著者
林 直樹
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.286-299, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
33

本稿では,言語データの平均値に差があるのかどうかを確認する際の統計的手法について概説する. まず,平均値の定義や適用事例について概説した後,言語研究分野における平均値の適用事例について述べる. 続いて,統計的手法に基づく平均値の比較方法としてt検定と一元配置分散分析を取り上げ,その計算法を示すとともに,実際のデータに基づき分析していく.
著者
小林 直樹 佐藤 亮介 五十嵐 淳 塚田 武志 吉仲 亮 海野 広志 関山 太朗 佐藤 一誠
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2020-08-31

プログラム検証とは、プログラムが正しく振る舞うかどうかを実行前に網羅的に検証する技術であり、ソフトウェアの信頼性向上のために欠かせないものである。本研究課題では、近年の機械学習技術の台頭とそれに伴うコンピュータによって制御されたシステムの社会への普及を踏まえ、(1)代表者らがこれまで研究を進めてきた高階モデル検査などの自動プログラム検証技術や理論をさらに発展させるとともに、(2)プログラム検証技術のさらなる飛躍のために機械学習技術を活用し、さらに(3)機械学習技術の台頭に伴うソフトウェアの質と量の変化に対応するための、新たなプログラム検証技術の確立を目指す。
著者
関口 達也 林 直樹 杉野 弘明 寺田 悠希
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.465-474, 2017-12-30 (Released:2018-12-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1

This study aims to analyze the conceptual and spatial recognition to “Jimoto” of people by using an online survey data. The result showed that both recognitions of “Jimoto” were classified into several groups and each group had own feature. The result also showed these “Jimoto” consciousness were formed through the life events and daily lives of people. We also analyzed the relationship of these recognitions and undesired change to their “Jimoto”. The results indicated that people didn’t desire specific change if the connections between them and their “Jimoto” were formed by concrete objects or intimate people. These “Jimoto” consciousness sometimes comes from outside of each region and spreads over administrative boundaries. This suggests the necessity of the systems that enable people to participate regional development projects from the outside or cooperation of several local governments.
著者
長沢 寛弥 國吉 杏子 谷川 敏明 小林 直樹 小西 良子 朝倉 宏 大城 直雅
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.157-161, 2021-10-25 (Released:2021-11-02)
参考文献数
32
被引用文献数
2

小笠原群島(聟島列島,父島列島および母島列島)におけるシガテラの実態を調査するために,周辺海域で漁獲されたバラハタVariola louti 65個体の筋肉を試料としてLC-MS/MSによるシガトキシン類(CTXs)分析を実施した.すべての試料からCTX1Bに近接するピークが検出されたが,CTX1Bの前駆体である52-epi-54-deoxyCTX1B,54-deoxyCTX1Bや,他のCTX類縁体は検出されなかった.バラハタ試料では通常,この3物質が同時に検出されることから夾雑物による影響を考え分析カラムを変更して分析した結果,全試料においてCTX1Bとは保持時間が異なったため夾雑物由来であると判断した.本研究に供したバラハタは体重2,170~7,000 gと大型の個体であったにも関わらず,65個体のいずれからもCTXsは検出されなかった.そのため,小笠原群島周辺海域のバラハタによるシガテラのリスクは低く,CTXs産生性渦鞭毛藻の分布密度は沖縄・奄美海域に比較して極めて低いことが示唆された.
著者
関 復華 小林 直樹 渡辺 和子 伊藤 清隆 荒木 洋之助 石戸 良治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.10, pp.2040-2047, 1985-10-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
67
被引用文献数
3

2,3,5-トリ-O-ベンジル-D-リボフラノース[1]を石川試薬(ヘキサフルオロブロペンージエチルアミン)で処理することによって2,3,5-トリ-O-ベンジル-α-および-β-D-リボフラノシル=フルオリド[2α]および[2β]がそれぞれ21.4%および63.8%で得られた。[2α]あるいは[2β]とイソプロペニル=トリメチルシリル=エーテル[3]乏を微量の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを触媒として反応させると両者とも高収率高選択的に(2,3,5-トリ-O-ベンジル-α-D-リボフラノシル)アセトン[4α]を与えた。[4α]は三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートと長時間処理すると[4β]に異性化し[4α]:[4β]=1:2.5の混合物を与えた。さらに[2β]と[1]あるいは2,3,5-トリ-O-ベンジル-1-O-トリメチルシリル-β-D-リボフラノース[6]とを三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを触媒として反応させることにより高収率で2,2ノ,3,3ノ,5,5'-ヘキサ-O-ベンジル-(β-D-リボフラノシル=β-D-リボフラノシド)[5β]を与えた。その他,関連した選択的リボフラノシル化反応について述べた。
著者
林 直樹
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.222_1-222_1, 2016

<p> バドミントン競技の国際競技力は、非常に高まってきており、世界水準のプレイヤーも多く輩出している。スーパーシリーズ成績上位者同士の試合の分析から、トレーニング強度を探ることは有意義であると考えた。全英選手権の女子シングルス決勝(奥原希望-ワン・シーシャン)の映像から、エース-エラー分析、配球分析、時間分析(1ストロークにかかる時間の測定、ならびにワークとレストの比率測定)を行った。ラリーにおけるストローク時間(一打にかける時間)が非常に短くなっており、なおかつワークに対するレストの比率が非常に高くなっている。スピードのある展開でラリーが形成されており、ラリー自体の強度が以前と比べて高くなっている。そのため、レストも長くなっていると考えられる。つまり、ATP-CP系や乳酸系のトレーニングを重要視することが今まで以上に必要となる。</p>
著者
小林 直樹 大久保 隆 大野 光平 伊丹 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.35-38, 2009
参考文献数
2
被引用文献数
2

