著者
小田中 章浩
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.3-19, 2002-11-30 (Released:2018-12-14)

It has been repeatedly pointed out that teaching is closely related to theatre. In this special issue of ten articles on various topics, we search for a philosophy to link theatre and the art of teaching. This introductory paper offers a theoretical basis for discussion, starting with talking about an analogy between a modern theatre and the modern educational system. The attitude of the students, who are quietly and carefully listening to the teacher's talk, is similar to that of the theatre audience, especially in a modern theatre.We, then, examine some of the physical aspects of the teacher-student relationship in terms of the rise of cyberspace education including internet educational tools. This aspect of education overlaps with the so-called workshop methodology. How to make a workshop successful must be investigated with regards to the “persona” or role-playing in modern society, which is similar to a theatrical performance. Also, the Brechtian concept of “gestus” must be revalued in terms of the art of teaching.
著者
田中 章浩 小泉 愛 今井 久登 平本 絵里子 平松 沙織 de Gelder Beatrice
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.42-42, 2010

情動認知の文化差に関しては、顔の表情を用いた研究を中心に検討が進められてきた。しかし、現実場面での情動認知は、視覚・聴覚などから得られる多感覚情報に基づいておこなわれている。そこで本研究では、顔と声による多感覚情動認知の文化差について検討した。実験では日本人およびオランダ人の学生を対象に、情動を表出した顔と声のペア動画を提示した。顔と声が表す情動が一致している条件と不一致の条件を設けた。声を無視して顔から情動を判断する顔課題と、顔を無視して声から情動を判断する声課題の2種類を実施した。実験の結果、オランダ人と比べて日本人被験者では、顔課題における不一致声の影響が大きく、声課題における不一致顔の影響が小さかった。この結果は、日本人は多感覚情報に基づいて情動を認知する際に、声にウェイトを置いた判断を自動的におこなっていることを示唆している。
著者
高木 幸子 平松 沙織 田中 章浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.283, pp.51-56, 2011-11-03
参考文献数
19

本研究の目的は,日本人による感情を含んだ表情と音声を組み合わせた刺激セットを作成するため,音声動画を収録し,評価実験を行うことであった.日本人では,基本6感情を表した表情・音声動画を21人のモデルで収録し,8名(男女各4名)を選出した.これらのうち,基本6感情の表現に焦点を当て,576(8(モデル数)×6(感情の種類)×4(発話内容)×3(繰り返し))の動画を,表情のみ・音声のみで被験者99名に呈示し,カテゴリカルな感情判断を求める評価実験を実施した.その結果,正答率は表情と音声の両方において喜び感情がもっとも高く,恐怖感情はもっとも低いことが示された.また,表情と音声の比較においては,概ね表情の方が音声よりも正答率が高いことが示唆された.さらに,恐怖感情については表情よりも音声において正答率が高いことが示唆された.本稿では評価実験における正答率および回答率を混同行列にまとめ,統計的分析結果についての解釈を行い,作成した刺激の信頼性を評価するとともに,日本人の表情と音声による感情理解の傾向を考察した.
著者
高木 幸子 田部井 賢一 HUIS IN'T VELD Elisabeth GELDER Beatrice de 田中 章浩
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.29-39, 2013

Information derived from facial and vocal nonverbal expressions plays an important role in social communication in the real and virtual worlds. In the present study, we investigated cultural differences between Japanese and Dutch participants in the multisensory perception of emotion. We used a face and voice that expressed incongruent emotions as stimuli and conducted two experiments. We presented either the face or voice in Experiment 1, and both the face and voice in Experiment 2. We found that both visual and auditory information were important for Japanese participants judging in-group stimuli, while visual information was more important for other combinations of participants and stimuli. Additionally, we showed that the in-group advantage provided by auditory information was higher in Japanese than Dutch participants. Our findings indicate that audio-visual integration of affective information is modulated by the perceiver's cultural background, and that there are cultural differences between in-group and out-group stimuli.
著者
宮澤 史穂 高木 幸子 田中 章浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.455, pp.149-154, 2013-03-04

本研究は,複雑な高次感情について概念構造(研究1)と,認知および表出(研究2)の2つの側面から検討を行った.研究1では質問紙を用い,高次感情にどの程度基本6感情が含まれているかを,それぞれ7段階で回答させた.研究2では参加者は,基本6感情を表す表情と音声を組み合わせて,指定された感情を最も適切に表すような発話動画を作成することを求められた.その結果,本研究で扱った6種類の高次感情は,概念構造と,認知および表出において共通した4つの基本感情の組み合わせに分類された.したがって本研究では,少なくとも一部の高次感情は,基本6感情の組み合わせによって説明できることが示唆された.
著者
髙木 幸子 平松 沙織 田中 章浩
出版者
Japanese Cognitive Science Society
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.344-362, 2014

