著者
岡 直美
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2016-08-26

ヒトヘルペスウイルス(HHV-)6が疲労やストレス依存的に再活性化する際に発現する潜伏感染タンパク質Small protein encoded by the intermediate stage transcript of HHV-6 (SITH-1) が、うつ病の発症に関与するメカニズムを解明するために、SITH-1発現マウス(SITH-1マウス)を作製したところ、うつ病様行動およびストレス脆弱性を示した。SITH-1の発現は細胞内Ca2+濃度を上昇させるため、嗅球でアポトーシスが誘導され、海馬の神経新生が阻害され、HPA axisが異常亢進し、ストレス応答反応に異常が生じたと考えられる。
著者
近藤 一博 岡 直美
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

うつ病などのストレス関連疾患の原因としてストレスレジリエンスの低下が重要視されている。しかし、ストレスレジリエンスのメカニズムには不明な点が多い。最近我々は、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)が潜伏感染時に産生するタンパク質SITH-1を発見し、HHV-6 SITH-1がストレス応答を亢進させることで、うつ病の原因となることを見いだした。本研究は、SITH-1によるストレスレジリエンス低下機構の生物学的側面を明らかにし、ストレス関連疾患予防のための分子基盤を得ることを目的とする。
著者
堤 江美子 相原 多恵 飯岡 直美
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Supplement, pp.127-132, 1997 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8

人体の外形のから判断される体つきが、どのように生物学的妥当性をもった特徴と一致しているのか調べるために、成人女子68名の体幹部を対象に三次元計測と生体計測を行い、佐藤の「一般形状に関する5つの擬距離尺度」による体形分類と、生体計測直から計算できるように修正を加えたSheldonの「器官発生にもとづくソマトタイプ」による体型分類との関係を検討して視覚的な体つきの類型について考察した。佐藤の擬距離尺度のクラスタ分析からは、物体の垂直方向の長さの変異について体幹部の「細長/短厚」が、物体断面の局部的な大きさの相違については「肩部や胸部、胴部など局部的な発達の違い」が、物体の垂直軸からのずれ具合については「姿勢」が、そして「断面の形状の変異」もあわせて4つの特徴が外形より解釈された。また、ソマトタイプからは「多くの脂肪を蓄えた特有の丸みを帯びた体型」、「がっしりした肩部と胸部を備え、四肢は固い筋肉からなる体型」、「ほとんど筋肉や脂肪をもたず、神経系が発達している体型」が生体計測直から算出された。擬距離による各形状特徴について、クラスタ間のソマトタイプの平均値の差の検定を行った結果、外形の見え方と実際の生物学的な内容との間の関連性について以下のような結果を得た。(1) 細長/短厚に相当する特徴は、骨や筋、特に筋の発達と関連性があり、肩部や胸部の充実したがっちりした体つき、あるいは、その逆がこの特徴を印象づける大きな要因と考えられた。(2) 肩・胸・胴部のプロポーションの違いに相当する特徴は、脂肪・筋肉を合わせた充実度と関係があるようだ。(3) 姿勢の変異に相当する特徴は、骨や筋、特に筋の発達と関連性があり、一般に、姿勢の悪さは主として脊柱の前弯の強さと受け取られがちだが、背面における筋や脂肪の充実具合もその一因であることが理解された。
著者
藤川 護 柴崎 博行 吉岡 直美 大谷 尚美
出版者
香川県産業技術センター
雑誌
研究報告 (ISSN:13465236)
巻号頁・発行日
no.13, pp.108-110, 2013-06

本県を代表する農産物とその未利用資源についてCOX活性阻害能を指標として機能性評価を実施した。その結果,アスパラガス,ブロッコリー及び葉ニンニクではCOX-1活性阻害能が,ニンニク及び新漬けオリーブ廃液ではCOX-1及びCOX-2活性阻害能が確認された。
著者
安中 尚史 守屋 友江 笹岡 直美 中原 ゆかり 石井 清純
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究はハワイに現存する日系仏教寺院を中心に、年度ごとに地域や宗派を変え、研究代表者・研究分担者の専門性に応じた役割を定め調査・研究に取り組む。特に先行研究などで取り上げられた 資料の内容を精査してリスト化し、本研究で体系化した新出・未整理資料や文化財が有する情報と対比することによって、日系人移民社会の中における仏教と僧侶の新たな関係性や、日本の宗派組織の中におけるハワイ布教の位置づけ、ハワイの信徒と日本の寺院との繋がりなど、宗派・寺院・僧侶・信徒の結びつきについて解明することを目的とする。
著者
富岡 直美 田中 智子 大野 宏之
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44066, (Released:2020-12-22)
参考文献数
21

