著者
中井 靖 青木 勝也 松本 吉弘 篠原 雅岳 影林 頼明 三馬 省二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.983-986, 2013-11-20

症例:44歳,男性。外尿道口より陰茎陰囊境界部までの尿道腹側をカミソリで鋭的に完全切開され,近医で尿道単純縫合を受けたが,尿道は完全哆開した。以後,無治療であったが,13年後,再婚を転機に尿道再建術を希望して当科を受診した。尿道粘膜は再建に使用可能と判断し,尿道下裂に準じてThiersch法により一期的尿道形成術を施行した。留置カテーテル抜去後,立位排尿が可能となった。外傷性前部尿道損傷の原因として,尿道カテーテルによる損傷や尿道異物による尿道皮膚瘻などの報告はあるが,われわれが調べた限りでは,自験例のように意図的に広範囲に縦切開された尿道に対して尿道形成術を施行した報告はなかった。
著者
青木 勝一
出版者
一般社団法人 グローバルビジネス学会
雑誌
グローバルビジネスジャーナル (ISSN:24340111)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.1-12, 2021 (Released:2021-11-16)
参考文献数
25

政府は医療政策の「予防・健康づくり」の中でも,生活習慣病予防を重視し,「特定健康診査」と「特定保健指導」の実施率向上を行ってきたが,その実施率は目標を達成するに至っていない.本研究は,市町村の国民健康保険の特定健診・特定保健指導を対象に,市町村の予防・健康づくり施策がその実施率に与える影響を定量分析し,政策的含意を考察するものである.本研究の分析結果は以下の通りである. ①地域包括ケアシステムの推進が特定健診等の実施率に影響を与えており,その要因は地域のつながりの強さである. ②特定健診等へのインセンティブ付与や情報提供の効果は不明確であり,先行研究の理論を裏付けるものではない. ③がん検診や後発医薬品使用の促進,重複・多剤投与者に対する取り組みを通じた健康や健診全般の重要性の理解が,間接的に特定健診等の実施率向上に寄与している.
著者
青木 勝敏 町田 晃彦 大村 彩子 綿貫 徹
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.273-278, 2008-08-20 (Released:2008-08-28)
参考文献数
19
被引用文献数
4 3

The highly compressed state of metal hydride has been investigated to explore structural and electronic transitions characteristic to hydride. The hydrogen atoms play the lead in the transitions, showing displacement in or transfer between the interstitial sites of a metal lattice. One example is the band gap closing observed for a long period lattice of yttrium tri-hydride, YH3, appearing at pressures above 12 GPa. Another example is photochromic event observed again for yttrium hydride, YHx. The former is likely accompanied by the in-site displacement of hydrogen atoms and the latter by the site-to-site transfer.
著者
青木 勝也 杉多 良文 吉野 薫 谷風 三郎 西島 栄治 津川 力
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1086-1089, 2000

Penaが発表したtotal urogenital mobilizationは総排泄腔長が3.0cm以下の総排泄腔遺残症に対して施行される根治術で, 合併症が少なく, ほぼ正常に近い外観が得られると報告された.今回我々は総排泄腔遺残症の1例に対してtotal urogenital mobilizationを行い満足のいく結果を得たのでその手技を報告する.症例は9カ月女児.posterior sagittal approachにて総排泄腔後面に到達したあと, 総排泄腔より直腸を分離し膣と尿道を一体として受動せしめ会陰部に開口させ, 最後に肛門形成を行った.術後1年が経過して膣狭窄, 排尿障害などの合併症はなく, 外観的に正常に近い状態が得られている.total urogenital mobilizationは総排泄腔遺残症の患児に対して手術時間の短縮, 尿道膣瘻, 膣狭窄などの合併症の軽減が期待でき, 外尿道口と膣口が近接することからより正常に近い外観が得られる優れた手術法であると考えられた.
著者
中野 淳一 青木 勝 岩科 智彩 古木 大裕 大堀 杏 井上 亮太郎 前野 隆司
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-22-00041, (Released:2023-09-26)
参考文献数
15

