著者
藤原 健 伊藤 雄一 高嶋 和毅 續 毅海 増山 昌樹 尾上 孝雄
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.si4-4, (Released:2018-09-08)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究は,演奏者の重心・重量を用いた演奏連携度の評価を通じて,小集団相互作用における動態をシンクロニーの視点から明らかにすることを目的とする。そのために,プロの演奏者によるコンサート時の合奏場面を対象に情報科学技術を用いて演奏連携度を算出し,これを社会心理学的手法により評価した。具体的には,椅子型センシングデバイスを用いて演奏者の重心移動・重量変化を取得することで身体全体の動きを時系列データとして検出し,短時間フーリエ変換を適用することで時系列振幅スペクトルデータを得た。これについて全演奏者の時系列スペクトルデータを乗算することで演奏連携度を算出した。この演奏連携度についてサロゲート法を用いることで,演奏者間に偶然以上の連携が生じていたことを明らかにした。さらに,コンサート時に取得していた音源を一般の大学生に提示した結果,一部の楽曲において演奏連携度の高い演奏が肯定的な評価を得ることを確認した。行動の同時性や同期性を扱うシンクロニー研究の多くは二者間の相互作用を対象としたものが多い中で,情報科学の技術を導入することで小集団における相互作用ダイナミックスが精緻に測定・検討可能になった点は異分野協同における成果であるといえる。
著者
児玉 謙太郎 岡﨑 俊太郎 藤原 健 清水 大地
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.593-608, 2021-12-01 (Released:2021-12-15)
参考文献数
119

This review article addresses behavioral synchronization between people, which is widely observed in daily communication. In particular, researchers have investigated the social function, cognitive processes, and mechanisms of behavioral synchronization from various perspectives. It is suggested that behavioral synchronization is one of the bases of human communication. However, researchers face difficulties in providing an overview of research on synchronization because previous studies have covered a broad range of topics. Furthermore, these studies have been subdivided and often include their own individually developed theories and methodologies. We categorized a vast range of existing literature into three research approaches to review synchronization studies and related research topics: 1) the social psychology approach, focusing on social factors and effects, 2) the cognitive approach, based on shared representation and predictive mechanisms, and 3) the dynamical systems approach, derived from the self-organization theory. We discuss their commonalities, differences, and mutual connectivity while considering the future direction of synchronization studies.
著者
藤原 健司
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.108-111, 2015-04-01 (Released:2016-04-15)
参考文献数
4
被引用文献数
1

四節リンク機構と油圧電子制御を組み合わせた世界で初めての膝継手ALLUXTM(アルクス)を開発した.ナブテスコ(株)の義足分野の取り組みは1974年に兵庫県総合リハビリテーションセンターからの依頼を受けたのがきっかけであり,1993年に世界で初めての電子制御義足「インテリジェント義足膝継手」の製品化に成功した.その後,多様化したニーズに対応すべく,さまざまな膝継手を開発した.そして新しく開発したALLUXTMは,いままで培ってきた多節リンク設計技術や高性能油圧設計技術などのコア技術に加え,新たに電子式歩行センサや歩行制御システムを組み合わせた最新の膝継手である.本稿では開発の経緯や特徴を紹介する.
著者
前田 奈穂 大坊 郁夫 前田 貴司 岸野 文郎 北村 喜文 高嶋 和毅 横山 ひとみ 藤原 健 林 良彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.457, pp.49-54, 2010-03-01
参考文献数
17
被引用文献数
3

