著者
小林 俊樹 平澤 良征 宇田川 友克 歌橋 弘哉 飯田 誠
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.49-51, 2008 (Released:2009-08-06)
参考文献数
11

今回我々は喉頭浮腫を合併したムンプス感染症の1症例を経験したので報告する。症例は23歳女性で, 発熱, 頸部腫脹, 呼吸困難を主訴に近医耳鼻咽喉科を受診し, 喉頭浮腫を指摘され, 当科紹介受診となった。初診時, 触診にて両側耳下腺, 顎下腺の腫脹を認めた。また喉頭ファイバースコープにて喉頭浮腫による上気道狭窄を認めたため, 即日入院とし, ステロイド点滴およびエピネフリン吸入を施行した。入院後, 喉頭浮腫の改善がみられたため, 気管切開は施行しなかった。血液検査でムンプス抗体価の上昇を認めムンプス感染症と診断した。耳下腺, 顎下腺の腫脹が軽減し, 全身状態も改善したため退院となった。ムンプス感染症に喉頭浮腫を合併する例は多くはないが, ムンプス感染症で顎下腺腫脹を認めた場合は, 喉頭ファイバースコープにて上気道の状態を評価することは極めて重要であると考えた。
著者
荒川 忠一 有賀 清一 飯田 誠
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集
巻号頁・発行日
no.1, pp.13-19, 2001-12-25

風車の普及に伴い,景観との適合を含めた新しいデザインの機運が高まってきている。ドイツにおいてはハノーバーのEXPOと時を同じくして3台のアート風車が出現した。コペンハーゲン近<の海上には,美しい弓形に配置された20台の洋上風車が完成した。このように風車を単なるエネルギー機械として捕らえるのではなく,人々のメッセージを伝えるインスタレーションの役割を担わせることが可能となりつつある。本研究は,ヨーロッパ諸国の新しい風車のデザインやその背景を紹介しながら,「ヴァナキュラー風車」の提案を行うものである。つまり,エネルギー経済性の観点から大量に風車が設置される可能性があり,高さ100m近い大型風車が50年後には1都道府県あたり2,000台とも予想される。このような状況において,景観に適合することはもちろん,地域の文化や情報を発信することのできるデザインが必要となる。本来の風車の性能を維持しつつ,豊かなデザイン性を発揮するためには,風車タワーの形状,カラーリング,そして風車の配置などに工夫を凝らすことができる。東北地方および東京を具体的な対象地域として,ヴァナキュラー性を有した風車デザインの具体例を紹介する。
著者
小黒 亮史 茂木 雅臣 松下 豊 豊川 怜子 渡邊 統星 飯田 誠 山本 裕 小島 博己
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.221-227, 2020-10-15 (Released:2021-10-15)
参考文献数
34

Gradenigo 症候群とは中耳炎, 三叉神経痛, 外転神経麻痺を3主徴とする疾患概念である。 症例は10歳の女児。 側頭部痛と耳後部痛で発症するも近医耳鼻咽喉科・小児科診察で異常所見はなく, 鎮痛薬のみで経過観察したところ約1ヵ月後に外転神経麻痺を来した。 当院受診時に中耳炎所見を認め, 本症と診断した。 抗菌薬およびステロイド投与による保存的加療が奏功し, 症状・所見の改善を得た。 画像検査や治療経過より, 原発性錐体尖炎や中耳炎による続発性錐体尖炎が原因と推測された。 退院後6ヵ月時点で再燃を認めず経過良好である。
著者
加籐 太一 杉浦 淳吉 飯田 誠 荒川 忠一
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.56-66, 2008 (Released:2021-07-01)
被引用文献数
1

ゲームをコミュニケーション環境と捉えるゲーミングシミュレーションの視点から、プレーヤー間の会話分析手法について検討した。第 1に、プレーヤーの経験を記述する点で重要性が高い「ゲーム展開」発話群が抽出された。第 2には、それらの特徴を示すことを目的として (1)意思決定主体の所在、 および(2)時間性の 2要因からなる、より詳細な分類方法について検討した。その結果、前者における 「他者意思」群、後者における「未来」群に分類される発話の増減を時系列で検討することで、ゲームの特徴を記述しうることを明らかにした。ゲーミング評価研究においては萌芽段階にある会話分析の今後の可能性について展望した。
著者
蓑毛 雄吾 筧 康明 飯田 誠 苗村 健
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.21-29, 2005-03-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
16
被引用文献数
2

This paper proposes a real-time system transforming your shadow on a floor into a colorful visual media. This system is based on the effect of complementary color and multi-projection techniques. A user occluding the projector light may create an undesirable shadow in front-projector-based systems. We overcome and turn this problem into our advantage with an elaborately designed optics including multi-projection techniques (geometrical and photometrical alignments), so that our system makes it possible to display colorful textures, colorful pictures, sharp characters, and even a movie in your shadow.
著者
飯田 誠二
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.239-244, 2018

