著者
松村 隆 芹沢 正規
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2014年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.767-768, 2014-09-01 (Released:2015-03-01)

接触する物体どうしの摩擦低減効果を向上させるために,表面に微細なディンプルを付与する技術に対する関心が高い.本研究では,Whirling機構を利用し,微細なディンプルを高速に加工する技術を開発した.本報では提案するディンプル加工における加工モデルを示し,これら基づき,変形過程の時系列シミュレーションを示す.加工したディンプル形状とシミュレーションを比較し,モデルの妥当性を明らかにした.
著者
滝野 豊 松村 隆弘 二木 敏彦 川端 絵美子 星名 悠里 本田 理沙 油野 友二 柴田 宏
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.541-545, 2018-07-25 (Released:2018-07-28)
参考文献数
16

肝炎ウイルスやアルコール性肝炎,非アルコール性脂肪性肝疾患などによる慢性肝炎は線維化の過程を経て,将来的に肝硬変症を経て肝癌に至ることが知られている。肝線維化診断のゴールデンスタンダードは肝生検であるが,侵襲的な検査であることから血液成分であるヒアルロン酸やIV型コラーゲン,および生理学的な検査法が利用されている。新しい肝線維化マーカーとしてMac-2 binding protein glycosylation isomer(M2BPGi)が保険適応された。ヒアルロン酸は食事の影響を受けやすいことが知られているが,M2BPGiについての食事の影響は調査されていない。今回,M2BPGiの食事の影響を血中ヒアルロン酸値とIV型コラーゲン値の変動と比較した。ヒアルロン酸のみが食事摂取1・2時間後に食前と比べ有意に測定値が上昇した。M2BPGi値とIV型コラーゲン値は食事の影響を受けなかった。このことから,M2BPGi値測定は随時採血の検査においても正しい評価ができると考えられた。
著者
田村 昌一 松村 隆
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2015年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.247-248, 2015-03-01 (Released:2015-09-01)

炭素繊維強化プラスチックの穴あけ加工に対して,ドリル先端側の先端角が大きく,外周側の先端角が小さいダブルアングルドリルを適用し,その切削特性について議論する.一般的なドリルによる穴あけ試験も実施し,層間剥離に対する工具形状の効果について調べた.またエネルギ解析法による切削シミュレーションを用い,ダブルアングルドリルによる切削特性について解析し,ダブルアングルドリルの有効性について示す.
著者
松村 隆
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.1-30, 1996-07-30 (Released:2009-11-06)
被引用文献数
2

This paper intends to make an analysis of management of a timber merchant in the period of industrialization from 1880s to 1920s in Japan. As the target of a case study, the management of Zaisou, a famous timber merchant in Nagoya is chosen. Zaisou has maintained its predominant position in the lumber industry since Edo era. In Meiji and Taisho period, Zaisou started to develop its business of finance, securities, and real estates in addition to the lumber industry.In parallel with the industrialization, the demand of timber, sleepers and wooden boxes were greatly expanded. As a result, Zaisou could not afford to continue its traditional business, namely investment in forests in Kiso district. Under such a business climate, two goals for the growth of the enterprise emerged : acquisition of suitable wood for various kinds of demand, and making steady profits.In order to achieve the former goal, Zaisou diversified the purchasing routes of wood. In the field of wood needed a high quality, for example, such as sleepers, wooden boxes and luxury timber, Zaisou continued to invest in forests as in Edo period. Concerning to the latter target, Zaisou firstly diversified ways of the use of funds, secondly enlarged means of purchasing. It was effective for Zaisou to buy timber in large amount in the shortening turnover of funds and elaboration of inventory management.
著者
田崎 民和 西村 治夫 薬師寺 道明 松村 隆 東島 博 森崎 秀富
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.353-359, 1990
被引用文献数
3

