目的は,マルチレベルモデルを応用したパネルデータ分析(Hybrid Model)の事例を示すことである.4波分の「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」(JLPS)のデータを使用し,固定効果モデルとHybrid Modelによる実証分析がなされた.次いで,モンテカルロシミュレーションにより,両モデルの推定の性能の比較検討がなされた.実証分析の結果,世代内階層移動と階層帰属意識との関連が見出された.また,同じ測定による変数であっても,個人内の回帰係数と個人間の係数とでは,異なることがしばしばあった.さらにシミュレーション結果によって,固定効果モデルと比べて,Hybrid Modelはほぼ同等と言えることが明らかにされた.この結果は,Hybrid Modelの使用がパネルデータ分析における有用な選択肢となることを示唆するように思われる.
著者
山本 裕一 山本 耕一郎 徳田 功 長島 知正 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.204, pp.15-20, 2000-07-12
参考文献数
11

人の発声する母音は, 一般にピッチと呼ばれるほぼ同じ形状をした単位波が繰り返される基本構造を持つが, 繰り返されるピッチ毎にその周期間隔および波形は微妙に"揺らぐ"ことが知らされている.この母音に含まれるピッチの"揺らぎ"は, 母音が人間的で自然な発声音として知覚されるために必要不可欠であることが分かってきた。現在の主流な音声合成法の一つである線形予測符号化法でも, 人間的性質持った母音を合成するために, 自然なピッチ揺らぎを再現することはきわめて重要である。そこで本論文では、「線形予測符号化法の枠組で自然な音声を合成するために重要な要素は何か?」について比較検討を行なう。
著者
山本 耕平
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学健康福祉学部研究紀要 (ISSN:13493280)
巻号頁・発行日
pp.99-112, 2004-03-24

This report does not aim at making refecence to causes or treatments of social withdrawal. Rather, the focus is on researching youths who have chosen to withdraw from society and how these youths deal with society and themselves and how the support system can empower them to find relationships with society and increase selfesteem. This paper especially adds consideration to the phylosophy and aims of support that regions need to enable the empowerment of social withdrawal cases.
著者
山本 耕平
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学健康福祉学部研究紀要 (ISSN:13493280)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-37, 2005-03-25
被引用文献数
1

HIKIKOMORI has appeared typically in our countory in advanced nations. Since it will be translated into English with social withdrawn of it is original, but it has a situation peculiar to our countory, English is also HIKIKOMORI. It is used by carrying out. In study of HIKIKOMORO (social withdrawal), we have to examine that there was a remarkable increase in our country why in 1980 and agterwards. It is mecessary to perform the research about the relation between HIKIKOMORI, moratorium culture, and the cultureo of psychological dependence first. Next, examination is required about the relation of a social change of rapid economic growth, and the crisis of a family, a school, and a community. Those places are because deep relation is given to a youth's mental development. HIKIKOMORI considers this writer to be one of "the illnesses of a relation." The illness is produced as a failure in the interpersonal relation power which is an element of psychology, society, and sexual development. The third is asked for examining the crisis of wyouths' dentity by relation by sociey.
著者
志波 充 奥村 匡敏 山本 耕平 坂口 守男 武用 百子 山本 明弘
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
和歌山県立医科大学看護短期大学部紀要 (ISSN:13439243)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.37-42, 2004-03

近年,人格の分類においてCloningerの理論が注目を集めている。この理論の特徴は,従来の類型論と異なり,人格は遺伝規定性の強い「気質Temperament」と,自己概念について洞察学習することによって成人期に成熟する「性格Character」から成ると考え,さらに気質を4次元,性格を3次元に分け,気質の4次元のうち3次元にはそれぞれ脳内神経伝達物質であるドーパミン,セロトニン,ノルアドレナリンの対応を仮定したことである。今回我々は看護学生に特徴的な人格傾向について検討する目的で,Cloningerの作成した「気質と性格の7次元モデル」の質問紙Temperament and Character Inventory(TCI)日本語版を用いて,W医大看護短期大学部学生(W看護短大生)およびW医大医学部学生(W医大生)の人格傾向を調査した。その結果を一般健常対照者(対照者)と比較した。W看護短大生と対照者との比較では,W看護短大生でHarm Avoidance(HA:「損害回避」)のスコアが有意に高く,Self-Directedness(SD:「自己志向」)が有意に低かった。W医大生と対照者との比較では,W医大生でSDが有意に高く,Reward Dependence(RD:「報酬依存」), Self-Transcendence(ST:「自己超越」)が有意に低かった。W看護短大生の人格傾向として,やや不安傾向が強いものの,暖かな社交的友好関係や社会的契機に対する共鳴・感受性が高く,人としての成熟度は高いが,自己による意志決定の力は弱い傾向がみえる。一方W医大生では,意志の力は強いが,社交的友好関係を保つことは苦手で,科学は万能ではないことに気づかない傾向が伺える。