本研究は,USRへの意識を醸成するためにFD・SDで実施した教職協働初任者研修の実践とその評価を行うことを目的としている.研修は,大学の社会的価値を向上させる方法について初任教職員がディスカッションする形式で2019年2月に実施した.ルーブリック,アンケート,感想の記述を分析した結果,次の2点の成果が見られた.第1に,USRをベースとした研修内容により参加者が大学での仕事に社会的な価値を見出すことができたことである.このことは,「教職員のUSRへの意識を醸成することは,仕事の価値を感じることにつながる」という本研究の仮説を支持している.第2に,教職協働で多様な価値観を持つ人々と対話する研修方法により,参加者の視野を広げる機会となったことである.併せて,研修が初任者同士の感情の共有や情報交換の場としても機能したことも示唆された.
著者
高橋 彰子 福原 一郎 高木 伸輔 井手 麻衣子 新田 收 根津 敦夫 松田 雅弘 花井 丈夫 山田 里美 入岡 直美 杉山 亮子 長谷川 大和 新井 麻衣子 加藤 貴子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100455, 2013

【はじめに、目的】重症心身障害児者(以下;重身者)は,異常筋緊張など多様で重層した原因で症候性側弯が発症進行する.側弯の進行予防に対して理学療法が施行されるが,それ以外にも日常生活で使用する側弯装具が処方される場合も多い.今までは,ボストン型装具や硬性コルセットなどが広く使用されているが,大きく,通気性も悪く,服が着にくい,また痛みを訴えるなどのデメリットもあった.近年,3点固定を軸に側弯進行を予防し,装着感がよく,通気性なども改善された動的脊柱装具(DSB 通称プレイリーくん)が開発された.開発者の梶浦らは,多様な利点で,重身者の症候性側弯に有効であると述べている.しかし,親の子に対する装具装着の満足度や,理学療法士による効果判定などの関連性や,装具装着による変化に関しての報告は少ない.そこで,動的脊柱装具を処方された重身者の主たる介護者の親と担当理学療法士にアンケート形式で満足度と装具の効果について検討することを目的とした.【方法】対象は当院の外来患者で動的脊柱装具を作成した側弯のある児童または成人17名と,担当理学療法士6名とした.対象患者の平均年齢15.9歳(3~22歳),GMFCS平均4.7(3~5),Cobb角平均82.46(SD31.62)°の側弯を有していた.装具に対する満足度や効果の実感に関するアンケートを主たる介護者の親と担当理学療法士と分けて,アンケートを2通り作成した.親へのアンケートは,装具装着の見た目,着けやすさ,姿勢保持のしやすさ,皮膚トラブル,装着時間,総合的な満足度などの装具使用に関する項目に関して,20項目の質問を紙面上で答えさせた.理学療法士には姿勢変化,治療的効果などの評価の4項目に関して紙面上で記載させた.その他,装具装着前後でのCobb角を算出した.統計処理はSPSS ver20.0を用いて,質問紙に関しては満足度合を従属変数とし,その他の項目を独立変数として重回帰分析を実施し,関連性についてはpearsonの相関を用いた.理学療法士の効果判定に関係する因子の検討では理学療法士の評価を従属変数として,効果に対する要因,Cobb角を独立変数として多重ロジスティック解析を実施した.各質問紙項目内による検討に関してはカイ二乗検定を用いた.また,Cobb角の変化に関しては対応のあるt検定を用いた.危険率は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】全対象者と全対象者の親に対して,事前に本研究の目的と方法を説明し,研究協力の同意を得た.【結果】Cobb角は動的脊柱装具作成装着前後で有意に改善した.動的脊柱装具に関する親の満足度と関連する項目はCobb角の変化ではなく,体に装具があっていると感じている,装具の着けやすさ,装具を装着したときの見た目と関連していた.満足度と装着時間とは正の相関をしており,満足度が高い人ほど装着時間も長かった.理学療法士の評価は満足感と関連していなく,姿勢保持のしやすさ,Cobb角と関連していた.【考察】今回GMFCSレベル4~5のADLで全介助を要し,側弯の進行の危険性が高い方を対象としており,親の関心や理学療法士の治療選択も側弯予防は重要な目標の1つである.重身者の親の満足度は主に子どもの装着に関係する項目と最も関連していた.理学療法士の効果検討としてはCobb角,姿勢保持と関連していた.動的脊柱装具装着の前後で側弯に改善がみられることは,梶浦らの報告とも同様で,この体幹装具が側弯に対して長期的な効果の可能性も示唆された.その装具に関する理学療法士の効果判定はCobb角と関連が強く姿勢の変化を捉えている傾向にあった.親の満足度は最も快適に使用できる項目であり,満足しているほど装着時間が延長することが考えられる.今回のアンケートより,装具に対する親への感想を聴取することで生活状況の確認となり,満足度を高めるように作成することが可能となると示唆された.【理学療法学研究としての意義】重身者にとって側弯は内臓・呼吸器疾患と直接的に結びつきやすく側弯の進行予防は生命予後に関しても重要である.側弯進行予防の理学療法を効果的にするためにも,使いやすい側弯装具は重要な日常生活器機である.新たに開発された動的脊柱装具の満足度と効果についてアンケート調査を行った.親が実際の装具使用を肯定的に感じているほど,装着時間も長く,親の満足度に関連する因子として,装着しての見た目や,子の過ごしやすさも重要な因子であることが今回示唆された.
著者
佐々原 浩幸 木村 功 藤澤 浩子 吉岡 直美
出版者
香川県産業技術センター
巻号頁・発行日
no.8, pp.77-78, 2008 (Released:2011-12-19)

