著者
石黒 聡士
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.81, no.7, pp.535-550, 2008-09-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

2004年12月26日のスマトラ沖地震に伴いアンダマン諸島からスマトラ島にかけて大規模な地殻変動が生じた. このうちアンダマン諸島北西部では, 特に大きな隆起量が推測されたにもかかわらず, 余効変動の影響もあり, 地震直後の隆起量がわかっていない. 本論文では, 新たに考案された高解像度衛星画像を用いる標高計測手法により, 地震前後の汀線位置の標高変化を計測し, 北アンダマン島北西端における地震直後の隆起量を推定した. その結果, 本地域が地震時に2.2m隆起していたことを確認した. これは今回の地震に伴う隆起量の中で最大級である. 計測誤差は手法の制約から標準偏差で0.8mであったが, 縁脚地形の離水を衛星画像中に視認できることと, 撮影時の潮位から, 隆起量は2mを上回ると判断された. 本地域は海溝からの距離や重力異常から, より隆起しやすいことが示唆され, 地震時隆起量が大きいことと関連していると考えられる.
著者
松多 信尚 杉戸 信彦 後藤 秀昭 石黒 聡士 中田 高 渡辺 満久 宇根 寛 田村 賢哉 熊原 康博 堀 和明 廣内 大助 海津 正倫 碓井 照子 鈴木 康弘
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.214-224, 2012-12-31 (Released:2013-01-31)
参考文献数
26
被引用文献数
2 4

広域災害のマッピングは災害直後の日本地理学会の貢献のあり方のひとつとして重要である.日本地理学会災害対応本部は2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震直後に空中写真の詳細な実体視判読を行い,救援活動や復興計画の策定に資する津波被災マップを迅速に作成・公開した.このマップは実体視判読による津波の空間的挙動を考慮した精査,浸水範囲だけでなく激甚被災地域を特記,シームレスなweb公開を早期に実現した点に特徴があり,産学官民のさまざまな分野で利用された.作成を通じ得られた教訓は,(1)津波被災確認においては,地面が乾く前の被災直後の空中写真撮影の重要性と (2)クロスチェック可能な写真判読体制のほか,データ管理者・GIS数値情報化担当者・web掲載作業者間の役割分担の体制構築,地図情報の法的利用等,保証できる精度の範囲を超えた誤った情報利用が行われないようにするための対応体制の重要性である.
著者
石黒 聡士 山田 勝雅 山北 剛久 山野 博哉 松永 恒雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.253, 2013 (Released:2013-09-04)

