著者
梶原 祥平 中村 滋延
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.15-20, 2008-08-06
参考文献数
6

筆者が、「誰でも矢沢永吉のライブのステージにおける気分を体験することができる」というコンセプトで制作を行っているインタラクティブ・メディア・アート作品《独りスーパースターマシン》について解説を行う。30年以上に渡り、ファンを魅了し続けている矢沢の魅力を、詳細に調査・分析し、インタラクティブ・メディア・アート作品として完成させることで、矢沢が持つステージにおける魅力を新たな視点から、さらに深く理解することができると考えた。本研究報告においては、作品の表現的側面だけでなく、音楽情報科学分野にとっても有益と考えられるシステム的・技術的側面にも焦点を当てて論じる。
著者
吉野 啓子 永井 真由美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2013, no.28, 2013-08-24

「初音ミク」 誕生が産んだ CGM ムーブメントをエンターテインメントの方向に伸ばした 「Project DIVA」 シリーズ.そして Project DIVA シリーズの販促イベントとして実施した所,世界にインパクトを与えた 「ミクの日感謝祭」.本講演では Project DIVA (アーケード) を構成する技術とその歴史,「ミクの日感謝祭」 に代表される 3D ライブのテクニカルな部分を紹介する.
著者
小川 圭祐 久原 泰雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.11-14, 2008-08-06
参考文献数
6
被引用文献数
2

本システムではライフゲームにおいて複雑に変化するパターンを実演者が操作することによって作成される音楽を目と耳で楽しむことができる.実演者はライフゲームのマトリクス上に生み出される2次元セルパターンに対して発音の要素を割り当てる.システムは刻々と変化するマトリクス上に定義されたセルパターンを検索し,合致したらそのパターンに対応する音を生成する.合致したパターンの座標情報はルート音,オクターブ,ベロシティなど発音に関係する属性として用いる.実演者はマトリクス上の生命をマウスで入力可能なので,インタラクティブに意図するパターンを入力し,楽曲生成に介入することができる.ライフゲームの世代更新は実演者が定義したタイミングで行われ,楽曲のグルーブ感を形成する.複数のマトリックスを同時に稼動させ,マトリックス毎に,パターン割当て,更新タイミング,音色を設定し,アンサンブルを行うことによってライフゲーム・オーケストラを構成する.ライフゲーム・オーケストラは,実演者の意図とセルオートマトンの創発的なパターン変化の融合を目指したシステムである.
著者
吉野 啓子 永井 真由美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2013, no.28, 2013-08-24

「初音ミク」 誕生が産んだ CGM ムーブメントをエンターテインメントの方向に伸ばした 「Project DIVA」 シリーズ.そして Project DIVA シリーズの販促イベントとして実施した所,世界にインパクトを与えた 「ミクの日感謝祭」.本講演では Project DIVA (アーケード) を構成する技術とその歴史,「ミクの日感謝祭」 に代表される 3D ライブのテクニカルな部分を紹介する.
著者
松島 俊明 坪井 邦明 志村 哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.99, no.51, pp.51-56, 1999-05-29
参考文献数
8
被引用文献数
4

尺八には様々な流派があり, 尺八譜に用いられる譜字やその運指法/奏法は, 流派毎に異なっている. 筆者らは尺八譜の情報処理システムの研究を行っているが, このような違いがデータの共有化やシステム開発の効率化の妨げとなっていた. この問題を解決するために, 昨年度, 尺八譜のための標準データ形式C0MS0を提案した. 今回, C0MS0を内部コードとして用いることにより, 開発中の尺八譜情報処理システムを複数流派への拡張が容易に行えるようになったので報告する.
著者
藤原 和弘 高橋 智一 鈴木 昌人 青柳 誠司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2014, no.16, pp.1-6, 2014-08-18

楽曲から抽出した遷移確率を用いて旋律部分と伴奏部分を自動作曲する方法を提案する.遷移確率とは,音高,音長について,ある音高 (音長) のつぎに,どのような音高 (音長) が続くかの確率である.本稿では,実際の楽曲 (アーティスト:バンプオブチキン,ラルクアンシエル) から遷移確率を抽出した.アンケート調査の結果,音楽的に悪くなく,アーティストらしい曲が作曲できている事が確認できた.
著者
大泉 俊雄 的場 ひろし 前野 和俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.98, no.74, pp.123-128, 1998-08-07
参考文献数
4

本論文では、音楽CDとWWW上のホームページを連携させたサービスを提供するための基盤システムであるWebSync/CDについて述べる。WebSync/CDは、音楽CDの再生に合わせて、予め作成したシナリオに従った一連のホームページの連動表示や、音声・動画ファイルの同期再生が可能であり、音楽CDを軸とした新しいマルチメディアコンテンツが作成可能である。WebSync/CDには、CD-EXTRA等の特殊なCDフォーマットを採らない通常の音楽CDに対してもコンテンツ提供できる、WWW上のコンテンツを随時更新できる、と言ったメリットがある。さらに、音声パターンマッチング技術を開発し、ラジオ放送、オーディオテープ等からアナログ音声信号をPCに入力する形態においても、楽曲の特定、並びに、再生位置の検出を可能とした。
著者
村尾 忠廣 増井 誠生 長嶋 洋一 田中 能 三輪 眞弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.98, no.96, 1998-10-17

