著者
石田 聖子
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.16, pp.34-41, 2009-07-11

本稿では、二〇世紀イタリア文学界において逸早く笑い始め、後の笑い文学へ圧倒的な影響を及ぼした作家アルド・パラッツェスキによる未来派宣言「反苦悩」にて称揚される笑いの属性を特定することを目的とする。<神の死>後に、笑い/苦悩のパラドキシカルな関係性を指摘し、笑いの知性としての可能性までも見通すその笑い認識は、笑いに拠りながら二〇世紀文化表象を読み解く際の一視角となると考えられる。
著者
石原 明子 奥本 京子 松井 ケティ 浅川 和也 アーノルド ミンデル エイミー ミンデル カール スタファー ダリル メーサー 高橋 隆雄 広水 乃生 桐山 岳大 梁 ビキ 石田 聖 田辺 寿一郎 李 ジェヨン
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

第一に、紛争解決の理論・手法同士の関係性について「紛争を構成する要素」「要素に対応した解決理論」「解決を実践するための手法」という観点から整理し、多様な紛争事例に対応できる「戦略的紛争解決」という枠組みを創出した。第二に、欧米で発展した紛争解決の手法をアジアや日本で活用する場合の適用可能性に関して日中韓等の方に質問紙調査を行い、知見を得た。第三に、原発災害被災者の家族や地域内での人間関係の葛藤のケアと変容支援のためアクション・リサーチを行った。「福島の若手らの水俣訪問ツアー」等を実施し、環境災害からの人生と地域再生に向けた日本型の修復的正義プロジェクトの一つのモデルが形成された。
著者
石田 聖子
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.3-16, 2017 (Released:2018-01-13)

二十世紀初頭ヨーロッパに興ったアヴァンギャルドでは悉く笑いが称揚された。笑いは転換期に相応しい表現を創造する格好の契機と考えられたためだ。イタリアでは未来主義者アルド・パラッツェスキが宣言「反苦悩」を執筆し、笑いと創造の関係を鋭く照射した。本稿では、諸アヴァンギャルドのうち、ダダ、シュルレアリスム、未来派の宣言と理念の検討を通じて笑い認識を創造性との関連で探る。ダダ、シュルレアリスムにおいて笑いは主に伝統的な価値を揺るがせ無効化する手段として注目された。他方、未来派宣言「反苦悩」では、伝統的価値観が一掃された後、新たな価値を白紙状態から創造する手法が説かれた。アヴァンギャルドの時代に「反苦悩」が訴えたのは笑いの有用性に加え、人間と身体、そしてその笑いとの関係においてもひとつの転換点を迎えた事実であった。本稿ではまた「反苦悩」の一部を本邦初訳して紹介 する。
著者
野村 亮太 石田 聖子 福島 裕人 森田 亜矢子 松阪 崇久 白井 真理子
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.111-114, 2022 (Released:2023-02-27)

笑いに関する研究は世界中でおこなわれています。本欄では、英語で発表された笑い学の最近の研究成果を紹介しています。笑いに関する研究は、医学、心理学、社会学、哲学、文学、言語学、動物行動学など、多様な学問領域の専門雑誌に掲載されています。幅広い分野で展開されている世界の研究動向について共有することで、国内での笑い学の研究がさらに発展することにつながればと考えています。 本号では計6本の研究論文についての紹介記事を掲載することになりました。記事の執筆には、6名の研究者にご協力いただきました。どうもありがとうございました。
著者
浅井 寿生 石田 聖子 磯村 昌彦 伊藤 達也 今泉 景子 大岩 昌子 小野 展克 亀山 郁夫 後藤 希望 佐藤 雄大 白井 史人 高橋 直子 新居 明子 沼野 充義 根無 一信 濱嶋 聡 林 良児 福田 眞人 堀部 純子 真崎 翔 ムーディ 美穂 室 淳子 安井 朱美 吉見 かおる Marceau Etienne HIRATA Eric Paccoud Jérôme CRANE Paul Allen KENNY Tom Annequin Laurent
出版者
名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター
雑誌
Artes MUNDI (ISSN:24321125)
巻号頁・発行日
no.6, pp.191-207, 2021-03-31

