著者
荒谷 航平
出版者
Japan Society for Science Education
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.117-122, 2022-12-18 (Released:2022-12-15)
参考文献数
10

本研究の目的は,若手の中学校理科教師/科学教育研究者である筆者が,筆者自身の理科教師としての演技的振る舞いである〈ふり〉について物語ることである.本稿では,筆者の理科教師としての〈ふり〉の中から,「勿体ぶる」,「子どもぶる」,そして「アドリブる」の3つを取り上げて物語り,その後に,それらの〈ふり〉について,「教師-子ども」の権力関係や隠れたカリキュラムの観点から考察する.
著者
水野谷 航
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.3-9, 2016 (Released:2016-02-29)
参考文献数
38

骨格筋を構成する筋線維には遅筋タイプと速筋タイプが存在し, タイプ組成により筋組織全体の代謝能力や運動能力が決まる。我々は, まず筋線維タイプの指標分子であるミオシン重鎖 (MyHC) アイソフォームを明瞭に分離する電気泳動プロトコルを開発し, 食品栄養学的な処理, 具体的には脂肪代謝が促進される生理条件が筋線維タイプを変化させるか調べた。その結果48時間絶食させたラット骨格筋では, MyHC組成は変化せず, 4週間寒冷環境下 (4℃) で飼育したラット骨格筋では, 遅筋主体の筋組織で遅筋タイプのMyHCが増加することを明らかにした。また, 魚油を配合した飼料を4週間ラットに給餌した結果, 大豆油摂取群に比べ, MyHC組成が有意に遅筋タイプ側へ変化することを明らかにした。筋線維タイプは, これまで運動によってのみ変化すると考えられていたが, 我々の研究から, 食品栄養学的処理でも筋線維タイプを制御できることが分かった。
著者
ダニエラチェ セバスティアン 吉川 知里 梶野 瑞王 伊藤 聡士 掛谷 航 吉田 尚弘 五十嵐 康人
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.62, 2017 (Released:2017-11-09)
被引用文献数
1

We present a numerical study carried out with a regional Eulerian-Lagrangian hybrid model to account for the transport, deposition and radioactive decay of 35S in Sulphur Dioxide and sulfate aerosols emitted into the atmosphere at the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant incident.
著者
有谷 航 中山 寛介
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.708-716, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
16

Magnetic resonance cholangiopancreatography(MRCP)は低侵襲に胆汁や膵液を直接画像化できる方法であり,Heavily T2強調3Dマルチスライス法では自由呼吸下で呼吸同期撮像を行うことで高画質な膵胆管の全体像が得られる.1回のデータ収集時間(echo train duration: ETD)を被検者の呼吸状態に合わせることで撮像時間が調整できるが,高速スピンエコー法におけるETDの変化は,画像コントラストや空間分解能に影響を与える.本研究では,ETDが画質に及ぼす影響について,ファントムを用いて評価した.いずれの条件でも模擬膵臓と模擬膵管は高い画像コントラストを示した.また,ETD延長に伴い空間分解能が劣化したが,視覚評価では有意差が認められなかった.より臨床的な条件では一部で視覚的に有意な差が認められ,phase partial Fourier(PPF)による影響が考えられた.PPFを使用せずに被検者の呼吸状態に応じてETDを変化させることで,画質を損なうことなく被写体の動きを抑えた最適な撮像時間での画像取得が可能になると考えられた.
著者
鳥越 大平 髙橋 政友 中尾 素直 相馬 悠希 池田 和輝 中谷 航太 馬場 健史 和泉 自泰
出版者
一般社団法人 日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.245-247, 2022-12-01 (Released:2022-12-15)
参考文献数
4

Epimetabolite is defined as analogues of known metabolites with different substructures. The rapid development of high-resolution mass spectrometry (HRMS) and some data mining tools has contributed to detecting and identifying a few epimetabolites that could play an important role as biological functions. However, almost all epimetabolites have not been identified because a generally applicable method for the comprehensive annotation of epimetabolites had not been developed. In the present study, we have proposed an advanced methodology for comprehensive structural elucidation of unidentified hydrophilic metabolites by a combination of stable isotope labeling, unified-HILIC/AEX/HRMS/MS analysis, data mining techniques, and metabolite annotation using in silico epimetabolite database (IEMDB). In fact, we successfully annotated 444 novel epimetabolite candidates in E. coli. Our method has several advantages over conventional techniques and represents a potentially useful tool for structural elucidation of comprehensive epimetabolites.
著者
倉見谷 航洋 須田 雄太 長田 昂大 石田 直輝 佐藤 恒司 関口 雄平 小坂 英男
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.707, 2017 (Released:2018-04-19)

