著者
三浦 雅展 江村 伯夫 秋永 晴子 柳田 益造
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.203-212, 2010-05-01
参考文献数
17

ピアノを用いた1オクターブの上下行長音階演奏に対する自動評価について述べている。音階演奏の客観的な評価基準を求めるために,種々の音階演奏の5名の専門家による適切性の主観評価とその演奏のMIDI記録の関係を求めている。記録されたピアノ演奏に含まれる打鍵タイミング,打鍵強度(ヴェロシティ),及び押鍵時間長について,音階演奏に含まれる逸脱のスプライン補間曲線を求め,得られた曲線の特徴から,当該演奏の特徴を15のパラメータで表している。補間曲線は鍵盤に対する奏者の手指交差に基づいて求められている。得られた主観評価スコアはその適切性をLeave-one-out法によってオープンテストするために用いられている。評価データに対する評価スコアは,KL展開によって次元縮小を行った後にk近傍法によって求められている。音楽の専門家による評価値に基づいて,提案手法が音階演奏の適切性に関する主観スコアを適切に予測していることを確認している。
著者
江村 忠彦
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (芸術学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6195号)
著者
江村 早紀 大久保 智生
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.241-251, 2012

本研究の目的は,個人-環境の適合性の視点から適応状態を測定する小学生用の学級適応感尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討すること(研究1)と作成された学級適応感尺度と学校生活の要因(教師との関係,友人との関係,学業)との関連を学級の特徴別に検討すること(研究2)であった。研究1では,因子分析の結果,「居心地の良さの感覚」「被信頼・受容感」「充実感」の3因子が抽出された。作成された学級適応感尺度は,信頼性と妥当性を有していると考えられた。研究2では,担任教師が認知している学級雰囲気をもとに学級を分類して,学級への適応感と学校生活の要因との関連について重回帰分析を用いて検討した。その結果,学級への適応感と「友人との関係」が最も強く関連する学級もあれば「教師との関係」が最も強く関連する学級もあったように,学級への適応感と学校生活の要因との関連の仕方は学級により異なっていた。また,どの学級においても「教師との関係」が児童の適応感と正の関連を示すという点で,青年の適応感と異なっていた。以上の結果から,学校における児童の適応感を検討する際には,学級集団の重要性や学級担任制という小学校固有の制度などの特色を考慮して,学級の特徴を踏まえたうえで,研究を行っていく必要性が示唆された。
著者
江村 健児 松崎 太郎 細 正博
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.345-351, 2007 (Released:2007-08-18)
参考文献数
43
被引用文献数
1 1

目的:胸鎖関節には関節円板が存在し,関節円板によって胸鎖関節は球関節の機能を持つとされている。本研究の目的は,胸鎖関節の関節円板を病理組織学的に検討することである。方法:剖検症例において摘出されたヒト胸鎖関節円板を,光学顕微鏡を用いて病理組織学的に観察した。結果:胸鎖関節円板に断裂(tear),粘液様変性(myxoid degeneration),軟骨細胞の集簇化(chondrocyte cloning)等の所見を認めた。また関節円板の表面が,表面にほぼ平行して層状に剥離する像をよく認めた。他の関節円板との比較では,解剖学的,発生学的に関節円板と同一と考えられる膝半月板の病理組織像に関する過去の報告と今回の結果が類似していたが,層状剥離の記述は見られず,これが胸鎖関節に特異的なfibrillationの表現である可能性が示唆された。
著者
江村 伯夫 澤山 康二 三浦 雅展 柳田 益造
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.73-83, 2008-02-01
被引用文献数
1

ギター演奏においてコード列演奏は最も基本的な演奏形態の一つである。本論文では,ギター初心者を対象とし,入力されたコード列に対して,押弦時の指配置やコードチェンジ時の指の動きに対する負荷が最も軽くなるコードフォーム列を,実演奏時のミスの量から最小2乗法によって求めた負荷値に基づいて奏者に応じて決定するシステムについて述べている。本システム及びコードブックによるコードフォーム列に対する実演奏の押弦失敗率を比較する実験を行った結果,初心者にとって本システムが十分に有用であることが示されている。
著者
村上 真理 佐竹 範夫 江村 正仁
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, 2005