豊かさの追求 / 浅井寿生観るよろこびのために / 石田聖子『ダンサー・イン・ザ・ダーク』 / 磯村昌彦ヴィム・ヴェンダース監督『パリ、テキサス』(一九八四年) / 伊藤達也二十年ぶりのタイタニック / 今泉景子「蝶の舌」に込められた想い / 大岩昌子逆行する時間が描く世界の不確かさと不安 / 小野展克ベルイマン『沈黙』をめぐるメモランダム / 亀山郁夫衝撃のラストシーン『レ・ミゼラブル』 / 後藤希望映画『あん』 / 佐藤雄大冬の神田川で / 白井史人『A Beautiful Mind』から学ぶこと / 高橋直子オオカミ少年の瞳 / 新居明子亡命ソ連人監督が描くビザールなアメリカ / 沼野充義人生を変えた我が師について ― 植村直己物語 / 根無一信「SALUTE」メキシコ五輪表彰台での差別抗議 / 濱嶋 聡映画ファンと言える日のために / 林 良児映画狂時代 / 福田眞人「世界の破滅まで百秒」の時代に考える名作 / 堀部純子人生の灯台となった映画 / 真崎 翔名も無きソ連の映画 / ムーディ 美穂ドラえもん世代 / 室 淳子『コースト・ガード』に見る境界線 / 安井朱美人間の心、神秘が宿るところ / 吉見かおるRelevant Now More Than Ever / Étienne MarceauGrowing Through Relationships / Eric HirataThe freedom everyone needs / Jérôme PaccoudA Movie for Teaching Language and Cultural Understanding: "Fried Green Tomatoes" / Paul Allen CraneStagecoach / Tom KennyHunger où l'art de déranger / Laurent Annequin
著者
岩井 四郎 木下 房男 木内 一巳 小松 ★ 仁科 良夫 大木 正夫 島田 安太郎 千村 重平 梅村 弘 阿高 康行 遠藤 輝 藤田 敬 郷原 保真 石橋 俊明 石田 聖 小坂 共栄 熊井 久雄 三上 進 三谷 豊 水野 学 岡部 孝次 酒井 潤一 沢村 寛 下野 正博 新海 正博 杉山 茂 田辺 芳宏 田中 俊広 渡辺 晃二 山下 昇 矢野 孝雄 吉野 博厚
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.7, pp.297-304, 1972-12-25
被引用文献数
8

The Matsumoto Basin Research Group was organized in March, 1971, to clarify the geological history of the Matsumoto Basin. The results of studies obtained during the last year are as follows. 1) A geological map on the Quaternary of the Matsumoto Basin was constructed for the first time. 2) The crystal ash beds in the Nashinoki Loam Formation are correlated to the so-called biotite pumice beds (B_1, B_2, B_3) around Yatsugatake Volcano, while the crystal ash may had been erupted from the volcano around Kumonotaira to the north of Mt. Mitsumatarenge in the midst of the granitic rock area of the Japanese Northern Alps. 5) The Nashinoki Gravel Formation is the products of the first, large scale deposits filling up of the Basin with gravel. It shows that the formation of the Basin set out first in that age. 4) Simultaneously with the accumulation of the Nashinoki Gravel (or the subsidence of the Basin), the Northern Alps began to rise and the peculiar volcano (with the crystal ash) started its activity.
著者
石田 聖
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.56-65, 2005 (Released:2007-06-01)
参考文献数
14

Chinese Cenozoic sedimentary basins are divided into two basin groups by their tectonic feature and the geographical distributions. The divided line lies from Holan Shan (Ningxia Province) to Dashue Shan (Sichuan Province), via Liupan Shan — Longmeng Shan. Western Basins consist of Tarim Basin, Qaidam Basin and Junggar Basin etc. They are compressional basins and relatively vast basins in the area. Eastern basins are extensional (rift) basins, which are subdivided into three basin groups. They are Eastern Sea Coast Basin System, Eastern Basin System and Western Basin System. Eastern Sea Coast Basin System includes East China Sea Basin and Pearl River Mouth Basin etc. Eastern Basin System includes Sungliao Basin and Bohai Gulf Basin etc. Western Basin System includes Ordos Basin and Sichuan Basin etc.It is estimated that around 90% of crude oil originated from non-marine source rocks.Biomarker data from Qaidam Basin, Bohai Gulf Basin and Pearl River Mouth Basin have been interpreted. In Qaidam Basin, biomarkers indicate the existence of the hypersaline environment in the era of Oligocene and Miocene. Main source rock of Es3 (3rd member of Shahejie Formation) is abundant of non-marine algae in Bohai Gulf Basin. Biomarker data from Wenchang Formation and Enping Formation, which are main source rocks in Pearl River Mouth Basin, indicate that source material was deposited in the fresh water environment.