著者
尾川 達也 藤本 修平 大門 恭平 石垣 智也 森本 信三 森岡 周
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.129-137, 2020-12-20 (Released:2020-12-29)
参考文献数
22

目的:リハビリテーション医療の共有意思決定(Shared Decision Making;以下,SDM)を測定する患者報告式尺度を開発し,理学療法領域での信頼性と妥当性を検討すること.方法:リハビリテーション医療に必要なSDMの要素に基づき,Shared Decision Making for Rehabilitation(以下,SDM-Reha)仮尺度を作成し,入院や外来,地域で理学療法を受けている患者を対象に調査した.結果:218名(年齢70.1±13.3歳)のデータから探索的因子分析を行い,1因子10項目からなるSDM-Rehaを開発した.内部一貫性はCronbachのα係数が0.94,再テスト信頼性はICC(1,1)が0.93と高く,併存的妥当性も良好であった.結論:SDM-Rehaはリハビリテーション医療のSDMを評価する指標として,信頼性と妥当性を有する尺度である.
著者
藤本 修平 小向 佳奈子 杉田 翔 小林 資英
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.669-674, 2018 (Released:2018-08-21)
参考文献数
26
被引用文献数
3

〔目的〕リハビリ分野のRCT論文において,研究結果を印象付けるために本来目的とした結果以外を強調するSPINについて検証することとした.〔対象と方法〕対象文献の検索は MEDLINEなどを用いた.本文中に主要アウトカムが明記されておらず,かつ主要アウトカムの結果が統計的に有意差を認めるものは除外した.SPINは,抄録と本文の内容を比較し,主要アウトカムが有意でないものの介入の利益を強調するように記載しているか評価した.〔結果〕SPINであった抄録は32/42件(76.2%)で,本文の結果では20/42件(47.6%)であった.〔結語〕リハビリ分野のRCT論文の内容は,抄録の内容や本文の結果,考察からのみから判断することの危険性が示唆された.
著者
杉田 翔 藤本 修平 小向 佳奈子
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
pp.JJCCPT22001, (Released:2022-11-18)
参考文献数
41

【目的】安価な簡易的徒手筋力計(ハンドヘルドダイナモメーター)の有用性として,膝伸展筋力測定の精度および信頼性を担保するための測定条件を調査した.【方法】測定者は,理学療法士5名とし,健常成人の膝伸展筋力を測定した.信頼性の指標として,検者内および検者間の級内相関係数を求めた.また,信頼度指数を算出し,信頼性の担保される測定条件を求めた.【結果】検者内の級内相関係数は男性で0.88,0.92,0.94,女性は0.71と0.82であり,5名中4名が0.8以上の完全一致を示した.検者間では,測定者5名では0.36,男性では0.89,女性では0.32であり,男性でのみ良好な値を示した.信頼性が担保される測定条件は,男性測定者1名で1回以上であった.【結論】安価な簡易的徒手筋力計における膝伸展筋力の検者内信頼性は,男性測定者で良好であり,女性測定者では低い信頼性となった.信頼性には,測定者の握力や徒手固定力が影響している可能性があり,測定前に測定者自身の徒手固定力を把握する必要がある.
著者
尾川 達也 藤本 修平 小向 佳奈子 杉田 翔
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.53-59, 2018-06-20 (Released:2018-06-26)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

目的:リハビリテーション領域におけるShared Decision Making(SDM)に必要な要素について,療法士の行動に焦点を当てて調査した.方法:理学療法士,作業療法士の計5名を対象にフォーカスグループインタビューを行った.分析はテーマ分析を用いてSDMに必要な療法士の行動について抽出した.結果:SDMに必要な行動として16個が抽出された.行動の特徴から情報提供(障害の説明,患者役割の説明,リハビリ目的の説明,選択肢の提示,患者意見の考慮,納得のいく説明)と,情報収集(知識の確認,好みの確認,期待の確認,生活方法の確認,希望の確認,理解の確認,質問の確認,提案に対する意見の確認,相違の確認,合意の確認)の2つに分類できた.結論:リハビリテーション領域における意思決定状況を踏まえた要素が抽出され,SDMを実践する際に必要な療法士の行動を示すことができた.
著者
藤本 修平 今 法子
出版者
日本公衆衛生理学療法研究会
雑誌
日本公衆衛生理学療法雑誌 (ISSN:21895899)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-13, 2016 (Released:2018-03-16)
参考文献数
20