パフォーマンスアートとしてのコンピュータミュージックの意義をとらえる切り口として、「人」と「場」という概念をとりあげる。演奏者や聴衆といった立場を異にする人々が、その時かぎりの表現で「場」であるステージに集うことで、その「場」での演奏がいかに「アート」としての意味をもつことになるか、さらに、その一瞬に表現される「アート」に作曲者はいかに介在できるか?以上のような問題意識から、本研究会では、パフォーマンスを意識した音楽作品を手がけるアーティスト3名によるパネルディスカッションを行う。
著者
大道 竜之介 伊藤 仁 伊藤 彰則 牧野 正三
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.J1-J6, 2010-05-27
参考文献数
10

歌唱音声の新たな評価指標として 「熱唱度」 の導入を提案する.聴取実験の結果から,歌唱音声中のビブラートおよび呼吸音が,熱唱の知覚に関与することがわかった.本稿では, 歌唱音声におけるビブラート,有声呼吸音,声門破裂の 3 つの特徴を挙げ,これらを定量化する音響特徴量について検討する.34 名の歌唱音声に対する聴取実験から得た,熱唱度の聴取実験スコアと,複数の音響特徴量との重回帰分析を行い,それらの間に重相関係数 0.45 を得た.We propose introducing "enthusiasm" as a novel index of singing voice. The result of the listening experiment by human subjects suggests that both vibrato and breath sounds in singing voice concern human perception of enthusiasm. This paper describes our experiments to quantify 3 features in singing voice; vibrato, voiced breath sounds and glottal plosion. As a result of the multiple linear regression analysis between perceived enthusiasm score evaluated by the listening experiment with singing voice recordings of 34 people and some quantified acoustic features, we reached multiple correlation coefficient of 0.45.
著者
中村 滋延
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.24, pp.23-28, 2004-03-04

筆者は、1970年代半ばにミュージック・シアターと出会い、視覚的要素を持つ音楽に興味を持った。視覚的要素は音楽構造にも変化を与え、あらたな表現の可能性をもたらすように思われた。しかし、ミュージック・シアターの実践を通して、演奏動作の視覚的要素としての制約を問題として感じ始めた。その問題を解決するためにコンピュータを用いたインタラクティブ・システムを利用するようになった。このことによって演奏動作が視覚的要素として表現力を増すようになった。しかし、視覚的な表現力としては映像に勝るものはない。そこでインタラクティブ・システムが音響に対してだけでなく、映像に対しても及ぶような作品を制作するようになった。そのような作品を「音楽系メディアアート」と命名した。そうした中で、映像と音響の関係を緻密なままにメディアに固定した作品を「映像音響詩」という名で制作するようになった。視覚的要素は聴覚的要素に影響を及ぼして、音だけでは次への予測が困難な無調性の音楽にも次への予測を可能にし、集中して音の推移を鑑賞者が追いかけていくことを可能にする。
著者
野池 賢二 橋田 光代 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.16, pp.25-29, 2003-02-21
参考文献数
7
被引用文献数
3

二つの演奏の表情パラメータ値をモーフィングするツールMortonのWeb版を実装した.Web版MortonであるWebMortonは,演奏表情パラメータ値をモーフィングする機能に加えて,二つの演奏に対するユーザの識別境界を示す機能が組み込まれている.この機能とWeb版になったことにより,誰でも自分の識別境界を知ることができる.演奏表情パラメータ値のモーフィングという新しい考えによるこれまでにない演奏の生成は,単に実験ツールというだけではなく,音楽教育の現場,エンターテイメントの分野での活用が期待できる.
著者
虫鹿 弘二 中村 和寛 橋本 佳 大浦 圭一郎 南角 吉彦 徳田 恵一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2015, no.13, pp.1-6, 2015-02-23

隠れマルコフモデル (HMM) に基づく歌声合成システムは,あらかじめ用意された歌声データから統計モデルを学習し,任意の歌声を合成する.HMM 歌声合成の性能は学習データに強く依存するため,高品質な歌声を合成するためには高品質な歌声データベースが必要になる.しかし,実際のデータベースには,歌い間違いやノイズなどの誤りが含まれていることが多い.特に,これからは音声合成の分野でも,インターネット上の大量のデータを学習に有効活用するという流れが加速していくと考えられ,そのような誤りを多く含むデータから高精度なモデルを学習する手法が必要である.そこで本稿では,学習データ内の誤りを局所的に除外することによる誤りに頑健なモデルの学習手法を提案し,主観評価実験により提案手法の有効性を評価する.
著者
片寄 晴弘 福地 健太郎 寺田 努 松浦 昭洋 橋田 光代
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-6, 2015-02-23