特異的な卵巣間質の増殖で特徴づけられるKrukenberg腫瘍の腫瘍形成までの過程を明らかにする目的で, ほとんど卵巣の腫大を認めない10例のKrukenberg腫瘍を転移の初期病巣と考えて病理組織学的に検討し, 以下の結論を得た. 1) 初期転移巣の組織形態としては, リンパ管侵襲のみの像, 充実性胞巣像, びまん性浸潤像の3種の基本形態に分類された. 2) 全例に卵巣門部のリンパ管侵襲がみられた. 3) びまん性浸潤型では, 印環細胞がリンパ管を介して卵巣門部より皮質に向かって, びまん性放射状に広がる像がみられ, さらに末梢においてリンパ管より間質に腫瘍細胞が漏出し浸潤していく所見が確認された. この時期では卵巣間質の反応は比較的軽度で, 浸潤の末端部において印環細胞がより豊富に存在していた. 4) 充実性胞巣を示すものでも, 充実性胞巣の中に間質の介在がみられ, 腫瘍の未分化な性格が示唆された. 5) 対側の腫大卵巣の組織形態は, 著明な卵巣間質の増生を伴う肉腫様像, 硬性癌像を呈するものがほとんどであった. 6) ABC法によるCEA染色では, 一見腫瘍細胞の存在が不明瞭な, 増生した間質の中にもCEA陽性の腫瘍細胞が多数存在していた. 以上の結果からKrukenberg腫瘍の腫瘍形成過程を考察すると, 転移経路は卵巣門部より侵入するリンパ行性転移であり, 門部から均等に卵巣全体への腫瘍細胞の浸潤がまずおこり, その後印環細胞の破綻による粘液の間質内漏出が引金となって間質の浮腫と増生が始まると考えられた. 卵巣腫大の大きな因子はこの卵巣間質の増生と浮腫であり, 卵巣間質のsarcomatousな変化は, そこに埋もれるように存在する未分化で上皮性性格に乏しい腫瘍細胞と, 増殖した卵巣間質によって形成されると考えられた.
著者
臼井 英治 松本 英樹 松村 隆
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1968-1973, 2000-12-05 (Released:2009-04-10)
参考文献数
12

The paper presents a structure model with single degree of freedom which may represent the non-linear characteristics of actual machine tool structure. By using an experimental set-up for orthogonal turning which utilizes the proposed structure model, it is shown that the non-linear variations of vibration parameters m, k, c with applied load can be measured with a special impulsive excitation technigic during the actual turning. Th obtained variations are proved to be quite similar to those obtained for usual turning lathe. Computer simulations of chatter on-set process are then carried out with taking both the variable m, k, c obtained and the non-linearity of cutting process reported in the previous papers into account. The predicted stability thresholds of chatter vibration through the simulation are in good quantitative agreement with the experimental results which include the well-known non-linear phenomena such as high feed and high speed stabilities of chatter and the finite amplitude chatter vibration.
著者
田村 昌一 松村 隆 鈴木 庸介 篠原 尉浩 富田 正機 橋本 雅和 本田 竜未 大橋 利仙 森 和男
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2007年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.61-62, 2007 (Released:2008-03-28)

本研究では小径ボールエンドミルを送り方向に傾け,パイレックスガラスを溝加工した.工具形状,コーティング材質,切削条件がガラスの切削特性に及ぼす影響について評価した.その結果,一切れ刃あたりの送り速度12nm/edgeで脆性損傷のない良好な加工面が得られた.またダイヤモンドコーティング工具では仕上げ面に細かい脆性損傷が生じることがわかった.
著者
黒木 翔吾 真鳥 晃一 松村 隆
出版者
一般社団法人環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 (ISSN:03896633)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.455-460, 2011

大学生を対象に携帯電話リサイクルに関する意識調査を行った。携帯電話端末にレアメタル等が使用されていることを知っている学生は約64%であった。機種変更時に使用済み携帯電話端末を返却・リサイクルしたものは約25%で,約67%の学生はそのまま所持していた。返却・リサイクルしなかった理由は,電話機能以外の目的で所持(約27%),思い出として手元に保管(約28%),処理が面倒(約19%),リサイクルできることを知らなかった(約11%),個人情報流出への懸念(約10%)であった。返却・リサイクルをしなかった学生約90 名を対象に携帯電話リサイクルに関する経済的なインセンティブに関する調査も行った。
著者
松村 隆 吉野 友章 小松 隆史
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2011年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.309-310, 2011 (Released:2012-03-05)

超微粒子のステンレス鋼に対して,エンドミル切削を試み,切削力と仕上げ面粗さ特性を調べた.超微粒子鋼のエンドミル切削では,切削力波形の動的成分が減少し,通常の粒径のステンレス鋼よりも安定した切削状態となることが明らかとなった.また,バリや仕上げ面粗さが改善され,結晶の微粒化が仕上げ面特性に及ぼす影響を確認した.
著者
武者 祐治 吉野 友章 小松 隆史 松村 隆
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2012年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.175-176, 2012-09-01 (Released:2013-03-01)

