著者
大仲 賢二 小林 直樹 内山 陽介 本田 三緒子 三宅 司郎 小西 良子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.148-156, 2021-10-25 (Released:2021-11-02)
参考文献数
43

漬物に使用される伝統的な4種類の生野菜(キュウリ,白菜,大根,ナス)から分離した乳酸菌(LAB)によるアフラトキシン(AFs)に対する暴露低減効果を調査した.最初に,AFM1との結合能を調べ,各野菜から最も結合率が高いLABを1株ずつ計4株選んだ.選んだ4菌株とAFB1,AFB2,AFG1,AFG2およびAFM1との結合率は,キュウリ由来LABで57.5%~87.9%,白菜由来LABで18.9%~43.9%,大根由来LABで26.4%~41.7%,ナス由来LABで15.0%~42.6%であった.また,キュウリ,白菜,大根およびナスから分離されたLABは,それぞれLactococcus lactis subsp. lactis,Weissella cibaria,Leuconostoc mesenteroides,Leu. mesenteroidesと同定された.さらに胃の中を模した酸性条件下で4菌株とAFM1との結合能を測定したところLABの生菌数は減少したが結合能はいくつかの菌株で増加し,これらの菌株はAFsとの結合能を保持していた.動物実験においてキュウリ由来L. lactis subsp. lactisが血清へのAFB1の吸収を有意に阻害することが明らかになった.以上の結果から漬物(浅漬けとぬか漬け)に使用される野菜に生息するLABがAFsと結合能を持ち,AFsに対する暴露低減効果を有すことが示唆された.
著者
林 直樹
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.418-421, 2011-03-30 (Released:2012-03-20)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2
著者
林 直樹
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.35-51, 2016-10-01 (Released:2017-04-03)
参考文献数
27

東京東北部・千葉西部・埼玉東部といった複数域にみられるあいまいアクセントの実態を明らかにするため,下降幅・相対ピークという音響的指標を基に,当該地域話者30人・東京中心部話者7人,計37人を対象とした話者分類を行った。多変量解析手法の一つであるクラスター分析の結果,対象とする話者は三つの群に分類された。本稿では,分類された各群を「明瞭群」「高低差不明瞭群」「型区別不明瞭群」と解釈した。音響的指標を詳細に分析すると,「明瞭群」の下降幅は大きく,相対ピーク位置も型間の距離が大きいことがわかった。一方,二つの「不明瞭群」の高低差は小さく,とりわけ「型区別不明瞭群」は,高低差の小ささに加えて相対ピーク位置の型間の距離が小さいという特徴がみられた。このように分類された各話者群を地図上に付置し,あいまいアクセントの特徴として言及されてきた個人間のゆれを可視化した。最後に,分析によって得られた各群を高低差と下がり目の位置間の距離の程度によって位置づけた上で,当該地域アクセントの変化を,複数の音響的指標が連動する関係として捉え直した。
著者
長谷川 孔明 林 直樹 岡田 美智男
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.279-292, 2019-08-25 (Released:2019-08-25)
参考文献数
18

How do we interact with mechanical systems? Users command something, and the systems always accept and react it. In other words, it is a "Leader-follower" relationship. Thinking about a scene where you walk in a park with your friend, on the other hand, there are neither a definite leader nor a follower. They co-adjust the walking direction and the pace by considering each other from implicit body movements. We named the relationship that people co-adjust each other "Side-to-side relationship." In this research, we attempt to construct "Side-to-side relationship" between a human and a robot by utilizing a robot platform "Mako-no-te" that can walk hand in hand with its human partner. We conducted an experiment with three conditions; human leading condition, robot leading condition, and co-adjusting condition. As a result, the robot of the co-adjusting condition was evaluated more favorable, active, and lifelike than one of other conditions.
著者
根本 啓一 高橋 正道 林 直樹 水谷 美由起 堀田 竜士 井上 明人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.1600-1613, 2014-06-15