発酵食品および豆類のmyo-、scyllo-、D-chiro-イノシトールの含有量の測定を行った。納豆を除く、分析試料にはmyo-イノシトールが存在していた。D-chiro-イノシトールは大豆、大豆煮汁乾燥物、納豆中にそれぞれ凍結乾燥重100g当たり、312mg、612mg、1,767mg存在した。scyllo-イノシトールは赤ワインにのみ検出された。
著者
宮本 祐一 木村 美樹 柿本 陽子 福岡 直美 水城 比呂子
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.36-40, 2012 (Released:2012-10-03)
参考文献数
20

目的:40歳以上の緑内障有病率は5.0%である.その78%が広義の原発開放隅角緑内障であり,その92%が正常眼圧緑内障,normal tension glaucoma(以下,NTG)である.このNTGの発見へのfrequency doubling technology (FDT)視野計の有用性を検討した.方法:2010年5月17日より2011年1月31日までのFDT実施4,014名の中のFDT陽性者235名(5.9%)中108名が眼科を受診した.その診断結果を検討した.結果:NTGが56名,原発開放隅角緑内障が5名,原発閉塞隅角緑内障が1名,続発緑内障が1名であった.FDT陰性で眼底検査,眼圧検査で精査となりNTG,原発開放隅角緑内障と診断された5名を含めると68名の緑内障が発見された.FDTのみの異常者172名,精査受診者68名,発見緑内障49名,眼底,眼圧のみの異常者88名,精査受診者48名,発見緑内障19名,特に,発見緑内障68例中3例のみが眼圧での陽性者であった.すなわちFDT検査がなければ68例中49例の緑内障が発見できず,眼底,眼圧のみでは19例の発見であり,FDT導入によって,発見率は3.6倍に増加した.2009年度の眼底,眼圧のみでは4,313名中10名の緑内障が発見されたのみであり,発見率は0.23%であったが,FDT導入後の眼底,眼圧,FDTのいずれかを行った総数は4,051名であり,緑内障発見率は1.68%と有意に増加した.結論:人間ドックにおいて,NTGの発見にはFDT視野計がきわめて有用である.
著者
松村 靖夫 喜多 紗斗美 森本 史郎 秋元 健吾 古谷 真優美 岡 直美 田中 隆治
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological & pharmaceutical bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.18, no.7, pp.1016-1019, 1995-07-15
被引用文献数
18 93

We investigated the antihypertensive effect of sesamin, a lignan from sesame oil, using deoxycorticosterone acetate (DOCA)-salt hypertensive rats. The animals were unilaterally nephrectomized, and then separated into a sham-operated group (sham group) and a DOCA-salt-treated group. The latter was further separated into a normal diet group (control group) and a sesamin-containing diet group (sesamin group). The systolic blood pressure of control group progressively increased in comparison with that of sham group. This DOCA-salt-induced hypertension was markedly suppressed by feeding a sesamin-containing diet. Systolic blood pressure after 5 weeks was 130.6±1.9mmHg in the sham group, 198.1±7.3mmHg in the control group and 152.5±8.4mmHg in the sesamin group, respectively. The treatment with DOCA and salt for 5 weeks significantly increased the weight of the left ventricle plus the septum. However, this increase was signiflcantly suppressed in the sesamin group. When the degree of vascular hypertrophy of the aorta and superior mesenteric artery was histochemically evaluated, there were significant increases in wall thickness, wall area and the wall-to-lumen ratio in the control group, compared with the sham. Sesamin feeding ameliorated the development of DOCA-salt-induced vascular hypertrophy in both the aorta and mesenteric artery. These findings strongly suggest that sesamin is useful as a prophylactic treatment in the development of hypertension and cardiovascular hypertrophy.