著者
高木 繁 中村 善久 鈴木 元彦 伊藤 博隆 村上 信五 西村 穣 植田 恭弘
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.93, no.10, pp.879-885, 2000-10-01
参考文献数
17
被引用文献数
7 1

The clinical effect of cetirizine hydrochloride on Japanese cedar pollen allergy patients was analyzed by compairing treatment before the start of the pollen season and treatment after the pollen had been scattered.<br>1. Based on the symptom-medication score method, treatment before the pollen season shows a significantly lower value than that of treatment within one or two weeks after the pollen had been scattered.<br>2. Analysis also revealed that this medication relieved nasal symptoms, even in cases, occurring after the season had started.<br>3. Cetirizine hydrochloride was an effective initial treatment for the clinical effects of Japanese cedar pollen allergic reactions.<br>These results suggest that cetirizine hydrochloride is useful for the treatment of Japanese cedar pollinosis.
著者
鈴木 元気 森川 多津子 柏倉 桐子 唐 寧 鳥羽 陽 早川 和一
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.117-122, 2015-03-10 (Released:2015-09-03)
参考文献数
20

首都圏3地点(野毛、九段、つくば)において、野毛および九段では2006~2013年まで、つくばでは2010~2013年までの夏と冬の大気粉塵を捕集し、多環芳香族炭化水素 (PAH) 9種類およびニトロ多環芳香族炭化水素 (NPAH) 3種類をそれぞれHPLC-蛍光検出法、HPLC-化学発光検出法で測定し、その濃度の変遷を明らかにした。PAH濃度は野毛、九段で2006年から2008年の間の冬に低下傾向が認められた。NPAH濃度は、野毛では2006年から2011年の間の夏と冬、九段では2007年から2009年の間の夏および2006年から2011年の間の冬に低下傾向が認められた。つくばでは観測期間が2010年から2013年と短く、PAHとNPAHのいずれについても明確な変動傾向は認められなかった。また野毛および九段で[1-NP]/[Pyr]値の低下が確認され、PAH、NPAH濃度低下の要因の一つとして自動車排ガス規制による粉塵およびNOx排出量の減少が考えられた。
著者
鈴木 元子 スズキ モトコ Motoko SUZUKI
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.6, pp.11-19, 2006-03-31

ハーレムは黒人の街として世界的に知られているが、現在のハーレムが形成されてくるまでには幾つかの段階があった。アメリカ・インディアンの時代、オランダ農民たちの時代、富豪たちの高級住宅地、移民たちの時代、そして黒人スラム街の時代である。これらの変遷の中で、特に19世紀末から1920年までの一時期ユダヤ人地区であったというが本当であろうか。現在、黒人教会として使われている建物も、もともとはシナゴーグであったことを、何らかの残存する痕跡を探ることで、ユダヤの文化的遺産であることを確認する。Harlem is well known as an attractive town for African Americans, but there were many ups and downs that molded Harlem into what it is today. The Harlemites have been shifted from Native Americans, to Dutch Homesteaders, the rich living in prestigious mansions, various immigrants, and to today's black inhabitants. In this Harlem-history is it true that it was once the Jewish quarter from the end of 19th century to 1920's? The buildings being used as Black Christian churches recently were originally Jewish synagogues. Visiting Harlem to seek for vestiges, I could explore Harlem's Jewish Heritage.
著者
柴崎 一雄 大谷 史郎 平井 輝夫 鈴木 元吉
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.11, no.12, pp.521-530, 1964

食品を凍結あるいは凍結乾燥した場合の挙動を明らかにする目的で,本報ではまずモデル食品をつくり,凍結温度の検討を行なった。モデル食品は合成スポンジ(ソフラン)を担体として,ブドウ糖,食塩およびゼラチンの単独または,これらの2成分,3成分混合水溶液を含ませたものを用いて,溶液のままで外部から冷却(静的凍結)したものを対照としながら,自己凍結した場合の凍結温度に及ぼす以上の各成分の影響を検討した。
著者
鈴木 元子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-8, 2008

