著者
橋口 博樹 西村 拓一 赤坂 貴志 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.443, pp.79-86, 2000-11-10
被引用文献数
3

近年, 多量の音楽ディジタルデータを個人が所有するようになり, 楽曲の検索ニーズが高まっている.これに伴い, 著者らは鼻歌をクエリーとして, 主旋律に基づいて楽曲信号から直接検索するシステムを開発した.この検索は, mp-CDPと呼ばれるマッチング手法により実現されている.本稿では, 歌詞のある鼻歌を想定し, 音素認識に基づく歌詞検索機能も導入する.このとき, 通常行なわれている音声認識の技術では, 楽曲のように激しく音程が変化するという状況を想定していないため, 歌詞の検索は困難であると考えられる.そこで, mp-CDPがたどった主旋律情報を利用して, 歌詞検索に向いた音素認識法を考え, 両者の統合システムを提案する.
著者
高橋 裕信 新田 義貴 遠藤 隆 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.97, no.330, pp.41-47, 1997-10-17

本報告ではテキストを時系列データと考える大規模なテキストデータベースを対象として, 単語を空間に配置し, 空間の距離を利用した文章の検索方式を提案する. まず, 形態素解析によって分節した単語をノードとして, 単語bigramの作るネットワークを構築する. 次にこのネットワークのノードを有限次元の空間中に, ノード群のクラスタリングを伴なう配置問題を考える. この配置問題は, 時系列方向での近傍共起性から, ノード間の距離を定義し, 有限の小さい次元の空間で効率よく分類 (クラスタリング) するために, 最適化関数を導入した非線形化した手法で解かれている. 本手法を新聞データベースのリアルタイム検索に適用した実験結果について述べる.
著者
関本 信博 西村 拓一 高橋 裕信 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.747-757, 2001-05-01
被引用文献数
8

動画像や音声などの大規模な時系列データベースの中から、逐次入力される時系列クエリーと類似した時系列区間を検出する方式、「Rutic法」を提案する。従来、逐次入力される時系列クエリーを扱う方式としてRIFCDPやIPMがあったが、これらは比較的計算量が多く、検索対象のデータベースが大きくなった場合のリアルタイム検索に不向きであった。本方式は逐次入力される時系列クエリーに対してフレーム入力ごとに検索出力を可能とする。また、本方式は計算量が少ないため、リアルタイムでのスポッティング検索を実現する。本論文では、Rutic法のアルゴリズムを示し、動画像検索に用いた実験を行い他方式と比較することでその有効性を検証する。
著者
矢口 勇一 大島 万里恵 河合 天士 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.64, pp.59-64, 2009-05-21
被引用文献数
1

本論文では,Web中にあるからの感性情報の検索を行うために,Web動画中の音声検索システムを用いての類似性を基に感性検索をする方法を提案し,その予備実験を報告する.Web上のビデオデータは極めて多種多様であり,これらの感性的意味を単一の記号によって表現することか不可能に近いといえる.このような時系列データを対象にして,感性語に対応するビデオデータの区間を検索することは,かなり一般化された手法を用いる必要がある.本論文では,フレームワイズな音素識別に基づく音声検索手法をWeb上で実装したAiZoomというシステムを用い,検索したクエリと類似する音声区間を含むビデオデータの部分を抽出し,その類似区間の感性を分類した感性ヒストグラムを用いて,その動画の感性特徴を得る.また,この感性特徴を得た区間のオプティカルフローを調べて,個々の感性特徴に対応する画像特徴が得られるかを検証する.
著者
井関 健太 矢口 勇一 大田 和寛 千葉 将人 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.363, pp.105-110, 2008-12-11

2次元連続DPアルゴリズムと因子分解法に基づく画像からの3次元形状を効率的に復元するシステムを実現した.2次元連続DPでは画像間の全ピクセルに対する非線形対応のマッチングが可能である.そのため,因子分解法において使用される計測行列を,画像集合の1枚と任意の他の画像とのすべてのピクセル対応から生成する事で,特別な計測機器やカメラパラメータを必要とせず,少数枚数の画像のみから3次元モデルを生成する事が可能である.一方,2DCDPによる計算コストがO(N^4)となり,計算速度とメモリサイズに関する問題がある.本報告ではこれらの問題に対処するために,2DCDP計算の並列化に基づく計算機環境を構築した.また,野外の大きな建築物である城郭を対象にし,効率的に形状復元を行うシステム実装した.大規模画像への3次元形状復元には,部分3次元形状のモザイキングにより実現する.今回構築したシステムが良好に動作する事を実験により示した.
著者
関本 信博 西村 拓一 高橋 裕信 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.448, pp.181-188, 1999-11-18
被引用文献数
4