本研究の目的は,非言語手がかりと関係開始スキルの関連について,話者,会話相手,第3者のそれぞれの観点から検討することである.初対面の大学生で同性同士の66人(男性51人,女性15人)を対象に行った会話実験データを以下のように検討した.関係開始スキルについて自己評定,他者評定,第3者評定を測定することで,非言語手がかり(腕の動き,対人距離,相手に顔を向けている割合,単独発言時間,単独発言頻度,単独発言平均時間)との関連について,レンズモデル(Brunswik, 1956)を用いて検討した.その結果,自己評定,他者評定,第3者評定,いずれにおいても,腕の動きと関係開始スキルの間に正の関連がみられた.
著者
藤原 健 伊藤 雄一 高嶋 和毅 續 毅海 増山 昌樹 尾上 孝雄
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.122-134, 2019 (Released:2019-03-26)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究は,演奏者の重心・重量を用いた演奏連携度の評価を通じて,小集団相互作用における動態をシンクロニーの視点から明らかにすることを目的とする。そのために,プロの演奏者によるコンサート時の合奏場面を対象に情報科学技術を用いて演奏連携度を算出し,これを社会心理学的手法により評価した。具体的には,椅子型センシングデバイスを用いて演奏者の重心移動・重量変化を取得することで身体全体の動きを時系列データとして検出し,短時間フーリエ変換を適用することで時系列振幅スペクトルデータを得た。これについて全演奏者の時系列スペクトルデータを乗算することで演奏連携度を算出した。この演奏連携度についてサロゲート法を用いることで,演奏者間に偶然以上の連携が生じていたことを明らかにした。さらに,コンサート時に取得していた音源を一般の大学生に提示した結果,一部の楽曲において演奏連携度の高い演奏が肯定的な評価を得ることを確認した。行動の同時性や同期性を扱うシンクロニー研究の多くは二者間の相互作用を対象としたものが多い中で,情報科学の技術を導入することで小集団における相互作用ダイナミックスが精緻に測定・検討可能になった点は異分野協同における成果であるといえる。
著者
深川 聡 堀 誠 平瀬 一博 水野 和彦 藤原 健 石井 康之
出版者
Warm Regional Society of Animal Science, Japan
雑誌
西日本畜産学会報 (ISSN:09143459)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.31-38, 2002

本研究では, 2000年9月から2001年3月にかけて年内草および再生した春1番草および春2番草における収量および飼料品質の向上を目的として, いもち病に抵抗性をもつ極早生イタリアンライグラスの育成系統山系31号および長崎県奨励品種ミナミアオバと極早生エンバクとの晩夏播きにおける混播栽培を行い, 各草種の単播栽培と比較して, その混播効果を調査した.<BR>イタリアンライグラスの単播栽培では, 山系31号はミナミアオバよりもいもち病罹病程度が低く, いもち病による欠株がみられないため, 茎数密度が高かった.エンバクとの混播栽培では, 山系31号の場合ミナミアオバの場合よりもいもち病による枯死が少ないため, 年内草および春1番草におけるイタリアンライグラスの比率が高く, 年内草の粗タンパク質含有率および<I>in vitro</I>乾物消化率がともに高くなる傾向にあった.さらに, 山系31号とエンバクとの混播では, 山系31号単播よりも年内草の乾物収量, 粗タンパク質収量および<I>in vitro</I>可消化乾物収量がいずれも高かった.<BR>したがって, 山系31号は, 長崎県において普通期トウモロコシ収穫後にあたる9月上旬の晩夏に播種が可能であり, エンバクとの混播栽培によって, 従来の品種に比べ年内草および3回刈合計における乾物収量と栄養収量の改善が認められ, 安定多収の新たな作付け体系の可能性が示唆された.
著者
濱口 佳和 藤原 健志
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.59-75, 2016
被引用文献数
6

本研究は, 高校生用の自記式能動的・反応的攻撃性尺度の作成, 能動的・反応的攻撃性と身体的攻撃・関係性攻撃との関連, 能動的・反応的攻撃性類型の心理・行動的特徴を明らかにすることを目的として行われた。高校1~3年生2,010名に対して, 中学生対象に開発された自記式能動的・反応的攻撃性尺度を実施し, 探索的因子分析を実施したところ, 中学生同様の6因子が得られた。検証的因子分析の結果, 仲間支配欲求, 攻撃有能感, 攻撃肯定評価, 欲求固執からなる能動的攻撃性と報復意図と怒りからなる反応的攻撃性の斜交2因子モデルが高い適合度を示した。6下位尺度については, 攻撃肯定評価でやや低いものの, 全体として高い信頼性が得られ, 情動的共感尺度や他の攻撃性尺度等との相関により併存的妥当性が実証された。重回帰分析の結果, 性別と能動的・反応的攻撃性によって, 身体的攻撃の約40%, 関係性攻撃の約30%が説明されることが明らかにされた。クラスター分析の結果, 能動的攻撃性・反応的攻撃性共に高い群, 反応的攻撃性のみが高い群の2種類の攻撃性の高い群が発見され, Crapanzanoの重篤モデルを支持する結果が得られた。
著者
村松 成司 藤原 健太郎 伊藤 幹 藤原 健太郎 フジワラ ケンタロウ Fujiwara Kentaro 伊藤 幹 イトウ モトキ Ito Motoki 藤田 幸雄 フジタ ユキオ Fujita Yukio 服部 祐兒 ハットリ ユウジ Hattori Yuji
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.351-358, 2010-03