近年,自発的・持続的な行動変革を誘発するためのアプローチとして,ゲーミフィケーションが着目されている.ゲーミフィケーションはゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を,ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用するものとして定義される.このゲーミフィケーションを活用して,多数のユーザの行動変容を促すことで,社会的な課題を解決する活動が生まれている.本稿は,このような社会的課題の解決にゲーミフィケーションを活用することに関して述べている.従来の社会課題解決型のゲーミフィケーションは,ウェブ作成者など特定の作者が作成した仕組みを使って,ユーザの行動を喚起するために利用されることが多かった.しかし,個々のユーザやコミュニティが抱えている課題は多種多様であるため,課題解決の観点では,本質的課題をとらえることが難しい.課題を抱えるユーザ自身が行動をデザインすること,必要に応じて改良可能な参加型の仕組みが必要である.そこで,課題を持つユーザ自身による課題解決のための自発的・持続的な行動の設計と実行をゲーミフィケーションを利用して支援する仕組みを提案する.我々は,参加者が自らの課題に取り組むためのゲームを設計するワークショップを設計・実践し,さらに,そのアイデアをゲームにして実行に移すことができる,ゲーミフィケーション・プラットフォームと呼ぶウェブサービスを試作した.ゲーム作りのワークショップを計3回実施し,48名が参加した.プラットフォーム上には9つのゲームが作成され,ゲームプレイを通じて827個の行動がなされた.本稿では,これらの結果をふまえ,動機づけ,能力,誘因という3つの観点から自発的・持続的な行動を生み出すための課題について考察する.Gamification, the use of game thinking and game mechanics in a non-game context, is getting more attention as a means of self-motivated and sustained behavioral change. There are social problem solving activities by using this mechanics in order to encourage many people to change their behavior. Most of the applications and activities of Gamification are designed by skilled professionals in order to solve a particular problem. However, problems that a group or community has are slightly different in many ways. Therefore, a given application of Gamification is not enough to fundamentally solve a complex social issue. We believe that designing applications and activities of Gamification need to be more inclusive of stakeholders of the problem. In this paper, we propose a methodology to solve a problem with self-motivated and sustained actions through Gamification. We designed workshops which allow participants to create games to solve their own issues. In addition to the workshop, we developed web-based platform, Gamification Platform, where game ideas created at the workshop can be deployed so that users can play the game idea in actually. We conducted 3 workshops with 48 participants in total. 9 games are prototyped and 827 activities have been done. Finally, we discussed mechanisms to encourage people to take actions from the view point of motivation, ability, and trigger.
著者
佐藤 翔 井手 蘭子 太田 早紀 林 直樹 道浦 香奈 副田 沙織
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.195-200, 2016
被引用文献数
1

本研究では同志社大学の学生102名を対象に2015年に実施した質問紙調査の結果に基づき,日本の大学生のWikipediaに対する信憑性認知や,学習におけるWikipediaの利用実態を明らかにするとともに,どのような要因が信憑性認知や学習における利用に影響を与えるかを検証する.分析の結果,回答者はWikipediaをどちらかと言えば信憑性のあるものと考えており,レポート作成等にも用いているが,参考文献には挙げない傾向があること等がわかった.
著者
長尾 大道 小林 直樹 深尾 良夫 冨澤 一郎 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.47, 2012 (Released:2012-03-28)

