著者
柴田 克成 岡部 洋一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.117, no.9, pp.1291-1299, 1997-08-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
9

In order to realize the mapping from spatial information to temporal information, Temporal Smoothing (TS) Learning is proposed. In this learning, the output of a learning unit, to which sensory signals are given as input, is trained to be smooth along time. In other words, the learning unit is trained so as that the second time derivative of the output itself becomes 0.This learning can be applied to integrate local sensory signals into an analog spatial signal. It also can be used that an agent learn evaluation function in delayed reinforcement learning on behalf of TD Learning(8)(7) when only one target state is chosen. When a neural network was employed as a learning unit and visual signals were given as inputs directly, the hidden neurons in the neural network represented spatial information and had a adaptability of changing the representation according to the agent's motion characteristics.
著者
岡部 洋一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.698-699, 2016-07-15
著者
沢田 康次 岡部 洋一 佐藤 俊輔 石川 眞澄 矢野 雅文 津田 一郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

本研究は平成10年度発足の重点領域研究「脳型計算論と脳型計算システムの設計」準備の調査、企画のための研究である。総括班予定者による会議を3回(仙台1回、東京1回、大阪1回)と班員全員の研究会を1回(仙台)行った。会議においては脳化学の工学的手法とその組織づくりを討論すると共に前年度提出(平成9年度発足希望)の重点領域の申請がヒアリングまで審査に進んだが、採択まで至らなかった理由について徹底的に検討、平成10年発足の申請書にその内容を反映させた。その内容は以下の通りである。1)「脳を知る研究」と「脳を創る研究」を混在させないで本重点領域研究においては工学的観点から後者を強調する。即ち、工学的研究である「脳を創る」研究は脳の機能を参考にするが脳と一致する必要はない。逆に工学的研究においては目的を明確にする必要があり、脳型計算機は入力と出力を明確にし、叉その計算機の性能達成目標を明記すること。2)人工知能との関連と区分けを明確にする、。即ち、人工知能はプログラムによってトップダウン的に記号処理するが、脳型計算機はプログラムを用いることなくミクロな神経細胞の活動をベースにその柔軟性と超並列動作によって所望の機能を実現する。3)本研究を現時点で推進する必要性と本研究におけるプレイクスルーを明確にする。即ち、イメージング技術の発達による脳のアーキテクチャの解明が大きく進んだこと、脳計算論のために非線形力学が急速な進歩を見ていること、及び超微細電子技術と集積化技術が進歩し計算機実装の可能性が増大したことが挙げられる。
著者
二木 宏明 松沢 哲郎 久保田 競 岡部 洋一 岩田 誠 安西 祐一郎
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1990

本研究では人間における言語機能の神経心理学研究とチンパンジ-における数の概念の研究を足がかりとして、思考や言語の基礎をニュ-ロンレベルで解明する手掛かりをつかむべく、サルの前頭前野のニュ-ロンにおける高次の情報処理の特徴を調べる。一方、思考と言語の脳内メカニズムのモデル化の研究においては、脳のような並列階層的システムが論理的推論をどのような形で行っているかという脳内表現の計算機構を説明できるモデルを提案することを目的としている。岩田は、H_2 ^<15>O PETを用いて漢字、仮名黙読時の脳血流を測定した。仮名単語の読字は漢字単語の読字より広汎に局所脳血流を増加させ、両側の角回も賦活されていることが明らかになった。松沢はチンパンジ-の数の概念の研究をおこなった。アラビア数字1から9までの命名を形成し、反応時間の分析をしたところ、ヒトと同様の二重の計数過程が示唆された。久保田は、アカゲザルで学習が進行するのに伴って、手掛かり刺激の色の違いに特異的に応答するニュ-ロンの数が増えることを明らかにした。二木は、ヒトのカ-ド分類と類似の課題を遂行中のサルの前頭前野のニュ-ロン活動を記録し、注目すべき次元の違いに依存して、ニュ-ロン活動の応答が異なることを明らかにした。岡部は、概念がどの様に運動ニュ-ロンにパタ-ン化されていくかについて2関節の指の運動のシミュレ-ションを行った。その結果、極めて自然な関節運動の得られることを確認した。以上のごとく、初年度にもかかわらず着実に成果がありつつある。
著者
岡部 洋一 円福 敬二 吉田 啓二 高田 進 藤巻 朗 田中 三郎 松田 瑞史 藤井 龍彦
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