特徴的なトレーニングゆえに活性酸素・フリーラジカルによる酸化ストレスに強くさらされていると考えられる長距離ランナーの生体酸化ストレス及び呼吸機能・代謝に及ぼす活性水素水の影響について検討した。活性水素水摂取は安静時好中球分画及び絶対数の増加を抑えることから,トレーニングに伴う血中好中球の活性化を抑制または活性化した血中好中球を速やかに正常化する可能性が示された。安静時の血清過酸化脂質の変化より,活性水素水摂取がトレーニング由来の生体酸化ストレス障害を抑え,生体機能の維持に寄与する可能性が示された。酸素摂取量・呼吸商・心拍数の変化から,循環器系及び代謝が向上した可能性が示された。安静時の測定結果より活性水素摂取が生体の抗酸化に寄与する可能性を示す結果が示され,また,運動時の代謝及び呼吸循環機能を向上させ,パフォーマンス向上をもたらす可能性が推察された。This experiment was undertaken to investigate the effect of active hydrogen water ingestion on oxidative stress and respiratory function of university long-distance runners, presumably exposed to active oxygen and freeradical materials induced by their particular training. Seven healthy university students trained for 20 days with 2 liters of active hydrogen water (AHW) per day. We compared blood samples and respiratory function at pre and post experiment. The results obtained suggest the possibility that ingesting AHW may inhibit the activation of neutrophilic leukocytes that occur with exercise training. Further, it is suggested that ingesting AHW appears to normalize an activated blood neutrophilic leukocyte response, because the increases in the ratio and quantity of neutrophilic leukocytes at rest was reduced. The changes in serum lipid peroxide seemed to suggest the possibility that AHW could decrease oxidative stress resulting from exercise and contribute to the maintenance of homeostatic physiological function. Oxygen uptake, respiratory quotient and heart rate results seemed to suggest that respiratory and circulatory functions were improved by ingesting AHW. Results suggest the possibility that AHW ingestion contributed to antioxidant effects during training. Furthermore, AHW ingestion may improve exercise performance through its effects on respiratory, circulatory and metabolic systems.
著者
藤原 健志 村上 達也 西村 多久磨 濱口 佳和 櫻井 茂男
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.187-196, 2014 (Released:2015-03-27)
参考文献数
38
被引用文献数
4 4

本研究の目的は, 小学生を対象とした対人的感謝尺度を開発し, その信頼性と妥当性を検討することであった。小学4年生から6年生までの1,068名を対象とし, 対人的感謝, ポジティブ感情, ネガティブ感情, 共感性, 自己価値, 友人関係認知, 攻撃性を含む質問紙調査を実施した。主成分分析と確認的因子分析の結果, 1因子8項目から成る対人的感謝尺度が構成された。対人的感謝尺度は高いα係数を示し, 十分な内的一貫性が認められた。また, 対人的感謝尺度は当初の想定通り, ポジティブ感情や共感性, 友人関係の良好さと正の関連を, 攻撃性と負の関連を有していた。以上より, 対人的感謝尺度の併存的妥当性が確認された。さらに, 尺度得点については, 男女差が認められ, 女子の得点が男子の得点よりも有意に高かった。最後に, 本尺度の利用可能性について考察されるとともに, 今後の感謝研究に関して議論された。
著者
山本 健司 藤原 健一 家納 有美子
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.247, 2016 (Released:2020-08-08)

