著者
吉川 次郎 高久 雅生 芳鐘 冬樹
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.2020_033, (Released:2020-07-10)
参考文献数
50
被引用文献数
3

Wikipedia 上での学術文献の参照記述の追加という事象を明らかにするための前提となる方法論として,参照記述の初出時点を特定するための手法を提案し,評価実験を行った.提案手法は,まず,参照記述の参照先を判定し,ページ情報,文献タイトル,識別子を取得する.次に,対象のページの全編集履歴およびページ本文に対して識別子または文献タイトルを用いた手法を適用し,複数の初出時点候補を取得する.最後に,候補から編集日時が最古のものを選択する.英語版のDOI リンクの初出時点データセットを基に評価実験を行った結果,精度は全体で93.3%,22 分野中20 分野で90%以上であり,研究分野を問わず概ね高い精度で参照記述の初出時点を特定できる手法であることが明らかになった.
著者
芳鐘 冬樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

技術融合型特許に関して,引用・分類共起関係のネットワーク構造という視点から調査した。自動車関連企業に関しては,次のことが分かった。付属パーツに関わるメーカは,以下の特徴を持つ。(1) 技術要素数の割に融合関係数が多い。(2) 特定の技術要素が多様な技術要素と融合関係を持つ一方,他の多くは融合関係をあまり持たない。(3) 特定の技術要素が,技術融合型の研究開発の核としても,補助的な関連技術としても採用される一方,他の多くは核,あるいは補助的技術のどちらかにしか採用されない傾向が強い。(4) 各技術要素が広い融合関係を持つ傾向は弱い。(5) 同じ技術要素を組合せる研究開発が繰り返される傾向は弱い。
著者
三浦 逸雄 呉 凱 顧 銘 芳鐘 冬樹
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.349-367, 2003-03-10

This survey aims to discover how international students get information and use library services for their study and daily life. The questionnaire survey was conducted in Dec. 2001 and 478 completed questionnaires (23.5%) were returned. The questionnaire falls into three categories: (1) Questions about satisfying their information needs; (2) Questions about using libraries in the University; (3) Questions about personal data. The main findings of the survey were as follows: (1) Most valuable information resources for students are collections of libraries in the University and Internet; (2) Main information resource about students'homeland is Internet; (3) As well as WebOPAC, circulation and copy services of the libraries are used frequently, but reference service, ILL, online databases, and user instructions are used infrequently; (4) Services for international students (book corner for the international students and scholars, satellite television system, and foreign newspaper corner), provided by the General Library, are used scarcely; (5) Most of the respondants want strongly the libraries to strength the collection of English books and journals for their learning and research.
著者
土屋 俊 竹内 比呂也 佐藤 義則 逸村 裕 栗山 正光 池田 大輔 芳鐘 冬樹 小山 憲司 濱田 幸夫 三根 慎二 松村 多美子 尾城 孝一 加藤 信哉 酒井 由紀子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、今後の学術情報流通環境における大学図書館の役割を追求し、大学の教育研究の革新という観点から検討を行うとともに、それを実現するための要件を明らかにし、「2020年の大学図書館像」を描き出すことを目的とした。そのために大学図書館における情報サービス(NACSIS-ILL)と情報資源管理(NACSIS-CAT)の定量的、定性的分析を行い、時系列的変化を明らかにするとともにその要因について考察した。これらを踏まえ、さらにシンポジウムなどを通じて実務家からのフィードバックを得て、「2020年の大学図書館像」について考察した。
著者
芳鐘 冬樹
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.18-32, 2000-03-30

計量書誌学が扱う現象において, 偏った分布がしばしば観察される。例えば, 著者の発表論文数の分布では, 少数の著者が非常に多くの論文を発表している一方で, ほとんどの著者はごく少数の論文しか発表してない。つまり, 少数の著者に論文が「集中」している。そのような分布の「集中度」を測る指標が数多く提案されているにも拘わらず, 集中度の概念そのものは必ずしも明らかになっていない。そこで, 本論文では, 「絶対的集中」と「相対的集中」という2つの観点から, 集中度の概念の定義を試みた。そして, その定義に基づいて集中度の指標を分析し, 指標の特徴を明らかにした。