<p>デジタルカメラ "PowerShot G1 X Mark Ⅲ" は,キヤノンのコンパクトカメラフラッグシップモデル「PowerShot G1 X」シリーズの最新機種であり,有効画素数約2420万画素APS-CサイズCMOSセンサーや映像エンジンDIGIC 7等のキーデバイス,新開発の明るい3倍ズームレンズなどを搭載しながら,日常的に持ち運びが可能なサイズに収めたコンパクトカメラである.本稿では本機種の特徴的な機能について説明する.</p>
著者
西尾 宣俊 稲葉 真一 吉田 雄太 佐藤 暁拓 田向 剛 高木 哲郎 飯田 誠
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.862, pp.18-00042, 2018 (Released:2018-06-25)
参考文献数
15

In case of analyzing the wind turbine design conditions and power productions accurately, the wind data at hub height is generally ideated for simulation. Recently, due to the increase in the size of the wind turbine, it is difficult to measure wind data of hub height by the cylindrical observation tower. Therefore, lattice tower mast is adopted and there are cases where high altitude measurement is performed instead of cylindrical tower mast. However, even in case of measuring wind data using lattice tower mast, there are some uncertainty of flow distortions by tower shadowing. This paper shows a study on wind speed correction method of lattice tower mast using CFD simulations (Fluent). As a result of performing the wind speed correction using the inflow wind speed ratio by CFD calculation, the uncertainty of corrected wind speed fell by less than 1 % which is recommended by IEC 61400-12-1.
著者
飯田 誠之
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.18-21, 2003-05-20 (Released:2009-04-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

Internship education in Nagaoka University of Technology which was planned at the time of foundation of the university and started with the first students has been continued for 24 years. In our closely linked education system of undergraduate and postgraduate master programs, the internship is assigned a key role of connecting these course programs. Our internship is not a simple training, but requires each student to attain some achievement at the training institute, related with a relatively long training period of 4-5 months. The effect and usefulness of our system are verified by the result of questionnaires performed several years after the internship for the trainees who are now actively working in their job sites, as well as that done just after.
著者
荒川 忠一 佐倉 統 松宮 ひかる 尾登 誠一 飯田 誠 山本 誠 松宮 輝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

日本においても風車普及の方向性が明確になってきた。本研究においては、将来の大規模な風車導入に備えて、景観に適合しその地域のメッセージを発信できるヴァナキュラー性に根ざしたデザインを提言してきた。さらに、本研究の方向性を生かして、東京都臨海風力発電所が「東京らしさ」をメッセージにして2003年3月に運開することになった。はじめに、洋上風車などの新しい環境条件を導入し、エネルギー経済シミュレーションを行った。京都議定書の遵守などの条件を加えると、50年後にはエネルギーの8%を風車がまかなうことが要請されること、そのとき、日本においては1MWの風車が10万台導入する必要性があることを示した。高さが80mにもおよぶ大型風車を大量に導入するためには、景観適合のみならず、地域の文化や情報を発信できるデザインの必要性を訴えるとともに、いくつかの地域でデザインの試作を行った。海岸地域、田園地域、そして東京を対象とした。海岸地域では防風林の松のイメージ、あるいは小型風車にマッチングしたデザインなどを創作した。風況調査により、東京湾中央防波堤埋立地に風車に適した風があることを見出し、その成果を受けて大学院生の都知事への提言から、短期間で風車建設の事業が行われた。本研究において、「東京らしさ」をテーマにした様々なデザインや付帯設備を提案し、日本科学未来館のキュレータらとの社会学的な検討を加えた。最終的には、デザイナーの石井幹子氏を指名して緑と白の2色による世界初のライトアップを実現し、またインターネットで回転状況を配信する仕掛けを構築した。本研究の一環によるこのような実践は、新聞各紙の熱心な報道をはじめとして、社会的に評価を得ていること、また風車の今後の導入加速の方法となりえることを示した。本研究のさらなる発展として、日本らしい風車つまり海洋国日本の特徴を最大限に生かした超大型洋上風車の早期実現を提案していく。
著者
飯田 誠 荒川 忠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.266, pp.17-20, 2003-08-19
被引用文献数
1

東京湾で本格的な風力発電事業がはじまった.東京は風が弱く,風力発電は今まで難しいとされてきた.しかし,詳細な風況解析を行うことで東京湾内に商業ベースの風力エネルギーが存在することが明らかになった.本稿では,東京湾の風特性と現在稼動中の東京湾臨海風力発電所の概要,建設経緯に関して述べるとともに,東京湾で風力発電を行うことの意義,影響について述べる.