根拠に基づく医療の実践(Evidence based practice)は、手に入る最良のエビデンス(1本の論文ではなく、エビデンスの総体)に加え、患者の価値観、資源、専門家の経験も考慮し行うものである。最良のエビデンスを系統的に探索し、患者の価値観、益と害のバランスなどから推奨度を決定する診療ガイドラインは、まさにこのエビデンス総体に該当するはずのものである。一方、このエビデンス情報(と専門家の経験)、その情報に対する患者の理解や期待、患者の価値観/希望などをシステム的に共有し、治療の意思決定に反映するShared decision makingは、一方向的な説明に対し同意を得るというInformed consentと対比され、近年世界中で注目されている。しかしながら、理学療法士において診療ガイドラインやShared decision makingの基本的な知識を学ぶ機会は多くなく、臨床現場には反映されていない現状がある。今回は、診療ガイドラインとShared decision makingについて説明し、その可能性について考察する。
著者
藤本 修平 小林 資英 小向 佳奈子 杉田 翔
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11548, (Released:2019-02-12)
参考文献数
28

【目的】リハビリがかかわる医療機関Web サイトにおける医療広告ガイドラインの遵守実態を検証することとした。【方法】リハビリがかかわる医療機関のWeb サイトを抽出するため,国土数値情報(国土交通省)から東京都23 区内の医療機関を抽出し,医療機関名と住所を組み合わせWeb サイトの検索を行った(database: Google)。Web サイトの質を評価するために,医療広告ガイドラインを参考に6 項目評価した。【結果】診療科目で本来使用すべき「リハビリテーション科」という標榜以外の記載をしているWeb サイトは993 件中461 件(46.4%)であった。医療機関の名称の語尾に“センター”と標榜するもののうち,名称として認められていないものは47 件中38 件(80.9%)であった。【結論】本来医療機関の名称として認められていない標榜を採用している医療機関が多く,情報提供者は,医療機関に関する情報をより正確に説明する必要がある。
著者
藤本 修平 大高 洋平 高杉 潤 小向 佳奈子 中山 健夫
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11351, (Released:2017-11-10)
参考文献数
27

【目的】理学療法士(以下,PT)の診療ガイドラインの利用,重要度の認識とエビデンスに基づいた実践(以下,EBP)への態度,知識,行動との関連性を明らかにすることとした。【方法】対象は千葉県のPT1,000 名としEBP や診療ガイドラインの利用,重要性の認識の項目を含む無記名自記式質問紙を用いた郵送調査を行った。統計解析は診療ガイドラインの利用,重要性の認識に関連するEBP の関連項目を明らかにするために多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】診療ガイドラインの利用,診療ガイドラインの重要性の認識と関連が強いものは「EBP に関する必要な知識や技術を学びたいと思いますか」(OR = 10.32, 95%CI: 1.82–197.16) であった。【結論】千葉県のPT において診療ガイドラインの利用は十分ではなく診療ガイドラインの利用や重要性の認識に関連する要因は,EBP の必要性の認識とEBP を行ううえで必要な行動であった。
著者
小向 佳奈子 藤本 修平 近藤 国嗣 大高 洋平
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.819-824, 2016-09-10

要旨 【目的】リハビリテーション分野において,経験に基づく臨床思考はよく用いられる.しかし,臨床思考が経験によってどのように変化するかについての検討はない.本研究では,装具を選定する際の理学療法士の臨床思考を明らかにし,経験年数による相違について検討した.【対象と方法】質的調査と量的調査を混合して行うミクストメソッドを用いた.まず,構造化面接により,装具選定の際にどのような視点や評価指標を参考にしているかについて,理学療法士22名を対象に調査した.その結果より,主要な視点と用いる評価についての質問紙を作成した.次に,作成した質問紙を用いて量的調査を理学療法士40名に実施した.解析は,視点ごとに選択している評価の割合を集計し,経験年数による相違を検討した.また,視点と評価の関連を視覚的に検討するため,コレスポンデンス分析を実施した.【結果】質的調査から,視点として装具の必要性,角度設定など6項目が,評価として可動域,筋緊張など14項目が抽出された.量的調査の結果,装具の必要性における予後の評価や,角度設定における麻痺側の支持性の評価について,経験年数によって相違があった.コレスポンデンス分析の結果,経験年数4年目以上のほうが3年目以下よりも,評価と視点が集約する項目が明確であった.【結語】理学療法士は多様な視点や評価から装具を選定しており,それらは経験年数によって相違があることが示唆された.
著者
藤本 修平 小林 資英 小向 佳奈子 杉田 翔
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.196-200, 2019 (Released:2019-06-20)
参考文献数
28