1.超伝導回路岡部は、BSFQ回路方式に基づくAND、OR、XOR、NOTの各論理ゲートの動作マージンを±30%にまで拡大することに成功した。また、超伝導体と半導体のハイブリッドコンピュータ実現を見据え、インターフェイスデバイスを試作した。高田は、ユニバーサルNANDゲートおよびNORゲートの設計を行い、シミュレーションにより高速動作と低消費電力性を確認した。藤巻は、界面改質型高温超伝導体ジョセフソン接合の試作を行い、臨界電流値のばらつきはピンホールに起因するという結論を得た。2.SQUID応用円福は、高温超伝導SQUIDにより磁気微粒子からの微弱磁界が高精度に測定できることを利用して免疫反応検出システムを開発し、従来の機器よりも10倍〜100倍の感度で検出が可能であることを示した。田中は、高温超伝導SQUID顕微鏡の試作を行い、室温の磁束ガイド針を用いた場合でも100μmよりも高い分解能が得られることを示した。松田は、高温超伝導SQUIDグラジオメータを作製し、フラックスダム構造を用いることにより環境磁場雑音影響を大幅に軽減できることを示した。藤井は、生体磁場測定のための医療用磁気センサにおいて、環境磁場測定用SQUIDを付加することにより磁気シールドを用いずに微小磁場を測定することに成功した。3.高周波応用吉田は、高温超伝導薄膜上でアンテナとフィルタを一体化することにより、特性の向上が図れることをシミュレーションで示した。
著者
岡部 洋一 柴田 克成 北川 学
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1996

本研究では、ネットワークの振動現象における振動振幅および周波数情報の、モデレ-ショニズムによる学習、および、時間スケールとして、より微視的なパルス時系列の時間相関情報の学習について研究を行っている。モデレ-ショニズムとは、生体は適当なレベルの入出力信号を好みそのレベルに近い入出力信号を築くように学習するとしたフィードバック学習の一種であるが、さらに環境の変動を積極的に利用する方向に改良した、振幅に対するモデレ-ショニズムを提案した。この信号振幅モデレ-ショニズムを用いて、自己結合などのフィードバック結合を有するニューロンを含むネットワークに関してフィードバック結合の効果を検討し、さらに自励発振しうる回路に外界から信号が注入された場合の挙動について、シミュレーション解析を行った。結果として、自励発振が可能なネットワーク構成を示し、そのネットワークに対して外界からの信号を注入した場合、微小入力時にはネットワーク自身の自励周波数で発振し、信号強度を増加するにしたがって、外部周波数に引き込まれることを示した。さらに外部周波数に引き込まれたネットワークは、外部入力を遮断した後にも、外部入力周波数で発振することを示した。より短期の時間スケールにおけるパルス時系列に対する、時間相関学習について提案を行った。ニューラルネットワークにおいてパルス列伝送を考えた場合、複数のパルス列の自己あるいは相互相関関数によって、情報を表現することが可能である。これらのパルス列の時間相関に表現された情報をネットワークに記憶させるために、最急降下学習およびトポロジカル・マッピング学習を行った。結果として、2系列に対する相関について最急降下学習によって、さらに3系列以上の相関についてトポロジカル・マッピングによって学習が可能であることを示した。
著者
岡部 洋一 中山 明芳 北川 学
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1989

酸化物高温超伝導体は、従来の超伝導体と比較し使用温度が高く、また,ギャップエネルギーが10倍程度高いため、それに比例した高速性が期待されている。また、バンドギャップが大きいため、半導体との整合性にも期待がかけられている。本研究はこうした高温超伝導体エレクトロニクス応用の基本技術となるトンネル形ジョセフソン素子を集積回路技術により作成することを目的としている。電子デバイスのような、微細あるいは薄い構造を取り扱うには、薄膜の平坦性、および作成温度の低温化が達成される必要がある。このため、この両方を改善するためにacおよびrfスパッタ法を改良した。具体的には導入酸素の紫外線による活性化、試料とターゲットの位置関係の最適化、および各電極にバイアスをかけることである。この結果、最高プロセス温度500度程度で薄膜を作成できるようになった。また、下部電極となるYBCOのみならず、上部電極のYBCOについても十分な特性の薄膜を作成できるようになった。トンネル型ジョセフソン素子を完成するためには、数nmのごく薄い均質な絶縁膜を作成することが必要である。このため、MgOを中心としていくつかの材料を検討した。まず、我々の従来の研究成果であるYBCO/Au/絶縁体/Nbの構造のものを検討し、下部電極をBSCCOとしても、ジョセフソン特性が観測できることを、直流特性、高周波特性、磁界依存性の三つの方法で確認した。その後、上下とも高温超導体であるジョセフソン素子の検討を開始した。その結果、高温超伝導体上に絶縁体を付けると、多くの場合、島状構造をとり、均質な膜がえにくいことが判明した。この他にも多くの素子構造を検討している。現在のところ、進行状況は、当初予定よりもかなり早いが、一方で研究をもっと原理的な方向に展開する必要があることも感じつつある。
著者
岡部 洋一 北川 学
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

