著者
宮腰 英一 森田 朗 大桃 敏行 高橋 寛人 若林 直樹
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、公財政支出の削減が推し進められる中で、わが国及びイギリスが「子ども・青少年」施策の効率化を図り、かつその意思決定と実施過程において責任体制を支える「ネットワーク型ガバナンス」を構築し、教育運営システムの改善を進めている実態を現地調査により明らかにした。(1) 英国バーミンガム市の「子ども・青少年」行政について市当局及び「子どもセンター」への訪問調査と職員へのインタビューを実施した。その結果、教育行政に隣接する福祉・医療・労働の分野を「子ども・青少年」行政として統合している実態がわかった。(2) 国内調査 : 太田市、佐賀市、出雲市、豊田市、駒ヶ根市、大分市等の「子ども行政」に見られる教育委員会の部局再編の経緯について情報を収集し、成果を関連学会において発表した。
著者
岩間 太 五十嵐 淳 小林 直樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.48-61, 2007-03-15

ファイルやメモリなどの計算資源がプログラム中でどのように使用されるかを型を用いて推論するための手法が五十嵐,小林らにより提案されている.彼らの手法では,各計算資源に対して起こりうるアクセス列の集合を使用法表現と呼ばれる式として推論する.しかしながら,推論された使用法表現が表すアクセス列の集合が,仕様として許されるアクセス列からなる言語に包含されているかどうかを判定するアルゴリズムが考案されておらず, 計算資源使用法検証の完全な自動化は達成できていなかった.本論文では,ある特定の言語クラスに属する仕様に対し,そのような包含判定を行うための健全かつ完全なアルゴリズムを提案する.仕様として任意の正則言語を許す場合には,包含判定問題は決定不能なので,我々のアルゴリズムが扱う仕様のクラスは,1つの入力記号について,遷移元および遷移先の状態がたかだか1つしか存在しない有限オートマトンが受理する言語のクラスとして与えられ,正則言語のクラスより小さい.しかしながら,ファイルなど現実の計算資源の仕様の多くは,我々のアルゴリズムで扱える言語のクラスに属する.したがって,本論文のアルゴリズムを五十嵐と小林らによる従来の研究と組み合わせることにより,ファイルなど多くの計算資源の使用法検証を自動化できる.In our previous work, we have developed a type-based method for inferring how resources such as files and memory are accessed in a program. Due to the lack of an algorithm for deciding whether the inferred resource usage conforms to the specification, however, it was not possible to verify automatically that resources are accessed according to the specification. In this paper, we propose a sound and complete algorithm for deciding the conformance of the inferred resource usage to the specification. Since the language denoted by the inferred resource usage belongs to a class larger than the class of the context-free languages, the class of specifications that our algorithm can deal with is smaller than the class of regular languages. Fortunately, however, that language class contains many of the typical resource usage specifications used in practice. Thus, by combining our algorithm with our previous method for resource usage inference, we can automatically check whether each resource is accessed according to the specification in many cases.
著者
秦泉寺 久美 渡辺 裕 岡田 重樹 小林 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.758-768, 2001-05-01
参考文献数
13
被引用文献数
15

新しい画像符号化標準のMPEG-4が標準化されつつある。これは、低いレートにおいてはH.26XやMPEG-1,2に代表される従来符号化法と比較してより高品質の画像を提供するものである。また、新しい機能であるオブジェクト単位の符号化を提供するものである。筆者らはインターネット等に適用できる超低ビットレート符号化方法の開発を行っている。従来法に比べて劇的な符号量削減が可能であるMPEG-4の符号化ツールである「スプライト符号化」に着目し、前景、背景の2層からなるビデオオブジェクトの自動抽出アルゴリズムを提案する。生成した前景、背景のビデオオブジェクトをそれぞれMPEG-4オブジェクト符号化並びにスプライト符号化に適用(スプライトモード)して、スプライトを用いないMPEG-4 Simple profileの符号化法(ノーマルモード)と比較検討を行った。特に、フレームレートや前景オブジェクトの割合を変化させ、符号量に与える影響を調査した。その結果、フレームレートに関係なく、前景比率が画面全体の10〜15%程度である場合にMPEG-4通常符号化方法の1/4〜1/2程度の符号量で同程度の画質を実現できることを確認した。また超低レート(128kbit/s、64kbit/s)においてフレームレート、客観画質の評価を行ったところ、同程度のSNRで倍以上のフレームレートを達成できることを確認した。
著者
山田 仁一郎 山下 勝 若林 直樹
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、現代日本映画産業における全体的な製作提携の構造と業績の関連について、2000年代の製作委員会のネットワーク分析を通じて明らかにすることを目的とする。映像コンテンツの制作に際し、製作委員会と呼ばれる時限ネットワーク組織を分析の対象とする。製作委員会には、多様な企業が自社の事業利用を目的として参画する。これらの企業群は従来の映画産業にない独特な製作手法や著作権ビジネスのスキーム等のノウハウを持ち込み、日本の映画産業の復興に大きく寄与した。近年では、アニメーション映画の製作経験を蓄積してきた出版社の影響力が増しつつある
著者
小林 直樹 石橋 聡 一之瀬 進
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.33-38, 1999-01-21

MPEG-2 transcoding scheme is proposed as scalable transmission system for a video-on-demand system is described. In this system video contents encoded by MPEG-2 are transmitted to receiver terminals via communication lines that have different bit rate. A transcoding technique that directly converts a bit stream encoded by MPEG-2 into a lower coding rate stream without decoding is proposed. The transcoder called Trampeg includes size reduction and frame drop approach. The experimental results show that an MPEG-2 stream of 6 Mbps is able to be transcoded into a stream of 1.5 Mbps-300 Kbps.
著者
宮林 直樹 茂呂 征一郎 森 真作 笹瀬 巌
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J82-A, no.2, pp.289-293, 1999-02-25

近年,カオス発振器の結合系に生じる同期現象は, カオスの初期値鋭敏性の観点から興味深い現象として注目を集めている. しかし,カオスの同期現象についての研究は始まったばかりであり, 種々の結合系の同期現象について実験, 及び数値計算から検証することが必要である. 本論文では, 二つの異なったカオス発振器の結合系に生じる同期現象を調べることを目的とし, Chua回路と稲葉らによって提案されたカオス回路を抵抗によって結合した系を提案する. そして,回路実験と数値計算結果から, 提案回路から非同期のカオスと同期した周期解が確認される. 興味深い現象として, 稲葉の回路の負性抵抗の増加によって, 非同期であったカオスが同期した周期解に遷移するという現象を報告する.