【目的】リハビリがかかわる医療機関Web サイトにおける医療広告ガイドラインの遵守実態を検証することとした。【方法】リハビリがかかわる医療機関のWeb サイトを抽出するため,国土数値情報(国土交通省)から東京都23 区内の医療機関を抽出し,医療機関名と住所を組み合わせWeb サイトの検索を行った(database: Google)。Web サイトの質を評価するために,医療広告ガイドラインを参考に6 項目評価した。【結果】診療科目で本来使用すべき「リハビリテーション科」という標榜以外の記載をしているWeb サイトは993 件中461 件(46.4%)であった。医療機関の名称の語尾に“センター”と標榜するもののうち,名称として認められていないものは47 件中38 件(80.9%)であった。【結論】本来医療機関の名称として認められていない標榜を採用している医療機関が多く,情報提供者は,医療機関に関する情報をより正確に説明する必要がある。
著者
堀 翔太 藤本 修平 杉田 翔 小林 資英 小向 佳奈子
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.100-109, 2018-09-20 (Released:2018-09-26)
参考文献数
24
被引用文献数
1

目的:患者のヘルスリテラシーに関して,臨床場面で医療者が行う介入方法とその効果を明らかにすることである.方法:電子データベースから,患者のヘルスリテラシーに関するランダム化比較試験の論文を抽出し,PRISMA声明に従い,質的なシステマティックレビューによりその内容を評価した.結果:介入方法別にその効果をみると,「資料の配布のみ」では「ヘルスリテラシー」が,「資料の配布と医療者による説明」では「健康行動に対するアドヒアランス」が向上したとする論文が多く抽出された.また,「医療者から患者への一方向の介入」と「患者と医療者の双方に向けた介入」では,「ヘルスリテラシー」が向上したとする論文が多く抽出された.結論:資料の配布に加え医療者による説明を行うことで,個別性に配慮した情報提供を行える可能性や,医療者が患者の理解の程度を適宜確認することで,疾患の理解度や自己管理能力が向上する可能性が示された.
著者
杉田 翔 藤本 修平 小向 佳奈子
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.21-30, 2023 (Released:2023-03-31)
参考文献数
41

【目的】安価な簡易的徒手筋力計(ハンドヘルドダイナモメーター)の有用性として,膝伸展筋力測定の精度および信頼性を担保するための測定条件を調査した.【方法】測定者は,理学療法士5名とし,健常成人の膝伸展筋力を測定した.信頼性の指標として,検者内および検者間の級内相関係数を求めた.また,信頼度指数を算出し,信頼性の担保される測定条件を求めた.【結果】検者内の級内相関係数は男性で0.88,0.92,0.94,女性は0.71と0.82であり,5名中4名が0.8以上の完全一致を示した.検者間では,測定者5名では0.36,男性では0.89,女性では0.32であり,男性でのみ良好な値を示した.信頼性が担保される測定条件は,男性測定者1名で1回以上であった.【結論】安価な簡易的徒手筋力計における膝伸展筋力の検者内信頼性は,男性測定者で良好であり,女性測定者では低い信頼性となった.信頼性には,測定者の握力や徒手固定力が影響している可能性があり,測定前に測定者自身の徒手固定力を把握する必要がある.
著者
小向 佳奈子 藤本 修平 杉田 翔 光武 誠吾 輪違 弘樹 小林 資英
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.683-693, 2017 (Released:2017-10-23)
参考文献数
74
被引用文献数
2

〔目的〕リハビリテーション分野で用いられている社会参加の定義とその評価指標について,システマティックレビューを用いて評価することとした.〔対象と方法〕リハビリテーションと社会参加に関する語句から対象論文の検索を行った(Database:MEDLINE).抽出した論文について,社会参加の定義や評価指標を抽出し,テキスト分析によってその概念をまとめた.〔結果〕社会参加の定義として「仕事,家庭での活動,余暇活動ができる」,「家庭,社会における役割を持てる」などが挙げられた.定義によって用いられている評価指標に相違がみられた.〔結語〕社会参加の定義は様々であり,その定義に合わせた評価指標を選択する必要性が示唆された.
著者
藤本 修平 尾川 達也 藤本 静香 中山 健夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.83-88, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
36
被引用文献数
3

〔目的〕共有意思決定における患者参加の促進・阻害因子に対する理学療法士・作業療法士の認識を明らかにすることとした.〔対象と方法〕理学療法士・作業療法士5名を対象とし,フォーカスグループインタビューにて患者参加に関する認識を調査し,内容分析を用いて患者参加の促進因子,阻害因子に分類した.〔結果〕促進・阻害因子の両方,促進因子,阻害因子について,それぞれ「意思決定に参加する患者の好み」,「療法士の知識」,「エビデンスの有無」に関するコードが多く抽出された.〔結語〕患者参加の促進・阻害因子として,療法士の知識やエビデンスの確立の必要性を認識していることが示された.
著者
藤本 修平 小向 佳奈子 光武 誠吾 杉田 翔 小林 資英
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.456-462, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
37

