著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1706-1715, 2014-07-15

本論文の目的はうつ病患者の家族看護者が直面する困難を明らかにし,家族看護者が生活の質を維持するために必要なICT支援について提案を行うことである.そのため我々は,家族のうつ病患者を看護した経験がある成人15名に対面インタビューを行い,分析を行った.その結果,家族看護者が抱える矛盾や葛藤,家族看護者が自身のストレス軽減のために取っている方策,そして情報技術が彼らの日常生活に果たしている機能が明らかになった.この調査結果に基づき,うつ病患者の家族看護者に対するICT支援方法を検討した.In this paper, we aim to uncover the challenges faced by family caregivers caring for a depressed sufferer and consider ways to support their well-being with the use of technology. To understand the burden of caregivers and how they handle their stress, we conducted in-depth interviews with 15 individuals who have cared for a depressed family member. Through the interviews, we describe the multifaceted dilemma they faced. Based on our findings, we suggest design implications for technologies to improve the wellness of caregivers who are looking after depressed family members.
著者
野池 賢二 橋田 光代 平田 圭二 片寄 晴弘 平賀 留美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.71-76, 2005-02-18
被引用文献数
10

NIME04のデモセッションとして行ったRencon聴き比べコンテストの模様とその投票結果、および、Rencon研究発表セッションの様子について報告する。投票結果の順位について統計的分析を加えた考察も、あわせて報告する。さらに、考慮していくべき課題と、今後の開催予定についても述べる。This paper reports NIME04 Rencon (Performance Rendering Contest) and its paper session held at the International Conference on New Interfaces for Musical Expression. This paper shows the result of NIME04 Rencon with some statistical analysis,and discusses future works.

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著者
平田圭二
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-1, 2015-01-15
著者
平田 圭二 塚本 昌彦 乾 健太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.86-91, 2014-12-15

情報処理学会が編集発行している雑誌は常に時代の先を見据えてさまざまな企画を実施し記事を掲載してきた.ジャーナル論文誌編集長の乾健太郎(東北大),学会誌編集長の塚本昌彦 (神戸大),ディジタルプラクティス編集長の平田圭二 (公立はこだて未来大学) の3人が集まり,学会出版物の役割や相互の関係,学会出版物の今後などについて,アイディアや意見を交換し,将来の雑誌相互の発展に資する鼎談を行う.
著者
浜中 雅俊 平田 圭二 東条 敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.21, pp.1-7, 2014-08-18

本稿では,タイムスパン木の部分木一致率に基づいた楽曲間の類似度について述べる.従来,音楽理論 GTTM に基づく分析によって求まるタイムスパン木に基づく楽曲間類似度が定義されていたが,条件が厳密であるために多くの楽曲間で全く類似性を示さなかった.そこで本研究では,類似度判定基準を緩和し,タイムスパン木が部分的に一致する場合,その一致率で類似度を表すことを試みる.In this report, we propose a melodic similarity based on matching rate of time-span subtrees. We previously proposed a melodic similarity based on time-span tree based on the music theory GTTM, however almost all the pairs of melodies are not similar, because the definition of the similarity is too strict. Therefore, we attempt to express a melodic similarity by using matching rate of time-span subtrees for weaken the condition for calculating the similarity.
著者
三浦 寛也 長尾 確 平田 圭二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

ディスカッションマイニングとは,会議における活動を複数メディアで記録し,そこから再利用可能な知識を抽出するための技術である.音楽理論とは,音の時系列を構文解析する技術である.本研究の目的は,音楽理論GTTMの手法を用いて議論を「構文解析」することである.本稿では,議論タイムスパン木の生成方式について計算機上に実装する手法を提案し,プロトタイピングシステムの有効性について検討する.
著者
平田 圭二 平賀 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.40, pp.1-7, 2002-05-18
参考文献数
10
被引用文献数
4

本稿では,先に平田,青柳が提案したGTTMとDOODに基づく音楽知識表現法をさらに改良,発展させるために,現在検討を加えている事項について述べた。提案された音楽知識表現法は有望な方向性を示すことはできたが,理論的にはまだ不備な点が幾つか残っている。そこで本稿では,まず本音楽知識表現法の設計原理に触れたあと,本法の抱える問題,問題点を整理,議論する。具体的な論点は,多声音楽の定義,タイムスパン簡約の解釈,音価と包摂関係,時間構造の冗長性などである。In a previous paper, we proposed a music representation method on GTTM and DOOD. This paper discusses some key issues of the method, which would lead to its further improvement and enhancement. We think our method could prove to be on a right direction, whereas there are several issues remaining. In this paper, we mention the design principles of our method, clarify the issues and discuss how they can be resolved. Specifically, the issues include the definiton of polyphony, interpretation of time-span reduction, duration and the subsumption relation, and redundancy of temporal structure.
著者
浜中 雅俊 平田 圭二 東条 敏
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.284-299, 2007-01-15

