- 著者
 
          - 
             
             杉浦 美恵子
             
             柴田 興一
             
             斉藤 聡志
             
             西村 芳子
             
             高橋 浩一
             
             佐倉 宏
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本神経学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.59, no.8, pp.530-535, 2019 (Released:2019-08-29)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 30
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             
             1
             
             
          
        
 
        
        
        症例は41歳女性.腰痛の後,突然,起立時の頭痛が出現し,1週後,右耳閉塞感,めまい,1か月後に右手から始まり,同側の腕,側胸腹部,下肢へ広がるしびれが20~30分間出現し,同症状を繰り返すため入院した.頭部MRIで,円蓋部くも膜下出血(convexal subarachnoid hemorrhage; cSAH),脳皮質静脈血栓,硬膜肥厚,硬膜下血腫を認め,脊髄脳槽シンチグラフィーとCTミエログラフィーで髄液漏出像がみられ特発性低髄液圧症候群(spontaneous intracranial hypotension; SIH)と診断し,ブラットパッチを施行し症状は改善した.SIHは,症候が多彩で診断が困難なことがあるが,本例でみられた繰り返す片頭痛様前兆は,合併したcSAH,脳皮質静脈血栓症に関連し発現した重要な徴候と考えられた.