1.はじめに浅海域の生態系や水環境の動態を推し量るうえで、生物群の生息場の役割を果たす海草・海藻類をはじめとする海中基質の分布を正確に把握することが重要である。海藻・海草類をはじめとする海中基質の分布調査は潜行による直接調査のほかに、航空写真や衛星画像等の画像を用いた教師付分類手法など、リモートセンシングによる分布の傾向の把握手法が提案されている。しかし,水域の画像解析による基質の把握は,陸域のそれとは異なり、色調の変化が水深に大きく拘束されるため,色調変化の補正が必須となる。特に、船舶が侵入できない浅海域においては正確な水深を面的に効率よく計測することが困難であるため、水深による色調の補正が難しく、従来は水深による色調の変化が誤分類の大きな要因となっていた。国立環境研究所は平成24年11月から12月にかけて東北沿岸の一部において航空機搭載型ライダ(LiDAR)による測深を実施した。本研究では、航空機搭載型測深LiDARにより得られた細密な海底地形を用いて航空写真の色調を補正し、浅海底の被覆分類を試みたので報告する。本研究は平成24年度補正予算、独立行政法人産業技術総合研究所「巨大地震・津波災害に伴う複合地質リスク評価」事業の一部として実施されている。2.航空機搭載型測深LiDAR航空機搭載型測深LiDARは緑色の波長(532nm)のレーザを海面に照射して海底面からの反射をとらえることにより海底地形を計測する技術である。航空機はGPS/IMUを搭載しており、レーザ照射時刻と反射波の時間差から、反射地点の3次元座標が決定される。このときの座標系はWGS84に準拠しており、鉛直方向は楕円体高である。したがって、データ取得後にジオイド高補正し標高を算出する。これにより従来は効率的な海底地形計測が困難であった水深0m~十数mの浅海域において、面的に効率よく計測することが可能である。このシステムを固定翼機(セスナ208)に搭載し、レーザ照射による人体への影響を考慮した安全高度を維持して観測飛行を行う。このシステムは各点における反射波形を記録している。さらに、観測飛行中に毎秒1枚の8ビットRGB画像を撮影するカメラ(RedLake)を搭載している。このカメラの解像度は1600×1200画素で地上分解能は約0.4m/画素(飛行高度3000 ft時)である。なお、観測飛行は中日本航空株式会社によって実施された。3.対象地域と計測および分類手法本研究の対象地域は岩手県山田湾の小島周辺である。この地域は平成23年東日本大震災の前から現地調査が続けられている。震災により東北の多くの湾内で藻場が消失するなどの環境変化が起こった中にあって、震災後も藻場が消失することなく分布していることが確認されており、浅海域の生態系や水環境の動態を理解する上で貴重なサイトである。当該地域の観測は平成24年11月30日に実施された。観測結果(水深データによる陰影図およびRedLake画像)を図1に示す。本研究ではまず、1)RedLake画像を用いた教師付分類法による底質分類、2)細密水深データによる色調補正を施した画像を用いた教師付分類法による底質分類を実施する。2)の色調補正はdark pixel法による大気補正をした上で、Yamano and Tamura (2004)による手法を用いて水深による色調補正を行う。なお、本研究で使用した画像と水深のデータから簡易的に推定したR,G,Bの減衰パターンを図2に、また、これによって色調補正した結果を図3に示す。これらによって得られた画像を用いた分類結果を、現地調査によるグラウンドトゥルースと比較することにより評価する。現地調査は2012年10月に実施した。4.結果と今後の計画本研究では細密な浅海海底地形データを用いて航空写真の色調を補正して分類を行った。その結果、補正前の画像に比べて誤分類の確率が減少することを確認した。今後、色調補正の手法を精緻化することにより、さらに正確な分類が可能になること考えられる。また、航空写真の画像判読と現地調査結果および細密海底地形データの範読から、局所的に凹凸が激しい領域が藻場である可能性が高いことが分かった。今後、地形の凹凸度合いを指標化し、新たな画層としてRGBに追加して教師付分類や、各点で記録された反射波形を指標として考慮した分類手法を試みる予定である。参考文献Yamano, H. and Tamura, M. 2004. Detection limits of coral reef bleaching by satellite remote sensing: Simulation and data analysis. Remote Sensing of Environment 90: 86–103.
著者
杉戸 信彦 松多 信尚 石黒 聡士 内田 主税 千田 良道 鈴木 康弘
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.2, pp.157-176, 2015-04-25 (Released:2015-05-14)
参考文献数
15
被引用文献数
5 8

Spatial variations of hazards such as strong ground motion and tsunami inundation are a key element for obtaining a geographical understanding of natural disasters. However, detailed distribution of tsunami run-up heights for the devastating tsunami associated with the 2011 off the Pacific coast of Tohoku earthquake is not available. A GIS analysis of tsunami inundation areas is conducted from data collected by the Tsunami Damage Mapping Team and from post-tsunami 2-m mesh and 5-m mesh digital elevation models (DEM) after the Geospatial Information Authority of Japan, in order to produce the Tsunami Run-up Height Map, which includes polygon data of inundation areas with elevation data at each point. Horizontal shifts of orthophotos taken just after the tsunami are corrected using a Helmert transformation. The map covers Iwate Prefecture, Miyagi Prefecture, and the northern part of Fukushima Prefecture continuously at high resolutions, and reveals spatial variations of tsunami run-up heights in detail. These variations are caused by: 1) landforms at each site, such as coastal plains, valleys, bays, and beach ridges, as well as their directions and magnitudes, and 2) source locations, interference, and wavelengths of the tsunami, as implied by a previous study. The map supports examination carried out on source fault models and simulation results of tsunamis from a geographical viewpoint. At the same time, the methodology to produce the map would be useful for systematically revealing run-up height distribution, in addition to inundation areas immediately after future tsunamis.
著者
松多 信尚 石黒 聡 村瀬 雅之 陳 文山
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.247, 2011

