著者
森下 孟 谷塚 光典 東原 義訓
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.105-114, 2018-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
8

教員養成学部生のICT 活用指導力の組織的な向上を図るため,教育実習でICT 活用授業を必ず1回以上行うことによって,教育実習生のICT 活用指導力にどのような効果をもたらすかを考察した.ほぼすべての教育実習生は,児童生徒の興味・関心を高めるために拡大提示装置やコンピュータを用いて教材などを拡大提示し,教育実習でICT を活用した授業を行っていた.また,児童生徒同士による発表や話合い,音声・動画などの資料準備でICT を活用していた.これらの場面に対応したICT 活用指導力が教育実習を通じて向上しており,教育実習でICT 活用授業を必ず1回以上行うことは教員養成学部生のICT 活用指導力の向上に効果があることを明らかにした.
著者
佐藤 和紀 小田 晴菜 三井 一希 久川 慶貴 森下 孟 谷塚 光典
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45061, (Released:2021-11-02)
参考文献数
6

小学校高学年児童がクラウドサービスの相互参照を用いて,他者の文章を参照して意見文を作成する実践を行った.意見文の評価と意識調査の結果,他者の意見文を参照したグループ児童の意見文の評価は有意に高く,他者の意見文を参照していないグループの児童よりも読み手にどう伝わるか気をつけて書く,自分の考え以外の視点でも書く,主語と述語のつながりを注意して書く,形式的なミスを少なくする,ことを意識していた.
著者
手塚 和佳奈 佐藤 和紀 堀田 龍也 谷塚 光典
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46046, (Released:2022-10-27)
参考文献数
13

本研究は,写真を読み取る力の育成を目指した小学校第6学年児童向けの教材に繰り返し取り組む学習指導の効果を検証した.この学習では,①児童が写真の読み取りを行った結果を文章でまとめ,②その内容を児童同士が話し合い,③最後に教師が1名の児童の読み取りの結果を学級に共有した.写真を読み取る力の育成を目指した小学校第6学年児童向けの教材に繰り返し取り組む学習指導を全14回実施した結果,10回目から写真を読み取る力が向上した.
著者
佐藤 和紀 小田 晴菜 三井 一希 久川 慶貴 森下 孟 谷塚 光典
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.Suppl., pp.117-120, 2021-12-20 (Released:2022-02-02)
参考文献数
6

小学校高学年児童がクラウドサービスの相互参照を用いて,他者の文章を参照して意見文を作成する実践を行った.意見文の評価と意識調査の結果,他者の意見文を参照したグループ児童の意見文の評価は有意に高く,他者の意見文を参照していないグループの児童よりも読み手にどう伝わるか気をつけて書く,自分の考え以外の視点でも書く,主語と述語のつながりを注意して書く,形式的なミスを少なくする,ことを意識していた.
著者
森下 孟 谷塚 光典 東原 義訓
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.145-148, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

教育学部生の情報モラルを指導する力を育成するため,全国の保護者や教員,児童生徒にネット利用の啓発活動を行っている専任講師をゲストに招き,情報モラル教育実施のための実践的な指導法を考える授業を実践した.ゲスト講師による講演は,ネット上の様々なトラブルとその対策を議論することを通じて,学校教員を目指す受講生自らの情報モラルを振り返るきっかけとなり,受講生自身の意識の向上につながった.多くの受講生は,将来子ども達に情報モラルを指導するにあたってゲスト講師の講演が役立つだろうと評価した.そして,情報モラルに関する指導力を向上させ,情報モラルを指導することへの自信を持たせることにつながった.
著者
谷塚 光典 東原 義訓
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.153-156, 2009
被引用文献数
10

本研究では,教員養成初期段階の学生が臨床経験科目における経験についてINTASCスタンダードに基づいて作成したティーチング・ポートフォリオの記述内容を,観点「コミュニケーション」に着目して,テキストマイニングソフトを用いて分析することを通して,教員養成初期段階の学生のリフレクションの特質を明らかにした.また,所属校園による臨床経験の内容の違いから,リフレクションの傾向も異なることが明らかになった.
著者
手塚 和佳奈 佐藤 和紀 大久保 紀一朗 久保田 善彦 堀田 龍也 谷塚 光典
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.3, pp.9-16, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)