目的 夜間覚醒中に問題行為(啼泣、自傷、大声)のある患者に対し音楽による睡眠の効果を明らかにする 方法 対象:夜間覚醒中に問題行為のある患者5名 方法:小林弘幸著『ぐっすり眠るためのCDブック』付録のCD音楽を、ベッドサイドにて音量31〜35dBで消灯時間21時〜翌朝7時まで流す。 期間:1)音楽なし 平成27年11月24日〜12月7日の14日間 2)音楽あり 平成27年12月25日〜平成28年1月7日の14日間 評価:睡眠時間、中途覚醒の回数、問題行為の回数、眠剤使用の回数 結果 睡眠時間に変化がなかったのは患者aとbであった、患者aは睡眠時間、中途覚醒の回数、問題行為の回数に変化はなかったが、眠剤の使用回数が減少した。患者bは中途覚醒が増加し、問題行為も増加した。患者cとdは中途覚醒は増加したが、再入眠までの問題が短縮され睡眠時間が増加した。患者eは睡眠時間が減少し、中途覚醒と問題行為も顕著に増加した。 考察 患者aは、啼泣の持続により緊張・チアノーゼ出現するため眠剤を使用していたが、音楽導入後、眠剤の使用回数が減少した。また、患者cとdは、再入眠までの時間が短縮され睡眠時間が増加している。これは音楽により副交感神経が優位となりリラックスできたためと考える。患者bとeは、中途覚醒と問題行為が増加しており、音楽が刺激となって睡眠に悪影響が出たと考える。遠城寺式発達検査の言語理解は10カ月ごろから始まる。音楽により何らかの効果が見られた3名は、患者aは1歳〜1歳2カ月、患者cは2歳〜2歳3カ月、dは10〜11カ月で、言語理解が10カ月以上であった。それに対し患者bは5〜6カ月、患者eは4〜5カ月で、音楽が楽しい刺激となり睡眠の妨げられたと考える。 結論 睡眠を促す音楽は、遠城寺式発達検査の言語理解が10カ月以上の重症心身障がい児(者)に効果がある。
著者
藤原 健太 伊庭 斉志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.FIN-003, pp.11, 2009-09-12 (Released:2023-01-06)

In this paper, we proposed automated trading system using Genetic Algorithm(GA) and Genetic Programming(GP). There are many reports which focus on system trading. In recent years, these researches have attracted attention because of impact of finance crisis. Among them, we focus on two area, one is optimization of technical indicators, the other is optimization of technical indicators combination. There is not research which focuses on both parts. So we proposed automated trading system by optimizing indicators and combination of them. At first, their parameters are optimized by GA. Each indicator is fitted on movement of current market by this process. Then, using optimized indicators, combination of them is optimized by GP to generate buy-sell strategy. To verify effectiveness of proposal method, we simulated using real data given by Gaitame.com. Consequently, we got good result and verified effectiveness of proposal method.
著者
藤原 健志 村上 達也
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.311-321, 2020-09-30 (Released:2021-02-18)
参考文献数
45
被引用文献数
5 6

本研究の目的は,小学生を対象として,抑うつに関連する認知と抑うつ症状,そして特性感謝の関連について,短期縦断デザインを用いて検討することであった。小学4年生から6年生598名に対し,対人的感謝と抑うつスキーマ,そして抑うつ症状に関する質問紙調査を2回行った。構造方程式モデリングを用い,交差遅延モデルについて,学年間の多母集団分析を行った。その結果,小学4年生においては抑うつスキーマよりも特性感謝の方がその後の抑うつ症状と強く関連していた。一方小学6年生になると特性感謝よりも抑うつスキーマの方が,その後の抑うつ症状を強く予測することが明らかとなった。抑うつ症状に与えるポジティブ要因とネガティブ要因の影響について考察された。また,抑うつスキーマと抑うつ症状の関連では,抑うつ症状がその後の抑うつスキーマを高めることが明らかとなり,児童期における抑うつ症状形成のメカニズムについても考察された。
著者
藤原 健史 シティ ノルバイズラ
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.24, 2013

イスカンダールマレーシア (IM) はマレーシア南部のジョホールバル州に計画された特別な地域であり、2005年から2025年までの20年間に人口が2倍の300万人に急成長することが見込まれた開発地域である。この地域の廃棄物処理は最終処分のみであり、将来予想される大量の廃棄物に対して廃棄物マネジメントは持続発展的とは言えない。この地域を温暖化対策都市へと導くために「2025年のIMにおける低炭素社会」の研究が始まり、12のアクションプランの中の1つが我々の取り組む「持続可能な廃棄物マネジメント」である。低炭素社会の条件を満たしつつ循環型社会の形成に向けた廃棄物マネジメントの導入を検討した。具体的には、将来に最終処分場に搬入するごみの半分を減らし、同時に温室効果ガスの排出量を半分に減らすことを目的とした。サブアクションには、都市ごみ、農業ごみ、産業ごみ、下水処理ごみ、そして建設ごみについて考慮した。計算の結果、2000年に比べて2025年にはそれぞれ 65% (13 tCO2/year), 79%(7 tCO2/year), 81%(4<br>tCO2/year), 10%(2 tCO2/year), 69%(0.1 tCO2/year)の低減となった。2025年の高い参加率と分別効果のもとで達成された。
著者
藤原 健固 Kengo FUJIWARA
出版者
中京大学学術研究会
雑誌
中京大学体育学論叢 (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.p1-14, 1985

