著者
小林 恭輔 高久 雅生
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.287-293, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
11

本研究は効果的なブラウジング探索を通した楽曲の発見を促すことを目的としている. その手法として,楽曲間の関連関係を表現する類似楽曲の提示方法を提案する. これを実現するにあたり, Spotify のAPI が提供する楽曲データの一部を利用してユークリッド距離による類似度計算を行った. 探索の始点となる楽曲と上位の類似楽曲を取り出し, グラフレイアウトの力学モデルによるネットワークの可視化を行った.
著者
池谷 瑠絵 大波 純⼀ 金沢 輝⼀ 高久 雅生 山地 ⼀禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.218-228, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
38

論文や引用等の独自DBを持ち,研究評価指標等の情報を提供するサービスにWeb of Science (WoS)やScopusがある.これらの基盤にオープンアクセスの研究成果物を集約する学術情報基盤を加えた海外主要4基盤のダッシュボードを比較分析した.提供される指標を分類して各基盤の特徴を可視化した結果,商用系は研究IR,学術系はオープンサイエンスに関わる指標に特徴があり,新たな指標を採用する例も観察された.
著者
吉川 次郎 高久 雅生 芳鐘 冬樹
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.370-389, 2020-09-30 (Released:2020-11-06)
参考文献数
50
被引用文献数
1 3

Wikipedia 上での学術文献の参照記述の追加という事象を明らかにするための前提となる方法論として,参照記述の初出時点を特定するための手法を提案し,評価実験を行った.提案手法は,まず,参照記述の参照先を判定し,ページ情報,文献タイトル,識別子を取得する.次に,対象のページの全編集履歴およびページ本文に対して識別子または文献タイトルを用いた手法を適用し,複数の初出時点候補を取得する.最後に,候補から編集日時が最古のものを選択する.英語版のDOI リンクの初出時点データセットを基に評価実験を行った結果,精度は全体で93.3%,22 分野中20 分野で90%以上であり,研究分野を問わず概ね高い精度で参照記述の初出時点を特定できる手法であることが明らかになった.
著者
蔵川 圭 武田 英明 高久 雅生 相澤 彰子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第25回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.140, 2009 (Released:2009-12-15)

科学研究費補助金における研究者番号を持つ研究者を対象とし,Web上の研究者リソースをリンキングするサービスとして研究者リゾルバーαを構築して公開している.リンキングのためには,同姓同名や異体字などの様々な問題を克服して研究者同定をしなければならない.ここでは,科研費の研究者と代表的な34大学の研究者総覧データベースに登録された研究者の漢字氏名を対象に同姓同名分析を行った.その上でシステム内部の同定手法を定め実装し,同定精度をサンプル調査した.本報告では,これらの結果について示す.
著者
佐藤 いつみ 高久 雅生
雑誌
じんもんこん2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.245-252, 2019-12-07

無形民俗文化財は,人々の生活の推移を示すものであり,その情報も含めて後世に残していく必要がある.本研究では,無形民俗文化財情報の構造化する手法を提案し,その適用を図ることを通じて,その統一的な管理とアクセス性向上を目指す.構造化を行うにあたり,CIDOC CRMに基づき,無形民俗文化財情報のLinked Data化を行った.データモデルでは,中心となる無形民俗文化財のエンティティに対し,イベント情報に関する3種類のエンティティ,「開催イベント」「発祥記述イベント」「登録イベント」を関連づけた.また,無形民俗文化財のカテゴリーの階層関係をSKOSで表現した.作成したデータモデルには,インスタンスとして無形民俗文化財の一つである「秋田の竿燈」を当てはめ,作成したデータセットについて議論する.
著者
吉川 次郎 高久 雅生 芳鐘 冬樹
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.2020_033, (Released:2020-07-10)
参考文献数
50
被引用文献数
3