エンタテインメントコンピューティングや音楽情報科学の研究領域においては多数の 「楽しい」 インタラクティブシステムが制作されてきた.本企画セッションでは,福地氏 (明治大),寺田氏 (神戸大),松浦氏 (東京電機大),橋田氏 (相愛大) を話題提供者として迎え,ショーやイベントにおいて一般聴衆に感動してもらうべく楽しんでいただく (=『魅せる』) ことを目標として,インタラクティブシステムをデザイン/使用するにあたっての課題や解決手段に焦点をあてた議論を実施する.
著者
高橋 佳吾 西本 卓也 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.61-66, 2003-12-21
参考文献数
8
被引用文献数
9 7

本報告では、多重音のモノラル音響信号の基本周波数を連続的な分布として出力する手法(Specmurt法)を提案する。多重音を構成する各音が共通した周波構造パターン(高調波成分間の強度比パターン)のスペクトルを持つ場合、対数周波数軸上では、これらの互いの関係は、同一の倍音パターン形状を平行移動した関係となる。これは、多重音の基本周波数の分布と共通調波構造パターンとの対数周波数軸上の畳み込みと解釈でき、基本周波数分布を人力、共通調波構造パターンをインパルス応答とした線形系の出力と考えることができる。共通調波構造パターンを仮定して、対数周波数領域に対するフーリエ領域で除算を用いて逆畳み込みを行えば、基本周波数を連続分布として求めることができる。その結果を濃淡表示すれば、スペクトログラムに似た基本周波数分布表示が得られる。実験を通して、基本的な理論を検証し、実際の音楽信号に適用し、効果を確認した。
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.84, pp.21-26, 2004-08-02
参考文献数
7
被引用文献数
7

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感(groove)は,その違いにより楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つであると言える.しかし,これまでグルーブ感と実際のドラムの発音時刻及び音量の関連については調べられてはこなかった.本研究では,プロのドラム奏者による8ビートと16ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を出した演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べる.グルーブ感の違いは,実際の発音時刻や音量からも読み取ることが出来た.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.27-32, 2005-02-18
参考文献数
7
被引用文献数
3

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感(groove)は, 楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つと考えられる.我々はこれまで, 8ビートと16ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を与えた演奏から, スネア, ベースドラム, ハイハットの打点時刻と音量を測定し, これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは, 実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究ではさらに, 1) ドラム奏者に複数のリズムパターンを与え, このそれぞれについて異なるグルーブ感を与えた演奏.2) 昨今のポップス系音楽で多く見られるゴーストノートを付加した演奏に対して同様の測定を行う.ドラム演奏にこれらの変化を与えることが, 各打楽器の打点時刻及び音量とグルーブ感との関連にあたえる影響について調べる.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.19, pp.53-58, 2006-02-23
参考文献数
7
被引用文献数
4

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感は,楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の1つと考えられる.我々はこれまで,タイトとルーズのグルーブ感を与えたドラム演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは,実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究では,グルーブ感を含んだ様々な演奏意図と打点時刻及び音量との関係を分析した.その分析結果をふまえてドラム演奏生成システムを実装した.そのシステムは連続する打点の相関を考慮すること,ゴーストノート付加できることなどの特徴を持つ.
著者
福嶋 政期 梶本 裕之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.A7-A8, 2008-05-21

2008年4月5日から10日の6日間、ACMSIGCHIが主催する国際会議CHI2008(Conference on Human Factor in Computing Systems)が開催された。CHIはHuman-Computer Interactionに関する最高峰の国際会議である。今年は、ルネサンス発祥の地として名高いイタリアのフィレンツェで開催された。フィレンツェは、町の至る所に美術館、教会、石像等があり、また、屋根は赤褐色で統一されており、町全体が一つの美術館のようであった。会場は、「バッソ要塞」(図1)と呼ばれる五角形の大建築物であった。今年の参加登者数は約2300人であった。会議内容の統計は以下通りである。全採択数は582件(全投稿数1969,採択率29.56%)、論文発表は157件(投稿件数714件,採択率22%)、ショートトーク61件(投稿件数341件、採択率18%)であった。なお、全投稿件数はこれまでで最多であった。6日間のうち初めの2日間はプリカンファレンス(Workshops, Doctoral Consortium等)であり、残り4日間がテクニカルプログラムであった。会議初日にはIrene McAra-McWilliam氏によるOpening Plenary、また、最終日には、Bill Boxton氏によるClosing Plenaryが行われた。会議は、毎日朝にその日のセッションの発表者が30秒で自分の発表の広告を行うCHI Madnessというイベントが行われた。その後はPapers/Notes, Case studies、Panel等に加え、デモ展示、企業展示、ポスター発表なども平行して行われた。筆者にとって初めての国際学会であったこともあり、休み時間の間は常にプログラムと睨みあっていた。また、3日目の夜はMicrosoft, Google等のHospitality Events(図2)が行われた。イベント会場内は多くの人で溢れかえっていた。個人的な話で恐縮であるが著者はMicrosoftのイベントでの抽選でZune(80GB)を頂いてしまった。今年は、ベストペーパー7件、ベストノート3件が選ばれた(プログラムの24ページに記載されている。http://www.chi2008.org/program.html) 。