大地震が起こった際には、それによって励起された波動が電離層内を伝搬していくことが、観測的に示されている。著者はこれまでに、固体地球‐大気結合系1次元モデルのノーマルモードを利用した数値シミュレーションにより、2008年に起こった岩手・宮城内陸地震によって励起された気圧変動を説明することに成功した。本研究では同じ手法を用いることにより、やはり同地震の際に菅平のHFドップラー観測で捉えられた電離層の上下変動を、中性大気を伝搬する音波波動として理解できることを示した。講演においては、他の地震の場合に得られたさらに多くの観測点で得られたHFドップラーデータを総合的に解析することにより、大地震によって励起される大気変動の時空間構造を包括的に理解することを目指す。
著者
小林 直樹 五十嵐 淳 田浦 健次朗 渡部 卓雄
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目的は,本研究代表者が提唱した疑似線形型システムに基づく新しいメモリ管理方式の実現により,プログラミング言語処理系のメモリ管理の信頼性および効率を改善することであった.主要な成果は以下のとおり.・擬似線形型システムに基づく型推論によるメモリの獲得・解放命令の挿入…擬似線形型システムに基づき,プログラム中で用いられる各データが最後に使用される箇所を特定し,その部分にメモリの解放命令を挿入するための方法を確立し,関数型言語MLを対象としてプロトタイプシステムを構築した.・擬似線形型システムに基づくメモリ管理のためのバイトコード言語の設計と実装…上で述べたメモリの獲得・解放命令を挿入したプログラムを実際に実行するためのバイトコード言語を設計し,実装を行った.・通常のメモリ管理の改良と本メモリ管理方式との融合…擬似線形型システムのみでは自動的に管理できないメモリが存在するため,既存のメモリ管理方式であるGCを改良して融合する方法について研究した.主な課題はGC自体の性能,特に並列計算機上のGCの性能をあげること,および疑似線形型に基づくメモリ管理によるダングリングポインタの問題の解決であった.後者については型情報を実行時まで保存し,GC時にこれを用いることによってこの問題を解決した.・線形型解析の資源使用解析への一般化…疑似線形型を拡張し,ファイルやネットワークなど一般の計算資源の使用方法の解析を行うための型システムを構築した.これにより(i)割り当てられたメモリはいずれ解放され,解放後はアクセスされない,(ii)オープンされたファイルはいずれクローズされ,クローズ後は読み書きされない,といった性質が満たされているかを統一的に検証することができる.
著者
柴田 昇 神田 和重 久田 俊記 磯部 克明 佐藤 学 清水 有威 清水 孝洋 杉本 貴宏 小林 智浩 犬塚 和子 金川 直晃 梶谷 泰之 小川 武志 中井 潤 岩佐 清明 小島 正嗣 鈴木 俊宏 鈴木 裕也 境 新太郎 藤村 朋史 宇都宮 裕子 橋本 寿文 御明 誠 小林 直樹 稲垣 泉貴 松本 勇輝 井上 諭 鈴木 良尚 何 東 本多 泰彦 武者 淳二 中川 道雄 本間 充祥 安彦 尚文 小柳 勝 吉原 正浩 井納 和美 野口 充宏 亀井 輝彦 加藤 洋介 財津 真吾 那須 弘明 有木 卓弥 Chibvongodze Hardwell 渡邉 光恭 丁 虹 大熊 直樹 山下 竜二 Liang Guirong Hemink Gertjan Moogat Farookh Trinh Cuong 東谷 政昭 Pham Tuan 金澤 一久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.1-5, 2012-04-16

世界最小の19nmのデザインルールを用いて64Gb多値(2bit/cell)NANDフラッシュメモリを開発した。片側All-bit-Line S/A構成、1plane構成によりチップサイズは112.8mm^2。ビット線バイアスアクセラレーション及び"BC"State-First書込みアルゴリズムにより、書き込みパフォーマンスは15MB/sを実現。プログラムサスペンド機能とイレーズサスペンド機能により、リードレイテンシー時間は大幅に短縮。400Mb/s/pin 1.8Vの高速Toggle mode InterfaceをNANDフラッシュメモリとしては初めて搭載した。
著者
白石 浩章 山田 竜平 石原 吉明 小林 直樹 鈴木 宏二郎 田中 智
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.283-288, 2012-09-25
参考文献数
15

