著者
佐藤 俊樹
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.15, pp.58-68, 2002-06-01 (Released:2010-04-21)
参考文献数
24

Contemporary sociology is often said to be built on multiple paradigms, but there is little substance behind this assertion. New theories or methods such as Foucault's concept of power, discourse analysis, and social constructionism, are not destruction, not even reconstruction, but merely reproduction of traditional sociology. Although they reject concepts such as “subject” or “society”, through their rejection they reintroduce equivalent concepts. If we will really wish to go beyond traditional sociology, we must abandon all terms that attempt an overview of society as a whole and discard almost all attempts to explain social phenomenon. Only a small set of basic concepts, like “addressing and addressed” (J. Butler), and a few regulative concepts based on them, like “response” and “action”, can help us.
著者
佐藤俊樹
雑誌
精神医学
巻号頁・発行日
vol.43, pp.17-24, 2001
被引用文献数
3
著者
佐藤 俊樹
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.157-181, 2006-03-28

靖国神社(およびその前身の東京招魂社)は,長く「国家神道」の中心施設だと見なされてきた.しかし実際には,第二次大戦以前でも,その宗教的な性格や政治的な位置づけはかなり変化しており,特に1900年代の前と後では大きくことなる.ほとんどの靖国神社論は政治的立場のいかんを問わず,この点を無視されている.それらが1911年に出た『靖国神社誌』の靖国神社像を踏襲しているからである.本論では,『武江年表続編』や東京ガイドブックといった同時代史科をつかって,1900年代以前の靖国神社(東京招魂社)がどんな宗教的・政治的な意味をおびていたかを,政治家でも宗教家でもない,東京のふつうの生活者の視線から描きだす.それによって,戦前前半期の日本における宗教-政治の独特な様相の一端を明らかにする.
著者
佐藤 俊樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.734-751, 2009-03-31 (Released:2010-04-01)
参考文献数
28
被引用文献数
3

階層帰属の定義は主観と客観の間をゆれ動いてきた.ここでは,そのどちらも前提にせず,SSMデータにもとづいて,階層帰属とはどんな変数なのかを再検討する.2005年調査では,「上/中/下」帰属が質問文の順番に左右されない客観性をもつ.また,本人収入による「上/中/下」帰属の分布の乖離はさらに拡大したが,その一方で,「1-10」帰属は「5」に集中する形にかわっており,分化と斉一性の二重性という特徴が見られる.階層帰属は当事者カテゴリーとしての「上/中/下」を準拠枠として,自らの階層的リアリティを位置づけたものと考えられる.いわば階層的社会の見え姿であり,それ自体が現代の自省的階層社会の一部となっている.それゆえ,階層帰属の分析は,現代社会学や理論社会学の研究にとっても重要な事例になる.
著者
佐藤 俊樹
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

1)意味システム論としてのコミュニケーションシステム論を、特に従来の社会学での制度概念とのつながりと複数の分野への応用しやすさに注目して、理論的に再構築した。2) 1)の成果を都市の生成に適用することで、都市の自己生成の形態を、自己産出的な意味システム論の視点から明らかにした。
著者
佐藤 俊樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.41-54, 1990-06-30 (Released:2009-10-13)
参考文献数
23

「儒教とピューリタニズム」はマックス・ウェーバーの一連の比較社会学の論考のなかでも、最も重要な論考の一つである。だが、そこでの儒教理解、とりわけ儒教倫理を「外的」倫理だとする定式化には問題があり、またウェーバー自身の論理も混乱している。この論文ではまず、儒教のテキストや中国史・中国思想史の論考に基づいて、儒教倫理が実際には「内的」性格を強くもつ『心情倫理』であることを、実証的に明らかにする。なぜ、ウェーバーは儒教の心情倫理性を看過したのだろうか? プロテスタンティズムの倫理と儒教倫理は実は異なる「心の概念」を前提にしている。ウェーバーはその点に気付かずに、プロテスタンティズム固有の心の概念を無意識に自明視したまま儒教倫理を理解しようとした。そのために、儒教を「外的」倫理とする誤解へ導かれたのである。儒教倫理は儒教固有の心の概念を前提にすれば、きわめて整合的に理解可能な、体系的な心情倫理である。それでは、この二つの倫理が前提にしている相異なる「心の概念」とは何か? 論文の後半では、この心の概念なるものの実体が、伝統中国社会と近代西欧社会がそれぞれ固有にもっている人間に関する「一次理論」であることを示した上で、その内容を解明し、その差異に基づいて、二つの倫理とその下での人間類型を再定式化する。そして、それらが二つの社会の社会構造にどのような影響を与えたかを考察する。
著者
佐藤 俊樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.363-372, 2014

盛山和夫『社会学の方法的立場』ではM・ウェーバーやN・ルーマンらの方法論が批判的に再検討されているが,我々の考えでは,これらは彼らへの批判というより,その理論と方法の再記述にあたる.例えばウェーバーの方法は,近年の英語圏や独語圏での研究が示すように,主にJ・フォン・クリースの統計学的で分析哲学的な思考にもとづくもので,経験的な探究では『理念型』や『法則論的知識』は因果分析での反事実的条件としても使われている.彼の『価値-解釈』はベイズ統計学での事前分布と機能的に等価であり,有名な『価値自由』論が意味しているのは,内部観察である社会科学にとって不可避な,観察の理論負荷性である.
著者
竹山 峻平 佐藤 俊樹 野嶋 琢也
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.1, pp.1-6, 2010-08-16
被引用文献数
1

