著者
北野 哲司 小島 清嗣 永田 茂 大保 直人 石田 寛
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.393-396, 2001

名古屋市及びその周辺地域には, 都市ガス供給設備の地震安全性確保を目的として103台の地震計が設置されており, 1997年愛知県東部地震 (M5.8), 1998年岐阜県美濃中西部地震 (M5.4) 及び2000年三重県中部地震 (M5.5) の地震動が観測されている.本論文では, これら高密度地震観測網で得られた地表観測記録と対象地域内の数箇所で実施した地質調査データを用いてせん断波速度Vsが500m/s程度の工学的基盤における広域の地震動予測を行った. さらに, 地表の観測記録及び工学的基盤における推定地震動から, 中小地震時の表層地盤を対象とした加速度応答スペクトル (5%減衰) の増幅倍率 (以下では応答スペクトル比と呼ぶ) の広域評価を行った.
著者
立川 貴重 目黒 公郎 永田 茂 片山 恒雄
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.2, pp.21-30, 1992-05

近年、都市機能や日常生活は「電力」に大きく依存しているため,電力供給機能が失われた場合には、各方面で大きな影響を受ける.特に地震をはじめとする自然災害が都市を襲った場合,程度の差こそあれ,高い確率で停電が起こることが予想され,電力の途絶が都市生活へ及ぼす影響を検討しておくことが急務となっている.ところで,1991年9月27日から28日にかけて,日本を縦断した台風19号は,広い暴風圏を持った典型的な「風台風」として,日本列島の西南部と北東部を中心に大きな被害を及ぼした.青森県のりんご被害,九州の森林被害などが台風通過後に大きな問題となったが,特に西南日本では,過去の災害でも例を見ない大規模な停電が発生した.停電の影響は710万戸に及び,これは全国の需要家の13%に当たる.一部の地域ではライフライン施設そのものにも被害が発生したが,都市機能に大きな影響を与える主因は,電力供給の停止から波及したライフラインの機能的被害である.一般に自然災害に伴うライフラインの被害は,物的被害と機能的被害のカップリングの形で発生するが,台風19号の場合は,停電が他のライフラインに与える機能的被害波及を明確に示すものである.このような事例は非常に希であり,この機に被害の状況と関係機関の対応を調査しておくことは,今後の都市防災に多くの知見を与えるものと思われる.そこで我々は,広範囲かつ長時間の停電が発生し,他のライフラインへの被害波及が顕著であった広島市周辺を対象として,現地調査を行った.調査対象は,主として電力,上水道,下水道,電気通信,都市ガス,交通,マスメディアなど,いわゆる都市のライフラインとした.広い意味での都市機能の被害に関する情報収集に努め,台風による強風,高潮,飛来物などによる施設の直接被害よりも,電気の供給がストップしたことによる影響に重点を置いて調査を実施し,関連資料を集めた.本論分は,調査結果をなるべく網羅的にまとめたものであり,広域かつ長期の停電が都市施設に与えた影響の「全体像」を示すことを目的としたものである.
著者
河野 哲也 永田 茂 小島 清嗣 北野 哲司 河合 亜紀
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.129-132, 1999

名古屋周辺では, 都市ガスの供給における地震時緊急対応を目的として約100台の地震計 (SIセンサー) が高密度に設置され, 地震動分布や被害評価に活用されている.本報告では, <I>Kriging</I> 法を用いた地震動分布推定への適用を前提として, 高密度地震観測網で観測された愛知県東部地震, 岐阜県美濃中西部地震の最大加速度とSI値の観測記録を基に, これらの距離相関特性について検討を行った.さらに, 評価された距離相関モデルをもとに<I>Kriging</I>法により地震動分布予測を行い, 他の機関によって観測された最大加速度やSI値との比較から推定精度に関する検討を行った.
著者
永田 茂
出版者
鹿島建設株式会社技術研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

近年発生した地震災害及び大規模事故発生時の重要ライフライン・インフラに関して復旧過程の相互依存関係の実態調査を行い、分析に必要なデータの収集・整理分析を行った。また、実態調査結果に基づいて、メッシュでモデル化した複数ライフラインに関して相互依存性を考慮した機能復旧過程の定量的かつ実務的な解析手法を構築するとともに、首都直下地震などを対象とした事例解析を通じて提案手法の有効性に関する検討を行った。
著者
横山 秀史 永田 茂 山崎 文雄 片山 恒雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.450, pp.181-187, 1992-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
20

緊急時の人間行動を定量化するための指標として, 動線のフラクタル次元を用いることを提案し, 迷路を用いた被験者実験の結果と, 過去の火災事例に適用して有用性を検討した. その結果, フラクタル次元が, 脱出時間, 歩行距離, 行動範囲などで評価できない人間行動の複雑さの度合を定量的に表していることがわかった.
著者
瀬﨑 陸 丸山 喜久 永田 茂
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.6_244-6_257, 2019 (Released:2019-10-31)
参考文献数
23

本研究では, 車載カメラから取得した画像から, 地震による道路被害を深層学習によって自動で抽出することを目的としている.あらかじめ目視で被害の有無を分類した教師用画像を使用し, それらを畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で深層学習し, 画像判別モデルの作成を行った.この画像判別モデルに学習に使用していない精度評価用画像300枚を判別させたところ, 道路閉塞の判別精度は87%, 無被害の判別精度は90%と高かったが, 道路被害の判別精度は66%とやや低かった.この結果を踏まえて, 地震直後の利用を想定した条件設定を行い, 道路変状の自動抽出シミュレーションを行った.本研究の手法は地震後の道路被害の早期把握に有効と考えられ, 道路管理者の震後対応に貢献できる.
著者
庄司 学 八木 勇治 永田 茂 丸山 喜久 村尾 修 藤井 雄士郎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、ライフラインシステムの中でも電力、都市ガス、上水道・下水道、道路網、通信に焦点をあて、東日本大震災のような地震と津波の作用が複合化する「地震津波複合災害」を対象とした上で、ライフラインシステムの物理的及び機能的被害と復旧支障の相互連関を精度よく表現する数理モデルを構築し、被害を受けた後の応急復旧過程の問題構造を定量的に明らかにした。
著者
小山田 耕作 永田 茂穂 鮫島 國親
出版者
鹿児島県農業開発総合センター
雑誌
鹿児島県農業開発総合センター研究報告 耕種部門 (ISSN:18818609)
巻号頁・発行日
no.3, pp.33-46, 2009-03

イチゴ'さつまおとめ'の低温暗黒処理育苗による早進化技術について3回の定植時期で検討した。9月12日定植では7月23日に置肥を除去する窒素施肥制限を行い、8月22日に低温暗黒処理を13℃一定で18日間処理、または前半9日間10〜13℃、後半9日間15℃の変温管理することで安定した花芽分化が認められた。また、9月12日に定植することで開花期が10月中旬に早まり、11月中旬から収穫可能となった。9月16日定植では8月1〜5日に窒素施肥制限を行い、8月31日〜9月2日に低温暗黒処理を13℃一定で13〜15日間処理することで安定した花芽分化が認められた。また、9月16日に定植することで開花期が10月下旬に早まり、11月下旬から収穫可能となった。9月22日定植では8月5〜10日に窒素施肥制限を行い、9月7〜9日に低温暗黒処理を13℃一定で10〜13日間処理することで安定した花芽分化が認められた。また、9月22日に定植することで開花期が11月上旬に早まり、12月上中旬から収穫可能となった。これらの低温暗黒処理育苗を行い定植時期を早めることで、普通ポット育苗に比べて年内収量が増加した。