超微粒子のステンレス鋼に対して,エンドミルによる溝切削を試み,切削力と仕上げ面粗さ特性を調べた.本報では,切れ刃出口部におけるバリを比較し,切削力特性の観点から,そのモデル化を試みた.切削方向と鉛直方向の切削分力比を調べ,超微粒子鋼と通常鋼の違いを明らかにした.また,切削分力比の変化とバリの大きさとの相関性を見出し,バリ生成に対するモデル化を試みた.
著者
松村 隆
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.75, pp.105-120, 2015

近年、国内の銀行において投資信託(投信)販売等による手数料ビジネスによる収益が増加している。この収益は、主に投信の販売量に比例する販売手数料と、投信の販売残高に比例する信託報酬からなり、共に巨視的に見れば、投信市場にどれ位の資金が流入してくるのかに依存している。そこで本稿では、投信市場全体への資金流入額が、金融市場の変動によってどのような影響を受けるのか、月次ベースの投信市場へのネット資金流入額と、金融市場指標(S&P500 指数、TOPIX、ドル円為替レートの 3 指標)からなる構造 VAR モデルを構築し、インパルス反応関数(IRF)を用いて、各変数のショックの波及効果を分析した他、分散分解によって、ショックが各変数の変動にどれ位寄与しているのか分析した。IRF によるショックの波及効果分析の結果、TOPIX の月次収益率が 1% 上昇すると、投信市場へのネット資金流入額が 1 期目(当月)では約 40 億円、2 期目(翌月)では約 150 億円増加し、12 期間(1 年間)の累積では約 1,000 億円程度増加するという結果が得られた。一方、ドル円為替レートの月次収益率の 1% 円安ショック、S&P500 指数の月次収益率の 1% 上昇ショックは、初期においてはネット資金流入額を減少させる方向に寄与するが、その後、しばらくすると増加させる方向に寄与し、12 期間(1 年間)の累積ではネット資金流入額を増加させるという結果が得られた。当初は個人投資家の利益確定の動きが強まることでネット資金流入額が減少するものの、市場環境が良好なため、しばらくするとそうした動きが弱まり、再び投信市場へ資金を投入するという投資家の行動が表われていると推察される。こうした本稿の分析結果は、中長期的に見た場合、金融市場の収益率とネット資金流入額には正の相関があるという、既往研究で得られている結果と整合的なものとなっている。また、分散分解の結果、12 期(1 年)後のネット資金流入額の変動に対して、最も影響度合いが大きいのはネット資金流入額自体の変動であるが、時間が経過するにつれ、その影響度合いは小幅低下し、代わりにTOPIX の影響度合いが徐々に高まる傾向があるという結果が得られた。
著者
越智 保雄 松村 隆
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

各種熱産業,工場などから排出される大量で低温度レベルのエネルギの利用法の一つとして,形状記憶合金をエネルギ変換素子として利用する動力回収システムの開発のため,形状記憶合金の熱・機械的繰返し変形特性と疲労寿命評価に関して基礎的研究を行った。用いた形状記憶合金は安定性,耐食性,変態温度や疲労特性等の点で優れた性質を持つとされているTiNiCu系合金であり,Cu濃度を0〜13%に変化させたものと,形状記憶熱処理温度348K-363Kと変化させた7種類の合金を用いた。得られた主な結果をまとめると以下のようになった。1. マルテンサイト変態温度Ms点はCu濃度が増加するにつれて上昇し,逆変態温度As点はCu濃度の増加につれて低下するが,M相の結晶構造が単斜相M相から斜方相M相に変態する状態になると再び上昇した。2. 繰返しによる有効ひずみエネルギWaは,最大ひずみε_<FTBK>が3%の範囲ではCu濃度の増加とともに増大するが,高ひずみ範囲ではほぼ一定となった。3. 回復ひずみエネルギの1サイクル当たりの減少量で定義した散逸ひずみエネルギは,Cu濃度の増加とともに低下した。回復ひずみエネルギは高いCu濃度域においては試験サイクルによる差異は認められなかった。4. 繰返し応力-ひずみ曲線の面積で定義した回復ひずみエネルギと寿命の両対数関係から,最大ひずみが4%以上では熱処理温度が高いほど低寿命となったが,最大ひずみが3%以下では加熱温度の影響はなく両対数ほぼ一本の直線で評価できた。5. 散逸ひずみエネルギと疲労寿命の両対数関係から,加熱温度,最大ひずみによらず散逸エネルギが減少するほど長寿命となる一本の直線関係で評価できた。7. 超弾性サイクルにおける疲労寿命は,Cu濃度が5〜10%の領域で低寿命となった。一方,熱・力学的サイクル条件下ではCu濃度の増加にともない低寿命となった。