(修1年)量子情報処理の実現へ向けた基礎的取り組みとして、我々はダイヤモンド中の窒素-空孔(NV)中心の電子スピンおよび近傍の核スピンを用いて、光子の偏光状態の保存、読み出しが可能な量子メモリーの開発を行っている。このスキームにおいては電子、核子のスピン状態の磁気共鳴によるコヒーレントなダイナミクスが制御の根幹を担っており、ゆえに制御に最適化された振動磁場パルスを生成することが非常に重要である。本研究では、GRAPE(Gradient Ascent Pulse Engineering)アルゴリズムを用いて制御に対する最適な変調波形を計算し、制御精度の向上を図った。
著者
堀口 嵩浩 橘川 雄亮 古谷 航一 福井 範行
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.8, pp.637-639, 2022-08-01

高速FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダにレーダ信号帯域外の連続波(CW: Continuous wave)電磁ノイズを印加した場合,ノイズ周波数に対応した距離値と相対速度値に誤検出が生じる.本論文では,高速FMCWレーダのCW電磁ノイズによる誤検出の相対速度値の定式化を行い,実測値との比較によりその妥当性を示す.
著者
辰巳 隆一 水野谷 航 ANDERSON JUDY E. ALLEN Ronald E.
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

骨格筋の肥大・再生は、筋幹細胞(衛星細胞)の活性化に大きく依存している。これまでに代表者は、「運動や筋損傷などの物理刺激を引き金として、細胞外マトリックスから遊離する肝細胞増殖因子(HGF)依存的に衛星細胞が活性化する分子機構」をほぼ解明した。これを更に発展させるため本研究では、活性化の抑制機構を調べた。その結果、過剰なNOラジカルの産生によって遊離HGFがニトロ化されることを見出した。筋の肥大や治癒を妨げている「活性化抑制機構(HGFの不活化)」を更に追究することにより、筋肥大・再生を促進する食肉生産システムの開発に資する他、筋再生医科学・加齢筋医科学・スポーツ科学などに貢献が期待された。
著者
池谷 航介 原田 新
出版者
岡山大学教師教育開発センター
雑誌
岡山大学教師教育開発センター紀要 (ISSN:21861323)
巻号頁・発行日
no.9, pp.251-257, 2019-03-20

本研究は,現状の支援体制が「大1コンフュージョン」等の解消や緩和にどの程度寄与できているのかについて検討することを目的とした。2018年12月に実施した調査では,大学生活が1年半以上経過した2年目の学生を対象に,「大1コンフュージョン」項目群と,既存の相談先,意欲低下領域尺度,単位取得状況を聞き,その相関について分析と考察を行った。この結果,単位取得に影響が少ない範囲で対処できている学生は,戸惑いや困難が生じた場合,友人や家族等を中心に相談し,援助要請をすることによって深刻な状況を回避していると推察された。また,「大1コンフュージョン」が継続している学生は,友人や家族を中心とした援助を得ながらどうにか必要な単位取得は進められている場合であっても,大学や学業に対する意欲が低下する状況になっていると考えられた。
著者
辰巳 隆一 古瀬 充宏 水野谷 航 RONALD E Allen JUDY E Anderson
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

骨格筋の肥大・再生の際、運動神経ネットワーク(神経末端の筋細胞への接着および神経軸索の空間配置)の再構築が重要な基盤となる。これまでに、筋幹細胞が神経軸索成長ガイダンス因子 Sema3A を合成・分泌することを見出し、「筋細胞側から運動神経網を能動的に制御する」という斬新なアイデアを提起した。本研究では、細胞増殖因子による時系列的なSema3A発現制御機構の分子基盤を解明した。成果は筋肥大・再生を促進する食肉生産技術の開発に資する他、医療・スポーツ分野などにも貢献が期待される