本研究は,メディアや情報に対して大学生がもつステレオタイプやバイアスに関する実態調査を実施した.質問紙は,【メディアへの接触頻度】,【画像情報のステレオタイプ的解釈】,【メディアを介した情報の流通が人々の行動に与える影響】,【バイアスとメディアの関係が人々の行動に与える影響】に関する質問で構成した.大学生51名からの回答を分析した結果,①背景情報を手がかりに画像情報をステレオタイプ的に解釈する人は1割程度,②メディアを介した情報の流通が人々の行動に与える影響に言及できる人は3割程度,③バイアスとメディアの関係が人々の行動に与える影響に言及できる人は1割程度であった.
著者
谷塚 光典 東原 義訓 喜多 敏博 戸田 真志 鈴木 克明
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.235-248, 2015-12-25 (Released:2015-12-28)
参考文献数
26
被引用文献数
2

自己評価機能と学生間の相互コメント機能を有する教職eポートフォリオ・システムを開発した.そして,開発した教職eポートフォリオ活用の効果を明らかにするために,教育実習を終えた大学生を対象にアンケート調査を行った.その結果,教育実習生は,教職eポートフォリオを活用して自己評価することを通して,教育実習を客観的に振り返ることができることを感じたり,自己課題を明確にしたりしていた.また,教育実習生間の相互コメントを通して,教育実習を改めて振り返り,教育実習生間で相互コメントすることの意義を実感していることがわかった.そして,教職eポートフォリオの効果について尋ねたところ,自分の受けた教育の振り返り,目指すべき教師像の明確化,自らの資質・力量の現状理解等には効果がある一方で,これからの教職課程の見通しを持つことには寄与していないことが明らかになった.
著者
那須 良寛 土井 進 谷塚 光典
出版者
信州大学
雑誌
教育実践研究 : 信州大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13458868)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.105-114, 2003-09-30
被引用文献数
1

College of Education in Shinshu University introduced field placement activities, "Shin-dai YOU-Yu Saturday," as a part of preservice teacher education curricula. As prospective teachers, college of education students expanded their experience through the activities. Their reflective description on their practice was analyzed in order to clarify diverse aspects of expansion of their experience. The "Shin-dai YOU-Yu Saturday" facilitated students' growth of skills for lesson planning, communication, and material development. It provided prospective teachers with an opportunity to foster their practical teaching skills.
著者
池田 京子 大谷 真 香山 瑞恵 東原 義訓 山下 泰樹 谷塚 光典
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

通常,正しい発声法は,熟達したプロのヴォイストレーナーによる個別訓練によってのみ習得できるとされており,このことが教育現場において,歌唱指導の壁となっていた。そこでこれまで研究代表者らが開発してきた「声の見える化技法」を応用したソフトウェアを開発し,改良を重ねた。また、それを用いた指導法を構築し、附属学校園での「歌唱指導」の授業実践を重ねてきた。これにより,児童・生徒たち自身が自分の声を評価し,友だち同士の相互評価ができ,プロのヴォイストレーナーがいなくても,自分たちが目的を設定することで,主体的な学びに発展させるシステムの端緒を構築した。
著者
梅澤 実 土井 進 浦野 弘 濁川 明男 中山 玄三 姫野 完治 谷塚 光典
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

教育実習における実践的能力を評価する評価基準を明らかにすることをねらいとし、教育実習での実習生の学びから、評価基準を探った。その結果以下のことが明らかになった。(1)授業設計段階での意思決定:初期は、興味・関心」が意思決定に大きく関わるが,授業の回数を重ねるに従い,その観点は次第に薄れ,理解度の項へと関心が高まる。(2)授業実践過程における意思決定:「子僕の反応」による意思決定要因は,「予想外の応答」と「子供の行動」に分けられる。「意思決定の実際」では、授業展開における「リスキー」か否かの判断は,授業が予定通り成立するかどうかである。しかし,実習が進むにつれ,子供達が「理解」するために,どのような意思決定をすればよいかという意識が芽生える。(3)授業を見る観点の変容:初期段階は、「子ども主体」の実現を探ろうとする意識で、大学における講義等で得た知識を授業者の具体的教授行為に同定する。授業を1〜2回経験した段階で、「説明」「発問」という教授行動を児童の側から捉える。授業を3〜4回経験した段階から、「特定児童」に目が向けられる。最後の段階では、「教材」についての見方、「子どもの学習にとって、どんな意味があったか」といった、「子どもの学習」と「教材」との関係を視野に入れた批判的視点が獲得される。