著者
和崎 春日 上田 冨士子 坂井 信三 田中 重好 松田 素二 阿久津 昌三 三島 禎子 鈴木 裕之 若林 チヒロ 佐々木 重洋 田渕 六郎 松本 尚之 望月 克哉
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

「グローバル化時代における中下層アフリカ人の地球的移動と協力ネットワーク」現代社会において、グローバライゼーションを生きるのは、北側社会や特別なアフリカ人富裕層だけではなく、「普通の」アフリカ人たちが、親族ネットワーク等を駆使して、地球を広く縦横に生き抜いている姿が、本共同研究から析出された。その事実を基礎にした外交上の政策立案が必用になってくることを、本共同研究は明らかにした。
著者
新村 洋未 若林 チヒロ 國澤 尚子 萱場 一則 三浦 宜彦 尾島 俊之 柳川 洋
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.170-176, 2008

<b>目的</b> 喫煙対策は健康維持増進を図る上で重要な項目での一つである。この研究の目的は健康日本21発表後10年間で目標達成を目指し地方計画を策定している全国の市町村の喫煙対策の目標設定状況と事業の実施状況を明らかにし,今後の市町村の喫煙対策事業実施の基礎資料を提供することである。<br/><b>方法</b> 2003年の全国調査において地方計画策定済みまたは策定予定と回答した1,446市町村のうち,2005年 6 月20日までに合併終了または合併予定の市町村を除いた953箇所に対し,郵送による質問紙調査を実施した。<br/><b>結果</b> 回答が得られた793市町村(回答率83.2%)のうち,地方計画を策定済みの638市町村を分析対象とした。<br/> 実施事業の内容では,市町村施設の分煙化がもっとも実施率が高く(74.8%),ついで禁煙支援プログラム(35.0%),市町村施設の全面禁煙(32.4%)であった。路上喫煙禁止またはタバコのポイ捨て禁止条例の制定(7.5%),禁煙・分煙を行っている飲食店名の公表,市町村施設の禁煙タイムは 5%以下であった。<br/> また未成年者の喫煙対策は,学校における教育が70%の市町村で実施されているものの,たばこ販売時の年齢確認,自動販売機の削減・撤廃は 5%以下,たばこ広告の制限は実施されている市町村はなかった。<br/> 人口規模の小さい市町村ほど目標設定や禁煙支援プログラムなどの事業や学校内全面禁煙の実施が低かった。<br/><b>結論</b> 「健康日本21」発表以後,市町村における喫煙対策事業は,庁舎内全面禁煙の増加や禁煙支援プログラム等,取り組みが進んでいるが,まだ事業拡大の余地はある。また未成年の喫煙対策は十分でないことが明らかとなった。これらの多くの喫煙対策事業は,人口規模の小さい市町村ほど実施率が低いことから,重点的に支援する体制の必要が示唆された。
著者
山崎 喜比古 井上 洋士 伊藤 美樹子 石川 ひろの 戸ヶ里 泰典 坂野 純子 津野 陽子 中山 和弘 若林 チヒロ 清水 由香 渡辺 敏恵 清水 準一 的場 智子
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

健康生成論と人生究極の健康要因=Sense of Coherence(SOC、首尾一貫感覚)並びにエンパワメントアプローチを取り入れた、支援科学でもある新しい健康社会学の理論と方法を、「健康職場」づくりの研究、病と生きる人々の成長と人生再構築に関する研究、SOCの向上や高いことと密接な正の関連性を有する生活・人生経験の探索的研究、当事者参加型リサーチを用いた調査研究の展開・蓄積を通して、創出し描出した。
著者
和崎 春日 松田 素二 鈴木 裕之 佐々木 重洋 田渕 六郎 松本 尚之 上田 冨士子 三島 禎子 若林 チヒロ 田中 重好 嶋田 義仁
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

科研共同研究の最終年度にあたり、報告書に向けての総括的なまとめ討論をおこなった。とくに、日本における第1位人口をしめるナイジェリア人と第2位人口のガーナ人の生活動態については、この分野の熟成した研究を共同討論のなかから育てることができた。日本への来住ガーナ人のアフリカ-日本-アフリカという、今まであまり報告されていない新しい移民動態の理論化(若林ちひろ)や、日本に来住したナイジェリア人の大企業従業員になろうとするのではない、起業活動に向かう個人的・野心的なアントルプルヌーシップについての新規な理論化(川田薫)と、まったく情報のなかった、その日本における協力扶助と文化維持のアソシエーション活動の詳細な記述報告(松本尚之)、さらには、アフリカ-日本-アメリカという地球規模のネットワーク形成がナイジェリア人によってなされている動態を、アフリカ移民論のまったく新しい指摘として提示しえた。また、アフリカ人の芸能活動についても、ギニア、マリ、セネガルといった西アフリカ・グリオ音楽文化の「本場」とされる地域からの日本への来住アフリカ人の活動調査と、そのアフリカの母村での活動状況の調査の両方を行い、それをめぐる、やはり新規性に富む、日本ーアフリカ間の何層からもなる往来活動を抽出し、指摘・一般化することができた(鈴木裕之、菅野淑)。こうしたポジティブな活動側面のほかに、ネガティブなHIVをはじめとする病気の実情とそれにむけるホスト社会側からの協力の可能性についても重要な研究糸口を提案している(若林ちひろ)。1年後に『来住アフリカ人の相互扶助と日本人との共生に関する都市人類学的研究』と題して報告書を出版し、この共同研究の成果と今後の継続的発展について、アフリカ学会における集中発表でも熱い期待と高い評価を得た(2008年5月於・龍谷大学)。