Wikipedia 上での学術文献の参照記述の追加という事象を明らかにするための前提となる方法論として,参照記述の初出時点を特定するための手法を提案し,評価実験を行った.提案手法は,まず,参照記述の参照先を判定し,ページ情報,文献タイトル,識別子を取得する.次に,対象のページの全編集履歴およびページ本文に対して識別子または文献タイトルを用いた手法を適用し,複数の初出時点候補を取得する.最後に,候補から編集日時が最古のものを選択する.英語版のDOI リンクの初出時点データセットを基に評価実験を行った結果,精度は全体で93.3%,22 分野中20 分野で90%以上であり,研究分野を問わず概ね高い精度で参照記述の初出時点を特定できる手法であることが明らかになった.
著者
高久 雅生 小幡 将司 江草 由佳
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.111-120, 2018-05-26 (Released:2018-06-08)
参考文献数
36

図書館資料を対象とした文献検索における適合度順による検索結果ランキングを改善する手法として,OPAC 利用ログを用いた,A)書誌情報の閲覧回数の重み付けによるリランキング手法,B)同一セッション内で使われたクエリキーワードを加味する検索手法の2 つの手法を提案した.筑波大学附属図書館OPAC における約46 ヶ月間にわたるOPAC 利用ログを用いて,提案手法を適用して評価した.評価にあたっては,春日ラーニングコモンズにおける質問事例を参考にした評価用クエリセット16 件を作り,それぞれの手法による検索結果を人手により適合判定して評価した.結果,手法A とB はいずれもベースライン(書誌項目を用いたBM25F ランキング手法)に比べて高い評価が得られ,さらに,手法A よりは手法B のほうが高い評価が得られることが分かった.
著者
谷藤 幹子 高久 雅生 大塚 真吾 轟 眞市
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.888-901, 2009
被引用文献数
3 1

研究成果の蓄積と公開は,独立行政法人たる研究所においても重要な任務だが,それを図書館が担うという考え方はつい先ごろまでまったく浸透していなかった。そもそも図書館は,本を買って置く場所という認識である。専門職員が充分にいるわけでもない。しかしさすがに情報社会の波が研究現場にもさまざまな形で押し寄せてくるに至り,組織全体としての情報の流通・発信力に不足感を感じてきたところといえる。物質・材料研究機構(NIMS)では,購読図書の電子化が進んでいることとも合わせ,いっそのことバーチャルな世界でデジタルライブラリーを考えようということになった。未来のライブラリーとは(人も含め)どのようなものか? 研究者が使いたくなる機能とはどのようなものか? そうした問いかけを重ねる中で,単なる蓄積・公開にとどまらず,蓄積された情報が確かな手応えを伴って発信できる仕組み,より能動的なライブラリーシステムを目指してNIMS eSciDocの研究開発に着手したところである。第一期はシステムの「発信する力」に焦点をあて,その具現化にふさわしいソリューションを追求し,改良と試験運用を開始した。本稿はその概要を述べるとともに,他の文書/動画共有サイトとの発信力の比較を行ったNIMS研究者の声も紹介する。<br>
著者
縵沢 奈穂美 高久 雅生
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.161-174, 2017

<p> 本研究の目的は「書籍の種類・読む目的が変わると,着目する項目が変化する」かどうかを明らかにすることである.オンライン調査により,同じタイトルの書籍の電子書籍と紙の書籍を示し,どちらを選択するかを尋ねた.課題ごとに「書籍の種類」,「あとがきの有無」などの提示情報を変化させ,どの情報を重視しているのかを調べた.小説を取り扱った課題では紙の書籍を選択した人数が多く,実用書では電子書籍を選択する人数が多いという結果が得られた.また,読む目的を変更すると,項目の重要度の値が変化していた.特定の書籍の種類や読書の目的を設定した場合,「書籍の種類・読む目的が変わると,着目する項目が変化する」可能性があるのではないかと考えられる.</p>
著者
江草 由佳 高久 雅生 齋藤 ひとみ 寺井 仁 三輪 眞木子 神門 典子
雑誌
研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2009-FI-95, no.20, pp.1-7, 2009-07-21