台湾島はフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に位置し,フィリピン海プその収束速度は北西―南東方向に90 mm/yrと見積もられている(Sella et al., 2002).台東縦谷断層は地質学的なプレート境界と考えられ,その東側は付加した堆積岩や火山岩で構成された海岸山脈,西側は変成岩からなる中央山脈である. 台東縦谷断層は台東縦谷の東縁に位置する東側隆起の逆断層で,奇美断層付近を境に北部と南部に分けられる.南部は北から玉里断層,池上断層,利吉断層,利吉断層の西側に併走する鹿野断層などが分布する.これらの断層は逆断層がクリープしているとされ,GPSによる測地データ(Lee et al., 2003)だけでなく,水準測量(Matsuta et al., 2009)やクリープメータ(Angelier et al.,1986 etc)でそのクリープ運動の確認がなされ,20-30mm/yr程度の早さで短縮しているとされている.一方,台東縦谷断層は1951年にマグニチュード7前後の地震を立て続けに起こした.北部のセグメントは複数のトレンチ調査の結果,活動間隔が約170-210年程度と報告されている.南部のセグメントでは活動間隔が100年程度と推定され,2003年の成功地震が1951年の地震の次のイベントだと考えれば50年程度の可能性もあるとされる(Chen et al., 2007 ).玉里断層はクリープしている区間の北端に位置する.この断層は,1951年の地震では縦ずれ1.5m以上の地震断層として出現しているため,地表変形はクリープ運動と地震性変位の両方による.我々はこの断層を横断する30kmの測線で水準測量を2008年より毎年8月に実施し,玉里断層を挟む200mの区間で年間1.7cm,約1.5kmの区間で約3cmの隆起が2年間認められた.この運動が継続しているならば,過去30年間の累積変位量は1m近くなることが予想され,空中写真測量を用いた平面的な変位量の分布を得ることを試みた. 台湾における空中写真は最近ではほぼ毎年更新されている.我々は台湾大學所有の1978 年撮影の約2 万分の1 の縮尺の空中写真と2007 年撮影のほぼ同じ縮尺の空中写真を利用して航空写真測量を試みた.座標変換に用いるグランドコントロールポイント(GCP) は2007 年撮影の航空写真に関しては2009 年12 月に実測し,1978 年撮影の航空写真に関しては当時の三角点の測量記録を用いて補正した.それぞれの写真の座標を求めた後,ほぼ同じ位置の地形断面を測量し,地形断面を比較した. 我々は写真測量の誤差は絶対値では大きいが,地形断面上の相対誤差はより小さいと考え比較した. 我々は1978年の空中写真の同定に利用するGCPを得る必要があるが変位を受ける前の位置を実測することは出来ない.そこで,両年代に実測された三角点の座標差を利用して,1978年当時のGCPを推定した. まず,求めたいGCP点を三角点の近傍に見つけ,三角点とそのGCP点との相対位置は十分に小さく両者は同じ変位をしたと考え,2007年度の空中写真上で位置を計測した. 我々は空中写真判読から地形面を7段に分類し古い面からT1―T7とした.特に断層上盤側にはT3からT7までの5面が分布する.これらの地形の年代は不明であるが,堆積物の風化程度や赤色化の度合いなどから, T4面以下の離水年代は1万年前程度と推定される.対象地域南部の地域では断層運動に伴うと思われるバルジ状の地形が確認できるほか,分岐断層や逆向きの高角断層などがあり,複雑な断層トレースが認められる. その結果T4面はT7面に対して,変位が累積していること.逆向き断層についてはT4面で明瞭であるが,T7面では顕著でないことなどがわかった. 調査範囲北部の断面である,Line1-3は,30年間に断面図を比較すると上盤側が隆起していることが確認できた.一方南部の測線では,人工改変を除けばほぼ地形断面が重なり,北部と比較して,顕著な上下変位を認められない. これは写真測量の精度の問題か,変位量の分布に狭い範囲で地域差があるか今後検討が必要であり,新たに水準の測線を昨年設けた. 水準測量の測線はT7段丘上にある.この段丘面は台東縦谷断層と平行にブロードな背斜・向斜状の地形が認められる.この段丘を刻む東側から流れ出る支流は背斜軸を横断して先行谷化して本流と合流している.このことはこの背斜・向斜状の地形が変位地形である可能性が高い事を示す.この背斜・向斜構造は水準測量でも観測されており,普遍的な変形と考えられる.ただし,水準測量の結果は測線が構造と斜行しているため,断層形状の側方変化等を見ている可能性もあり,その検証のための新たな水準測線も昨年設けた.
著者
石黒 聡士 鈴木 康弘 杉村 俊郎 佐野 滋樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.76, 2007