本論文では,音楽理論Generative Theory of Tonal Music (GTTM)に基づき,曲をフレーズ,モチーフなどに自動でグルーピングするシステムについて述べる.楽曲の切れ目を発見する手法は従来からも検討されてきたが,それらは主にメロディの局所的な境界を求めることが主眼であった.GTTMによるグルーピングでは,そのような局所的な境界を求めると同時に,メロディの繰返しなどを発見し,階層的な全体構造を獲得することを目的とする.しかしながら,GTTMは多数のルールから構成されており,その適用に関して優先順序が定義されていないため,グルーピング構造を獲得をするためにはこれまで恣意的・非手続き的な手作業が必要であった.この問題を解決するため,本研究では,計算機実装用にルールを再形式化したGTTMの計算機モデルexGTTMを提案する.exGTTMの特長は,ルールの優先順位を決めるためのパラメータを導入したことである.計算機上に実装したexGTTMを用いてグルーピング構造分析を行い性能を評価した. : This paper describes a grouping system which segments a music piece into units such as phrases or motives, based on the Generative Theory of Tonal Music (GTTM). Previous melody segmentation methods have only focused on detecting local boundaries of melodies, while the grouping analysis of GTTM aims at building a hierarchical structure including melodic repetition as well as such local boundaries. However, as the theory consists of a number of structuring rules among which the priority is not given, groups are acquired only by the ad hoc order of rule application. To solve this problem, we propose a novel computational model exGTTM in which those rules are reformalized for computer implementation. The main advantage of our approach is that we attach a weight on each rule as an adjustable parameter, which enables us to assign priority to the application of rules. In this paper, we show the process of grouping analysis by exGTTM, and show the experimental results.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.84, pp.21-26, 2004-08-02
参考文献数
7
被引用文献数
7

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感(groove)は,その違いにより楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つであると言える.しかし,これまでグルーブ感と実際のドラムの発音時刻及び音量の関連については調べられてはこなかった.本研究では,プロのドラム奏者による8ビートと16ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を出した演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べる.グルーブ感の違いは,実際の発音時刻や音量からも読み取ることが出来た.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.27-32, 2005-02-18
参考文献数
7
被引用文献数
3

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感(groove)は, 楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つと考えられる.我々はこれまで, 8ビートと16ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を与えた演奏から, スネア, ベースドラム, ハイハットの打点時刻と音量を測定し, これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは, 実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究ではさらに, 1) ドラム奏者に複数のリズムパターンを与え, このそれぞれについて異なるグルーブ感を与えた演奏.2) 昨今のポップス系音楽で多く見られるゴーストノートを付加した演奏に対して同様の測定を行う.ドラム演奏にこれらの変化を与えることが, 各打楽器の打点時刻及び音量とグルーブ感との関連にあたえる影響について調べる.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.19, pp.53-58, 2006-02-23
参考文献数
7
被引用文献数
4

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感は,楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の1つと考えられる.我々はこれまで,タイトとルーズのグルーブ感を与えたドラム演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは,実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究では,グルーブ感を含んだ様々な演奏意図と打点時刻及び音量との関係を分析した.その分析結果をふまえてドラム演奏生成システムを実装した.そのシステムは連続する打点の相関を考慮すること,ゴーストノート付加できることなどの特徴を持つ.
著者
浜中 雅俊 平田 圭二 東条 敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.84, pp.1-8, 2004-08-02
被引用文献数
5

本研究報告では,音楽理論Generative Theory of Tonal Music (GTTM)に基づき,楽曲のグルーピング構造および拍節構造を自動で獲得するシステムについて述べる.GTTMは計算機上への実装が期待される音楽理論の1つであるが,ルール適用の優先順位やアルゴリズムが決められていないため,ルールの競合が起こるという問題がある.この問題の解決法として本研究では,ルールの優先順位を決めるためのパラメータを導入する.そして,ボトムアップに求めた局所的なグルーピング境界の強さおよび拍点の強さを用いて,トップダウンに階層的な構造を獲得する手法を提案する.実験の結果,パラメータの調節により,性能が向上することが確認できた.This report describes an automatic music analyzing system, which acquire grouping structures and metrical structures, based on the Generative Theory of Tonal Music (GTTM). The GTTM is considered to be one of the most promising theories of music in regard to computer implementation; however, no order in applying those rules is given and thus, more often then not, may result in conflict among them. To solve this problem, we introduce adjustable parameters, which enable us to give priority among rules. Our system based on the GTTM makes it possible to construct hierarchical grouping and metrical structures in a top-down process using bottom-up detection of local boundary strength and local metrical strength. The experimental results show that our method outperformed the baseline performance by tuning the parameters.