著者
森岡 清志 安河内 恵子 江上 渉 金子 勇 浅川 達人 久保田 滋
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.本研究の目的は,年賀状をデータベースとして事例調査を実施し,拡大パーソナルネットワーク(親しい人びとだけでなく知人とのネットワークを含むもの)を捉えること,また標本調査を実施し,親しい人びとのみに限定されたネットワークの内部構造を捉えることの二つである。平成11年度〜平成12年度にかけて事例調査と標本調査を実施し,その成果を報告書にまとめている。2.事例調査は,3地点でそれぞれ異なる研究課題のもとに実施された。三鷹市では,コミュニティ・センター運営委員を対象者として,地域社会への関与の様相と拡大パーソナルネットワークとの連関を捉えることに,福岡市では,中央区と西区の高齢者を対象者としてライフコースに伴う拡大パーソナルネットワークの変容過程を捉えることに課題がおかれ,かなりの達成をみた。徳島市では住民運動のリーダーを対象者として署名集めの資源としてのネットワークの動員過程を明らかにすることとし,多くの興味深い知見をえることができた。3.平成11年度に実施したプリテストの結果から,回答者の挙げる親しい人5名の相互関係を問う質問項目において,個別面接調査と郵送調査とで,回答の精度に差がみられないことが明らかとなった。そこで平成12年度は,東京都市区全域から8市区をランダムに抽出し,対象者総計2000名に対する郵送調査を実施した。8市区は,文京区・品川区・大田区・世田谷区・八王子市・青梅市・東村山市・多摩市であり,各市区の人口比にしたがって2000名を配分した。有効回収票は656票(回収率33.2%)であった。データクリーング後,集計解析を実施し,ネットワーク構造を規定する要因群の析出,地位達成とネットワーク構造との関連などをテーマとして報告書を作成した。報告書のI部はこの成果が,II部は事例調査の成果が載せられている。
著者
金子 勇
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.85-134, 2008-06-20
著者
金子 勇 森岡 清志 園部 雅久 片桐 資津子 坂野 達郎
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

3年間の研究で大きくは2つのテーマの研究をした。一つは先進22カ国のうちフランスだけが合計特殊出生率の一貫した反転に成功したから、その要因をパリでの参与観察法で探求してきた。日本での応用可能性に絞ると、制度化された「公認保育ママ」、フランス人全体への政府の手厚い家族支援のうち特に権利として勝ち取られてきた子育て関連休暇制度、そしてフランスのCNAF、これは日本で長らく私が提唱してきた「子育て基金」と規模が類似していたから、この導入の検討が日本的な文脈でも有効である。国内では北海道伊達市と鹿児島市での少子社会調査を実施した。市民のソーシャル・キャピタルが相対的に貧困であれば、地域社会における子育て支援の輪が広がらない。さらに、ソーシャル・キャピタル調査結果と自由意識の側面を表すいくつかのデータを組み合わせたら、「自由意識」よりも「伝統意識」と高い合計特殊出生率とが正相関した。まとめると、日本都市においては、ソーシャル・キャピタルに恵まれ、伝統意識が強い都市に合計特殊出生率が高く、それが乏しく自由意識が強い都市では少子化が進む傾向にあると主張できる。
著者
金子 勇大
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-68, 2019-03-25

首都大学東京, 2019-03-25, 修士(工学)
著者
金子 勇
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.204-206, 2003-09-30 (Released:2009-10-19)
著者
大島聡史 金子勇 片桐孝洋
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013-HPC-140, no.33, pp.1-8, 2013-07-24

本稿では最新のメニーコアプロセッサ Xeon Phi(以下,Phi) の疎行列ベクトル積演算性能について述べる.Phi は高い演算性能およびメモリ転送性能を備えたハードウェアであり,様々なアプリケーションへの適用について盛んに研究が行われている.また Phi はその性能を従来の CPU 同様のプログラミング手法によって活用できることが重要な特徴・利点としてあげられているものの,実際にはアーキテクチャの特性にあわせた最適化の余地が多く存在することが知られている.一方で Phi はアーキテクチャとしても製品としても新しいものであるため,性能を十分に引き出すための知識や技術のさらなる共有が必要である.本稿では疎行列ベクトル積を対象としてPhiの性能を測定し,他の並列計算ハードウェアと性能を比較して性能評価を行う.なお本稿では Phi として先行提供版の Preproduction Xeon Phi を用いている.
著者
畠山 正行 金子 勇
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.2060-2073, 1998-07-15

オブジェクトに基づくシミュレーションシステムは,大きな特長を持ちにもかかわらず,従来のモデリング方法との差異による違和感やプログラミング(実装)の難しさ等の実用技術上の難点のゆえにその普及ははかばかしくない.そこで本研究では,これらを克服すべくUNIXシステム上にオブジェクトシミュレーションシステムを構築する新規な方法論を提唱し,従来のシミュレーションシステムやUNIX環境との整合性が良くプログラム言語に依存しない,実用性の高いシステム構築方法の確立を目指す.そのために,UNIXファイルシステムのディレクトリをオブジェクト単位ととらえ,その構成要素であるファイルへのアクセスを同一ディレクトリ内からのプロセスに制限する.その目的実現のため,我々はオブジェクトの構成とUNIXシステムとの対応関係を見直してわずかなシステムを加えた.それを用いることでカプセル化および情報隠蔽化されたプロトタイプベース・オブジェクトの構成要件を満たし,オブジェクトとしての振舞いや相互作用条件も満たした汎用的なオブジェクトシステムとして再構成した.これに基づいてオブジェクトシミュレーションの実際例を構築・駆動させ,当初の目標をほぼ達成した.著者たち自身の使用経験によれば,従来のシステムと比較しても実装の簡潔性,分かりやすさ,使いやすさ,表現能力は良好である.結論として,すぐにでも実装・実行可能なほどに実用性の優れたオブジェクトシミュレーションシステムがUNIXシステムを再構成することで,実際に構築され,高い有効性や有用性が検証された.
著者
金子勇太 泉隆
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.597-598, 2013-03-06