<BR>1.はじめに<br> スマトラ沖地震に代表されるような大規模災害の直後には、迅速な状況把握が必要である。しかし、特に災害前の状況と災害直後の状況を把握できるデータは、通常限定される。その中で、高解像度衛星による画像は、広範囲にわたって均質で定量的な解析が可能である。特に、高解像度衛星によって撮影されるステレオペアの3次元計測によって、高精度に標高を計測できることが報告されている。このため、高解像度衛星画像は、地震性地殻変動量の計測など、変動地形解析において有効であることが期待される。<br> そこで本研究では、2004年スマトラ沖地震の直後に撮影されたIKONOSとQuickBirdによる単画像を複合して用い、地震性隆起量を計測する。また、異種の高解像度衛星画像を複合させる手法の有効性について論じる。<br><BR>2.IKONOSとQuickBirdを複合させた地震性地殻変動計測 <br> 2004年スマトラ沖地震の直後に撮影されたIKONOS(解像度1m)とQuickBird(同0.6m)による単画像を組み合わせて、地震時のAndaman諸島北西部における地震性地殻変動計測を行った。この地域では地震時に隆起が起きたことが報告されている。しかし、地震後の短期間に再び沈降する余効変動が観測されているため、地震直後における最大隆起量を計測することは、これまで困難であった。<br> 我々はまず、地震後15日目に撮影されたIKONOS画像と、9日目に撮影されたQuickBirdの画像を用いてステレオ計測し、隆起によって干上がった裾礁のDSMを作成した。このDSMの精度は、標準偏差で0.7m程度であった。<br> 次に、このDSMに、地震前に撮影されたQuickBird画像に写っている汀線をGIS上で重ねあわせ、旧汀線の地震直後の高度を計測した。この結果、Andaman諸島北西岸では、スマトラ地震後の10日前後では2.15m(±0.7m)隆起していたことを明らかにすることができた。<br><BR>3.異種の高解像度衛星画像を複合させる手法の有効性<br> 災害の発生直後において入手可能な衛星画像は、1.災害前に撮影された単画像、2.災害発生後に複数の衛星が集中的に繰り返し撮影した画像である。災害発生直後には需要が高まるため、各社の衛星による撮影頻度が急激に増加する。右図に、Andaman諸島において、スマトラ沖地震前後で新規に撮影されたQuickBird画像のアーカイブ総数の増加を示した。ただし、2の画像でも、ステレオ撮影は特別なリクエストがない限り撮影されない。実際に、図に示した例でも、この期間中にQuickBirdによるステレオ撮影は一度もなされなかった。<br> このような背景の中、災害直後の緊急調査においては、入手可能なデータを最大限に活用し、有意な情報を引き出すことが求められる。2の画像を使用するメリットは、各社の異なる種類の衛星が様々な角度から撮影しているため、これらを複合することでステレオペアを作成でき、従って地形モデルを作成できることである。さらに、短期間に繰り返し撮影されているために、比較的高頻度で時間的変化を把握できる。一方、1の画像は頻繁に撮影されていないため、ステレオペアの作成は多くの場合で不可能である。しかし、地殻変動前の汀線の位置など、地殻変動量の計測の際に基準となる地理的事象を把握することができる。<br> 上述の2の画像を用いて合成したステレオペアから作成した地震後の地形モデルに、1の画像から読み取った汀線などの地理的事象を重ねあわせて比較することで、地震性隆起量の計測が可能である。さらに、2の画像が頻繁に撮影されることを利用すれば、2の画像からも地理的事象を読み取ることで、地震後の余効変動による沈降量を、複数の時点で計測できる。<br> 以上のように、異種の衛星画像を複合させることが、地震性地殻変動の計測に有効であることを示した。しかし、本手法では1の画像を用いて地震前の地形モデルを作成できないため、沈降域において地震性沈降量を計測することができない。また、局所的に高い精度でDSMの作成が可能である一方で、絶対的な位置の精度は衛星の定位モデルに依存する。このため、たとえば他のソースから作成されたDSMの差し引きは、単純には行うことができないことなどが、本手法の限界として挙げられる。<br>
著者
澤 祥 坂上 寛之 隈元 崇 渡辺 満久 鈴木 康弘 田力 正好 谷口 薫 廣内 大助 松多 信尚 安藤 俊人 佐藤 善輝 石黒 聡士 内田 主税
出版者
Japanese Society for Active Fault Studies
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26, pp.121-136, 2006

We conducted a tectonic geomorphological survey along the northern part of the Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line (ISTL) with support from the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology of Japan as one of the intensive survey on ISTL fault system. This survey aims to clarify the detailed distribution of the slip rates of this fault system, which provides the essential data set to predict the coseismic behavior and to estimate the strong ground motion simulation. In order to achieve this purpose, the active fault traces are newly mapped along the northern part of the ISTL through interpretations of aerial photographs archived in the 1940s and 1960s at scales of 1: 10,000 and 1: 20,000, respectively. This aerial photo analysis was also supplemented and reinforced by field observations.<BR>One of the remarkable results by using this data set is a large number of, here 84, photogrammetrically measured landform transections to quantify the tectonic deformations. We could calculate vertical slip rates of the faults at 74 points, based on the estimated ages of terraces (H: 120 kyrs, M: 50-100 kyrs, Ll: 10-20 kyrs, L2: 4-7 kyrs, L3: 1-2 kyrs). The vertical slip rates distributed in the northern part of the study area show 0.2-5.5 mm/yr on the L terraces (less than 20 kyrs) and 0.05-0.9 mm/yr on the M and H terraces (more than 50 kyrs). The vertical slip rates of the faults located in the central and southern part of the study area are 0.2-3.1 mm/yr.