著者
水井 潔 長谷川 孝明 徳田 清仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.233, pp.7-10, 2002-07-18
被引用文献数
2

本稿では,e-お守りシステムの実現に関して述べている.これまでに筆者らが提案した,歩行者等が能動的に発する電波を車両が受け,歩行者・自転車・二輪車認識を行うe-お守りシステムの実現のため,まずシステム概要を述べ,システムへの要求事項を整理し,実現例を検討している.
著者
麻生 敏正 長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.6, pp.419-433, 2009-06-01
被引用文献数
13

本論文では,高度デマンド信号制御II方式(Advanced Demand Signals II scheme;ADS-II方式)を提案した上,新しい歩行者モデルと複数の評価指標を導入したADS-II方式評価用シミュレータを構築し,ADS-II方式の基本性能の評価を行っている.まず,ADS方式から制御パラダイムを転換し,現示の維持を希望するものと変化を希望するものの2種に分類したデマンドに基づき制御するADS-II方式を提案している.このADS-II方式は車両と歩行者に対して統一的なデマンド評価式を用いて適応的な現示を出力する.次に歩行者モデルの構築とその基本検証を行い,本モデルの妥当性を示している.更に歩行者と車両の効率を評価するために,複数の評価指標の追加と再定義を行い,これらを導入した評価用シミュレータを用いてADS方式や系統制御方式との歩行者を含めた性能比較を行い,ADS-II方式は閑散時ほど,また車線数が少ないほど効果が大きく,両側3車線道路で平均車頭間隔が主方向200s,従方向400s,平均歩行者発生間隔4000sの場合,一人当りの平均アイドリング時間が系統制御方式に比べ約70%削減されるなどADS-II方式の有用性を示している.
著者
長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.86, pp.41-47, 2003-05-20
被引用文献数
92

本稿では,進化し続け,殊更でなく快適なモビリティ環境を提供するITSプラツトフォーム"EUPITS"を提案し,その要素技術とアプリケーションを含めて考察している.携帯電話,PHS,無線LAN等をサブプラツトフォーム構成要素とする情報通信サブプラツトフォームにおいては要求QOSに応じてメディアを選択し利用する方式が重要であることを述べている.また,GPSやマーカをサブプラツトフォーム構成要素とするポジショニングサブプラツトフォームではM系列マルチモーダルマーカによるポジショニングシステム"M-CubITS"を提案している.さらに,M-CublTSを前提としたEUPITS上のITSアプリケーションの例を挙げ,このひとつとしてWYSIWYAS歩行者ナビを提案している.最後にいくつかの考察を行っている.
著者
彌勒地 進 麻生 敏正 長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.459, pp.113-118, 2010-03-02
被引用文献数
4

本稿では,ラウンドアバウトを含めた信号制御方式の性能評価のためのシミュレータの構築を行った上,ラウンドアバウトと信号化交差点の性能比較を行っている.まず,モデル化したラウンドアバウトの道路形状と車両挙動を,高度デマンド信号II制御方式(Advanced Demand Signal II scheme; ADS-II方式)の評価用シミュレータへ導入している.次に,静的な交通状況においてラウンドアバウトと,最適な連携係数やデマンド関数のべき乗部を用いたADS-II方式,最適なサイクルやスプリットやオフセットを用いた系統制御方式の3者の性能比較を行っている.評価結果より,ラウンドアバウトは閑散時に有効,系統制御方式は混雑時に有効,ADS-II方式は閑散時と混雑時共に有効であることが明らかになっている.閑散時においてADS-II方式と比較した場合,ラウンドアバウトの車両アイドリング時間の90パーセンタイル値は小さくなるが,平均旅行速度は低下する.
著者
山田 明日香 谷川 孝弘 巣山 拓郎 松野 孝敏 國武 利浩
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.407-412, 2008-07-15
参考文献数
15