症例は62歳男性, 2004年11月初旬より血痰が出現し, 他院で胸部CT所見より肺癌を疑われ, 2005年1月5日当院を紹介された. 気管支鏡検査で左主気管支入口部の狭窄を認め, 同部の生検で扁平上皮癌と診断した. 1月19日左無気肺となり, 呼吸困難のため緊急入院し胸部放射線照射(66Gy)施行した. 3月15日から化学療法開始したが, 再度左無気肺となった. 左主気管支狭窄に対し, ステント留置を行うためアルゴンプラズマ凝固法(APC)で焼灼するも開存せず, 化学療法を続行した. 化学療法により無気肺は改善したため, 再々狭窄予防のためステント留置を検討した. 5月26日気管支鏡実施したところ, 左主気管支は開存し腔内の腫瘍は消失していた. 自覚症状もなかったためステント留置は見送ったが, この症例での留置の適応と時期について考察する.
著者
越中 康治 江村 理奈 目久田 純一 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.5, pp.161-167, 2005

本研究では,幼児の自由な集団編成に及ぼす仲間からの人気度と社会的行動特徴の影響を検討するために,保育園における整列場面(幼児が自由に2人組あるいは3人組を編成する場面)の観察と,人気度及び社会的行動特徴の測定を行った。結果として,男児では,集団編成に人気度の影響は認められず,攻撃性の高い者ほど3人組で中央の位置を占めていることが示された。女児では,2入組を編成する際には,仲間から人気がある者及び社会的コンビタンスが高いとされる者ほど容易に集団編成を行うことが示された。また,3人組を編成する際には,攻撃性の高い者ほど容易に集団編成を行うこと,引っ込み思案で非攻撃的な者ほど3人組で中央の位置を占めていることが示された。幼児の自由な集団編成に及ぼす仲間からの人気度と社会的行動特徴の影響は,性別や編成する集団の人数によって異なることが示された。
著者
野村 吉宣 阪尾 学 江村 成就 黒田 健治 宮崎 真一良
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.325-330, 1996-04-01

症例は24歳男性, 会社員。元来宵型人間。23歳頃より過眠傾向となり, 昼過ぎまで覚醒できず, 遅刻欠勤が目立ち, 1992年7月末H病院受診。精査目的のため入院となった。睡眠日誌, 終夜ポリグラフィー検査, MSLT, 直腸温測定により睡眠相遅延症候群と診断された。VB12の経口投与とともに, 院内の生活に合わせて就床起床時刻を一定とし, さらにその後の1週間は高照度光療法も併用した。治療開始2週間後に再度諸検査を施行したところ睡眠相は前進し, 入眠起床時刻も午後10時と午前7時に固定した。退院後は起床時刻を守ること, できる限り規則的な生活を行うことを目的として寮生活をしたところ, 週末には一時的な入眠起床時刻の遅延があるが, ほぼ固定した生活を送ることが可能となった。本症例にみられた睡眠相の遅延に関しては, 単身生活による不規則な生活, 残業が続くことによる入眠時刻の遅延といったライフスタイルの変化が, 概日リズムヘの同調を困難とし, 睡眠相遅延症候群の発症に関与したと考えられた。
著者
九津見 洋 内藤 榮一 荒木 昭一 江村 里志 新居 薫治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1149-1157, 2001-06-01
被引用文献数
17

インターネット利用初心者をメインターゲットとしたホームページ情報を簡単に入手するためのツールとして, ホームページの閲覧履歴からユーザの嗜好を学習し, その嗜好にあった新たなホームページを推薦するソフトウェア"ウェブナビゲーター"を開発したので報告する.ユーザ嗜好の学習では, 興味の変化に対する即応性と, 観測データに含まれるノイズに左右されない頑健性が重要である.本ソフトにおいては, 過去のユーザプロファイルと現在閲覧したホームページの特徴ベクトルを合成するパラメータを設定しており, よりユーザの興味の推移に合ったパラメータ値の決定が課題である.ここでは, ユーザが「興味がある」または「興味がない」と判定した複数のホームページを用いて, この割合のパラメータを学習により求める.このパラメータの時間的変化を観察することにより, ユーザの興味の推移を調べることができる.本論文では, 様々なユーザの興味の推移を実験的に調べることにより, 本ソフトによるホームページ推薦の妥当性を検証した結果について述べる.
著者
古山 浩志 八塩 仁 江村 恒一 井上 郁夫 遠藤 充 星見 昌克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.183, pp.67-72, 1999-07-15

蓄積された大量の映像データから所望の映像を高速に検索するための方式として、予め音声チャンネルから音声認識によりメタデータを自動生成しておき、このメタデータに対して入力したキーワードの検索、特定シーン映像を頭だし再生する映像検索システムを試作した。メタデータ生成部では、入力音声からCV/VCラティスの時系列データを生成し、メタデータとしてMPEG2-TSストリーム中にPESパケットとしてVideoとAudioのPESパケットとともに多重化する。メタデータ検索部では、DPマッチングを用いてCV/VCラティスを時系列データとし、入力キーワードとの照合処理を行うことにより検索を行う。ニュース番組を想定した文を対象として検索実験を行った結果、約80%の検出率を得た。