人はその口唇形状を,発話や食事,感情表現などのために自らの意志に基づいて変化させることが可能である.近年,この口唇形状を利用した読唇システムなどが研究されている.しかしながら,多くの研究は 「発話」 という機能に重点を置いており,その他の口の持つ機能に注目しているものは少ない.そこで本研究では口唇形状認識インタフェースの異なる可能性を検討するため,口唇の形状・動きをインタフェースとしたエンタテインメントシステムを提案する.People often change their shape of lips especially when they speak. Then, many researchers focus on recognizing the shape of the lips for "lip reading". However, the shape of lips are also changed when people eat, and when they express their emotion. Furthermore, lips are the part of human body that have high degree of freedom of motion. Then, in this research, we propose to use the shape of lips as human machine interface. In this report, we describe on the entertainment system that utilize shape of lips.
著者
佐藤 俊樹 高野 祐一 宮代 隆平
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.57-58, 2016-03-10

本研究では,逐次ロジットモデルの変数選択問題を考える.変数選択とは,候補となる説明変数の集合から,有用な部分集合を選択することである.この問題に対してTanaka and Nakagawa (2014) は,ロジスティック損失関数を二次近似し混合整数二次最適化問題として定式化して解く方法を提案した.しかし,この手法は近似の誤差が大きく,良い変数集合を選ぶことは難しい.そこで本研究では情報量規準に基づく変数選択問題に対して,ロジスティック損失関数を区分線形近似し混合整数線形最適化問題として定式化する手法を提案する.また,二次近似を用いた変数選択手法と性能を比較する数値実験を実施し,提案手法の有効性を検証する.
著者
佐藤 俊樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

本研究の目的は三つある。(1)現在につながる社会学の形成において数理・計量的な手法が果たした役割を明らかにすることで、ウェーバーやデュルケムの方法論の概念群を再定義し、その論理構造を解明する。(2)(1)をふまえ、ベイズ統計学の枠組みをもちいて、ウェーバーの理解社会学とルーマンの意味システム論の論理を再構成することで、量的アプローチと質的アプローチの両方に有効につかえる理論的フォーマットを整備する。(3)(1)(2)をふまえ、特に比較分析における因果分析の手法を体系化し、比較社会学や比較政治学の最新の成果や、統計的因果推測などの新たな手法を社会学にも取りこめるようにする。具体的な課題としては、(a)ベイズ統計学の枠組みを使うことで、ウェーバーの理解社会学とルーマンの意味システム論という、意味的な事象をあつかう社会学の二大手法を、同じ平面で定式化できるようにする(⇒目的(1)(2))。さらに、それによって、(b)二つの手法がどうちがうのかも明確にできるとともに、ベイズ統計学の枠組みにはおさまりきらない部分、いわば意味をあつかう社会学の視座のどこに独自性があるのかも明らかにする(⇒目的(2))。また、(c)量的アプローチの代表とされる統計学的な枠組みが質的アプローチにもうまく適用できることが明確になれば、質的アプローチと量的アプローチをいたずらに対立させることなく、比較を通じた因果分析手法として体系化する(⇒目的(3))。それによって、同じ比較社会学でありながら共変法という独自の因果判定手続きを導入したデュルケムの社会学の特徴も描き出せる(⇒目的(1))。さらに、(a)~(c)によってベイズ統計学の基礎的な理解を深めることで、(d)計量分析への本格的な応用の準備も進める。
著者
佐藤 俊樹
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3/4, pp.157-181, 2006-03-28

靖国神社(およびその前身の東京招魂社)は,長く「国家神道」の中心施設だと見なされてきた.しかし実際には,第二次大戦以前でも,その宗教的な性格や政治的な位置づけはかなり変化しており,特に1900年代の前と後では大きくことなる.ほとんどの靖国神社論は政治的立場のいかんを問わず,この点を無視されている.それらが1911年に出た『靖国神社誌』の靖国神社像を踏襲しているからである.本論では,『武江年表続編』や東京ガイドブックといった同時代史科をつかって,1900年代以前の靖国神社(東京招魂社)がどんな宗教的・政治的な意味をおびていたかを,政治家でも宗教家でもない,東京のふつうの生活者の視線から描きだす.それによって,戦前前半期の日本における宗教-政治の独特な様相の一端を明らかにする.
著者
佐藤 俊樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.151-170, 1988

理解社会学という方法は,社会学の最も古典的な方法の一つで,かつ,現在でも多くの社会学者が意識的または無意識的に用いている方法である。にもかかわらず,この方法はこれまで,理解をめぐる哲学的議論や学説史的な視点からのみ問題にされ,具体的な社会記述の方法として反省的に定式化され理論的に検討されることは,ほとんどなかった。本論考ではまず,理解社会学の方法を,Weber固有のジャーゴンを離れ,行為論の一般的な術語を用いて,公理系として捉える。そして,この公理系の検討を通して,通常全く自然な作業と思われている「理解社会学的に理解している」ということが実際にはどういうことなのか,その射程と限界について明らかにする。