【目的】リハビリテーション(以下,リハビリ)分野の自費診療を行っている病院・施設において,Web サイト上の質の評価を行うこととした。【方法】リハビリ分野において自費診療を行っている病院,施設を抽出するために,自費診療とリハビリに関する検索語を選定し,Web サイトの検索を行った(Database:Google)。対象のWeb サイトに対し,e ヘルス倫理コード2.0,医療広告ガイドライン,医療機関ホームページガイドラインを参考にWeb サイトの質の評価を行った。【結果】Web サイト内の治療の効果やリスクに関する情報について,引用を示して記載したものは45 件中1 件(2.2%)であり,その他の医療広告ガイドラインの項目についても遵守割合が低いものが認められた。【結論】リハビリ分野において自費診療を行っている病院・施設のWeb サイトは誇大に広告されている可能性があり,情報提供者は治療の利害情報の正確な提供が必要である。
著者
藤本 修平 小向 佳奈子 光武 誠吾 杉田 翔 小林 資英
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11332, (Released:2017-09-02)
参考文献数
37

【目的】リハビリテーション(以下,リハビリ)分野の自費診療を行っている病院・施設において,Web サイト上の質の評価を行うこととした。【方法】リハビリ分野において自費診療を行っている病院,施設を抽出するために,自費診療とリハビリに関する検索語を選定し,Web サイトの検索を行った(Database:Google)。対象のWeb サイトに対し,e ヘルス倫理コード2.0,医療広告ガイドライン,医療機関ホームページガイドラインを参考にWeb サイトの質の評価を行った。【結果】Web サイト内の治療の効果やリスクに関する情報について,引用を示して記載したものは45 件中1 件(2.2%)であり,その他の医療広告ガイドラインの項目についても遵守割合が低いものが認められた。【結論】リハビリ分野において自費診療を行っている病院・施設のWeb サイトは誇大に広告されている可能性があり,情報提供者は治療の利害情報の正確な提供が必要である。
著者
渡邉 大貴 藤本 修平 緒方 正幸 熊谷 一郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会 : Mechanical Engineering Congress, Japan
巻号頁・発行日
vol.2015, pp."S0510104-1"-"S0510104-5", 2015-09-13

Laboratory experiments on the flow visualization of the airless sprayer were conducted using shear thinning fluids (xanthan gum solutions) in order to improve the efficiency and the quality in the painting process for the ship hull. The behavior of liquid film instability and the droplet formation were strongly affected by the fluid rheology (concentration of xanthan gum solutions) and the spray pressure. In the atomization of 2.0 wt% xanthan gum solution, which is similar to the real paint in rheological property, the behavior of the spinnability was observed. We quantitatively examined the spatio-temporal variation of the liquid film collapsing, and extracted the dominant frequency components of the droplet formation by DFT analysis.
著者
藤本 修平 林原 仁志 村上 睦尚 菅澤 忍
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
流体工学部門講演会講演論文集 (ISSN:13480251)
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.495-496, 2012-11-16

We develop quantitative evaluation method of airless spray by using entropy of gray scale image. Stroboscopic method is employed to visualize the spray. An undesirable "tail" region of the spray is detected as low image entropy area. As against the conventional visual judgment, the proposed method enables a quantitative evaluation of spray.
著者
松村 将司 藤本 修平 栗原 靖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.197-204, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
33