動画像や音声などの膨大な時系列データベースの中から、クエリー系列と類似した時系列区間を検出する新方式、「Rutic法」を提案する.従来、任意区間長クエリーを扱う方式としてRIFCDPやIPMがあったが、これらは比較的計算量を必要とし、検索対象のデータベースが大きくなった場合リアルタイム検索には不向きであった.本方式は逐次入力される時系列クエリーに対してフレーム入力毎に検索出力を可能とすることで、セグメンテーションをすることなくデータベースから検索する.本方式は計算量が非常に少ないため、いわゆるリアルタイム-スポッティング検索を実現する.本報告では、Rutic法のアルゴリズムを示し、映像検索に用いた実験を行い他方式と比較することでその有効性を検証する.
著者
平岡 隆二
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究. 第II期 (ISSN:00227692)
巻号頁・発行日
vol.47, no.246, pp.95-111, 2008-06-25
被引用文献数
1

In 1593-94, a Spanish Jesuit Pedro Gomez (1533-1600) completed his tripartite textbook for use by students preparing for the priesthood at Jesuit colleges in Japan. Its first part, De sphaera (On the Sphere), is well known as the first full-scale presentation of Western cosmology in Japan. However, it has been rarely noted that its third part, Compendium catholicae veritatis (Compendium of Catholic Belief), which treats theology, also contains such technical astronomical data as the dimension of the heavens. Comparison of Compendium's data with those seen in astronomy books in contemporary Europe has shown that some of the numerical values in fact correspond to those of a famous Jesuit mathematician Christoph Clavius (1537-1612), whose influence on De sphaera has already been indicated. This paper, while providing a modern Japanese translation of the related chapter in Compendium, first investigates the derivation of the data and, second, examines whether it influenced similar data seen in Kenkon Bensetsu (A Discussion on the Heavens and the Earth with Critical Commentaries) and its variant copy Tenmon Biyo (Compendium for Astronomy), both composed in the mid 17th century and attributed to the apostate Portuguese Chuan Sawano (Christovao Ferreira, ca.1580-1650).
著者
中川 慎也 片岡 隆浩 迫田 晃弘 石森 有 花元 克巳 山岡 聖典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.241-251, 2008 (Released:2008-04-25)
参考文献数
23
被引用文献数
10 15

ラドン療法の適応症には活性酸素に由来する生活習慣病が多く,その機構の更なる解明が期待されている。また,汎用性があり医学的効果が再現できるラドン吸入装置の構築は意義が大きい。このため,著者らは共同で開発したラドン吸入試作装置を用い,マウス諸臓器中の抗酸化機能の変化特性を検討した。ラドン吸入試作装置は,特殊加工したラドン線源を収納したユニットの数量,それへの送風量及び湿度などを調節することによりラドン濃度を自在に調整可能にするものである。この装置によりマウスに400Bq/m3あるいは4000Bq/m3のラドンを吸入させた。その結果,脳・肺・肝臓・腎臓において,抗酸化系酵素であるSODとカタラーゼの両活性が増加し,過酸化脂質量が減少した。この抗酸化機能の亢進により,本実験条件でのラドン吸入は活性酸素障害の抑制,すなわち,生活習慣病の予防や症状緩和に効果のある可能性が改めて示唆できた。
著者
西村 拓一 橋口 博樹 関本 信博 張建新 後藤 真孝 岡 隆一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.103, pp.7-14, 2001-10-26
被引用文献数
1

我々は,音楽音響信号のデータベースから,鼻歌のメロディーに類似した区間を見つけ出す音楽検索システムを提案している.本システムでは,個人的に収集したビデオデータからの検索も可能である.しかし,このシステムで用いていた「Model driven path 連続DP」呼ぶマッチング手法は,クエリーの時間軸,データベースの時間軸,音高の軸からなる3次元空間中において,局所類似度を連続DPに基づいて累積し,極大となる累積類似度を計算するもので,その計算量が大きい.そこで,クエリーの始端周辺の音高が正しく推定できたと仮定することで,音高軸を削減した2次元空間における局所類似度の累積に基づく「始端特徴依存連続DP」を提案する.本稿では,ポピュラー音楽20曲について鼻歌検索実験を行い,約7割の検索率を維持しつつ,計算量を従来法の約1/40に低減できることを示す.We have developed a music retrieval method that takes a humming query and finds similar audio intervals (segments) in a music audio database. This method can also address a personally recorded video database containing melodies in its audio track. Our previous retrieving method took too much time to retrieve a segment: for example, a 60-minute database required about 10-minute computation on a personal computer. In this paper, we propose a new high-speed retrieving method, called start frame feature dependent continuous Dynamic Programming, which assumes that the pitch of the interval start point is accurate. Test results show that the proposed method reduces retrieval time to about 1/40 of present methods.