多点ネットワークを構成して火星表層環境および内部構造を観測するペネトレータミッションを提案する.現在の火星内部で生じているダイナミクスを反映する地震活動度と熱的状態を調査するとともに,地球型惑星の分化過程を反映する地殻-上部マントル構造と固体内部から表層および大気層への物質輸送過程に関する知見を得ることを目的とする.ペネトレータモジュールは突入速度300m/secで火星表層下2〜3mに潜り込むプローブ本体に,耐熱シールドと空力減速機構の役割をする膜面展開型柔構造エアロシェルを統合することで小型軽量なシステムを構成する.周回衛星から分離された4機のペネトレータは,火成活動の可能性が指摘されるElysium地域に最大300km間隔のネットワークを構成して地震観測や熱流量観測を行う.一方,柔構造エアロシェルには圧力計,温度計,磁力計,カメラを搭載して大気突入時のモニタリングを行う.
著者
白 光一 二上 武生 宮本 義昭 野川 載藏 田辺 南香 山口 幸子 林 直樹 向井 博 飛田 將宏 安納 武史 山内 智晶 管 祥紅 胡 進 曾 紀才
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.65-71, 2000-05-02

本稿ではデータベースシステムに基づいて開発した自動車売買のための情報提供誌「カーセンサー」の制作システム「CSRシステム」について述べる。カーセンサー誌は大容量なマルチメディア情報から構成された複雑な媒体となる。それの制作は多数の制作者により多数の端末での共同・協調作業であり、長い複合トランザクションである。本稿では、カーセンサー誌を考察し、その媒体のデータモデル及びそれの制作モデルを提案する。「CSRシステム」はこのモデルに基づいてリレーションナルデータベースサーバとWindows DTP端末で構築した。当システムを導入することにより、カーセンサー誌の制作効率は従来より倍以上向上し、制作コストも大幅に削減することができた。
著者
小林 直樹
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.143, no.11, pp.722, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
3

みなさんは「パルスオキシメータ」という医療機器をご存じだろうか。救急車による病院への搬送,内視鏡検査,入院などの経験がある方は,指先にクリップ状またはテープ状のセンサを付けて何か測定してもらったはずだ。これが「パルスオキシメータ」である(図1)。指先にセンサ
著者
林 直樹
出版者
日本共生科学会
雑誌
共生科学 (ISSN:21851638)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.51-62, 2018 (Released:2019-06-17)
参考文献数
7

Scandals caused by sports players frequently occurred in recent years. What especially shocked me is a big scandal caused by two well-known Japanese Badminton top players, Kento Momota and Kennichi Tago, who gambled in illegal gambling casino. In my view, the most important matter in this scandal is that they lacked not only the humanity and the sociality as good citizenship, but also the sportsmanship as top athletes. Therefore, it should be strongly required for all coaches as well as players to recognize the meaning of sportsmanship and reaffirm determination not to give rise to such a scandal. Moreover, I would like to insist that real sportsmanship absolutely include the spirit of ‘Kyo-sei’ , which means the friendly and fair coexistence.
著者
関口 達也 林 直樹 寺田 悠希 大上 真礼 杉野 弘明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.23-00006, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

新型コロナウイルス感染症の蔓延(コロナ禍)は,人々の日常生活の様々な場面で大きな変化を引き起こした.本稿では,このうち東京都内在住の一般の人々の食料品の購買行動に起こった行動・意識の変化に着目する.コロナ禍が始まり,緊急事態宣言下を経てさらに一定期間が経過し現在までの食料品の購買行動の変遷状況を整理することで,今後の類似事例発生時の対策検討に役立てること,さらに「買い物不便」に対する人々の意識構造とその変化を把握することが主な目的である.東京都を対象としたアンケート調査の結果を用いて,人々の食料品購入行動(例:店舗選択,交通手段,買い物頻度など)や意識に対する変化の内容と,コロナ禍前の状況との乖離度合いを,複数時点の比較分析から明らかにした.