〔目的〕小学生バドミントン選手の傷害実態を調査し,疫学的な特徴として学年や性別に応じた疼痛の有無,傷害部位の特性を検証すること.〔対象と方法〕無記名による自己記入式質問紙に回答した男子143名,女子187名に対して,学年や性別に応じた疼痛の有無,傷害部位の関連性を検討した.〔結果〕今現在,疼痛を有しているのは男子24名,女子34名であり,過去に疼痛を経験したのは男子59名,女子79名であった.学年と疼痛の関連について,過去の疼痛経験は高学年が有意に多かった.学年と疼痛部位の関連については,過去の疼痛経験は「足首」が高学年で有意に多かった.〔結語〕小学生バドミントン選手は,足関節に傷害が多く,高学年では傷害を経験する割合が多いことがわかった.
著者
杉田 翔 藤本 修平 今 法子 小向 佳奈子 小林 資英
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>脳卒中者を介護する家族(家族介護者)の介護負担感に関連する主な要因は,主に介護の協力・相談相手の乏しさ,将来への不安といった身体的・精神的要因である(杉田ら,理学療法科学,2016)。しかし,理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の介護負担感に対する認識や介入の意思決定がそのような先行研究の証拠を元にしているか不明である。そこで本研究では,脳卒中者の家族介護者について介護負担感の要因に対するPT・OTの認識と,その要因に対する対応策について調査することとした。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>対象は,回復期リハビリテーション病棟に所属するPT・OT 16名(PT・OT各8名,平均経験年数5.8年,範囲2-11年)とし,事前に作成したインタビューガイドに沿って半構造化面接を行った。面接の内容は,1)家族介護者の介護負担感が強くなると感じた脳卒中患者の特徴,2)退院後に家族介護者が介護負担を感じる状況,3)介護負担感を軽減させるために行っている対応策の3点とし,目的とする内容把握の聴取に努めた。なお,面接は個室で個別に行い,聴取した内容は,ICレコーダー(ICD-PX440;SONY製)にて録音した。</p><p></p><p>得られたデータについて,帰納的テーマ分析を行った。まず,録音した音声から逐語録を作成した。逐語録から介護負担感の要因と,介護負担感への対応策に関する語句を抽出し,コードを割り当てた。次に,類似したコードをまとめ一次カテゴリを作成した。さらに一次カテゴリのうち類似したものをまとめ,二次カテゴリを作成した。分析は,2名の医療者が独立して行い,妥当性の担保に努めた。2名の意見が一致しなかった場合は,第三者を含む医療者4名のディスカッションを踏まえ,カテゴリを決定した。なお,分析はインタビュー実施毎に行い,カテゴリが理論的飽和に達するまで行った。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>データを分析した結果,PT・OTが挙げた介護負担感の要因は,「身体的な介助量」「入院中と在宅生活での能力の差」「介護者に合わせた家族指導」などの身体的要因と「介護者への必要以上の依存」が抽出された。身体的要因の対応策として,「福祉用具の提案」,「在宅を想定したリハビリテーション」,「レスパイトケアの情報提供」が挙げられたが,「介護者への必要以上の依存」への対応策は抽出されなかった。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>PT・OTは,介護負担感に関して身体的な介助量に着目し,介助方法や福祉サービスの情報提供を行っていた。先行研究では介護負担感と日常生活能力の関連については一定の見解がなく,家族介護者に相談相手がいないこと,不安といった精神状態と強く関連していることが示されている(杉田ら,理学療法科学,2016)。つまり,PT・OTと脳卒中者の家族介護者には,介護負担感に関する認識と対応策に乖離がある可能性が示唆された。ただし,本研究デザインは質的研究を用いており量的な側面の把握に限界があるため,今後の課題としたい。</p>
著者
熊谷 一郎 村井 祐一 藤本 修平
出版者
明星大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成30年度は,平成29年度に行った実験準備を基に以下の項目を実施した.①翼型気泡発生装置の深喫水船舶への拡張に関する実験研究代表者の熊谷(明星大学)は,10m/sの流速が得られる海上技術安全研究所の小型高速チャネルを用い,実船の巡航速度における翼型気泡発生装置の空気導入性能および気泡生成過程を調べるための実験を行った.その結果,流速9m/sにおいて,翼の負圧による空気導入流量が約50l/minに達することが確認できた.一方で,流速が5m/sを超える場合には,翼周りにair cavityが形成され,空気導入性能が低下することも確認された.しかしながらこの問題については,翼形状の最適化によって克服できることを明らかにした.さらに本実験では,新規開発した穴あき水中翼の空気導入性能に関する実験も行い,サブミクロンオーダーの微細気泡を大量発生させることに成功した.また研究分担者の村井(北海道大学)は,昨年度に引き続き,気液二相流の数値シミュレーションを行い,水面下を運動する翼による気液界面変形に関する計算を行った.次年度,実験成果との比較検討を行う予定となっている.②微小気泡による船舶抵抗低減法に関する船体壁面の傾斜や凹凸の依存性について研究分担者の藤本(海上技術安全研究所)は,ドック入り直後の船舶の表面を型取りし,その凹凸データを取得することに成功した.得られた壁面凹凸の特徴についての解析も行った.また,その結果を基に,気泡による船舶抵抗低減効果の船体壁面の凹凸の影響を調べるための実験準備を行った.具体的には,平成31年度(2019年度)の秋に,明星大学および海上技術安全研究所の水槽を用い,実船から得られた凹凸データから作成した模擬壁面を気泡流中に設置し,その抵抗低減効果について調べるための実験装置設計を行った.