本稿では、『夏の夜の夢』や五月祭、および広場での笑いのシーンにバフチンのカーニヴァル的な笑いの理論を援用して、アメリカの代表的作家サナニエル・ホーソーンの"My Kinsman, Major Molineux"を新たに読み解くことを試みた。主人公ロビンの名前の起源には、春を告げる小鳥(ロビン)のほかに、『夏の夜の夢』のパックことロビン・グッドフェローや、ロビン・フッド伝説のロビンが考えられ、作品の文学世界はアメリカからイギリスへ、新大陸から旧大陸、そして中世へと広がる。この短編のクライマックスである広場に行列が通るシーンは、『夏の夜の夢』の劇中劇に触発された「ペイジェント」として、「演劇的な仕掛け」がこの作品にあることを論じた。
著者
赤瀬 信吾 田中 登 藤本 孝一 鈴木 元 小林 一彦 岸本 香織
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

冷泉家時雨亭文庫の蔵書のうち冷泉家時雨亭叢書(朝日新聞社刊)未収録のもの約500点を詳細に調査した。そのうち77点については『新古今和歌集 打曇表紙本 風雅和歌集 春夏』をはじめとする16巻に分けて刊行した(現在も刊行中)。また、特に注目される擬定家本私家集(定家書写本の様式をまねて作成された写本群)については、和歌文学会関西例会においてシンポジウムを催した。これは、鎌倉時代中期から後期にかけての歌書が、どのように作成されていったのかを克明に研究する方法とその意義とを明確にする画期的なシンポジウムとなった。
著者
鈴木 元
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

遺伝的揺らぎ研究:これまで、肺癌検体を用いたmRNAマイクロアレー解析、細胞レベルにおける各種実験結果より、POLD4遺伝子の重要性を多角的に解明してきた。POLD4発現低下は細胞レベルで、肺癌発生と密接な関連を有するタバコなどによるDNA損傷修復活性の低下をもたらす。外的損傷がない状態でもG1/S期およびS期における細胞周期チェックポイント活性化を誘発し、染色体断裂頻度の上昇を伴う。平成25年度はこのチェックポイント活性化につながる機序の解明を行った。すなわち、POLD4発現低下はDNA複製・修復能低下により2本鎖切断を誘発し、ATMの活性化を引き起こす。その結果p27遺伝子産物の分解抑制によりチェックポイントの活性化が導かれることが明らかとなった。細胞膜揺らぎ研究:ハイブリッドリポソーム処理により、種々のがん細胞においてアポトーシスが誘発される。我々は、その過程で本来細胞内に極めて微量にしか存在しないリン脂質が増加すること、また、そのリン脂質の下流代謝物のひとつである、スフィンゴ脂質組成が変化することを明らかにしてきた。さらに、これらスフィンゴ脂質組成変化の責任遺伝子を同定したところ、その責任遺伝子が癌で高発現していることが明らかとなった。この責任遺伝子の癌における機能を明らかにするため、ノックダウン、過剰発現を主体とした実験系を構築し、解析を行った結果、この遺伝子は癌細胞の転移に必要であることが明らかとなった。以上の結果はハイブリッドリポソームは、癌転移能亢進のため細胞が高発現している遺伝子産物の活性を利用して、抗癌剤としての作用を発揮するという機序を示している。
著者
濱井 健人 隅山 孝夫 鈴木 元 吉田 英弘
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告. A, 基礎教育センター論文集 (ISSN:03870804)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.21-29, 2003-03-31

2つのn次正方行列A,BがAB=E_nをみたせば必然的にBA=E_nとなることはよく知られた事実である。このことの証明は,行列式を用いて大学初年級程度の線形代数学の知識の範囲内でできる。しかしこの命題は本来行列式とは無関係であり,より一般的な代数学の定理から導くことができる。この論文においては,上の命題を系として含む一般的な代数学の定理を提示する。同時に,工学部系の数学教育では扱い難い環と圏の理論を,上述のことに関連させて教育内容とし得ることを示す。この論文は,愛知工業大学情報通信工学科平成12年度と平成13年度の卒業論文(参考文献[2],[6])を発展させたものである。