In this study, we developed a chatbot that gives advice for improving well-being and obtained basic knowledge about its well-being improving effect. In the design of the chatbot, we derived advice candidates from behaviors that are highly correlated with well-being based on a questionnaire survey. In the quantitative survey, the chatbot gave advice 172 verification subjects 13 times from the derived advice candidates. As a result, we confirmed that the group that executed a lot of contents of the advice improved the well-being level compared to the group that executed few ones.
著者
青木 勝也 杉多 良文 吉野 薫 谷風 三郎 西島 栄治 津川 力
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1086-1089, 2000-12-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
6

Penaが発表したtotal urogenital mobilizationは総排泄腔長が3.0cm以下の総排泄腔遺残症に対して施行される根治術で, 合併症が少なく, ほぼ正常に近い外観が得られると報告された.今回我々は総排泄腔遺残症の1例に対してtotal urogenital mobilizationを行い満足のいく結果を得たのでその手技を報告する.症例は9カ月女児.posterior sagittal approachにて総排泄腔後面に到達したあと, 総排泄腔より直腸を分離し膣と尿道を一体として受動せしめ会陰部に開口させ, 最後に肛門形成を行った.術後1年が経過して膣狭窄, 排尿障害などの合併症はなく, 外観的に正常に近い状態が得られている.total urogenital mobilizationは総排泄腔遺残症の患児に対して手術時間の短縮, 尿道膣瘻, 膣狭窄などの合併症の軽減が期待でき, 外尿道口と膣口が近接することからより正常に近い外観が得られる優れた手術法であると考えられた.
著者
青木 勝詔 鈴木 恵友 高梨 久美子 石井 一久 SATYANARAYANA B. S. 尾浦 憲治郎 古田 寛 古田 守 平尾 孝
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空 = JOURNAL OF THE VACUUM SOCIETY OF JAPAN (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.430-432, 2006-07-20
参考文献数
8

&nbsp;&nbsp;A novel method to make the sharp emitter tips having low threshold voltage of field emission was achieved using nanodiamond particles on conductive amorphous carbon films. A conductive tetrahedral amorphous (ta) carbon film and nano-sized diamond particles with the size of 50 to 200 nm were sequentially deposited by cathordic arc method using a glass substrate at room temperature. Tip structure with the height of 10 to 40 nm was formed by H<sub>2</sub> plasma etching of the diamond particles/ta-C double layer film. The threshold voltage of the field emission from the tip structures formed by the H<sub>2</sub> plasma etching was 3 V/&mu;m that was significantly lower than 10.4 V/&mu;m for the as-deposited diamond particles/ta-C double layer carbon film. This selective dry etching method using the nano-diamond particles could fabricate sharp and high density nano-sized diamond emitters on conductive ta-C films without any photo-masks of lithography processes.<br>
著者
青木 勝輝
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2015-04-24

ダークマター・ダークエネルギーはその存在は宇宙観測によって確かとなっているが、これらの正体は未だに明らかになっていない。本年度は昨年度に我々が提案した質量をもった重力子によって宇宙のダークマターを説明する手法を発展させ3件の論文をPhysical Review Dに発表した。1件目ではダークマター(質量をもった重力子)とダークエネルギーの結合を考え、その結果現在の宇宙のダークマターとバリオン比が初期条件によらず自然に説明されることを示したものである。一方、2件目では昨年度の手法をより一般化させ、大スケールの宇宙磁場によって生成される宇宙の僅かな非等方性(コヒーレントな重力子)によってダークマターを説明できることを示した。3件目ではこれらの手法を使うことで、重力波の有質量モードが自己重力によって安定に局在した新たな真空解を見つけることに成功した。これは一般相対論と明らかに区別可能な現象を予言するという意味で興味深い。さらに本研究課題で培った経験を使って、重力理論の拡張という大きな課題の下、現在投稿中および投稿準備中の論文として以下の研究を行っている。1つ目は一般相対論の正準形式と正準変換に注目したものである。我々は正準変換の自由度を使って全く新たな重力場と物質場の結合方法を提案した。これにより例えば一般相対論で問題となる宇宙初期特異点が回避可能であることを示した。一方で投稿準備中の内容は幾何学の拡張に基づいた一般相対論の拡張である。我々は独立量の特殊な関係を要請せず重力法則によって時空の幾何構造を決定する計量アフィン形式を用いて、インフレーション理論への応用やこれまで議論されてきたスカラーテンソル理論への新たな示唆を与えることに成功した。