著者
大桃 敏行 秋田 喜代美 村上 祐介 勝野 正章 牧野 篤 藤村 宣之 本田 由紀 浅井 幸子 北村 友人 小玉 重夫 恒吉 僚子 小国 喜弘 李 正連 植阪 友理 市川 伸一 福留 東土 新藤 浩伸 齋藤 兆史 藤江 康彦 両角 亜希子 高橋 史子 星野 崇宏 伊藤 秀樹 山本 清 吉良 直 星野 崇宏 伊藤 秀樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

日本を含めて多くの国で多様化や競争、成果に対するアカウンタビリティを重視するガバナンス改革が行われてきた。また同時に、単なる知識や技能の習得からそれらを活用する力や課題解決力、コミュニケーション能力などの育成に向けた教育の質の転換の必要性に関する議論が展開されてきた。本研究の目的はガバナンス改革と教育の質保証との関係を検討しようとするものであり、成果志向の改革では、広い能力概念に基づく教育において評価がどこまでまたどのように用いられるのかが重要な課題となってきていることなどを示した。
著者
恒吉 僚子
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.417-426, 2000-12-30 (Released:2007-12-27)
被引用文献数
1

本稿は「最後の手段」ともしばしば呼ばれる、リコンステイテューションを用いた改革を、メリーランド州、プリンス・ジョージズ郡、A小学校の事例を切り口に検討している。リコンステイテューションとは企業モデル的発想に基づき、「破産」、つまり、恒常的な学力不振に悩まされるとされる学校の教職員の入れ換えを軸とした改革である。測定できる指標をもとにしたアカウンタビリティを重視し、市場競争に依拠した教育改革は多くの国(米国や日本も含み)で一つの流れとなっている。プリンス・ジョージズ郡で展開された本稿で取り上げる改革方式は、成功の指標としてテストの結果を重視する。本稿では、プリンス・ジョージズ郡のA校を取り上げ、リコンステイテューション実行の前後、一九九五年から二〇〇〇年にかけて、一から二週間単位の三回のインタビュー、観察調査のデータを分析している。焦点になっているA校は大多数がマイノリティの小学校であり、一九九七年五月にリコンステイテューションの対象になっている。教育長、郡のスタッフ、校長以下一部教職員のインタビューと学校観察が行われた。本稿は、前記郡におけるリコンステイテューションのプロセスを分析し、教育コンテクストにおいて、企業における大量レイオフを正当化する理論に類似した発想による教育員の入れ換えを批判的に取り上げる。さらに、本稿は前記懲罰的改革が示す、特定の学校、教師の守備範囲を超えた社会的条件による学力不振をも教育ヒエラルキーの底辺に位置する教師に責任転嫁する傾向、教育における対人関係的要素の軽視、市場競争力に欠ける学校の再建を市場原理に委ねる傾向も、批判的に分析している。
著者
恒吉 僚子
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.417-426, 2000-12-30

本稿は「最後の手段」ともしばしば呼ばれる、リコンステイテューションを用いた改革を、メリーランド州、プリンス・ジョージズ郡、A小学校の事例を切り口に検討している。リコンステイテューションとは企業モデル的発想に基づき、「破産」、つまり、恒常的な学力不振に悩まされるとされる学校の教職員の入れ換えを軸とした改革である。測定できる指標をもとにしたアカウンタビリティを重視し、市場競争に依拠した教育改革は多くの国(米国や日本も含み)で一つの流れとなっている。プリンス・ジョージズ郡で展開された本稿で取り上げる改革方式は、成功の指標としてテストの結果を重視する。本稿では、プリンス・ジョージズ郡のA校を取り上げ、リコンステイテューション実行の前後、一九九五年から二〇〇〇年にかけて、一から二週間単位の三回のインタビュー、観察調査のデータを分析している。焦点になっているA校は大多数がマイノリティの小学校であり、一九九七年五月にリコンステイテューションの対象になっている。教育長、郡のスタッフ、校長以下一部教職員のインタビューと学校観察が行われた。本稿は、前記郡におけるリコンステイテューションのプロセスを分析し、教育コンテクストにおいて、企業における大量レイオフを正当化する理論に類似した発想による教育員の入れ換えを批判的に取り上げる。さらに、本稿は前記懲罰的改革が示す、特定の学校、教師の守備範囲を超えた社会的条件による学力不振をも教育ヒエラルキーの底辺に位置する教師に責任転嫁する傾向、教育における対人関係的要素の軽視、市場競争力に欠ける学校の再建を市場原理に委ねる傾向も、批判的に分析している。