著者
遠藤 彰 斎藤 真澄 伏崎 弥三郎
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.85, no.9, pp.593-597,A47, 1964
被引用文献数
1

脂環式炭化水素類の環に直結した炭素間二重結合を有機過酸で酸化すると,一般のオレフィンと異なり環の拡大をともなうような例が報告されている。著者らはこの種の反応を詳しく調べるために,双環テルペンのカンフェンを過酢酸,過安息香酸で酸化しその反応生成物を調べ,また過酸の消費量を測定することによって反応速度を求めた。反応生成物は主としてカンフェニランアルデヒドで,その他に過酢酸酸化ではカンフユングリコールのモノ酢酸エステル,過安息香酸酸化ではカンフェンオキシドが認められた。反応速度は2次反応速度式で表わすことができ,種々の条件で2次反応速度定数が得られた。反応は溶媒の極性が大きいほど遅いことから,オレフィンの過酸によるエポキシ化反応と同じく分子機構で反応が進むと考えられる。
著者
斎藤 真澄 三浦 美環 早川 和江 富田 恵 野宮 冨子 小玉 有子 佐藤 厚子
出版者
弘前医療福祉大学内紀要編集委員会
雑誌
弘前医療福祉大学紀要 (ISSN:21850550)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.9-18, 2018-03-30

目的:女子大学生の不定愁訴と生活習慣、栄養バランスとの関連を検討する。方法:A大学女子学生90名を対象にしたアンケート調査。不定愁訴を肩こり、腰痛、便秘、疲れやすい、イライラ等の7 項目とし生活習慣、栄養バランスとの関連を調査した。結果:自覚している不定愁訴数の平均は4.3±1.9項目であった。不定愁訴が1 項目もない者は5 名であり、7 割以上の者が4 項目以上の不定愁訴を自覚していた。不定愁訴と生活習慣との関連では、朝食摂取の有無が肩こり、腰痛、イライラと関連していた(それぞれp<0.05)。睡眠時間が7 時間未満の者はイライラがある者が多かった(p<0.01)。夜食を摂取している者、就寝時間が不規則な者は、疲れやすいと答えた者が多かった(p<0.01~0.05)。栄養バランスを考慮した食事を摂っていない者は便秘がある者が多かった(p<0.01)。不定愁訴と栄養バランスとの関連では、便秘がある者は豆類・緑黄色野菜・淡色野菜の摂取頻度が有意に低かった(p<0.01~0.05)。考察:女子大学生の不定愁訴は、朝食摂取の有無、就寝時間の規則性や睡眠時間などの生活習慣が影響している可能性が示唆された。また、豆類、緑黄色野菜、淡色野菜の摂取頻度が便秘の発現に関連している可能性が示唆された。
著者
斎藤 真己
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.102, no.4, pp.270-276, 2020-08-01 (Released:2020-11-26)
参考文献数
14

無花粉スギ苗の増産体制を強化するため,水稲農業とタイアップし,休耕田を活用したコンテナ苗の水耕栽培を行った。農業用水をかけ流しにした休耕田に水深5 cm程度の育苗プールを造成した後,2年生のコンテナ苗を5月から10月までこのプールにつけて育苗した。その結果,生存率は98%程度と高く,成長量も従来のハウス栽培よりも大きいことが明らかになった。また,海沿いと中山間地域の休耕田で育苗試験を行った結果,両者ともに順調に生育したことから,本研究で行った水耕栽培法は水田のある地域であれば広い範囲で実施できると考えられた。水耕栽培した苗を造林地に植栽しても,活着率や成長量は従来のハウス栽培した苗と差がなかった。これらのことから,水耕栽培法は休耕田にコンテナ苗を浸けておくだけの簡便な手法であり,ビニールハウスや自動散水装置も不要なため,省力的かつ低コストな育苗法なると考えられた。
著者
斎藤 真 大西 範和 加藤 象二郎 宮尾 克 長江 拓子 池浦 良淳 水谷 一樹
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.10-16, 2007-04-15 (Released:2017-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2

本研究は,作業負担の少ないノートパソコンの設計要件確立を目的に適切なディスプレイの高さについて作業姿勢と筋電図から検討したものである.ディスプレイは10.4インチ液晶,高さは床から800,900,1,000mmの3条件,作業は入力およびゲームの2条件とした.10人の被験者に対し,視距離,視線角度,頭部角度,頸部角度および右三角筋,右僧帽筋の筋電図が計測された.視距離は,ディスプレイが高くなると短くなった.視線角度は,ディスプレイ高に関係した.頭部角度は,高さと作業内容に依存した.筋活動は,頸部僧帽筋において入力作業で大きく,ディスプレイが低い場合も大きかった.以上よりディスプレイは本体と分離し,高さは1,000mmを基準として各自の身体特性に合わせて調整することを推奨する.
著者
有本 友季子 工藤 典代 斎藤 真純 留守 卓也
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.50-53, 2003 (Released:2012-09-24)
参考文献数
11

Eighty-two children, consisting of 60 males and 22 females who were suffering from language retardation, visited our department over the past two years and contributed to the study. The mean age of the children was 3 years and 3 months at the first consultation. Many of the children were referred to us by otolaryngologists who first found the impairment of language development. Around 88% of the children suffering from language retardation were affected by certain psychiatric problems such as mental retardation (fifty-four children,66%) and autism. Seven patients (9%) were affected by a considerable hearing deficit including five patients with severe hearing loss.
著者
大西 範和 斎藤 真 平林 由果 片瀬 眞由美 栗林 薫 塩之谷 香
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.51-56, 2005-04-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
13

本研究の目的は, 筋電図の解析によりミュールを履いて歩行する際の身体的ストレスを評価することである. 被験者は11名の若年女性で, 50m/minの速度でトレッドミル上を, 裸足, スニーカーおよびヒール高9cmの3種類のミュールを履いて2分間歩行した. それぞれの歩行において後半1分間の上下肢の筋電図および心電図を記録した. 心拍数および歩調は, ミュールを履いて歩行した場合に, 裸足およびスニーカーと比べ統計的に有意 (p<0.05) に増加した. 股関節の屈曲, 膝関節の伸展および足関節の背屈に関係する筋において, 筋電積分値は, 裸足およびスニーカーを履いた歩行に対し, ミュールを履いた歩行の際に増加した. これらの筋活動の増加は, 爪先を上げてミュールの脱落を防止することや, 爪先と踵を同時に接地させて歩行の安定を図るための努力に関係すると推察される. ミュールを履いて歩行した際の前脛骨筋の活動増加は, 甲ストラップの装着により消失した. 歩行時にミュールを履くことで増加する身体的ストレスは, 構造を工夫することで低減され得ることが示唆された.