著者
新藤 浩伸
出版者
東京大学大学院教育学研究科生涯学習基盤経営コース内『生涯学習基盤経営研究』編集委員会
雑誌
生涯学習基盤経営研究 (ISSN:1342193X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.17-31, 2011

日本において博物館は, 施設建設が一定の成果をみた現在, 財政難等の様々な課題に直面しつつも,制度改革の途上にある。しかし, 制度改革の途上にある現在だからこそ必要な「博物館とは何か」という根本的な問いは, 博物館学が多領域にわたることなどから十分とはいえない。これに対し本論では,第一に, 議論の前提として近年の博物館の現状および制度改正の動向を, 背景にある状況とともに概観する。第二に, 近代国家の機関としての博物館に向けられた批判の論点をふまえ, それにこたえていくにあたり,(1)公共施設としての意味, (2)コレクションと場所としての意味, (3)博物館において学ぶことの意味という観点から検討する。そして第三には, 近年の文化施設研究, および文化の視点からの教育学研究の検討を通して, 生涯学習社会における文化学習基盤としての博物館のあり方について展望的に考察する。論文/Theses
著者
大桃 敏行 秋田 喜代美 村上 祐介 勝野 正章 牧野 篤 藤村 宣之 本田 由紀 浅井 幸子 北村 友人 小玉 重夫 恒吉 僚子 小国 喜弘 李 正連 植阪 友理 市川 伸一 福留 東土 新藤 浩伸 齋藤 兆史 藤江 康彦 両角 亜希子 高橋 史子 星野 崇宏 伊藤 秀樹 山本 清 吉良 直 星野 崇宏 伊藤 秀樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

日本を含めて多くの国で多様化や競争、成果に対するアカウンタビリティを重視するガバナンス改革が行われてきた。また同時に、単なる知識や技能の習得からそれらを活用する力や課題解決力、コミュニケーション能力などの育成に向けた教育の質の転換の必要性に関する議論が展開されてきた。本研究の目的はガバナンス改革と教育の質保証との関係を検討しようとするものであり、成果志向の改革では、広い能力概念に基づく教育において評価がどこまでまたどのように用いられるのかが重要な課題となってきていることなどを示した。
著者
佐藤 一子 森本 扶 新藤 浩伸 北田 佳子 丸山 啓史
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.321-347, 2005-03-10
被引用文献数
1

This paper intends to discuss some theoretical issues of Action Research as a methodology of educational research. Action research has been developed in the field of social investigation, especially in workplaces. In the 1970s, some argument was brought out on the cognitive problems in social science and on the way of understanding of the world, not only as the objective existence but as emergent and interactional forms constructed with others. Also, Participatory Research has been created through adult educational practices in developing countries, and research networks have been constructed by International Council of Adult Education. Theoretically, this movement was first influenced by the philosophy of Paulo Freire. Considering these historical backgrounds, our discussion will focus on some controversial issues of AR and PR; a) problems of practical or reflective knowledge derived from the process of research; b) relationships between researchers and participants; and c) attributions as a way of inquiry. Finally, we examine some problems of validity of AR or PR.
著者
新藤 浩伸
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、市民文化活動の支援方策の国際比較として、(1)文化政策、生涯学習政策における市民活動支援プログラム、(2)民間の文化活動支援ネットワーク、(3)劇場を含めた文化施設・機関の教育プログラムという三つの観点から、イギリス(平成23年度)、アメリカ(平成24年度)、EU(平成25年度)における文化施設および団体の訪問調査を実施した。調査からは、ハイカルチャーだけでなく、文化多様性を重視し、福祉等の関連領域も視野に入れた多様な文化活動支援がなされていること。そして、民間の文化活動支援ネットワークが緊密に市民文化活動への情報提供およびエンパワメントを実施していることが明らかになった。
著者
新藤 浩伸
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.343-353, 2004-03-10

In Japan, volunteers now support increasing number of music festival. This paper will call them "community music festival". The aim is to clarify the meaning of a participation of volunteers and their learning, showing a practice of Kiso Music Festival. First, some main discussions are shown which are related to community music festival. Since 1970s, cultural activities based on community have been practiced. These are studied in the field of community education. In addition, since 1990s, a perspective of economics and management has been introduced in art activities. Secondly, after introducing the history and classification of music festival, the participation of volunteers and its meanings are shown. As one characteristic practice, Kiso Music festival is reported. The festival is supported by Cooperation of administration of social education and volunteers.