トルコギキョウの冬春出し栽培における白熱灯を用いた効果的な長日処理方法について検討した.10品種を供試し2004年10月8日にガラス温室に定植し定植から開花まで4時間の暗期中断を行い,対照として無処理区(自然日長10-12時間)を設けた.10品種の暗期中断区における第1花の平均開花日は無処理と比較して22日から49日,平均で35日早くなった.'ネイルピーチネオ'を供試し5時間の暗期中断を定植から雌蕊形成期まで,雌蕊形成期から開花まで,発蕾から開花まで,花芽分化開始期から開花まで,定植から開花までの5つの発育ステージで行った.定植から発蕾までの期間は,無処理の66日に対し暗期中断を定植から開花まで行った区では50日,定植から雌蕊形成期まで行った区では53日と大幅に短くなった.雌蕊形成期以降に暗期中断を開始した区では無処理との差が認められなかった.発蕾から開花までの期間は,暗期中断を定植から雌蕊形成期まで行った区で47日と短くなったが,そのほかの区では無処理の54日と有意な差が認められなかった.暗期中断による開花促進により,第1花までの主茎の節数が減少した.5時間の長日処理を暗期中断,日の出前電照,日没後電照の3つの時間帯で行った結果,定植から発蕾までの期間は,無処理の65日と比較して,暗期中断と日の出前定照でいずれも52日と最も短くなったが,日没後電照では58日と開花促進効果が劣った.以上の結果から,トルコギキョウの冬春出し栽培における開花促進には,白熱灯を用いた暗期中断または日の出前電照を定植直後から雌蕊形成期まで行うと効果が高いことが明らかになった.
著者
松野 孝敏 國武 利浩 谷川 孝弘
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.483-487, 2009-10-15

ヒペリカム'エクセレントフレアー'の挿し穂および鉢上げ後の苗に低温処理を行い、定植後の成長と開花に及ぼす影響を調べた。15℃で加温した鉢上げ苗は、10月15日〜3月9日までの自然低温に遭遇した苗と比較して着花節位が高くなり開花が遅れた。挿し穂を2.5、5および10℃でそれぞれ1、2、5および7週間低温処理し、その影響を調べたところ、5℃以下で5週間低温処理することで発根数が多くなった。また、最低13℃、暗期中断4時間とした温室で栽培し、開花に及ぼす影響を調べたところ、5℃で5ないし7週間の低温処理で開花までの日数が短くなった。挿し木苗を2.5、5、10および15℃で1、3、5および7週間低温処理してその影響を調べたところ、2.5℃で7週間、5℃で5もしくは7週間の低温処理で開花までの日数が短くなった。また、5℃で5週間の低温処理により開花節位が低くなった。これらの結果から、ヒペリカム'エクセレントフレアー'の挿し穂を低温処理することで発根が促進され、挿し穂または鉢上げ苗を低温処理することによって開花が早まることが明らかになった。
著者
長谷川 孝治 浦 光博 前田 和寛
出版者
信州大学人文学部
雑誌
人文科学論集人間情報学科編
巻号頁・発行日
vol.43, pp.53-63, 2009-03-15 (Released:2015-09-18)

本研究では,低自尊心者における下方螺旋過程に対する友人関係の進展段階の調整効果が検討された。長谷川(2008)は,低自尊心者の下方螺旋過程の存在について明らかにした。すなわち,低自尊心者は,友人が本当に自分のことを大切に思ってくれているかどうかを繰り返し確認するという安心さがし行動をとり,その結果,その友人から拒絶されているという認知が高まる(肯定的に評価されているという認知が低下する)ことが示された。本研究では,このような不適応な相互作用プロセスは,低自尊心者が二者関係の進展段階を考慮していないために生じると予測し,検討を行った。パス解析による検討の結果,低自尊心者は,つきあいの浅い友人に対して安心さがしを行うほど,友人からの反映的自己評価が低下することが示された。また,親しい友人に対して,低自尊心者が安心さがしを行っても,反映的自己評価の低下は見られなかった。高自尊心者は,友人の親しさに関わらず,安心さがしを行うことが反映的自己評価を下げることはなかった。これらの結果について,アイデンティティー交渉の観点から考察された。
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明 松岡 義大 古川 誠治 福田 朗
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.3, pp.268-282, 2012-03-01

本論文では,ポジショニングサブシステムのマイグレーションを考慮したプラットホーム指向の歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを提案している.提案システムでは,建物内や建物付近の屋外でシームレスに動作し,かつ,WYSIWYASナビゲーションの実現に必要な位置情報と方向情報を他の位置特定手法と協調することなく取得可能なポジショニングサブシステムとして,タイルカーペットを用いたM-CubITSと可視光通信を採用している.大型商業複合施設内で目的地の名称のみが分かっている状況での移動を想定した評価実験では,提案システムにおけるポジショニングサブシステムの位置特定成功率,処理時間,移動所要時間,ユーザビリティについて評価を行っている.その結果,提案システムを用いることで,固定の案内板や手持ちの地図などを用いるよりも短時間で確実に目的地に到達できることから,提案システムの歩行者ナビゲーションシステムとしての有効性を確認している.
著者
岡本 芳晴 南 三郎 松橋 晧 指輪 仁之 斎本 博之 重政 好弘 谷川 孝彦 田中 吉紀 戸倉 清一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.739-742, 1993-10-15
被引用文献数
17