本研究では,サーチエンジンを用いた Web の情報探索行動を対象に,サーバサイドのクリックスルーログからだけでは捉えることのできない,サーチエンジンから検索結果を取得した後の探索行動を含めた全体の情報探索行動の特徴を明らかにすることを目的とし,課題の志向性や利用者の経験が与える影響について実験的な検討を行った.実験には大学学部生 11 名および大学院生 5 名が参加した.実験参加者には,世界史のレポートを作成するための情報を収集する 「Report 課題」 と,国内旅行の計画を立てるための情報を収集する 「Trip 課題」 の 2 つが与えられ,それぞれ 15 分間ずつ取り組んだ.どれくらいサーチエンジンの検索結果から離れたかを示す指標:LinkDepth を提案し,Link Depth を用いて実験参加者の Web 閲覧の特徴を示した.
著者
叢 艶 高久 雅生
出版者
情報メディア学会
雑誌
第15回情報メディア学会研究大会発表資料
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2016

あらまし:近年、政府、科学などのデータの公開共有するための研究が盛んだが、文化資源について様々な情報をウェブ上に公開共有の試みはさほど多くない。本研究では唐詩を対象として、教科書の関連をLinkd Data化を目指す。そのため、データの構造や公開共有の枠組みを議論し、教科書や出版社などの関連するリソースをLinked Data化、その公開と利活用にチャレンジする。
著者
高久 雅生
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2004

筑波大学博士 (情報学) 学位論文・平成16年9月30日授与 (甲第3561号)
著者
吉川 次郎 高久 雅生 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.160-165, 2015

情報知識学会 第23回 (2015年度) 年次大会 (研究報告会・総会) : 2015年5月23-24日(土・日)東洋大学 白山キャンパス (東京都文京区白山)
著者
宮崎 収兄 大塚 真吾 高久 雅生
出版者
千葉工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

フリーペーパーやテレビなど、身近なメディアからの情報をもとにインターネットへアクセスを行うユーザの行動解析や分析を行った。その結果から、ウェブ空間と実世界を動く人々の行動パターンを明らかにし、ウェブ空間における紙メディアなど実世界の影響力を分析することができた。
著者
高久 雅生
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.162-169, 2014-05-01

Web APIは情報サービスの,とりわけWeb上で提供されるサービスにおいて,縁の下の力持ちとして欠かせない位置を占めつつある。本稿ではWeb APIの提供と利用の両面から類型を示しながら,その歴史的な意義と機能を紹介する。学術情報分野を中心にWeb APIの提供事例とマッシュアップ事例を挙げるとともに,その利用目的やデータ形式,ライセンス,永続性といった点を取り上げて議論し,Web APIがもたらしている役割を解説する。
著者
相澤 彰子 高須 淳宏 深川 大路 高久 雅生 安達 淳
出版者
国立情報学研究所
雑誌
Progress in informatics : PI (ISSN:13498614)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.41-47, 2009-03

本研究では,学術情報に焦点をあて,2 層構造を持つ情報同定システムを提案する.まず,同一の事物や人物を参照する断片化した情報をつなぎあわせる情報同定の考え方について述べ,次に,特に書誌および研究者の同定機能を組み合わせた情報同定システムを提案する.応用例として,共著関係ネットワーク分析結果をあわせて示す.
著者
高久 雅生
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.48-53, 2014-02-01

15年間にわたるオープンソース運動を振り返りながら,図書館サービスとの接点,オープンソースソフトウェアの利用事例を紹介する。図書館サービスにおけるオープンソースソフトウェアの例として,図書館管理システム,機関リポジトリ,次世代OPACといつた分野を取り上げ,国内及び海外の事例を紹介する。近年の図書館サービスの文脈におけるオープンソースソフトウェアの課題として,クラウドコンピューティングの進展やオープンデータ,人材育成などの観点から考察し,今後の課題を述べる。