Sport, especially the Olympic Games and the Olympic Movement, is emerging as an exceptionally widespread and forceful social phenomenon in contemporary world. That's to say, the problems of the Olympic Games and the Olympic Movement are social, economic, and even political. It is clear that the Olympic Games, as one of the most powerful expression of sport had been and has been used by every nation to some degree as an instrument of national prestige, nationalism, national integration, political propaganda, economic growth, commercialism, and so on. The political problems of the modern Olympic Games and the Olympic Movement have often been perceived as being derived from Pierre de Fredi Baron de Coubertin in its history. In this monograph, the author pointed out that the modern Olympic Games had been engaged and has been engaged in many international political problems since its started in the 1896 Athens Games. These points were described in the economic and political backgrounds, and also, were discussed these problems in the international political structure.
著者
藤原 健蔵 中山 修一
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.130-148, 1985-12-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

干ばつ常習地域における農村開発の研究は,人間居住地域の安定的拡大の視点から,国際的な重要課題といえよう・本稿の目的は,デカン高原南部の干ばつ常習地域での現地調査を通して,現行の農村開発事業における問題点を明らかにしようとした. 現地調査は,1980年秋,エルドナ村及びビダラケレ村の両村で実施された.前者の農村開発は,1957年以降,大規模な潅漑用水計画を通して進められた.他方,後者では,1950年代後半以降,コンター・バンドや用水井戸の建設など,比較的小規模な開発事業が多様に展開された. 調査の結果,両村をめぐる開発事業は,その手法を異にするものの,農業の発展と生活水準の向上に一定の開発効果を上げていることが評価された.他方,今後解決されなければならない課題の幾つかが明らかとなった.エルドナ村では,潅漑用水路による過剰給水が,生態系のバランスを破壊し,耕地の塩性化という深刻な問題を引き起こしていた.また,ビダラケレ村では,農民がコンター・バンドの適正な維持に消極的なため,強度な表土流出によって耕地の荒廃が進みつつあり,加えて用水井戸の開発も,地下水源の限界から伸び悩みの状態であった。 デカン高原南部の干ばつ常習地域における農村開発は,今や開発手法の再検討が求められる.現行の手法の継続は,行政当局と農民の双方による急速な経済成長への強い期待も加って,生態系の破壊を一層押し進め,さらに農民間の社会的緊張関係をも増長することになるであろう.
著者
濱口 佳和 藤原 健志
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.59-75, 2016 (Released:2016-04-11)
参考文献数
55
被引用文献数
4 6

本研究は, 高校生用の自記式能動的・反応的攻撃性尺度の作成, 能動的・反応的攻撃性と身体的攻撃・関係性攻撃との関連, 能動的・反応的攻撃性類型の心理・行動的特徴を明らかにすることを目的として行われた。高校1~3年生2,010名に対して, 中学生対象に開発された自記式能動的・反応的攻撃性尺度を実施し, 探索的因子分析を実施したところ, 中学生同様の6因子が得られた。検証的因子分析の結果, 仲間支配欲求, 攻撃有能感, 攻撃肯定評価, 欲求固執からなる能動的攻撃性と報復意図と怒りからなる反応的攻撃性の斜交2因子モデルが高い適合度を示した。6下位尺度については, 攻撃肯定評価でやや低いものの, 全体として高い信頼性が得られ, 情動的共感尺度や他の攻撃性尺度等との相関により併存的妥当性が実証された。重回帰分析の結果, 性別と能動的・反応的攻撃性によって, 身体的攻撃の約40%, 関係性攻撃の約30%が説明されることが明らかにされた。クラスター分析の結果, 能動的攻撃性・反応的攻撃性共に高い群, 反応的攻撃性のみが高い群の2種類の攻撃性の高い群が発見され, Crapanzanoの重篤モデルを支持する結果が得られた。