地上波デジタル放送の一形態であるワンセグ放送は,移動受信に強いがマルチパスによってディップが存在するところでは受信困難となる.この問題を解決するために,アンテナダイバーシティ技術の適用が考えられるが,ワンセグ放送受信機は小型なものが多いため,ダイバーシティ利得を十分に得られるほどアンテナ間隔を離して配置するのは不可能である.この問題を解決するために有効な方法として,協調受信がある.しかし,協調受信をすると端末間の共有信号が膨大になってしまう.そこで,本論文において,協調受信を行う際の共有信号を減らす手法を考える.提案方式では,端末間での協調受信を行い,共有信号とし他端末のシンボル判定後の信号を用い,自端末において再変調を行った後,最適な値を導く.得られた最適値で重み付けすることで受信性能の改善を図る.
著者
小林 直樹
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.685-702, 1998

一 『今昔物語集』巻一七第33話は、女人と変じた法輪寺の虚空蔵菩薩が好色な叡山僧を学問の世界へと「謀リ」導く顛末を幻想味豊かに語って、本朝仏法部中でもひと際印象深い一篇である。その末尾は次のように結ばれる。……
著者
熊倉 一英 廣木 正伸 牧本 俊樹 小林 直樹
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.89-95, 2003
参考文献数
13

We investigated the characteristics of GaN grown by metalorganic vapor phase epitaxy on SiN or Al_2O_3 masked substrates. The masks were formed by electron cyclotron resonance plasma deposition at room temperature. For regrown GaN using a SiN mask, threading dislocations from the underlayer GaN were terminated by the mask or were bending at the interface between regrown GaN and the mask from the transmission electron microscope (TEM) observation, resulting in the reduction of dislocation from 2×10^9 to 1.7×10^8cm^<-2>. Furthermore, no diffusion or segregation of Si atoms form the SiN mask was observed in secondary ion mass spectroscopy. For regrown GaN using a Al_2O_3 mask, the dislocations were also terminated at the mask. However, the horizontal dislocations were newly formed in the same manner for direct GaN growth on sapphire substrate. Moreover, the lines, similar to the structures observed as the inversion domain boundary in GaN by TEM observation, were also observed. To achieve higher quality regrown GaN using Al_2O_3 mask, it is necessary to clarify the formation mechanism for these dislocations.
著者
小林 直樹
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.1957, pp.55-138, 1958-03-30 (Released:2009-02-12)
参考文献数
139
著者
林 直樹
出版者
経済学史学会
雑誌
経済学史研究 (ISSN:18803164)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.44-63, 2011 (Released:2019-08-21)

This paper aims to grasp the political and socio-economic background of the Union of 1707 and the characteristics of Daniel Defoeʼs social thought through an examination of his major historical work, The History of the Union of Great Britain (1709). On the eve of the Union, Defoe served as an English spy among Scottish people and wit-nessed a surge of their anti-English passions firsthand. The works by Andrew Fletcher of Saltoun, the most influential contemporary Scot-tish republican writer, embodied these antipa-thies in a very sophisticated manner. Defoe paid close attention to both the republican thought and its vocabulary typically expressed in Fletch-erʼs texts and managed to combine them with the rhetoric of divine providence. This was an intel-lectual activity for the creation of a historical narrative in which the distressed Scottish people could finally find relief. Defoeʼs History of the Union asserted that the conflicts between England and Scotland had been transmuted into peacemaking factors by the leading of providence. Some contemporary affairs were considered as examples: the founda-tion of the Company of Scotland Trading to Af-rica and the Indies, Massacre of Glencoe, Act of Settlement in England, Act of Security in Scot-land, Alien Act in England, and execution of Captain Green after seizing of the ship Worces-ter in Scotland. While recounting these affairs, the present paper focuses on the nature of the rhetoric to which Defoe appeals. His appeal to “an Invisible Hand” represents a concealing design, that is, to appease the complex feelings held by those liv-ing in North Britain. His History of the Union seems to have been written to persuade them rather than to preserve historical facts them-selves. JEL classification numbers: B 11, B 31, N 40.
著者
早川 亮太 小林 直樹 加藤 登 工藤 由起子 荒木 惠美子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.402-409, 2013-12-25 (Released:2013-12-28)
参考文献数
20
被引用文献数
2

日本で流通する日本産海産魚におけるヒスタミン生成を明らかにするために,市販の73魚種について筋肉および腸管を混合したヒスタミン生成モデル試料を作製した.25℃で12時間保存した結果,35魚種において50 mg/kg以上のヒスタミン生成が認められ,これらの魚種がヒスタミン食中毒の原因となる可能性が示唆された.また,1か月の-45℃凍結によるヒスタミン生成の低減の検討では,一部魚種についてヒスタミンが生成され,ヒスタミン生成菌としてPhotobacterium damselaeおよびPhotobacterium iliopiscariumが分離されたが,全魚種について,ヒスタミン生成が低減したことから,この方法が有効なヒスタミン生成の制御方法であることが明らかになった.