生物が行っている動的で解析が困難な運動を、学習によってロボットに獲得させることを目的として1)鉄棒の大車輪運動、2)1脚によるホッピング運動、3)2足歩行運動、4)多関節で蛇行運動を行うロボットを作製して、学習制御の研究を行った。1)では二重振子の構造にし、振子間の関節に取り付けたDCモータがトルクを与え、振子の各関節に角度センサを取付けた構造のロボットで角度センサの情報を基にし、DCモータに与えるトルクを変化させる簡単なルールベースを構築し、大車輪運動の制御を試みた結果連続的な大車輪運動を実現出来た。2)の1脚ホッピングロボットは、上下、前後の方向に自由度が与えられた系で、本体に取付けられた脚が前後に振れる事によって移動する構造にした。脚の付根にDCモータを取り付け、これが脚を振る動力となる。センサによって脚の振れ角、高さ、移動距離の情報が得られるようにし、1)と同様に、センサによって得られる情報を基にして、DCモータに与えるトルクを変化させる簡単なルールベースを構築し、ホッピング運動の制御を試みた結果安定したホッピング動作を実現する事が出来た。3)の2足歩行ロボットは股関節と膝をサーボモータによって動かして前進する構造にし、制御システムについても生体をモデルとしてニューラルネットワークを用いたものを取り入れるため、リカント型のニューラルネットワークにおける発振と位相のずれを用い、両脚の股関節と膝の部分に取り付けたサボモータの角度を制御して2足歩行を試みた。その結果、安定した歩行運動を実現出来た。4)は3)の制御系を発展させ、ニューラルネットワークにおける発振と位相のずれを用いた運動の学習を試みた。学習させた運動は、各関節にサーボモータを配置した4関節のロボットによる蛇行運動で、目標となる速度、モータの消費電力を設定して学習させた結果、目標とする蛇行運動の獲得を実現出来た。
著者
岡部 洋一
出版者
東京大学大学院工学系研究科 電子工学専攻
巻号頁・発行日
1972-03-29

報告番号: 甲02825 ; 学位授与年月日: 1972-03-29 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 工学博士 ; 学位記番号: 博工第543号 ; 研究科・専攻: 工学系研究科電子工学専攻
著者
岡部 洋一
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.65-68, 1982-06-30
被引用文献数
1

A model of formation of mind is proposed giving an example of small size neuron networks. Neural system changes its structure along with the growth of a creature. However, there are two ways of thinking that neuron networks are decided a priori by the heredity or a posteriori by the interaction with the outer world. First it is discussed that the rough structure of neuron networks may be given a priori but the fine structure, such as synaptic conductance, must be decided a posteriori. Secondly the final goal of neuron networks is discussed, and it is supposed that a neural system changes its structure aiming appropriate input stimuli; that is, it does not want too strong stimuli nor too weak stimuli. This supposition is confirmed by the study of the reflex arc for avoidance of dangers, along with the discussions of the homeostasis of creatures and the teaching principles. The result is represented by a performance index of the total neural system. Finally it is discussed how the synaptic conductances in the neural system are determined to appropriate values. It is shown that synapses would find appropriate conductances by jittering their conductances and checking the response of the performance index. The proposed model is deduced by the discussion of small size networks, however we hope that a similar model can be adapted to bigger networks, too.
著者
石原 宏 米津 宏雄 鳳 紘一郎 雨宮 好仁 柴田 直 岩田 穆 岡部 洋一 山川 烈
出版者
東京工業大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1995

本研究班では、2次元の空間情報に時間軸をも含めた多次元情報を、バイナリ、多値、アナログ融合アーキテクチャを用いて高速に処理するハードウェアを実現することを目的とした。特に、過去の情報に基づいて刺戟に対する対応を変化させる適応学習機能や、必要に応じて自己を再構成する自己組織化機能などの生体機能をハードウェア的にシステムに作りつけ、大枠の判断、連想のような高度の知的作業を瞬時に行う新しい知能システムを構築するための基礎を築くことに重点をおいた。強誘電体ゲートFETを用いて適応学習機能を持つパルス周波数変調型ニューロチップを作製する研究では、強誘電体としてSrBi_2T_2O_9を用いたFETとCMOS構成のシュミットトリガー回路とをSOI(絶縁物上のSi膜)基板上に集積化し、良好な学習動作を確認した。カオス信号を生成する集積回路に関しては、npnトランジスタとキャパシタとを用いる外部クロック型と、CMOSマルチバイブレーターを用いる自励発振型の両者について検討を行い、それぞれについて反復一次元写像が行われ、カオスが発生することを明らかにした。パルス幅変調型AD融合回路技術に関しては、機能イメージセンサ、セルオートマトン、パターンマッチングプロセッサを1チップに集積化し、特徴連想イメージプロセッサを開発した。CMOSデジタル技術並びにニューロンMOS(νMOS)技術を用いた検討では、過去の膨大な経験を特徴ベクトルとして記憶するVast Memoryを実現するために、高精度アナログ不揮発性メモリ技術を開発すると共に、沢山の事例の中から最類似記憶を瞬時に検索・想起するための連想エンジンチップを開発した。外網膜の機能を有する集積回路の作製に関しては、エッジ検出などの機能を持たせるために受光セルを相互に結線する場合に、最近接セル以外のセルとも結線しようとすると、配線が極めて複雑になるという問題を解決するために、受光セル以外の部分は全てMOSトランジスタのチャネル領域になっている新しい構造の光検出チップを開発した。