イカ甲キチンより精製したポリN-アセチル-D-グルコサミン(キチン)の犬における組織反応を観察するために, 1群にはポリエステル製不織布(NWF)にキチンを含浸させたもの(キチン群)を, 他群にはNWFのみ(対照群)を, 1頭あたり背部皮下4ヶ所に移植した. 移植後2, 4, 8, 18日目に移植片を採材し, 肉眼的ならびに組織学的検索を実施した. キチン群において移植したNWFは漸次器質化され, 18日目には完全に器質化された. またこの時, NWFへの明瞭な血管新生を認めた. 一方, 対照群においては器質化は不完全であり, NWFへの血管新生も認められなかった. 組織学的にはキチン群において移植後2日目に対照群に比較してNWF周囲に単核球および多形核白血球の集簇が顕著であった. またキチン群において移植後4日目にNWF周囲に血管に富んだ結合組織が観察された. しかしながら対照群では, このような所見はこの時期においてはみられなかった. 以上の成績より, キチンはNWFへの単核球および多形核白血球の遊走を高め, 血管新生を伴うNWFの器質化を促進させることがわかった.
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.82, pp.47-51, 2006-05-22
被引用文献数
11

本稿では,M-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーション環境の実現に向けて,建物内におけるM-CubITSを用いたWYSIWYASな歩行者ナビゲーションシステムの提案と埼玉大学工学部内の建物における実験システムの構築ならびに動作確認を行っている.既存のM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを建物内に適用するために,本稿では,データベースの構築と建物内におけるナビゲーション方法の検討を行い,現在地特定用と経路探索用の2つからなるデータベースを構築し,現在地から目的地までの経路探索には最短経路問題の解法アルゴリズムとして一般的なDijkstra法を用いている.さらに,実験を通してシステムの動作確認を行っている.
著者
麻生 敏正 長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.104, pp.7-12, 2005-05-24
被引用文献数
9

本稿では, 著者らが開発した従来の高度デマンド信号制御方式(ADS方式)の交通流シミュレータの改良を行い, いくつかの交通状況でADS方式と系統制御方式の性能比較を行っている.まず, シミュレータの道路モデルの拡張と車両の動作モデルの変更を行っている.そして道路モデルの拡張による不具合が生じないようにするためにADS方式のデマンドの計算方法を変更している.次に, ADS方式と系統制御方式のパラメータの検討が行われ, この結果に基づき, 性能比較を行っている.さらに, 2つの系統制御区域を結ぶ信号機がADS方式で制御された場合と地点制御方式で制御された場合, またこの地域のすべての信号がADS方式で制御された場合の性能比較を行っている.今回検討した交通状況下で, ADS方式は系統系統制御方式や地点制御方式よりも平均アイドリング時間が小さくなることが示されている.さらに幹線道路の交通量に偏りがある場合の検討も行われている.
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明 福田 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.51, pp.1-6, 2007-05-17
被引用文献数
13

本稿では,タイルカーペットを用いることで屋内環境に適したM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムの実現に向けた見通しを得ている.従来のM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムで使われている視覚障害者誘導用ブロックの代わりに建物内に広く普及したタイルカーペットをM-CubITS素子として用いたM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを提案し,タイルカーペットをM-CubITS素子として機能させるための色と配置方法の検討および汎用モバイル機器への実装を行なっている.さらに,本システムを実装した汎用モバイル機器の勲作確認を行ない,一部の照明条件を除いて本システムが正常に動作することを確認している.
著者
熊澤 教眞 道野 徹子 高田 薫 森原 秀雄 近藤 典男 川崎 康広 谷川 孝彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.955-956, 1991-10-15

イシマキガイとアマガイの軟体部乳剤からリン酸イオンの存在下で3%NaCl加BTB寒天培地上における腸炎ビブリオの増殖を阻止する活性が検出された. この抗腸炎ビブリオ活性はサザエ, クロアワビ, テングニン, マダコ, ミズダコ, シマメイカでは低レベル, アマオブネ, マガキ, アカガイ, ミミイカ,ホタルイカでは検出限界以下であった. この活性は易熱性で酸とアルカリに耐性であった.