近年、PCおよび携帯端末の普及率、インターネットの利用者数の増加に伴い時間や場所の条件にとらわれにくいe-Learningが利用されている。先行研究では、PCを利用したe-Learningシステムの開発を行ってきたが、本研究では、PCに加えて携帯端末を利用したe-Learningシステムの開発を行うことで「いつでも、どこでも、どんな端末でも」利用できるシステムを目指す。本稿では、出題問題の分類に着目した利用者評価の検討を行ったので報告する。
著者
畠山 正行 金子 勇
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第46回, no.ソフトウェア, pp.137-138, 1993-03-01

対象世界のモデル化単位として「オブジェクト」の概念を用いてモデル化する方法は「現状では」最も自然なモデリング法の一つであろう。しかし、そのモデル表現を「変換」し続けて、シミュレーションに持ち込むまでの多くの過程において、ずっとオブジェクト単位のまま変換モデリングを続けて行くこと(つまり一貫モデリング)は現在ではまだ殆ど確立されていないといってよいであろう。なぜならそのモデル表現をシミュレーションにまで持ち込む途上において、モデルの本質的変性が生じるからである。つまりデータと操作が完全に分離されたプログラミング言語表現に「置換」されてしまうからである。これはモデリング過程の最終段階としてのシミュレーションには極めて都合が悪い。モデル化単位のオブジェクトがそのモデル化単位のままでシミュレーションに持ち込める方式の方が、人間のモデリングに関する思考との一対一対応の観点からも、精密で一貫したモデリング論の観点からも、シミュレーションプログラムの構築や変更などの観点からなど全てに関して良い結果を生むことが十分合理的に予想出来る。その様なモデリング変換方法が確立されていない理由はデータとプログラムの永続的な共存格納管理の手法が確率されていなかったことにもあると考えられる。シミュレーションに関するこのような基本的要求を満たすソリューションとして、我々はオブジェクト指向データベース(OODBMS)をプラットフォームとして、擬似オブジェクトベースと称する実行支援環境を構成,実装し、これを用いた数値シミュレーションを実現した。今回はその擬似オブジェクトベース機構の実現及び駆動の方法、及びその応用例について述べる。
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22(2000-ARC-142), pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.
著者
金子勇太 久津間啓右 泉隆
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.571-572, 2012-03-06

我々は,PCを利用した基本情報技術者試験対策のe-Learningシステムの開発を行ってきた.本研究では,PCに加えて,携帯端末を利用したシステムの検討,開発を行うことでいつでも,どこでも,どんな端末でも利用できるシステムを目指している.本報告では,現状のシステムの問題点について検討した.
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22, pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.Metacomputing, which enables us to construct a virtual computer system with some computer resources or experimental devices via internet connection, was proposed. Japan Atomic Energy Research Institute, JAERI, also continued to carry out several numerical simulations on a virtual computer system even though it was restricted in the JAERI's LAN. At SC2000, we had an opportunity to construct a worldwide virtual supercomputer with help of several supercomputer centers at Germany, US, UK and Japan, and we succeeded to execute a "Quick responsible source estimation system" with 510 processor units on 5 sites. Furthermore we demonstrated a real-time visualization for the dispersion process of radioactive particles released into atmosphere. In this report, we summarized the result of worldwide metacomputing experiment.
著者
金子 勇
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.466-467, 1990

一九八九年になって、環境社会学や環境経済学という書物の公刊が相次いでいるが、本書はそれに先立つ二年前に環境の本格的な研究書として出版されたものである。早稲田大学グループが周到な準備と調査を踏まえてまとめあげた本書は、都市社会学的な環境パラダイムをもち、日本経済の「ひずみ」と「よどみ」と「歪み」に留意しつつ、人口集中が続く東京多摩市・多摩ニュータウン地域を分析し、その結果を人間の居住環境問題へと一般化する視点を構築している。<BR>本書の構成は次の通りである。
著者
金子 勇
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.63-83, 2003

1990年代から,高齢者の自立促進条件は,積極的に研究されてきた。その条件は,良好な家族との関係であり,安定した経済的な基盤であり,快適な居住環境である。加えて,親戚,近隣,友人,知人などの関係が豊かなことである。第三には,趣味や得意をもつことである。これらがQOLを高くする。人間関係をストリングスと呼び,QOLが高いことをストレングスと命名すれば,高齢者のストリングスが得意と趣味とに結びついて,ストレングスを押し上げることが分かっている。全国5565人の高齢者データ計量分析の結果,市部よりも町村部の高齢者に,得意がストリングスに結びつきやすかった。<BR>事例分析に選んだのは長崎県すこやか財団の「シニア記者制度」であり,得意を具体的に検討した。その結果,満足感と生活の積極性としての自立志向が構造的要因になっていたことが分かった。ここから,社会的凝集性を目標とした社会全体の持続可能性を展望したい。<BR>これには,オーストラリア政府が実施している「堅固な家族とコミュニティづくり」が参考になる。「堅固な家族」を戦略的に作り出すことは家族関係を強め,家族解体を減らすことになる。これに即した政策の遂行によって,長期的な視野の中で個人,家族,コミュニティの持続可能性が開けてくるはずであり,日本高齢社会でも応用される価値がある。
著者
金子勇著
出版者
アカデミア出版会
巻号頁・発行日
1984