This study aims to further examine the cross-cultural differences in multisensory emo-<br>tion perception between Western and East Asian people. In this study, we recorded<br> the audiovisual stimulus video of Japanese actors saying neutral phrase with one of the<br> basic emotions. Then we conducted a validation experiment of the stimuli. In the first<br> part (facial expression), participants watched a silent video of actors and judged what<br> kind of emotion the actor is expressing by choosing among 6 options (i.e., happiness,<br>anger, disgust, sadness, surprise, and fear). In the second part (vocal expression), they<br> listened to the audio part of the same videos without video images while the task was<br> the same. We analyzed their categorization responses based on accuracy and confusion<br> matrix, and discussed the tendency of emotion perception by Japanese.
著者
河原 美彩子 Sauter Disa 田中 章浩
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

多感覚的な情動認知は文化の影響を受け、日本人はオランダ人に比べ音声感情を重視しやすい (Tanaka et al., 2010)。本研究では、このような文化差が5~12歳の子どもおよび大人においてどのように発達するのか検討した。実験では、表情と音声感情が一致または矛盾する動画を呈示し、それが喜びと怒りのどちらを表現しているか参加者に判断させた。その結果、音声感情を選択した割合(以下、声選択率)は、大人では特に喜び顔が怒り声とともに呈示された場合にオランダ人よりも日本人の方が高いことが示された。さらに、この組み合わせにおける声選択率は5~6歳の時点では低く、日蘭間に差がみられないが、それ以降日本人においてのみ増加がみられた。この結果は、日本人にとって表情と音声感情の組み合わせに意味があり、さらにその文化特有の感情の表出および解読規則は児童期において年齢とともに獲得されることを示唆している。
著者
Muhammad Hasinur RAHMAN 河合 成直 Shah ALAM Sirajul HOQUE 田中 章浩 伊藤 實
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.129-135, 1999-09-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
27

農耕車輌などの踏圧による締固めが黒ボク土の特性とコムギ (Triticum aestivum L.cv.Nanbu-Komugi) の生長に及ぼす影響について, 温室環境下で検討した.測定は, 土壌の仮比重, 水分保持力, 全孔隙率, および, 草丈, 分げつ数, 茎および根の乾物重量, 根の体積・最大重・密度・バイオマス, 蒸発散量, 要水量および栄養消費量について行った.本研究から以下の結果が得られた.土壌締固めにより, 黒ボク土の仮比重は統計的に有意に増加し, 水分保持力と全空隙率は減少した.コムギの茎と根の生育量および蒸発散量は, 土壌の締固めにより, 著しく低下することが認められた.その反面, 要水量は締固め土壌で増加していた.また, 根: 茎葉の割合は高締固め土壌において高い数値を示した.しかし, 根の密度およびバイオマスは, 逆に高締固め土壌において低い値となった.さらに, 養分吸収量は土壌の締固めにより, 有意に減少した.
著者
高野 陽太郎 田中 章浩
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.536-541, 2008 (Released:2010-02-15)
参考文献数
8
被引用文献数
8

This paper summarizes the explanation of mirror reversal based on the multi-process theory proposed by Takano (1997, 1998). It also presents some empirical evidence to prove that the left-right mirror reversal of a viewer' own and that of an alphanumeric character are produced by different underlying principles, respectively.
著者
小林 光 田中 章浩 岸田 悟 渡部 徹 長谷川 弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.421-426, 2008-03-05
参考文献数
9

本研究では,バックプロパゲーション法による3層階層型ニューラルネットワークを用いて指紋と声紋によるハイブリッド認証システムを構築した.指紋認証では2次元高速フーリエ変換と逆フーリエ変換によって前処理を行い,ニューラルネットワークへの入力データとした.声紋認証では高速フーリエ変換によって前処理を行い,ニューラルネットワークへの入力データとした.それぞれ各認証を行い,中間層・出力層ユニット数がニューラルネットワークの性能の及ぼす効果を明らかにした.さらに,可変の重み付きAND結合を用いた指紋と声紋によるハイブリッド認証システムを構築し,性能を調査した.これらの結果より, 3層階層型ニューラルネットワークが個人認証システムに有効であることを示した.